芸能業界から会社員への転身、そしてUターン
高校を卒業後、地元の栃木県から東京に上京し、役者業とスタントマンを続けていた吉澤。しかし首を痛めたことでスタントの仕事を続けられなくなりました。ときを前後して子どもに恵まれたこともあり、芸能の仕事を辞めて会社員へと転身しました。
吉澤 「もともと人材業界に興味を持っていました。映画やドラマの撮影現場は、作品ごとに違う関係者と携わります。現場で初めて会う人たちと作品を作り、たとえばその3カ月が終われば、また違う現場で別の方たちと2カ月やっていく。一緒に仕事をする人が次々と替わる中で、会ってすぐに打ち解けるコミュニケーションスキルは人材業界の営業職に活かせるのではと思っていたんです」
吉澤が最初に会社員となる舞台として選んだ人材会社では、実際に配属されたのは、吉澤が思い描いていた人材業界の営業職とは異なる部署でした。
吉澤 「就職した会社からケーブルテレビの会社に出向し、そちらで個人宅への訪問販売の営業に携わりました。出向先から正社員のお誘いをいただき、そのままケーブルテレビ会社の正社員として営業を続けることにしたんです」
そんな中、吉澤に心境の変化をもたらず出来事が起こります。新型コロナウイルス感染症の蔓延による自粛生活です。
吉澤 「コロナ禍で外出を控える生活が続き、東京に住んでいる意味があまり感じられなくなったんです。都心部に出かけることもなく、子どもを遊ばせるのは公園ばかりになりました。それであれば栃木に戻ろうと決断しました」
かくして吉澤は、栃木発祥のフジスタッフを前身とするランスタッドに転職することに決めます。以前から興味を持っていた、人材業界での営業職(コンサルタント)としての採用でした。
チームワークとミーティングにカルチャーショック
ランスタッドのコンサルタント業務は、それまで吉澤が経験してきた個人宅の訪問販売とはまったく異なっていました。
吉澤 「前職では1日100軒、150軒と呼び鈴を鳴らし、会えた1人2人にお話をして、そこで契約が取れるかどうか。基本的にその場で契約書を作って契約を交わすので、そこで全部完結していました」
ランスタッドのコンサルタントは、クライアント企業と契約の話を取りまとめるだけが仕事ではありません。案件を社内で共有し、そこから他の担当者が派遣スタッフの人選と仕事の斡旋を行います。その後、コンサルタントと派遣スタッフが企業に同行し、業務内容や相性などを確認して、双方の合意が得られれば晴れて成約となります。
吉澤 「契約に至るまでのフローやスピード感がまったく異なります。外まわりの営業に加えて、打ち合わせや契約書作成、社内申請の書類作成など、半分くらいは内勤という印象ですね。以前は朝から夕方まで外まわりだったので、イメージに大きなギャップがありました」
かつては1人で完結していた営業も、ランスタッドではチームで連携する動きが多くあります。頻繁なミーティングも吉澤にはカルチャーショックでした。
吉澤 「こんなにミーティングをやるんだと驚きました。毎朝のミーティング以外にも、支店全体やチームとのミーティング、上司との1on1など、すごく機会が多くて。いろいろなことを共有しながらチームや支店単位で取り組もうという雰囲気があるので、モチベーションにつながっています」
部署や支社の枠を越えたコミュニケーション
吉澤 「ランスタッドの社員はみなさん優しく穏やか。オフィスはフリーアドレスで、他の部署の方たちからも『仕事に慣れた?』などと声をかけてもらえるので、横のつながりをすごく感じます」
コンサルタントの業務以外にも、「BTY(Better Than Yesterday)」というプロジェクトに参加している吉澤。これは「会社を昨日より良く」するためにどう改善できるかをテーマに、北関東エリアの支店に入社したての若手たちが意見を出し合う企画です。
吉澤 「1〜2週間に1回、他の支店の方と顔を合わせて交流する場にもなっています。全然知らなかった方たちの話を聞き、その取り組みから気づきを得ています。ランスタッドには、支店の垣根を越えたミーティングや会社全体で取り組むプロジェクトも多いと感じます」
BTYのメンバーが集って議論を始めると、白熱して予定時間をオーバーすることもしばしば。定期的に活動している「会社に関する部活動」のような取り組みもあると吉澤は話します。
吉澤 「他の支店の方たちとチームを組み『派遣スタッフの満足度を上げるためにどうすべきか』というテーマで活動しています。いろいろと交流の場を増やす機会を与えてくれる会社だなと感じています」
営業スタイルやチームワーク、周囲との関わりの他にも、吉澤の働き方で大きく変化した部分があります。それは在宅勤務の活用で時間を有効に使えるようになったこと。通勤時間や営業の移動時間を短縮することができ、効率的に業務をこなすことができています。
吉澤 「営業活動にも無駄がないですし、プライベートの時間もすごく増えました。子どもにまだまだ手がかかる時期で、栃木に不慣れな妻と一緒に子どもに関われる時間があるのは、とてもありがたいことです」
直面する課題と見据える可能性
一方で、栃木県での派遣スタッフの営業活動には、これまでにない難しさを感じている部分もあります。
吉澤 「ランスタッドは栃木県では名が知られていますが、全国的には大手派遣会社に比べて認知度が高くありません。栃木の営業所の方がランスタッドを知っていても、東京本社の方がまったく知らないということも。人材を手配している本社から、大手の派遣会社にだけ声がかかるというケースがあるんです」
企業に顔を出しに行き、まずは知ってもらうところから始めていると話す吉澤。営業所の方にしっかりと覚えてもらうことで、「栃木で人材会社と言えばランスタッド」と本社に伝えてもらえるような関係性を作っていきたいと考えています。また、“派遣社員”への認識も、東京と栃木では異なるようだと吉澤は感じています。
吉澤 「以前の職場では営業職20人のうち半数は派遣社員でした。東京では当たり前でも、栃木では正社員10人に対し派遣社員は1人だけという印象です。こんなに活用が少ないのだと驚きました。
『派遣は高い』と思われがちですが、社会保険や賞与の支払い、労務管理の取り扱いを考えると、正社員と大差なかったり固定費を抑えられる部分もあったりします。派遣社員に対する認識を変えられる営業をしていきたいと思っています」
いずれはマネジメントに携わっていきたいと言う吉澤。社内では横のつながりをより活性化させ、“One Randstad”としての協力体制でさらに大きな成果につなげていきたいと考えています。
吉澤 「ランスタッドの知名度も、派遣という働き方の認知度も、まだまだこれから。伸びしろがいっぱいあると可能性を感じています」
