チームメンバーの仕事を「言語化すること」がマネジャーの役割
2022年1月現在、首都圏営業部門にある1つのチームでマネジャーをしています。法人営業が主な仕事で、メンバーの日々の管理、首都圏営業部門の戦術・戦略の策定なども行っています。
法人営業は、障がい者を採用したい企業、採用を検討している企業に対して、採用全般に関する支援を行うのが仕事です。採用するにあたっての不安感を取り除き、求人を出す前の段階で、どんなポジションを作り、どうやって採用を進め、どういった理解が必要かなども寄り添い支援しています。
チームメンバーは私の他に4人で、私より年下が2人、年上が2人います。
入社以来営業に注力してきた新卒入社3年目の人、前職で知的障がいの方と関わっていた人、「社会問題を解決する」という言葉に惹かれ入社したメンバーがいます。また、これまで障がい者雇用に携わったことはなかったのですが、「社会に貢献したい、小さな歯車を回すことで大きな歯車を回したい」という想いを持ち、GPならできるのでは、と考えて中途入社した人もいます。
基本的な業務はメンバーのマネジメントで、私が直接採用支援を担当しているのは数社です。メンバーに対しては自主性を重んじているので、マイクロマネジメントは一切なし。「メンバーの仕事を言語化する」ことが、マネジャーとしての役割だと思っています。
人材紹介という業界では、ノウハウが言語化されず、業務が属人的になっていることも多くあります。もちろん、障がい者雇用に対する考えやノウハウ、また営業成績を達成していくにあたり、メンバーそれぞれ自分なりのやり方があると思います。自分の良さは自分で気づけないことはよくわかるので、チームメンバーには、顧客との接点で得た学びや、自分の強み弱みを、整理して言葉にしてもらうことを意識しています。言語化することにより、自身のさらなる学びになり、共有してもらえればチームとしても成長できるからです。
内定5社を辞退して、GPを選んだ理由
大学時代は、1年間休学して世界を旅していました。身内に数億円をだまし取られた人とインドで出会ったのですが、私の価値観からすると人生に絶望してしまうような体験なのに、その人にしてみればなんともない。世の中には、ものごとの捉え方や境遇が異なる、いろんな人がいることに気づきました。
就職活動は順調で、5社から内定をもらっていました。結論を出すまでに時間があったので、その中から就職先を選ぼうとのんびり構えていたときに、ふと、考えたんです。「いま自分の時間という資源を誰か1人に100%投じたとして、それでも幸せにできない人は誰だろう」と。
頭に浮かんだのが、小学校時代にバッテリーを組んでいた聴覚障がいのある友達でした。障がいのある彼が、今の社会のままで幸せに暮らしていけるだろうか、と。それから、障がい者雇用についてネットで調べるようになり、偶然GPと出会いました。
GPを受ける頃にはもう他社へ行く気はなく、「この業界に入る」と決めていた気がします。そして「友達を幸せにできる力がほしい」という想いから入社しました。
入社以降、ずっと法人営業を担当しています。携わる企業規模は変わっていますが、企業の採用支援をするという内容は変わりません。
これまで携わったなかで、心に残っている採用支援があります。その方は診察できる医師が全国でふたりしかいないという難病をふたつ抱え、毎日安定して働くことができないのですが、物腰が柔らかく笑顔が素敵で、頭の回転が早い方でした。カウンセラーが熱心に「この方の就職を決めたい」と言っていたのですが、就業時間の制約、社会人未経験、フル在宅、いつ体調不良になるか分からないという点からGPとしてご提案できる求人がない状況でもやもやしていました。
そんな中、新規開拓をしている際に、ある企業と出会いました。打ち合わせで「予算をかけることができなくて採用が進まない」と相談されたとき、その方が頭に浮かびました。「週20時間ぐらいの完全在宅×時給制で、今まで手をつけられなかった業務を担当していただくのであれば紹介料もこの程度で済み、かつ人柄の良い方を紹介できます」と企業に提案したところ快諾いただき、すぐに面接をして内定が出ました。
このようにGPが介在しなければ成し得なかった採用内定を多く生み出していきたい、と強く思った案件です。
4年目でマネジャーに抜擢。変化した視点と新しいやりがい
私たちは、企業がお金を出したくなる提案をしなければなりません。課題を言語化できなくて、もやもやしているような潜在ニーズを掘り起こし、顧客が知りえなかった提案をしていくのがミッションです。
社会問題の解決は、ビジネスとして成り立たないといけない。この考え方は、前述した案件が決まった2018年9月に、振り返って言語化した際に思い浮かびました。新卒2年目のことです。
お金の流れを作れないと、その事業はスケール化しません。社会問題を解決するためには補助金や助成金に頼りがちですが、それだと世の中に認知されづらいです。だからこそ、ビジネスとして成り立たせ、認知を拡げる事業にする必要があると思います。
新卒4年目でマネジャーになりました。話が来たとき、たかが3年ばかり営業した私に務まるのかと不安を抱きましたが、会社に評価されていることは嬉しく思いました。抜擢された理由はふたつあるのではないかと考えます。
ひとつ目は上長が目指している方向性に共感し、仕事に力を注ぎ、結果を残せたことです。顧客ファーストであること、その軸をぶらさずにいかに切り込んでいくかというスタイルが、私が目指すスタンスと一致していたので、営業活動に励みやすく、3年目でかなりの成果を残すことができました。
ふたつ目は、マネジャーになるタイミングで組織改編があり、私の強みとマッチしたこと。法人営業は、顧客の課題に寄り添い長期的に障がい者雇用を支援する部隊と、人材紹介をする部隊にわかれました。障がいのある求職者の支援に思い入れのある人が多い中、顧客接点量と質を高め、顧客と関係性を構築するのが私の強みです。新設される部隊の役割が、そんな私の強みと一致しました。
今振り返ると、マネジャーになる前の私は、今よりも無口で近寄りがたい雰囲気があったかもしれません。何よりも顧客を幸せにしないと自分の親、友人、周りの人を幸せにできないと思っていたので、顧客のために100%時間を使いたいという想いが強くありました。
マネージャーになった当初は、その気持ちを抱いていたので、チームメンバーの顧客に対しては細かな目配りができていない状態でした。それがマネジャーになって半年ほど経ったころ、メンバーが評価されることが自分のことのように嬉しく感じはじめたのです。その感覚を得てから、「自分の顧客」「メンバーの顧客」とわけるのではなく、GPのお客様である以上、価値を届けないといけないと思うようになりました。
視野が広がったことで、たくさんの人に目が行き届くようになり、それとともに自分自身の成長も実感しています。
生きづらさを感じる人の力になりたい──多様な人が働くGPで目指す未来
入社してから本当に幸せなキャリアを積ませてもらっています。
活躍次第で年齢に限らずどんどん抜擢されますし、人間力が高い人が多く他者の価値観を否定する人はいません。クレド(企業理念)にも「多種多様」という言葉が入っている通り、違う価値観の人と触れ合うことができるので、毎日いい刺激を得ています。
GPで大切なスキルをひとつだけ挙げるとすれば、「アドバイスを求めることができる」こと。障がい者雇用を支援する業態は、法律や行政が大いに絡んできます。中には専門的な知識が必要になることもあります。そんなとき専門家にスッとアドバイスをもらいに行ける人は、活躍できると思います。たとえ、今の時点で専門知識やスキルはなくても、「誰かのために何かをしたい」という想いがあれば十分やっていけます。
昨年、学生時代の親友が精神疾患を発症して、真っ先に私のところへ相談に来てくれました。今の仕事が、そういうふうに私生活にも活きていると実感しました。私の周りで生きづらさを感じ、迷い悩んでいる人がいたとすると、微力かもしれませんが私が力になれます。私の力が及ばないときは、社内の誰かに頼ることができます。当たり前のように寄り添い、受け入れてくれる、頼れる組織です。
私の次のステップは、ビジョンで人を惹きつけてチームを引っ張っていけるマネジャーになること。今の自分の強みは、実務面での考え方やノウハウの言語化でチームをまとめることですが、今後はビジョンを語り、訴求できる人間になっていきたいです。