車載ソフトウェア開発をマネジメントし、自動車業界に貢献
富士ソフトのエンベデッドテクノロジー部は、家電製品や自動車に搭載するさまざまな制御を担う組込ソフトウェアを開発する部署だ。その中で中島が所属しているグループは、お客様先である自動車メーカーに常駐して、車載ソフトウェア開発や評価などを行っている。
中島 「近年、プロジェクトは大きくそして複雑化し、ソフトウェアの開発難易度が高くなっています。そこで私は、ソフトウェアの設計から実装や評価に至る、全体の工程に対して計画を作成し、調整、進捗管理など開発工程のマネジメントをして、安定感のあるソフトウェア開発を実現しています」
自動車のシステムは細分化されている。たとえば安全機能の場合“加速や減速を担う”、“車線の逸脱防止を支援する”など、一つひとつが異なる役割を果たす。中島が手掛けるのは、ニュースで見かける最新技術に関するものだ。
中島 「車載ソフトウェアの開発は数カ月から1年以上に及ぶ長期スパンで実施されます。その中で、キックオフの段階から必要な設計を考え、実装レベルへの落とし込み、各種ベンダー会社やサプライヤーを通じてでき上がったプログラムの評価方法など、それぞれの工程の日程を逆算して検討し、各工程の担当者と調整しながらプロジェクトのソフト開発を進めていきます。
そこで、各プロジェクトから各フェーズで報告を受け、ソフトの中身を把握して、状態を管理・記録し、問題がないことを確認しています」
グループに所属するのは70人程度。中島を含む9人のリーダーの下、富士ソフトの社員と協力会社の社員が一緒に働いている。中島の周りには20代から30代が多く、さらに2~3人のチームに分かれて各プロジェクトを運営する。
中島 「私はリーダーとして、二つのチームをまとめています。一つは私の主業務である担当車両の車載ソフトウェア開発をマネジメントするチーム。計画力や調整力に強みを持ち、メンバー1人ひとりがマネジメントスキルを磨くことに励んでいます。もう一つはドキュメントや資料の作成を担当するチームです。速度や正確性などが求められるため、技術力に優れたメンバーが揃っています」
さらにメンバーはお互いを気遣う心を持っており、中島が社内研修を受講するために業務を抜ける際には、全面的にバックアップし快く送り出してくれる。中島もまた、各自の経歴や価値観を尊重するリーダーであろうと努め、リーダーとしての品格を高めている。
未知の領域にチャレンジできると思い入社を決意
就職活動で中島は、人の人生に関わる仕事がしたいという思いで人材や教育業界の企業分析を進めていた。そんな中、工学部で情報系の学科を専攻していたこともあり、並行してIT業界の企業分析も始めたと言う。
中島 「将来を思うと、人材や教育の舞台で活躍する姿は想像できました。しかしITの世界は調べれば調べるほど広くて、『実際に入社したら何ができるんだろう』と働く姿をイメージできませんでした。逆に好奇心が高まり、そこからIT業界の会社を中心に面接を受け始めました」
その中で富士ソフトは、親会社を持たない独立系SIerのトップクラスであり、メーカーに縛られることなくさまざまなメーカーの製品を用いて開発することができる。
多様な業界にアプローチできる技術力と人材を持ち合わせ、家電、携帯電話、自動車、さらにはインフラやロボットなどの開発に携わり「未知の領域にチャレンジでき、いつでも新鮮な驚きが待っている」と感じられたことが理由だ。
中島 「大学時代は音声工学を専攻し、大学院では声の解析を研究していました。人間の声は抽象的で、いわゆる“いい声”も人の受け方に左右されます。声に指標を立ててデジタル化することで、いい声になるよう指導できると分かり没頭しました。研究で培った考え方は今も論理的な思考に役立っていますね」
しかし入社して早々、中島は大きな壁にぶつかったと言う。
中島 「入社後すぐに院生時代のリーダーシップや教職課程を履修し、たくさんの学生たちを相手に授業をしていた経験などが考慮され、担当プロジェクトを持ち、開発全体の管理や関係部署間のすり合わせなどを任されることになりました。最初の頃は気負いから融通が利かず『理想ばかり押し付けて』とメンバーから反論されることもありました。
しかし上司や先輩が丁寧に教えてくれたり、『業務が分からないことがつらいよね』と理解してくれたりしたおかげで、初期の大変な時期を乗り越えられました」
また、社内ではe-Learning の受講など、自ら学べる環境が整っている。中島も業務知識を得ながら成長速度を上げてきた。
中島 「印象的だったのは昇格時に受講したリーダー研修です。グループ学習を含むオンライン研修とe-Learningがあり、中でも『鳥は俯瞰して見る』、『魚は川の流れに沿って見る』といった、自らの立場と視点を動物にたとえた説明が非常に勉強になりました」
こうした富士ソフトの魅力について中島は、就職イベントで大学3年生を前に語ったことがある。「当社では研修制度が充実しているので安心して働ける」、「みんなが知っている機械の中に私たちの技術が使われている」と話したところ、学生の目が輝くのを実感したと言う。
自ら築いたマネジメント術を惜しむことなく社内に公開。そして入社4年目でリーダーに
配属されて6カ月目を過ぎたころ、お客様の上層部にソフトの完成を報告する会議が設けられた。普段であればお客様や上司が仕切る場だったが、急きょ中島が担当することになったのだ。
中島 「新卒の私は心の準備ができませんでしたが、初の大舞台。先輩、上司、お客様に教わってきた知識を総動員し、懸命に説明しました。
すると最後にお客様のひとりから『分かりやすかったよ』と、言ってもらえました。重圧に押しつぶされそうになりながらも、ほめられたことがうれしくて大きな自信になりました。この経験は今も私を前向きにしてくれます」
やがて中島は、入社4年目でリーダーに任命というスピード昇格を果たす。入社後からマネジメント業務に専念し、順調に遂行してきたことが評価につながった。
中島 「足りない知識は現場で聞き回り、自分なりのマネジメント術を構築しました。それを私だけの財産にせず、社内に共有しメンバーの育成や業務改善に努めたことが認められたのかもしれません。本当に光栄です」
周囲を見渡すと、リーダーを任される人間は共通して広い視野を持つと言う。
中島 「メンバー一人ひとりの業務進捗や、モチベーションを把握しながら、チーム全体のパフォーマンスを上げていくために、個人の強みをしっかりと見極めるようにしています。そのためメンバーと向き合う時間を大切にしています」
就職活動で目標を見つけられない苦しみがわかる。社会に足跡を残したいなら富士ソフトへ
中島は担当しているプロジェクトについて、高難易度と呼ばれる領域ながらも自然に対応できていることに充足感を覚えている。スケジュールはセオリー通りに組めないが、逆にオリジナリティを出して柔軟かつ安定的にプロジェクトを進められることが醍醐味だ。
中島 「情報の効率的な確認方法や開発日程の短縮案などのアイデアを注ぎ、目標の達成が難しい状況を打破し、計画を成立させて課題なく開発を進行させるという結果を出せることがやりがいです。ソフトウェアが完成した瞬間は喜びもひとしおで、そういう時はおいしいものを食べ、大好きな古着を買って自分をねぎらいます」
今後は、リーダーとして仕事を獲得できるレベルに達することを目指している。
中島 「新しいことに挑戦しながら、今携わっている業務を改善していきたいです。社内でも毎日のように改善活動を行っています。
例えば、お客様から情報収集を行うときに本音を聞き出すためにはどうするべきか、対応に必要な事前情報の確認に時間がかかり遅れることが多い作業を早く着工するために何をするべきかなど、みんなでアイデアを出し合ってきたことで、業務フローがいろいろと改善されました。富士ソフトの魅力は、『これをやりたい』と手を挙げたら人が集まり、『一緒にやろう』と背中を押してくれることです。新しい試みに対して一丸となって向かえます」
また、富士ソフトはWithコロナの時代にも適応できるすばらしい会社だと中島は説明する。
中島 「残業もありますが、土日はゆっくりでき、有給休暇もしっかり取得できます。さらにコアタイムなしの『スーパーフレックス』や、一時的な買い物や通院に利用できる『私用外出』、30分単位で使える『フレキシブル有休』、10分単位で休める『リフレッシュタイム』を組み合わせられる充実した制度が整っているので、働きやすい環境があります。
仕事とプライベートを両立したいと思っている人や、IT業界で何ができるかわからなくても、社会に対して何かを残そうという野心がある人に、富士ソフトはおすすめです」
中島は、富士ソフトで新しいことに挑戦し、共に成長していける新しいメンバーの参画を心から願っている。