ペットボトルの素材を製造するラインで機械のメンテナンスと品質管理を担当
缶とペットボトルの製造を行う東洋製罐広島工場。その製造課に所属する倉増は、2022年現在、入社3年目を迎えました。ペットボトルの1次成形品となる“プリフォーム”の製造ラインである「INP工程」において、オペレーションを担当しています。
倉増 「私は、ペットボトルのプリフォームを成形するINP工程の製造ラインにいます。プリフォームとは、ペットボトルを形作る前の素材のこと。樹脂を加熱・溶融して金型で試験管状に成形していきます。機械や金型の清掃、製品の品質チェックをするのが、私の主な仕事です」
製造ラインは24時間稼働しています。三組二交替制で勤務する為、夜勤シフトも組まれています。
入社当初は、日勤と夜勤を繰り返す勤務サイクルになかなか慣れなかったという倉増。
倉増 「体が夜勤に慣れるまでは、仕事中に睡魔に襲われて集中できなくなるのが悩みでした。そんなとき、先輩が夜勤のコツを教えてくれて。夜勤前夜は外に出て体を動かしたりしながら、一睡もせずに朝を迎えて就寝。起きたらそのまま夜勤に出勤するんです。実践してみたら、少しずつ楽になって、今はすっかりこの勤務サイクルに慣れることができました」
チームに所属するのは、40代の責任者と、50代や20代の先輩や後輩たち。幅広い年齢層のメンバーが一丸となって目標達成に取り組んでいます。
倉増 「ラインごとに生産能率を上げるための数値目標が設定されており、チームとして対策を考えます。たとえば、プリフォームを製造してから搬送するまでの工程をビデオ撮影し、客観的に工程上での課題を洗い出して話し合い、改善を重ねています」
製造ラインをスムーズに稼働させるべく、仕事中はそれぞれが緊張感を持ってミッションを遂行していますが、メンバー同士は気さくに話せる関係だといいます。
倉増 「仕事中は集中していますが、ときにはリラックスして会話するような、メリハリのある空気があるんです。先輩たちとは気さくにプライベートの話もできるなど、良好な関係を築けています」
工業高校から、ものづくりの現場へ──実践的な技術研修を経て、自身の成長を実感
もともとものづくりが好きだった倉増は、地元・山口県の工業高校へ進学。機械の知識や技術を身につけ、卒業後の進路はメーカーへの就職を志望していました。
倉増 「卒業後は、ものづくりがしたいという想いがありました。東洋製罐の広島工場には、ペットボトルなど身近な製品を生み出すメーカーとして、高校在学中から興味を持っていたんです。入社の決め手になったのは、高校の先輩がたくさん就職していたこと。会社にいる高校の先輩たちは入社後初めて会った人ばかりですが、地元の話で盛り上がれることが、とても励みになりました」
いざ実務がはじまってみると、実際の現場の状況にはかなりの緊張があったといいます。
倉増 「機械の名称や膨大な数のスイッチ、さらに仕組みや構造も理解した上で、操作の必要性や意味を一つひとつ考える必要があります。想像以上に覚えることが多くて、最初は戸惑いました」
そんな倉増の助けになったのが、社内の技術研修でした。
倉増 「新入社員研修を経て配属された後も、1〜3年目までは定期的に研修があります。設備の取り扱いや工具の使い方などの基礎的な研修もありますが、とくに、少人数でじっくり行う技術研修が力になりました。装置の回路からの組み上げなどを行う実践的なもので、研修を経て、技術と知識がしっかり身についた気がします」
ひと通り仕事を覚え、研修も重ねてきた倉増。「自分で自分の成長を実感できるようになった」と笑顔を見せます。
倉増 「仕事が全体的に理解できるようになり、今後の具体的な目標も見えてきました。これからも自分の課題を直しながら、研修で教わったことを応用できるようにしていきたいです。いま、機械に関わる仕事ができて、高校時代に『やりたい』と思っていたことがまさに実現しています。とても充実しています!」
ミスを転機にイチから学び直すことに。今ではオペレーションを任されることも
日々成長を続ける倉増ですが、ちょうど一年前、転機となる大きな出来事がありました。
倉増 「昨年、私のミスが原因で機械が壊れてしまったことがありました。成形機を再稼働させるためには劣化した樹脂をパージする必要があるのですが、一部取り忘れ、プリフォームを成形してしまったんです。その結果、金型は破損して一部交換になり、交換作業をするためにラインの再稼働が遅れて生産能率も落ちてしまいました」
工場に損失を出してしまった倉増。このとき、先輩たちと一緒にミスと向き合い、原因について徹底的に話し合ったといいます。
倉増 「先輩たちと話し合いをする中で、私が成形機の操作や根本的な仕組みの理解が足りなかったことに気づきました。同じようなミスは絶対にしたくないと思い、基礎知識から一つひとつ学び直すことにしたんです。これを機に意識が変わり、ミスは減りましたし、トラブルが発生したときも、以前より広い視野で対応できるようになったと思います」
そんな前向きな倉増を周囲も後押しし、いまでは製造のオペレーションを任される機会が増えたと話します。
倉増 「いろいろなことを任されるようになってからは、自分もチームの戦力になれているのかもと、少しずつ実感が持てるようになりました。まだわかっていないことも多いですが、先輩に聞く前にまずは自分で考えてみるように心がけています。まだまだ成長していきたいですね」
ミスから多くを学んだ倉増。高いモチベーションを維持しながら、技術を次々と自分のものとして吸収しています。
人間関係に恵まれてオンオフともに充実──目指すのは、周囲から必要とされる人材
倉増がミスをしたとき、一緒になって向き合ってくれたのは、工場の先輩たちでした。また、夜勤に体がついていかず苦労した新人時代、乗り切るコツを教えてくれたのも先輩でした。そんな頼もしい先輩たちに恵まれ、プライベートも充実していると話します。
倉増 「会社の独身寮に住んでいるのですが、ある先輩の部屋によく4〜5人で集まって休暇を過ごしています。休日に先輩とごはんを食べに行ったり、広島市内に遊びに行ったりもしていて、とにかく居心地がいいですね。目標にしている先輩もたくさんいます」
オンオフともに充実した日々を過ごす倉増。製造工として、明確な目標があるといいます。
倉増 「機械のことや、プリフォーム製造について、もっと知識を蓄えたいと思っています。いずれは誰よりも詳しくなって、周囲の人から必要とされる人材になっていきたいですね」
自身の成長に貪欲な倉増の視線は、製造業の未来にも向かっています。
倉増 「ペットボトルの製法は進化しています。たとえば、以前からリサイクル材はありますが、新しい製法も開発されているんです。私が入社してからの3年間でもどんどん進化していて、興味が尽きません」
仕事のおもしろさを見つけた倉増は、ものづくりの世界をまだ歩みはじめたばかり。製造技術とともに、これからも日進月歩で進化していきます。
