現場でプレイヤーとして働きながら、同時にチームのマネジメントを担う「プレイングマネージャー」。この役割は、キャリアアップの大きなチャンスを提供する一方で、日々の業務とマネジメントを両立する難しさも伴います。
本記事では、プレイングマネージャーの役割や魅力、そして実際にこのポジションで活躍する方々の経験談をご紹介し、成功へのヒントをお届けします。
プレイングマネージャーとは?
プレイングマネージャーは、現場での業務をこなしつつ、マネジメント業務も担当する役職です。このポジションでは、プレイヤーとして成果を上げつつ、チーム全体のパフォーマンス向上を図るため、さまざまなスキルが求められます。
とくに、少人数で業務を遂行するベンチャー企業やスタートアップ企業に加え、大企業の中でも小規模な組織や立ち上がり途中の部署でプレイングマネージャーが活躍しています。
▼プレイングマネージャーの主な業務
1.現場業務
・プレイヤーとしての業務
2.マネジメント業務
・組織の業務改善や戦略立案
・目標設定と進捗管理
・チームメンバーの育成と指導
・メンバー間の調整やモチベーション管理
▼プレイングマネージャーに求められるスキル
・タスク・スケジュール管理能力
限られた時間の中で、自身の業務とマネジメントを両立させるためには、効率的なタスク管理とスケジュール調整能力が不可欠です。
・コミュニケーション能力
メンバーの育成やチーム全体の運営において、コミュニケーション力が求められます。
・リーダーシップ
リーダーシップとひと言で言っても、チームをまとめる力、推進力、成果を最大化するための指導力やサポート力などさまざまな形があります。チームやメンバー、自身にあった「リーダーシップ力」を発揮する必要があります。
・問題解決力
組織の視点から発生する問題を解決し、対処する能力が重要です。個々の業務の問題だけでなく、チームや組織全体に対する視座が求められます。
プレイングマネージャーの魅力と課題
プレイングマネージャーというポジションは、やりがいがある一方でプレイヤーとしての業務とマネジメントのバランスを取る難しさもあります。この章ではその魅力と課題について詳しく見ていきます。
▼プレイングマネージャーの魅力
・現場感覚を維持できる
現場業務に携わることで、常に市場や顧客の最新情報を把握しながらチームを運営できます。
・キャリアの幅が広がる
現場とマネジメントの両方を経験することで、次のキャリアステップに大きな強みを持てるようになります。
・若手でも挑戦しやすい
成長意欲が高ければ、比較的早い段階でこの役職に就くことが可能です。とくにベンチャー、スタートアップ企業ではチャンスが多いでしょう。
▼プレイングマネージャーの課題
・業務負担が大きい
現場業務とマネジメントを両立するため、どうしても業務量が増えてしまいます。
・優先順位の調整が難しい
チーム全体の目標と自身の業務成果の両方をバランス良く達成する必要があります。
・メンバーとの関係性
プレイヤーでありながらリーダーでもあるため、メンバーとの距離感やマネジメントスタイルに悩む方も多いかもしれません。
プレイングマネージャーとして活躍する方々の経験談
プレイングマネージャーとして活躍している方々の経験談を紹介します。各社で直面した課題や工夫したマネジメント方法、そしてどのようにして成功を収めたのかを知ることで、自分自身のキャリアに活かすヒントが得られるでしょう。
※ 掲載内容は記事公開当時の内容です
▶︎DXCテクノロジー・ジャパン
事業内容:ITサービス業(保険業界向けBPaaSとBPO、アナリティクス&エンジニアリング、アプリケーション、セキュリティ、クラウド、ITアウトソーシング、モダンワークプレイス)
仕事内容:お客様のITインフラを支えるクラウド・プラットフォーム・サービス第二部で部長とアカウントデリバリーリードを兼務
現在、私はマネージャーとアカウントデリバリーリード(以下、ADL)を兼任し、各メンバーの支援のほか、各アカウントや新規案件提案のサポート、新卒者や中途採用者の採用計画の立案、面接、内定者フォローなども行っています。スポーツチームで言えば監督のポジションですが、マネジメントだけでなく、お客様との折衝やメンバーへのアドバイスなど、積極的に現場に出るよう心がけています。
一方、マネージャーとして、またADLとして、メンバーの様子をよく観察することを意識しています。欠点ほど目につきやすいものですが、誰にでも強みや優れた点があるものです。本人がそれに気づき、伸ばすことで自信が高まり、それまでできなかったことができるようになる場面をこれまで何度も目にしてきました。弱みを克服することももちろん大切ですが、長所や美点を積極的に評価することが、組織力向上の近道だと考えています。
→ストーリー:失敗してもいい。だから挑める。めざす先は組織力の最大化~マネージャー紹介v.10~
▶︎MANGO株式会社
事業内容:運用型デジタル広告オペレーション事業
仕事内容:デジタル広告の運用を行うコンサルティング部のゼネラルマネージャーを務める
青木さんは、2016年にMANGOへ入社します。当初よりデジタル広告の運用を行いながら、チームリーダーを務めていました。プレイヤーとして培ってきた経験を活かしながら、リーダーとしてもチームをけん引していた青木さんは、2020年に組織が大きくなるタイミングでマネージャーに抜擢されます。
青木さん 「生涯プレイヤーでいたいと思っていたので、悩んで、上司とたくさん会話を重ねた結果、最後には『やります』と伝えました。MANGOの文化に触れる中で、『自分と家族』だけでなく『もっと多くのまわりのみんな』も幸せにしたい、という想いがふんわりと生まれたんだと思います。広告運用が好きでプレイヤーでいたいなら、プレイングマネージャーになればいい、とも思いました。今でも運用していますしね」
→ストーリー:「根っこが揃っていれば、葉は自由にのびていい」現場目線でメンバーと向き合い成長する最幸のチーム
▶︎NRIセキュアテクノロジーズ株式会社
事業内容:コンサルティング事業、DXセキュリティ事業、マネージドセキュリティサービス事業、ソフトウェア事業
仕事内容:コンサルティングからソリューション導入支援まで行うサービスインテグレーショングループでグループマネージャーを務める
新井さんはプレイングマネージャーとして、コンサルティングの実務だけでなく、案件管理や売上管理のほか、メンバーの目標設定や評価なども担っています。
新井さん 「日々の仕事の中で大切にしているのは、“Mutual Respect”を合言葉に、“楽しく全力でやる”こと。Mutual Respectとは、お互いに尊敬し合って仕事をしていくという意味で、お客様はもちろん、グループのメンバーやほかの部署の社員など、『仕事に関わるすべての人を大事にしたい』という想いを込めています。
たとえば、グループのメンバーとは定期的に1on1の時間を設け、仕事にとどまらずさまざまなことを一対一で話します。困っていることがあれば、なんでも一緒に考えていくことで、信頼関係を築くように努めています」
→ストーリー:企業や国を守るセキュリティコンサルタントという仕事──経験を活かして後進を育てるプレイングマネージャー
▶︎株式会社オーリーズ
事業内容:運用型広告の戦略立案、体制構築、運用支援及びそれに付随するマーケティングテクノロジーツールの運用支援
仕事内容:メンバーのサポートや新規クライアントに向けた提案活動に注力
──現在はマネージャーとしての役割が大きなところだと思いますが、もともとマネジメントへの関心は高かったのでしょうか?
川島さん 「正直に言うと、マネジメントへの関心はあまり高くはありませんでした。長い間、自分の経験や知見を深めることにベクトルを置いていたこともあり『プレイヤーの方が合っているだろう』と思っていたんです。私が入社した当時のオーリーズは社員数も少なく、マネジメントは社長の鈴木 多聞をはじめとする経営陣が担っていました。
しかし、組織が大きくなってくると『マネージャー』という新たなポストが必要になります。社歴を含め、組織における自身の立ち位置などを客観的に見たときに『自分がやるのが合理的だな』と、ある種の使命感を覚えたんです。決してスタートから『マネジメントがやりたい』という確固たる意思があったわけではないのですが、やり続けるうちにやりがいが大きくなっていきましたね」
→ストーリー:オーリーズ“らしく”成長し続ける。マネージャーとして挑む組織作り
▶︎オムロン エキスパートエンジニアリング株式会社
事業内容:オムロングループ向け人事関連業務、オムロングループ向け総務関連業務、オムロングループ向け経理関連業務
仕事内容:検査装置を操作するアプリケーション開発を担当
Bさん 「私が担当している業務は幅広く、開発でいうと要件定義や設計、評価、お客様用のマニュアルの作成などもしますし、実際にお客様の現場で装置の立ち上げのお手伝いもするので、ほぼ全行程に関わっています。立場的にはプレイングマネージャーのようなポジションとしてメンバーのとりまとめも行っているため、顧客からメンバーまで多岐にわたる人とのやり取りがあります。
そのため技術だけでなく調整スキルも非常に大事。とくに、どの工程においても大事なのはコミュニケーションです。たとえばメンバーと話をする時は作業指示をするだけでなく、関係者とどんな議論があったかなど、その背景・開発の目的をきちんと伝えて理解してもらい、協力して進めることが大事だと思っています」
→ストーリー:ソフトウェアエンジニアとして約20年。顧客からのフィードバックが直接もらえるモノづくりにやりがい
▶︎オリンパス株式会社
事業内容:内視鏡事業、治療機器事業 など
仕事内容:マーケティング担当として次世代の内視鏡システムのグローバル導入を担当
加藤さん 「2019年からはSVに昇進し、プレイングマネージャーとして4名のメンバーのマネジメントも行ってきました。メンバーに対してどう働きかけるべきかいまも悩んでいますが、各メンバーの個人的な事情や困り事にも耳を傾けるなど、積極的にコミュニケーションを取ることを意識しています」
→ストーリー:製品の魅力を世界に伝え医療に貢献──仕事と育児の両面で自分らしい生き方を
▶︎株式会社トランザクション・メディア・ネットワークス
事業内容:電子決済サービスの開発及び提供、情報プロセシングサービスの開発及び提供
仕事内容:POSサービスやハウス電子マネーサービスの企画や営業に携わる
入社8年目になる鎌田さんは、今後は人材育成に力を入れていきたいと話します。そして、自身のモチベーションである、生活の質向上を実感できるサービスの提供をめざしています。
鎌田さん 「現状ではプレイングマネージャーではあるのですが、私自身が働くことで依存が生まれないように、全体的な底上げが必要だと感じています。極端な例をあげると、私がいなくても機能する体制づくりをめざしており、そのための取り組みを意識しながら行っています。
私個人としては、新サービスの導入を拡大させることが当面の目標ですが、生活をする上で『本当に便利になったよね』とみんなが実感できるサービスを提供していきたいですね」
→ストーリー:次なる事業の柱を自分たちの手で──貢献している実感を原動力に躍進するマネージャー
プレイングマネージャーに挑戦しようか悩んでいる、プレイングマネージャーとして働いているが、うまくいかずに悩んでいる方もいるかもしれません。一方で、プレイングマネージャーとしての役割は、やりがいに満ちたポジションであり、キャリアアップにもつながります。
ぜひ今回ご紹介した方々のストーリーをヒントにしてみてください。
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