近年、年功序列型の組織からの転換が進んでいます。企業としても次世代を担うリーダーの育成を目的として、若手のころから大きな裁量を与えたり、研修などを充実させたりとさまざまな取り組みを行っています。
そんな中、マネジメント層(次長・課長クラス)は若手リーダーにどのようなことを期待しているのでしょうか?本記事では、若手リーダーに期待するスキルに関する調査データをご紹介するとともに、実際に企業で活躍している若手リーダーたちはどのようなことを心がけているのかをご紹介します。
若手リーダーに期待されているスキルは?
ラーニングエクスペリエンスプラットフォーム「playse.(プレース)」を提供する株式会社manebi(東京都千代田区、以下 manebi)は、マネジメント層(次長・課長クラス)500名に対し、若手リーダーに期待するスキルに関する実態調査を実施。マネジメント層からは、次のような回答が寄せられています。
一方で、若手リーダーに今後身につけてほしいスキルとしては、「周囲を巻き込む力」や「結果に対するこだわり(責任感)」、「プロジェクトやチーム目標のマネジメント力」などが上位にくる結果となりました。
自由回答としては、次のようなコメントが寄せられています。
<自由回答・一部抜粋>
・49歳:ビジョンや戦略を描く能力。
・44歳:チームメンバーに仕事を任せる力。
・51歳:忍耐力。
・55歳:分析的思考力。
・49歳:やり遂げる推進力。
・52歳:根回しや布石といった先を見据えたプランニング力。
・47歳:的確に仕事の優先順位を決めること。
・40歳:多角的な視野。
若手リーダーが心がけていることとは?
ここまで、manebiがマネジメント層を対象に実施したアンケート結果をご紹介してきましたが、実際に企業で活躍している若手リーダーは、結果を出したり、チームマネジメントをしたりする中で、どのようなことを意識しているのでしょうか?
※ 掲載内容は記事公開当時の内容です
▶︎freee株式会社
事業内容:「クラウド会計ソフト freee会計」と「freee人事労務」を提供
・仕事内容:SMB(21名以上の法人)を対象にしたセールスチームのジャーマネ(マネージャー)
山本さんが理想としているのは、メンバーが自分で考え行動した結果、チームも成長できる組織だと言います。
山本さん 「進むべき方向性さえ決まっていれば、後はメンバー同士が切磋琢磨して自走できる組織をめざしています。そのために、どうしたらサービスの価値がよりお客様に届けられるのかをメンバーとディスカッションしたり、メンバー同士が自発的にフィードバックして意見を求め合ったりすることができる環境作りを意識しています。
それが実際のお客様からの声につながったときには、めざしている姿に近づいたと思えますし、やりがいを感じます」(中略)
山本さんは、前職とfreeeを通して、早いうちからジャーマネを経験することの大切さについて語ります。
山本さん 「早いうちにマネジメントの経験をした方が、中長期的にもキャリアの選択肢が広がると考えています。私も20代後半に初めてマネジメント業務を経験したことで、中長期的な視点で組織を考えるようになりました」
そんな山本さんが考える、ジャーマネに向いている人とは。
山本さん 「成果にこだわりを持ちつつ、組織としての成果を最大化するために自身の持てる武器を増やして成長し続けられる人が向いていると思います。freeeの評価制度は、成果を出すことを前提としつつ、個々人の成長を期待する内容になっています。だからこそJM/AJMとして目の前の与えられたアクションだけではなく、その先に何があるかを考えること。自分の成長にも貪欲で、それを組織や社会、ユーザーへのインパクトに還元することが大切ではないかと考えています」
→ストーリー:めざすのは勝ち続ける組織──マネジメントを通して得られた価値観
▶︎SB C&S株式会社
事業内容:IT関連製品の製造・流通・販売、IT関連サービスの提供
・仕事内容:ICT事業本部 ICT第1営業本部 第1営業部 1課の課長を務める
2017年に新卒入社してから6年後、働きぶりを評価され小寺さんは最年少で課長に就任。商談を行う外勤営業2人、受注した案件に対応する内勤営業10人をまとめるマネジメントを担っています。そして就任早々、小寺さんのチームは所属部門で全国トップクラスの成績を獲得しました。
小寺さん 「去年までは自分の数字が良ければ自分の評価が上がりましたが、今年からはチーム全体が上がらないと評価に反映されません。そういった意味でも、チームメンバーのフォローをかなり意識して日々の仕事に向き合っています。
外勤営業に関しては、現場で臨機応変に対応できるように、事前準備の段階からしっかりフォロー。前後関係を深く把握させ、堂々と本番に臨めるようにサポートしています。自分はあくまでフォロー役。チームメンバーが自分で考え、主体的に行動できるよう促しています」
主体性を重視したマネジメントは、内勤営業の体制を刷新したことにも現れています。
小寺さん 「私のチームでは大手メーカーさまの複数のグループ会社を担当しています。以前は10人中2人をチームリーダーに据え、責任を集中させていましたが、私が課長になってからは、2人のチームリーダーとは別に、メンバー全員が担当する会社のリーダーになる体制にしました。責任と業務量を分散したことで、一人ひとりが主体性を持つようになりました」
主体性を重視する背景について、次のように語ります。
小寺さん 「今後、自分で考え動けるかどうかがますます重要な時代になると思います。社内ではAI技術を積極的に活用していますが、技術が広がっていけば、人間がやらなくてもいい業務がどんどん増えていくと思うんです。そのとき、AIができるレベル感で仕事をしている人は仕事を取られてしまう。社歴や経験に関係なく、今のうちから主体的に働ける人材になってもらうことをめざしています」
→ストーリー:“繋ぐ”ことで価値を生み出す──最年少課長が語るSB C&Sの営業
▶︎株式会社ゼネラルパートナーズ
事業内容:障害者の総合就職・転職サービス(求人情報サービス、人材紹介サービス、就労移行支援事業、就労定着支援事業、就労継続支援A型事業)
・仕事内容:atGP紹介事業部採用コンサルティンググループでマネージャーを務める
江坂さん 「チームメンバーは私の他に4人で、私より年下が2人、年上が2人います。
入社以来営業に注力してきた新卒入社3年目の人、前職で知的障がいの方と関わっていた人、『社会問題を解決する』という言葉に惹かれ入社したメンバーがいます。また、これまで障がい者雇用に携わったことはなかったのですが、『社会に貢献したい、小さな歯車を回すことで大きな歯車を回したい』という想いを持ち、GPならできるのでは、と考えて中途入社した人もいます。
基本的な業務はメンバーのマネジメントで、私が直接採用支援を担当しているのは数社です。メンバーに対しては自主性を重んじているので、マイクロマネジメントは一切なし。『メンバーの仕事を言語化する』ことが、マネジャーとしての役割だと思っています。
人材紹介という業界では、ノウハウが言語化されず、業務が属人的になっていることも多くあります。もちろん、障がい者雇用に対する考えやノウハウ、また営業成績を達成していくにあたり、メンバーそれぞれ自分なりのやり方があると思います。自分の良さは自分で気づけないことはよくわかるので、チームメンバーには、顧客との接点で得た学びや、自分の強み弱みを、整理して言葉にしてもらうことを意識しています。言語化することにより、自身のさらなる学びになり、共有してもらえればチームとしても成長できるからです」
→ストーリー:社会問題はビジネスの力で解決する。顧客とチームに伴走する若手マネージャーの旅路
▶︎富士ソフト株式会社
事業内容:業務系ソリューション、組込/制御系テクノロジー、プロダクト・サービス&アウトソーシング
・仕事内容:エンベデッドテクノロジー部内の車載ソフトウェア開発や評価を行うグループで2つのチームのリーダーを務める
やがて中島さんは、入社4年目でリーダーに任命というスピード昇格を果たす。入社後からマネジメント業務に専念し、順調に遂行してきたことが評価につながった。
中島さん 「足りない知識は現場で聞き回り、自分なりのマネジメント術を構築しました。それを私だけの財産にせず、社内に共有しメンバーの育成や業務改善に努めたことが認められたのかもしれません。本当に光栄です」
周囲を見渡すと、リーダーを任される人間は共通して広い視野を持つと言う。
中島さん 「メンバー一人ひとりの業務進捗や、モチベーションを把握しながら、チーム全体のパフォーマンスを上げていくために、個人の強みをしっかりと見極めるようにしています。そのためメンバーと向き合う時間を大切にしています」
→ストーリー:プロジェクトマネジメントを支援し組織を支える若手社員の軌跡
▶︎株式会社ゆめみ
事業内容:モバイルサービスを主とした開発・制作・コンサルティングの内製化支援、オムニチャネルを中心としたデジタルマーケティング支援、スマホアプリ開発(iOS,Android)、デジタルメディアコンテンツ運用/自社サービス運営
・仕事内容:サーバーサイドエンジニアとして技術者集団に参加するかたわら、若手エンジニアのリーダーとして採用・育成も担当
武内さんの現在の職種は「リード・サーバーサイドエンジニア」。サーバーサイド全体のリーダーとして、若手の指導・育成にあたっています。入社したての頃の憧れは、当時の開発チームのリーダーでした。
武内さん 「入社当初、開発チームのリーダーがプロジェクトマネージャーからも非常に頼られていたんです。開発の全体像を把握していて、とても頼もしく映りましたね。『こんなふうに仕事がしたい!』と憧れました。リーダーとなった今、顧客との折衝や仕様の調整、全体の設計など、その先輩と同じようなことができているかなと自問自答しながら仕事を進めています」
リーダーとして教える立場に立つ武内さんは、若手エンジニアを指導する際、あえて抽象的なことを教えているといいます。なぜそのような教え方をするのでしょうか。
武内さん 「メンバー、特に若手には今以上に成長してほしいですから、細かいことを付きっきりで教えることはしていません。ポイントを的確に教えることを意識しています。もし私がいなくなったとしても、自立自走できるエンジニアに育ってほしいんです」
武内さんは毎年、新卒を1~2人開発チームに入れて、プロジェクトを進めています。チームにおける生産性を意識してのことです。
武内さん 「若いエンジニアと一緒に働くと、プログラミングスキルやピープルスキルなど、プロジェクト内での動きがどんどん変わっていくのがわかります。採用も担当しているので、学生から社会人になり、社会人としてプロジェクトに参加するという一連の成長過程を見ることができるのは嬉しいですね。私自身学ぶこともありますし、メンバーの成長がとても楽しみなんです」
→ストーリー:描く理想は、自己組織化したチーム。若手リーダーが語る、ゆめみの開発環境の魅力
▶︎ライク株式会社
事業内容:子育て支援サービス事業・総合人材サービス事業・介護関連サービス事業を営む事業会社を擁する持株会社。グループ全体の経営方針策定及び経営管理並びにそれに付帯する業務
・仕事内容:ライクスタッフィングで東京本社の営業部長を務める
入社7年目で営業部長に抜擢された山林さん。会長から連絡があったのは東北支社で支社長として勤務しているときでした。
山林さん 「突然、会長から電話がかかってきて驚きました。東京で営業部長を務めないかという内容で、難しいと思った反面、これはキャリアアップのチャンスなのではないかと思い、せっかくもらった機会を逃すわけにはいかないと、営業部長になる決意をしました」
営業部長に任命された山林さんは、自身のことを「達成主義者」だと言います。
山林さん 「長所であり短所でもあるのですが、『言われたことはやって当たり前』というタイプだと自分で思っています。目標を達成することは当然のことだと考えていて、目標を達成するために何が必要なのかを常に考え、行動することを意識しています。
ただ、どんなに頑張っても達成できない目標も存在します。結果が思わしくなかった場合でも、言い訳をするのではなく、自分はできる限りのことをやったと言い切れることが大切だと思います。心残りや後悔が一切ないようにしたいんです」
自身に課せられた目標や課題の大きさは、入社した当時を振り返れば比べ物になりません。しかし、それはこれまでの経験があってのものです。
→ストーリー:年齢関係なく裁量が与えられる業界に~入社7年目の営業部長が築いたキャリア~
プロジェクトリーダーや管理職と、さまざまな組織を牽引する方々のストーリーをご紹介してきました。今活躍している方々も、プレッシャーや葛藤を乗り越え、現在に至っています。リーダーを志している方、リーダーとしてさらにスキルアップしたいという方はぜひそれぞれのストーリーもご覧になってみてくださいね。
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