信頼を築く温かな接客と、在宅医療を支える正確なサポート
門井さんが勤務するみよの台薬局は、薬剤師3人とRCS2人の計5人のチームで運営されています。門井さんの一日は朝の清掃から始まり、処方箋入力やOTC商品の発注など、さまざまな業務を分担しながら進めていきます。
「薬局の扉を開けて、患者さんが最初に接するのが私たちRCS。体調が優れないなかでお越しになる方も多いため、単なる事務作業に留まらず、少しでも安心していただけるような空気感をつくることを大切にしています。患者さんがふとした困りごとを口にしやすい雰囲気をつくるイメージですね。
以前お菓子を購入された方を覚えておいて、『今日もちょうど入荷していますよ』とお声がけするなど、日常の何気ない会話の積み重ねが、『この薬局に来てよかった』という信頼につながると信じています」
みよの台薬局の大きな特徴は、外来対応だけでなく「在宅医療」に力を入れている点にあります。
「毎週、薬剤師に同行し、高齢者施設への訪問サポートを行っています。ここでは約70人分のお薬を、一人一人の服用タイミングに合わせて患者さんの名前が記されていたケースにセットしていくのですが、1週間分を間違えずに仕分ける作業には、高い集中力と正確性が求められます。
施設の会議室をお借りして作業を行うのですが、70人分もの薬を一気に扱うため、一瞬の油断も許されません。名前や日付、服用のタイミングが一つでもずれれば、患者さんの健康に直結してしまいます。迅速さも必要ですが、それ以上に『正確であること』を最優先し、作業後には必ず薬剤師さんとダブルチェックを徹底しています」
また、施設関連の事務として毎月の請求書作成や口座振替の確認も担当しています。
「こうした事務の基盤がしっかりしているからこそ、薬剤師さんは指導に専念でき、患者さんは安心してお薬を受け取れるのだという自負を持って取り組んでいます」
人を支える喜びに気づいた原点と、人の温かさに惹かれて選んだこの道
門井さんが抱く価値観の原点は、大学生の頃の接客アルバイトにありました。とくにケーキ店での役割が、自身の適性に気づく大きな転換点となりました。
「現場には、ケーキの美しさを引き出すカット専門の職人がいました。1台のホールケーキを寸分の狂いもなく10等分に切り分ける作業は、高い集中力が求められる世界。私の役割は、職人がその作業に専念できるよう、接客やレジ対応をこなしながら、つぎに必要な道具を先回りして整えることでした。
職人の細やかな仕事を支えるなかで気づいたのは、自分が主役として目立つことよりも、周囲の環境を整えることに深い喜びを感じるという自身の適性です。自分の配慮によってチームが円滑に回り、誰かが高いパフォーマンスを発揮できている。その状況に、やりがいを見出しました」
この経験が『薬局事務』という道を選ぶ、指針となりました。
「就職活動では、自身の祖父が在宅医療を利用していた経験から「地域医療を支えたい」という軸を持って動いていました。そのなかで出会ったのが、一人一人の候補者に親身に向き合ってくれた総合メディカルグループ。OGの方がわざわざ時間を割いて、カフェで私の不安に一つ一つ丁寧に答えてくれたり、産休中だった人事の方から心のこもった直筆のお手紙をもらったり。人の温かさに、強く心を打たれましたね」
こうして2022年に入社を決意した門井さん。入社後も人の温かさは変わらなかったと言います。
「店舗の皆さんは私のことを娘のようにかわいがってくれて。未経験で専門知識がない不安もありましたが、『わからないことは正直に聞く。一度教わったことは必ずメモに取る』という基本を貫くことで、先輩方との信頼関係を深めていくことができました」
「小さなありがとう」が積み重なる仕事、患者さんの思いに応え続ける日々
門井さんは、処方箋を受け取る受付カウンターに留まらず、OTC(一般用医薬品)コーナーへも細やかに視線を送ります。棚の前で足を止め、商品を探している患者さんの背中には、言葉にならないサインが隠されているからです。何に迷い、どのような情報を求めているのか。そのサインをいち早くキャッチすることが、薬局全体のサービスの質を高めると考えています。
「以前、減塩のお菓子を熱心に選んでいる患者さんがいらっしゃいました。その様子から、その方の食生活へのこだわりや現在の病状をうかがうことができ、結果、薬剤師さんからより適切なアドバイスをお伝えすることができました。
私たちの仕事は単に書類を作ることではありません。私たちが得た細かな情報が薬剤師さんの判断を助け、結果として患者さんの健康を守る。薬剤師さんから『門井さんのおかげで助かったよ』と言っていただける瞬間は、チームの一員として認められた実感が湧き、とても誇らしく感じます」
また、門井さんは在庫管理や発注業務も担っています。そこでも大切にしているのは「患者さんの声」。
「患者さんから『こういう商品はないの?』と相談されることもあるんです。その声をもとに商品を発注しておくと、後日『これを探していたんだよ、ありがとう』と喜んでいただけます。そんな一つ一つの『小さなありがとう』の積み重ねが、この仕事を続ける大きな原動力になっています」
門井さんの誠実な姿勢は、さまざまな人との交流においても温かな変化を生んでいます。
「インターンシップの教育担当を務めた際は単なる業務内容だけでなく、その背景にある『患者さんを思う気持ち』を丁寧に伝えました。最終日に、インターン生が『門井さんの姿を見て、医療の道に進む決意が固まりました』と言ってくれたときは、胸が熱くなりました。後日、丁寧な感謝のお手紙まで届き、自分の仕事が誰かの人生の選択に影響を与えたことに、身が引き締まる思いでした」
さらに、在宅医療の現場でも、事務スタッフとしての枠を超えた絆が育まれています。
「ある時、90歳になった記念にと、患者さんから習字でしたためた一筆をいただいたことがありました。薬剤師さんのように直接的な投薬指導はできなくても、一つ一つのやり取りを大切にすることで、私たちは確実に患者さんの人生に寄り添っている。そう実感できる瞬間がこの仕事にはあるんです」
小さな変化に気づける強み、それが在宅医療を支える力になる
高齢化が進む社会において、在宅医療は今後ますます重要な役割を担い、家から出ることが困難な方にとって、薬局が届ける「安心」の価値は高まっています。
「患者さん一人一人が求めているものは一律ではありません。もっと頻繁に話を聞いてほしい方もいれば、正確かつスピーディーに済ませたい方もいます。その微妙なニーズの違いを一番近くで感じ取れるのが私たちRCSの強み。RCSだからこそ気づける『小さな変化』を、これからのサービス向上に生かしていきたい。もっと患者さんの声に耳を傾け、在宅医療の仕組みを薬剤師さんと共によりよいものにしていきたいと考えています」
こうした現場での思いを抱えながら、現在、門井さんは店舗業務の傍らで採用活動のサポートという新たな役割にも挑戦しています。座談会や説明会で自らの経験を語ることは、かつて自分が先輩に助けてもらったように、今度は自分が誰かの背中を押す番なのだという使命感につながっています。
「説明会に参加した学生さんが、私の話を聞いて入社を決めてくれたという報告を受けると、店舗での仕事とはまた違った達成感があります。専門的な知識は入社後にいくらでも身につけることができます。それよりも大切なのは、『誰かが喜んでいるのが好き』という純粋な気持ち。大学時代に友人と笑い合ったり、何かに没頭したりした経験こそが、患者さんの気持ちに寄り添うための土台になります」
門井さん自身も、これまでの経験を生かしながら前向きに仕事に取り組めていると言います。
「これから入る方にも、ぜひ安心して飛び込んできてほしいですね。まだ誰も気づいていないような小さな便利をつくっていく。そんな夢を新しい仲間と共有できればうれしいです。福利厚生も充実していますし、シフト制で休みがとりやすく、プライベートとのメリハリをつけてリフレッシュしながら働くことができる環境です。誰かのために一生懸命になれる尊さを知っている方と一緒に、みよの台薬局を地域で一番の温かな場所にしていきたいですね」
※ 記載内容は2026年4月時点のものです
