コロナ禍以前同様に基本的には出社をしたり、オフィスへの出社頻度が高くなったりする「出社回帰」が話題になることも多い一方で、コロナ禍を経て働き方の柔軟性は高まり、多様な働き方が受け入れられています。
また、働く場所の自由度が高まったことや地方自治体による企業誘致施策などもあり、本社機能の一部を地方へ移転させる企業も増えています。
こうした背景もあり、地元へ就職するUターン就職、新たな土地で就職するIターン就職などを検討している方もいるのではないでしょうか?
本記事では、株式会社クリエイト(本社:東京都千代田区)が実施した Uターン・Iターン経験者への調査結果と共に、実際にUターンを就職を果たした人のエピソードをご紹介します。Uターン・Iターンを検討している方は、検討する上でのヒントにしてみてはいかがでしょうか。
Uターン・Iターンをしたきっかけは?
株式会社クリエイトが実施した調査の対象になったのは、Uターン・Iターン(以下、U/Iターン)をして、地方就職している20代~40代の男女500名。本調査ではU/Iターンのきっかけやタイミング、地方就職に対する不安や現在の満足度が明らかになっています。
まずは、U/Iターンのきっかけ。Uターンは、「住み慣れた土地で働きたい(37.4%)」が最多で、次に「実家から通勤したい(19.5%)」という回答が多く寄せられました。
一方で、Iターンでは、「実家から離れて自立したい(17.5%)」が最も多く、Uターンとは真逆の結果となっています。
意外と早い?U/Iターン就職をしたタイミング
U/Iターン就職したタイミングを尋ねると、「入社10年以上15年未満(14.6%)」と、一定のキャリアを積んだ後に転職する人が多くいるようです。
しかし、「入社1年未満(11.4%)」という回答も1割を超えており、「入社3年未満」でデータを見ると、およそ4人に1人が入社3年未満という早い時期からU/Iターン就職を経験していることがわかりました。また、UターンとIターンで比較すると、UターンはIターンよりも早いタイミングで行動に移していることがうかがえます。
早い段階でU/Iターン就職をした人が多いものの、実際にU/Iターン就職をした人々は、どのタイミングが理想だと考えているのでしょうか?
U/Iターン就職は早めにした方が良いかという質問に対しては、U/Iターンどちらも6割以上が「そう思う」「どちらかというとそう思う」と回答しています。その理由としては、次のような意見が寄せられています。
<早めに始めた方が良いと思う理由>
・早ければ早いほど選択肢が増える(27歳男性・栃木県)
・経験になるから(25歳女性・富山県)
・仕事の慣れや気力を考えると、若いに越したことはない(43歳男性・栃木県)
・早くから仕事を始めた方が出世もしやすいから(47歳男性・宮城県)
・地域に馴染むのに時間がかかるから(47歳男性・静岡県)
・女性はとくに結婚、出産等の時期がかぶると大変なので(36歳女性・鳥取県)
・年齢重ねてからの転職は条件が悪くなる(44歳女性・香川県)
・家族が増えると自由がきかなくなる(41歳男性・北海道)
<早めに始める必要はないと思う理由>
・社会人1年目は大変なことも多く心が折れかけるので、ある程度基礎スキルが固まってからの方がいい。ただ若い方が適応力もあるので、遅すぎるのも良くない(27歳女性・佐賀県)
・ある程度キャリアと実績を積んでから地方で能力を活かした方が良いと思う(48歳女性・山形県)
・田舎に帰ると収入が減る可能性があるので、都会で十分貯蓄をしてきた方が良い(49歳男性・青森県)
・自分が好きなときにした方が良いから(36歳女性・静岡県)
・その気になれば、いつでも始められるから(44歳男性・大分県)
地方就職への不安はあった?住んでみての満足度は?
同調査では、地方就職に関する調査も実施されています。U/Iターンで地方で就職することへの不安の有無についての質問では、地方就職に不安を抱えていた人は約8割にも及ぶことがわかりました。
不安に思っていたことについては、各年代とも「給料が少ない」に票が集まり、それぞれ約半数の人が給料の低さを不安視していたことが明らかになりました。また、20代では30代・40代に比べて「職場で人間関係を上手く築けるか(38.9%)」や「企業の知名度が低い(30.6%)」という点を気にする人が多いことも判明しました。
8割の人が不安を抱えていた地方への就職ですが、実際に働いてみた結果、どのように感じているのでしょうか。
地方就職に満足しているかを聞いたところ、全体の7割以上が「とても満足している(18.0%)」「満足している(56.8%)」と回答。中でも、20代の満足度は8割を超える結果になりました。満足している点としては、次のような項目が挙げられています。
■調査概要
・調査テーマ:Uターン・Iターンによる地方就職事情調査
・調査方法:Webアンケート調査
・調査対象者:全国の20代~40代男女 500名
Uターン・Iターンをして地方就職している有職者
・調査実施日:2023年3月24日~28日
・調査主体:株式会社クリエイト
・調査機関:株式会社ネオマーケティング
Uターン就職・Uターン転職をした人の体験談
ここまで、株式会社クリエイトが実施した調査結果をお伝えしてきましたが、ここからはUターン就職・Uターン転職を経験した人々の生の声をご紹介します。
※ 掲載内容は記事公開当時の内容です
▶︎MANGO株式会社
事業内容:運用型デジタル広告オペレーション事業
・仕事内容:デジタル広告運用コンサルタント
30代を目前に、地元の宮崎へUターンすることを決意した櫻木さん。新たなキャリアを描く場所を探し、MANGOを含め、複数社の選考を受けました。MANGOからも内定は出ていましたが、最終的にOA機器の法人営業の会社へ入社することを選択します。
櫻木さん 「デジタルマーケティングには興味がありましたし、カルチャーの面でもMANGOにはとても惹かれていました。ただ、Uターンして1社目の会社は歴史もあったので、今思うと、いわゆる『安定』を求めたんだと思います」
そうして宮崎での生活とともに、新しい業界、新しい環境での仕事がスタートします。ここでも櫻木さんは得意分野である分析力を活かし、徐々に営業パーソンとしての実績をあげられるようになっていきました。
→ストーリー:原動力は「チームワーク」──Uターンとキャリアチェンジで見えた仕事への想い
▶︎NECソリューションイノベータ株式会社
事業内容:システムインテグレーション事業、サービス事業、基盤ソフトウェア開発事業、機器販売
・仕事内容:九州支社でシステムエンジニアとして活躍
N.Sさん 「大学卒業後、首都圏でシステム会社に就職したものの、ゆくゆくは地元福岡にUターンするつもりでした。当初は異動願いを出そうと考えていましたが、前職企業の九州支社では東京の下請けのような仕事しかなく、成長機会が限られていると感じました。
そこで、成長の可能性を求めて、2020年にNECソリューションイノベータに転職しました。当社では各地方支社が地域に根付いて独自に開発を行っているため、首都圏と遜色ないレベルの仕事ができており、働く場所を選ばない時代はすでに訪れていると感じます。
→ストーリー:好きな地域で働くことも、SEとしての成長も諦めなくていい環境
▶︎NewCyte合同会社
事業内容:ITコンサルティング、システム構築
・仕事内容:代表社員
──実際に大阪にUターンしてみて感じた「メリット」はありますか?
平田さん 「住みたいと思える街で暮らしているからこそ、地域社会とのつながりを感じられ、それが幸福につながっていると感じています。東京に住んでいたころは、出稼ぎに来ている感覚があり、東京都民ではあるものの、そのレッテルに違和感を覚えていました。
私の中では、東京は単に職場であって生活の場ではなかったのかもしれません。今は大阪府民ですが、大阪府の一員であるという帰属意識は強くあります。その思いが、地域の人々や企業に関心を抱かせ、よりこの街を好きになり、大きな満足感へとつながっていると思います」──反対に大阪へUターンしたことによる「デメリット」はありますか?
平田さん 「仕事の面では、特定の専門分野に深く踏み込む機会や、大規模なプロジェクトに参加する機会は、東京と比べると少ないかもしれません。
しかし、リモートワークが普及した今ではその格差も縮まっている印象です。また、規模が小さくなるほどお客様との距離感が縮まり、仕事の成果が見えやすいというメリットを享受できます。そのため、成長実感もあり、とくに若手の方にはオススメな環境かもしれません」
→ストーリー:【代表インタビューvol.2】大阪へのUターン経験について代表の平田にインタビューしてみました!
▶︎住友重機械イオンテクノロジー株式会社
事業内容:イオン注入装置の開発、製造、販売及びサービス
・仕事内容:カスタマーサポート部でお客様からの問い合わせ対応などを担当
横畑さん 「Uターンの1番のきっかけは、結婚したことによるライフスタイルの変化です。夫婦ともに実家から離れた場所で二人暮らしをしていく中で、子どもが増える生活を考えることができませんでした。
当時は、仕事に追われる日々で、夫婦の時間がまったく取れていなかったんです。一人だと仕事だけに集中できますが、二人で暮らしていくにはそうはいきませんよね。休日も、寝て起きて、スーパーへ買い物に行って、ご飯を食べるとあっという間に1日が終わってしまっているという感じでした。
そういう事情もあり、Uターンすることを決意したんです。2020年に私の地元である愛媛県西条市に戻り、地元企業のSMITへ入社することになりました」
→ストーリー:寄り添う気持ちがお互いを育む糧となる。家庭も、仕事も、課題感を持って向き合える環境
▶︎ランスタッド株式会社
事業内容:人材派遣サービス、人材紹介サービス、テクノロジーサービス、アウトソーシング事業、人事サービス
・仕事内容:営業職(コンサルタント)
吉澤さん 「コロナ禍で外出を控える生活が続き、東京に住んでいる意味があまり感じられなくなったんです。都心部に出かけることもなく、子どもを遊ばせるのは公園ばかりになりました。それであれば栃木に戻ろうと決断しました」
かくして吉澤は、栃木発祥のフジスタッフを前身とするランスタッドに転職することに決めます。以前から興味を持っていた、人材業界での営業職(コンサルタント)としての採用でした。
→ストーリー:東京を離れ栃木へUターン。役者から営業職へ人材コンサルタントとしての道
U/Iターン就職調査結果とUターン就職/転職を経験した方々の声をご紹介してきましたが、U/Iターン就職に対する不安を乗り越え、充実した日々を送っている方も多いようです。実際に経験した方々だけでなく、就活生がU/Iターン就職をどう考えているのかという調査結果もありますので、ぜひあわせてご覧ください。
【関連リンク】
・コロナ禍の就活生はUターン・Iターンをどう考えているの?─地方企業への就職─
・<特集>地方への移住
・<特集>地域の声を聴き共に成長する企業
