小さな相談も見逃さない、その積み重ねが現場を変えていく
坂下さんが所属する中部北陸地域統括営業部は、愛知・三重・岐阜・富山・石川・福井・静岡エリアを担当し、「よい医療は、よい経営から」をコンセプトに、医療機関に対して多角的なソリューションを提供しています 。その中で坂下さんは、新卒入社以来、エリア担当として、医療機関やドクターと向き合っています。
「私のミッションは、担当エリアにおける病院や診療所の生産性を向上させ、当社価値を最大化すること。単に製品を届けるだけではなく、医療機関が『よい医療』に専念できるよう支援することをめざしています。
直近では、300床規模の病院において、新規事業である入院セットの導入に注力しました。これはパジャマや日用品を1日単位でレンタルし、手ぶらで入院できる利便性の高いサービスですが、定着までには現場との緻密な調整が欠かせません。導入1カ月前から毎日のように病院へ通い詰めました」
営業の仕事は、契約を締結して終わりではありません。スタッフの方々の負担を軽減するため、自ら受付ブースに立ち、患者さんへの説明やスタッフへのフォローを徹底しました 。
「看護師の方々からは『このパターンの申し込みはどうすればいい?』といった実務的な質問がつぎつぎと寄せられます。現場の混乱を最小限に抑えるため試行錯誤を繰り返し、改善案を提示する。一見、営業らしくない動きかもしれませんが、この実直な取り組みこそが総合メディカルの価値なのだと実感します。
夕方まで病院で現場対応を行い、そこから事務所に戻って事務作業をこなす日々はハードですが、医療機関・患者さんのお役に立てていると感じると、介在した意味を感じます」
坂下さんのもとには、経営に関する重要な相談が寄せられる一方で、「エアコンの調子が悪い」「駐車場の白線が消えかかっているから引き直したい」といった、細かな相談もあります。しかし、坂下さんはそれらを決して疎かにはしません。
「先生方にとっては、どのような小さなことも切実な悩みです。開業前から伴走してきた総合メディカルへの信頼があるからこそ、私を頼ってくださる。期待に応え続けることで、その積み重ねこそが更なる信頼につながると考えています」
背中を押した社長の言葉。恩返しを誓い現場で気づいた信頼の本質
坂下さんのキャリアは、決して順風満帆なスタートではありませんでした。大学を卒業する間際、ある会社への入社を決めていた坂下さんですが、自身の価値観との相違を感じ、迷いが膨らんでいきました。
そのとき、坂下さんの脳裏に鮮烈に浮かんだのが、就職活動中に視聴した代表取締役社長の動画でした。
「当時の坂本社長(現会長)が『社員が幸せでなければ、良い仕事はできない』と断言されていたことが、ずっと心に残っていました。その理念に心から共感しましたね。すでに選考時期は過ぎていましたが、人事担当の方に『まだチャンスは残っていますか?どうしても御社で働きたいのです』と思い切って連絡を入れました」
異例の申し出に対し、当時の人事担当は坂下さんの熱意を真摯に受け止めました。
「本当に期限間際で、滑り込ませるように採用してもらえました。私のわがままを聞き入れ、信じて採用してくれた会社には、いつか必ず恩返しをしたい。その一心でこれまで歩んできました。
2020年の入社当初は新型コロナの影響で、同期と顔を合わせることもできず研修もオンラインが中心。研修を終え、支店に配属されてからは、毎日先輩に同行させていただき、ひたすら現場で学ぶ。とにかく必死に食らいついた1年目でした」
入社後、坂下さんは当初思い描いていた「華やかなコンサルタント像」とは異なる現実とのギャップにも直面しました。
「最初は戸惑いもありました。経営支援を語るコンサルタントとは言いつつも、一方で病室のテレビ台のメンテナンスをしたり、介護マットの搬入を支援したり。しかし、2年目に自分のエリアを任されてからは、その仕事の大切さに気づきました。マットを運ぶ道中で看護師さんと交わす会話、備品の点検中につぶやかれた先生の悩み。現場の小さな課題を一つひとつ解決していく積み重ねの先にこそ、真の信頼が得られるのだと気づいたのです。現在は後輩の指導も行っていますが、こうした経験の価値を、言葉で伝えていきたいと思っています」
「坂下くんなら任せられる」信頼を生んだ誠実な積み重ねと一歩先を読んだサポート
坂下さんの成長を象徴するのが、一昨年の夏に成し遂げた医薬品共同購買(GPO)の導入支援。年間20億円弱という大規模なプロジェクトは、社内でも大きな反響を呼びました。
「お取引先は、地域医療を支えるフラッグシップ病院でした。窓口となってくださったのは薬剤師の先生でしたが、医薬品の共同購買は病院全体の経営や運用に深く関わる案件です。事務長、本部長、そして理事長といった経営層の皆さまが、どのようなビジョンで病院を運営されているのか、組織として何を最優先されているのかを深く理解することに努めました。これは単なる製品の提供ではなく、病院全体の運営基盤を支える仕組みづくりの提案だったからです」
坂下さんは、単にコスト削減の数字を提示するだけでなく、窓口である薬剤師の先生が、院内の経営会議で他部署の方々と円滑に合意形成を図れるよう、検討材料を整えることに力を注ぎました。
「先生が院内でリーダーシップを発揮され、経営層からも『病院にとって価値ある仕組みを導入できた』と信頼を深めていただけるような提案を心がけました。具体的には、切り替えに伴う現場の業務フローへの影響をシミュレーションし、他院での成功事例を交えた詳細な資料を作成するなど、院内での多角的な議論に役立つ情報の提供を行いました。
病院という組織の意思決定プロセスに寄り添い、一歩先を読んだサポートを行う。この経験を通じて、多角的な視点から課題を解決するおもしろさを学びました。お客さまと共に最適な形をつくり上げるコンサルティング営業の醍醐味を、肌で感じた瞬間でしたね」
この成果により、坂下さんは推進担当として若手をリードする役割を任されます。そんな坂下さんが日々の営業スタイルで大切にしているのは、1年目の支店長からの教えだと言います。
「教えていただいた『GNO(義理・人情・恩返し)』という精神はとても大切にしていて、どれほど多忙であっても、院内ですれ違った方へのご挨拶や面談後のお礼メール等での御礼は欠かしません。先生がポツリと言った他愛のない約束も必ず守り、形にします。当たり前のことですが、経営層と対峙する仕事だからこそ、最後は人としての礼節が問われるんです。競合他社と比較された際、『坂下くんなら任せられる』と言っていただけるような誠実な関係性を、これからも築いていきたいですね」
営業っぽくない「課題解決型」の真髄。恩返しを胸に、課題を紐解くパートナーへ
入社7年目を迎え、坂下さんは自らの数字を追うだけでなく、後輩の育成という役割も担っています。
「当社には『ブラザーシスター制度』という、年齢の近い先輩が精神的にも実務的にも寄り添う制度があって、新入社員も孤独にならずに気軽に相談できる環境があります。また、もし営業という仕事に不安を感じていても、企画や不動産、法務など多様なキャリアパスがあり、適性に合った場所が必ず見つかるはず。物怖じせずにいろいろな経験を楽しみ、前向きに捉えられる方なら、きっと活躍できると思います。
私自身、最初は『拾ってくれた会社に報いたい』という一心でしたが、今では現場で医療機関やドクターと向き合い、課題を解決していく時間が何よりのやりがいです」
坂下さんのもとには、信頼関係を築いた先生から「今度スタッフの採用面接を行うのだけれど、同席して第三者の目線で見てくれないか」と頼まれることも。それは、単なる営業担当ではなく、一人のパートナーとして認められた証とも言えます。
「組織が大きく複雑な課題を抱えている病院ほど、自身の介在価値が試されると思っています。組織特有の文化や慣習を丁寧に紐解き、契約に至る過程には大きな手応えを感じますね。あのとき、自分をギリギリで採用してよかったと会社に思ってもらえるよう、これからも還元し続けたいです」
試行錯誤の日々を経て、確かな成果と自信を手に入れた坂下さん。忙しさに追われる日もありますが、坂下さんは終始笑顔で語ります。その姿からは、仕事そのものを心から楽しんでいる様子が伝わってきます。
「さまざまな人との出会いや対話は本当に楽しいですね。一つの病院を訪問しても、事務長や先生、薬剤師さん、時には理事長や受付の方まで、さらには外部のメーカーや税理士、社労士といった専門家とも連携しながら、課題に向き合います。
当社はリソースが豊富で、何かしらの形でお客さまの役に立つことができます。そんな総合メディカルの良さを、もっと多くの人に知ってもらいたい。これから新しく入ってくる方々と一緒に、物売りではない、『課題解決型』のプロとして、会社の存在感をさらに高めて、一人でも多く総合メディカルのファンを増やしていきたいですね」
※ 記載内容は2026年4月時点のものです
