就職活動を始める際に、多くの就活生が自己分析を行い、自分自身の強みや弱みを明確にします。その中で、強みとして「コミュニケーション能力」を挙げる方も多いでしょう。また、「コミュニケーション能力が強みな自分はやっぱり営業職かな?」と考える方も多いかもしれません。
しかし、ビジネスシーンでは営業活動やお客様との関係構築だけでなく、チームで働いたり、プロジェクトを推進するなど、さまざまなシーンで重要です。
そこで本記事では、コミュニケーションの定義をおさらいしつつ、コミュニケーション能力が活かせる仕事の例、実際にコミュニケーション能力を発揮しながら働いているビジネスパーソンの事例を紹介していこうと思います。
コミュニケーション能力とは?
あらためて、コミュニケーション能力とはなんなのかをおさらいしてみようと思います。
コミュニケーション能力と社交性はよく混同されやすいものですが、「人と話をすることが好き」「人付き合いがうまい」などは社交性に分類され、コミュニケーション能力は情報を適切に伝える、正しく受け取る力など、双方向に意思疎通できる能力を指します。例を挙げると次のようなものです。
・言語能力
自分自身の考えや気持ち、伝えたいことを言葉で適切に伝える力です。
・非言語的コミュニケーション
言葉だけではなく、表情や身振りなどを通じて情報を伝える能力です。
・聴取能力
相手の発言や意見を理解し、適切に反応する能力です。
・共感力
相手の立場や感情を察したり、理解したりして、共感する能力です。
こうした、情報を伝える力や受け取る力、相手に寄り添った円滑なコミュニケーションを通して、良好な人間関係を築くことが「コミュニケーション能力」と言えるでしょう。
コミュニケーション能力を活かせる仕事は?
コミュニケーション能力についておさらいができたところで、次はコミュニケーション能力が活かせる職業をご紹介していきます。
・営業職
多くの方が思い浮かべるであろう職業ですが、お客様の課題やニーズを汲み取り、自社のサービスや製品などをもって課題解決やニーズを満たす提案をする必要があり、大いにコミュニケーション能力が活かせる職業といえます。
・接客業
店頭で販売をするスタッフや飲食店のスタッフ、ホテルスタッフなどサービス業もお客様のニーズを満たしたり、情報提供をしたりする上でコミュニケーション能力が求められます。
・ITエンジニア
一人で黙々と開発するイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、企業に所属して開発する上では、コミュニケーションが欠かせません。一緒に開発に取り組むチームメンバーだけでなく、営業担当をはじめとする他の部門のメンバーともコミュニケーションを取る機会は多いですし、お客様の要件や要望を理解し、適切な提案を行うためにもコミュニケーション能力が求められます。
・マーケティング職
マーケティング活動も一人でできるものではありません。また、市場や消費者のニーズを理解し、求められる製品やサービスなどを提供する上では、コミュニケーション能力が必要です。
・コンサルタント
お客様の課題やニーズを理解し、専門的な知識をもって課題解決に取り組みます。経営課題に向き合ったり、長期的なプロジェクトなどを推進する上ではコミュニケーション能力が欠かせません。
・人事
採用活動で自社の魅力を伝えたり、自社にあった人材を採用したりするためには、コミュニケーション能力が求められます。また、従業員に対しては研修や評価制度運用、相談窓口としてコミュニケーション能力が求められます。
・教育関連
教員や講師などは、わかりやすく伝える能力はもちろんのこと、生徒や学生の進捗状況などを踏まえて、教えたり、個々人に合わせたコミュニケーションを取ったりしながら、指導をする必要があります。
・医療/福祉関連
医師や看護師、保育士や介護職など医療/福祉関連の職業もコミュニケーション能力が求められます。病気の方や子ども、介護が必要なご年配の方などの場合、意思を伝えることが難しいケースや言葉が話せないケースなどもあります。
コミュニケーションがうまく取れない中でも、可能な意思疎通方法を模索したり、観察したり、その人や状況に合わせたコミュニケーション能力が求められます。また、チームで働くことも多いため、そういう面でもコミュニケーション能力が求められるでしょう。
こうした職業のほか、リーダーやマネージャーなどはチームメンバーとのコミュニケーションを円滑に行い、スケジュール管理やメンバーの成長のサポート、関係構築や問題解決を行う必要があります。
コミュニケーション能力が求められるシーンの事例
ここからは企業で働くビジネスパーソンがコミュニケーション能力が求められると感じるシーンについて触れられているストーリーをご紹介します。
※ 掲載内容は記事公開当時の内容です
▶︎DXCテクノロジー・ジャパン
・事業内容:ITサービス業(保険業界向けBPaaSとBPO、アナリティクス&エンジニアリング、アプリケーション、セキュリティ、クラウド、ITアウトソーシング、モダンワークプレイス)
・仕事内容:システムリスクマネージメントとしてセキュリティデリバリーに従事
DXCでは、「コミュニケーション能力と対応力に長け、課題解決に向けて前向きに進められる人」が活躍でき、求められる人材だと小澤さんは考えます。
小澤さん 「セキュリティに関する深い知識はもちろん大事ですが、われわれの主な業務はお客様に対するコンサルティング。コミュニケーション能力こそ、この仕事に求められるスキルだと思います。お客様が何に本当に困っているのか、根本的な問題を読み取れる人は、うまくやっていけるはずです。
そして、実際にお客様の課題を解決するために、迅速に頭を回転させてアイデアを提示する対応力も必要です。スピーディーな分析や提案が得意な方であれば、楽しく働いていけるかなと思います」
→ストーリー:頼もしい相談役をめざして。お客様のセキュリティを守り、課題解決へ導くSRM~メンバー紹介v.21~
▶︎INTLOOP株式会社
・事業内容:事業戦略・業務改革コンサルティング、ITコンサルティング、プロジェクトマネジメント支援、プロフェッショナル人材支援・人材紹介、新規事業開発・営業推進支援、海外進出・販路開拓支援
・仕事内容:コーダーとしてECサイトのレスポンシブデザインや、アプリのデザインのコーディングなどを担当するほか、インフラ構築に近いプロジェクトにも参画
技術面での成長をめざしつつ、エンジニアにとって重要な資質の一つは、コミュニケーション能力だと話します。
岡山さん 「私自身、エンジニアになってギャップを感じたのが、数学的な思考や論理的な思考以上に、コミュニケーション能力が大切ということ。上司からも、『技術の不足を補えるのがコミュニケーションだ』と言われます。それが今の自分の役割でもあると思っています。
IT業界は専門的な知識や用語を扱うので、それをわかりやすく伝える力が必要です。さらに、プロジェクトによって参画するメンバーや企業がガラリと変わるので、使う言葉やトーンも変わるんです。そのため、自分では伝わっていると思っていたのに、いつの間にか話が食い違っているという場合も。この食い違いに敏感に気づけなければいけません。
私自身、コミュニケーションには苦手意識があったのですが、塾講師の経験が活きているのかもしれませんね」
→ストーリー:塾講師からエンジニアへ。向上心を原動力に、未知なる世界に果敢に挑み続ける
▶︎株式会社 LIXIL
・事業内容:ウォーターテクノロジー事業、ハウジングテクノロジー事業
・仕事内容:デザイン・新技術統括部 デザインセンターに所属し、製品のコンセプトに合うカラー開発や空間デザインを担う
三澤さん 「デザインの仕事は組織横断で進めるため、高い専門性や優れたスキルだけでなく、チームメンバーと協力し合えるコミュニケーション能力が重要です。常に自分の意見を発言する意思を持ちつつ、周りへの敬意をもって働くことができる方が活躍できると思います。新しい仲間と共に、次の100年に向かってLIXILの未来を築いていけるのを楽しみにしています」
→ストーリー:挑戦の機会を活かしてスキルアップ。海外での展示経験も持つCMFデザイナーの歩み
▶︎アルプスアルパイン株式会社
・事業内容:コンポーネント事業、センサ・コミュニケーション事業、モジュール・システム事業
・仕事内容:クルマ向けディスプレイ製品の回路開発に携わる
石田さん 「仕事をする上で大切にしていることはお客様起点です。私たちにとって直接のお客様は製品を納める自動車メーカーですが、本当のお客様はエンドユーザー、つまりクルマを購入してくれる人です。エンドユーザーに価値を感じてもらえるものは何かを常に考えています。
しかし何に価値を感じるかは人それぞれなので、自動車メーカーや自社の関係者と協議し、本当に価値ある製品を作り上げていきます。そこで必要となるのがコミュニケーション能力です。
コミュニケーション能力が大切ということは就職活動をしていたころからさんざん耳にしましたが、それがいったい何を示すのか当時はピンときていませんでした。
答えが見えてきたのは、中国の開発拠点メンバーと仕事をするようになってからです。お互い母国語やバックグラウンドが違うからこそ、相手の話を注意深く聞き、話の背景にあるものまで見るようにしていく中で、コミュニケーション能力とは、人の話をしっかりと聞いて、正しく理解して、解決策を提案できる力だと思うようになりました。
コミュニケーションはキャッチボールであるべきで、ドッジボールのように相手に意見をぶつけることが目的ではないですからね」
→ストーリー:葛藤の末にたどり着いた強い組織の築き方──お客様理解、自己理解、そして成功体験
▶︎株式会社日立システムズエンジニアリングサービス
・事業内容:システム構築、システム運用・監視・保守、情報関連機器・ソフトウェアの販売と開発
・仕事内容:公共系の大規模システム開発を手掛ける
大規模システム開発の総仕上げとなる最終テストに、想定外のかたちで飛び込んだ佐々木さん。限られたメンバーで短納期のテストに取り組み、しかも失敗は許されないという非常に強い緊張感を伴う仕事でした。そこで発揮したのが、佐々木の強みであるコミュニケーション能力だったのです。
佐々木さん 「とにかく時間がなかったため、もしテストで手戻りが発生してしまうと、納期に間に合わなくなってしまうかもしれないという状況でした。しかも、もともとこのテストの担当ではなかった私は知識が十分ではありません。もし知識不足のまま作業を続ければ、ミスが発生し、プロジェクトの失敗につながる可能性が高いと考えました。
そこで私が実行したのは、他のメンバーと情報連携を密に取り、確認を徹底すること。どんなに細かいことでも『この作業、この方法で合っていますか?』とこまめに確認することで、知識を補ったのです。その結果、かなりプレッシャーの強い状況ではありましたが、無事に工程を乗り切ることができました。
システム開発においては、しばしばタイトなスケジュールで動くことが求められるもの。それでもプロジェクトの一員として役割を全うし、品質と納期を守ることがプロの仕事なのだと、この経験を通じて学びました」
→ストーリー:公共系大規模システム開発に携わり5年。プロジェクトマネージャーへの道は、もう始まっている
▶︎株式会社 武蔵野銀行
・事業内容:銀行業
・仕事内容:総合企画部 企画グループでグループ長を務め、コーポレートガバナンスの高度化や組織活性化に取り組む
武蔵野銀行をさらに盛り上げていくために。中山さんは新しい仲間に向けて、こんな言葉で参加を呼びかけます。
中山さん 「ネットバンクやアプリが普及し、銀行でも非対面業務が増えてきました。当行内でも、デジタルを活用したコミュニケーションがますます増えてきています。しかし、行内で一緒に仕事をする以上、お客様やメンバーと意思の疎通を図ることに変わりなく、リアルであれwebを通してであれ、信頼関係を築く上でコミュニケーション能力は大切です。
求められるのは、わからないことを素直に『わからない』と言えること、そして周囲をうまく頼ることができる親しみやすさ、“かわいげ”です。ぜひそんな方に入行していただきたいと思っています」
→ストーリー:営業のエースから企画職へ。「1分1秒を無駄にしない」意識と行動で築いたキャリア
▶︎株式会社リクルートスタッフィング
・事業内容:人材派遣、人材紹介(紹介予定派遣)、アウトソーシング
・仕事内容:中央第1営業ユニットで派遣先企業への営業と、約120名の派遣スタッフのマネジメントを担当
小林さん 「コミュニケーション能力」は、もしかするとそれほど特殊で専門性の高いスキルだと捉えられていないかもしれません。
ですが、相手にきちんと伝わるように話したり、相手の要望に応えられるように対応したりすることは、意外と難しいものです。リクルートスタッフィングでの経験を通じて、その方が何を求めてるのか、先を見越して行動するだけでなく、相手の状況や心境も汲みながら丁寧に接することができるようになったと感じます。こうしたコミュニケーション能力は、どのような仕事にもきっと活用できるスキルなのではないでしょうか」
→ストーリー:販売職から営業職へのチャレンジ。成長実感を求め続けた先に見つけた「派遣営業」のやりがい
コミュニケーション能力が高い人が大切にしていることは?
コミュニケーション能力を活かし、チームメンバーやお客様などのステークホルダーと良好な関係を築いている人たちは、どのようなことを大切にしているのでしょうか?
※ 掲載内容は記事公開当時の内容です
▶︎池田糖化工業株式会社
・事業内容:中間原料品メーカーとして新たな加工用原料や食品素材の開発研究を行う
・仕事内容:福山工場の生産技術部で保全環境部門のマネージャーを務める
久々の新入社員ということで、気軽に相談できる同世代の仲間が少ない中で、年上のメンバーと親交を深め、自身の担当する業務を進めてきた石井さん。そのコミュニケーション能力の高さの秘訣を聞いてみました。
「これまであまり考えたことがなかったですが、確かに、基本的に誰とでも話せるというのは自分の強みかなと思います。学生時代にアルバイトをしていたホテルの宴会や婚礼、ビアホールなどでも年上の方が多かったです。
秘訣と言うほどのものでもないですが、いろいろな人と一旦話してみて、その中でもとくに自分が話しやすい人を見つけ、その方に頼りながら皆さんとコミュニケーションを取っていく……という方法はいいかもしれません」
日に20件くらい電話がかかってくることも日常だという石井ですが、複数のトラブルに対しても嫌な顔や声ひとつ出さず、「一緒に解決していきましょう」と対応できるようなコミュニケーションこそが信頼につながり、次の仕事へとつながっていくのだと語ります。
→ストーリー:30年ぶりの新入社員が自らの強みを糧に築き上げた、周囲との信頼関係と対応術
▶︎インフロニア・ホールディングス株式会社
・事業内容:インフラの企画提案、設計、建設、運営・維持管理までのあらゆる建設サービスの提供および建設(土木、建築)、舗装及び建設機械の製造・販売等を営む傘下子会社およびグループの経営管理ならびにこれに付帯または関連する一切の事業
・仕事内容:関東支店の設備工事担当として、さまざまな現場で電気設備や機械設備の施工管理に携わる
現場経験を繰り返す中で新家が実感したと話すのが、コミュニケーション能力の重要性です。学生時代、教授とも積極的に会話するなど、もともと年齢や立場の違う人とのコミュニケーションを得意としていた新家でしたが、社内の先輩に影響を受けながら、その能力にさらに磨きをかけていきました。そんな新家がとくに尊敬していると言う人物がいます。当時建築を担当していた現場の所長です。
「お客様に対してできることはできる、できないことはできないとはっきり伝えつつも、物腰がとても柔らかく、スムーズにコミュニケーションができる方でした。また、毎日夕方になると事務所内を回っては一人ひとりに声をかけるなど、若手社員の状態を気にかけていた様子が記憶に残っています」
そうやって先輩の背中を追いかけて成長してきた新家。自身が中堅となったいま、これまでに培った経験を活かして後輩の育成にも取り組んでいます。
→ストーリー:風通しの良い職場で育むつながり──相手の目線に立って支える設備工事責任者としての志
コミュニケーション能力にまつわるストーリーをご紹介してきました。コミュニケーション能力を活かせる仕事について知るだけではなく、コミュニケーション能力に自信がある方も、コミュニケーション能力を伸ばしたいという方もさらにコミュニケーション能力を磨くヒントにしてみてはいかがでしょうか?
Xを興味のある仕事と出会うきっかけに!
私たちのXでは、さまざまな業界で活躍する社会人のリアルな働き方、キャリアの記事を厳選して紹介しています。フォローしておけば、「この仕事、おもしろそうかも」といった、思わぬ出会いがあるかもしれません。
まずは、どんな事例を紹介しているか、実際の投稿を覗いてみてください!
▼投稿の例
・「通勤時間5分」「自然豊かで子育てに最適」な環境で働く人
・1年間の休学とインターンを経験した上で、2度目の就活に臨んだ人
・最大の壁を乗り越えられたのはビールのおかげ!?QRコード開発の裏側
