ヘルスケアアプリや、オンライン薬局服薬指導。DXで薬局業界の未来を切り拓く
総合メディカルでは2022年度からデジタル事業部門を立ち上げ、その中核を担うデジタル事業推進部では、既存事業のデジタル化支援や、ヘルスケアアプリ「タヨリス」を軸とした新規ビジネスの企画開発など、多岐にわたる業務を手がけています。
齋藤さんはこの挑戦の中心で活躍する存在です。薬剤師としてキャリアをスタートさせ、店舗運営からエリアマネジメントまで、幅広い経験を積んできました。そして、現在の会社全体でのDX推進の必要性が高まる中、デジタル事業部門の立ち上げメンバーの1人として抜擢されました。
「私が所属するデジタル事業部門は2022年2月にできたばかりで、今年の4月にデジタル事業推進部という形になりました。業務内容としては、既存事業のデジタル課題の解決支援、ヘルスケアアプリ『タヨリス』を介した新規ビジネスの企画開発、そして一部薬局店舗の運営、損益管理、計画達成のための企画立案実行の3つに大別されます。
現在は、アプリ『タヨリス』を使って新規顧客との接点を得ることが大きな目標の一つです。これまで当社は処方箋を持つ患者さんとの接点しかありませんでしたが、『タヨリス』を通じてアライアンスパートナーや他企業とのビジネス企画や実証実験に注力しています」
たとえば、服薬指導のデジタル化についても、オンラインで薬剤師と患者さんをつなぐことで、プライバシーが配慮され、対面では難しかったきめ細やかなサポートも可能となります。
「私は現場でのまとめ役から、デジタル企画の立場へとシフトしたタイミングが、ちょうど会社としてのDX課題への取り組み開始時期と重なっています。まさに、変革の時代の只中ですが、現場感覚を備えた薬剤師出身だからこそ、DXの本質を捉えた企画立案ができるように努めています」
薬剤師としての現場経験を積み重ねて知った、チーム一体で得る成長の楽しさ
学生時代、とくに高校まではサッカー一筋だったという齋藤さん。しかし、部活動に熱中するあまり学業が疎かになり、結果、浪人生活を送ることに。そんな中で出会ったのが、薬剤師という職業でした。
「薬学部を選んだ理由は複合的で、昔から誰かのために尽くしたい、寄り添いたいという気持ちが強かったこと、当時は就職難で国家資格を持つ必要性を潜在的に感じていたこと、当時の医薬分業率の低さから将来の売り手市場を予想したこと、そして幼少期からの薬への興味などがありました」
大学卒業後、薬剤師としてのキャリアを総合メディカルでスタートさせた齋藤さんにとって入社の決め手となったのは、当社にある多様なキャリアフィールドだったと振り返ります。
「当時から、できるだけ長く働ける会社に出会いたいという思いがありました。総合メディカルを選んだのは、さまざまなフィールドや異動の機会がありそうだと感じられたからです。薬剤師としても挑戦ができるし、その他にもできることが多くありそう、と。そして、実際そうでしたね」
入社当時は、群馬県に配属。新規開局の店舗が次々とできているころでした。
「2年目で上司から薬局長の打診を受けました。これには新規店舗ができたのに人が足りなかったという要素もありましたが、自分にもチャレンジをしてみたいという意欲はありました。2年目の早い段階でマネジメント研修も受講しましたね」
着実にキャリアを重ね、やがてブロック長としてエリアマネジメントを任されるようになった齋藤さん。会社の成長期と重なったこの時期には、店舗数拡大というミッションのために多くの観点を身につけました。
「栃木・埼玉県で8店舗だったところから数年で21店舗まで増えた経験は多くのことを学んだなと思います。開局し、落ち着いたらまたすぐ次の店舗が開局という目まぐるしい日々でしたが、楽しかったですね。病院や薬剤部長との打合せを通して柔軟性やバイタリティを培うことができ、成長の手応えを感じていました。
ヒト・モノ・カネの管理や新規開局の打ち合わせなどが主な仕事でしたが、とくに、薬局長の育成に注力しました。部下の成長を見れることは、私自身の動機づけにもなっていましたから」
店舗が急速に拡大する中で、齋藤さんが大切にしたのは“一体感”でした。
「月1回の土曜日にブロック会議を開催し、その後は必ず懇親会を設けてプライベートな話もしながらコミュニケーションを取ることを心がけていました。仕事以外の話を通して、チームの一体感を育むことに注力したブロック長としての6年間だったと思います」
こうして現場経験を積んだ後には、新たなフィールドとして、ブロック(長)をまとめるエリア長(現在の運営部長)やグループ会社の代表取締役も経験。こうして齋藤さんのキャリアは、同期と比べても早いスピードで昇進してきましたが、その原動力はとにかく現場運営のおもしろさにありました。
「運営の仕事がとても好きで、現場でみんなと汗水を流すことにやりがいを感じていました。組織が大きくなるほど、触れる領域の広さと深さのバランスは取る必要がありましたが、運営に関しては常に、課題も含めて取り組みがいがありました」
また、現場経験を通して、薬局の可能性についても考えを巡らせています。
「今でこそ『かかりつけ薬剤師制度』が主流になっていますが、当時から患者さんにとって担当薬剤師が統一されることが良いと考え、先行的に総合メディカルでは取り組んでいました。
また、年に一度開催される社内学術発表会『ファーマシーフォーラム』に向けて、各店舗で日頃の取り組みを発表する予選会を実施し、栃木ブロックが最優秀賞を受賞したこともありました」
現場への深い知見を得たこれまでの経験と、自分にとって未知の領域を掛け合わせる
薬剤師として、そしてマネジメント職として、着実に積み重ねてきた齋藤さんのキャリアとその過程で得た知見の中でも、とくにチームビルディングに対しての考え方は、現在のデジタル部門での新しい挑戦にも生かされていると言います。
「トップダウンでの指示が必要な場面もありますが、チームビルディングにおいては、1+1が3にも4にも5にもなるような相乗効果を生み出すことを意識していました。何よりも、みんなが楽しく仕事ができる環境づくりを心がけていました」
そうして動きやすいチームと共に15年間に渡り関東エリアを担当した後、あえて中国地方への異動を齋藤さん自ら希望したのは、コミュニケーションだけで物事が運用できるような状況に甘んじることなく、新たな挑戦を求めたかったからと振り返ります。
「長く同じエリアを担当して全体を見る立場になっていったことで、コミュニケーションだけで物事が運用できるような状況になっていました。そこで、自ら希望を出していちから未知の土地で挑戦したいと考えました。
上司や部下との関係性が固定化・単一化しすぎているのではないか、自分にも刺激が必要だと感じたタイミングでもありましたから。後任の方が成長するチャンスにもなると考え、決断しました」
そうした挑戦を続けてきた齋藤さんにとって、デジタル事業部門への異動は、まだ新たな学びの機会となっています。
「正直なところ、以前はデジタルにはあまり興味がなく、Excelなどの操作すらも苦手でした。デジタル事業部門に呼んでいただいたことで、本部の役割やDXの重要性について、再びいちから学ぶ機会を得ています。
とはいえ、これまでの薬局現場でのさまざまな経験が礎になっているため、常に『現場のため』を意識しています。現場の皆さんが手間にならないように“効率化”の支援も積極的にしていきますが、それ以外に現場の皆さんへの真摯な“教育”も必要だと考えています。
現場の皆さんが主体性をもって生き生きと行動しないと会社の拡大も成長もありません。DXという攻めの戦略で現場を巻き込み、新しいことにチャレンジできる環境づくりが重要です。私の中では、“効率化と現場の活性化”の2つの側面から『現場のため』とは何かを常に考えています」
とくに、Z世代の若手社員にとって、デジタル化は大きな意味を持つはず、と齋藤さん。
「現場では、さすがに人間ですからずっと同じ業務を続けることでマンネリ化することもあります。新しい取り組みを通じて刺激を与えることが必要だと考えています。とくに現在の若手社員はすでに完全にデジタルネイティブですし、この業界のDXに高い関心を持っている方も多いですよね。デジタル化を推進していく勢いを一緒に作っていければと思います」
調剤薬局の未来を切り拓くDXのキーパーソンとして
18年間、現場の最前線で奮闘し、マネジメントを経験してきた齋藤さん。その経験とDXへの情熱を武器に、今度は本部の立場から業界の変革を牽引しています。
「正直なところ、本社勤務が自分にできるだろうかという思いも最初はありました。ただ、現場で18年働いてきて、そろそろ本部でしっかりと仕事をしてみたい、さらにいろいろな場所で頑張ってみよう、と決意しました。
DXを推進していく上で、チャレンジ精神を持ったメンバーがまだまだ必要だと考えています。世間一般でも、当社の社員の中でも、『DXって何?難しいんじゃないの?』という考えを持つ人も多いと思います。私自身もそうでした。DXの答えは、まだまだこれから開拓していかなければならない部分が大きいですし、現場のためになること、効率化につながることを、自ら考え抜く力が求められます。
けれども、逆に言えばやるべきことが決まっているわけではないので、チャレンジ精神旺盛な人なら、高いモチベーションを保ちながらどんどん新しいアイデアを実現できる領域。チャレンジを続けられる人こそが、DX時代の推進力になると信じています」
齋藤さん自身は、自分の強みを「謙虚さと誠実性」だと言います。
「何か問題が起きた時、人のせいにする人は意外と多いものです。人間らしさも大事ですが、そういう時こそ謙虚に自分の責任として、強く、謙虚に、真っすぐ立ち向かうことが重要だと思っています。このような姿勢を組織の中で示し続けていけたらと考えています」
会社の制度を活用しながら、自身の目標を高く持つことが、総合メディカルでのキャリアを広げる鍵。チームの一体感を大切にする齋藤さんは、これからも進化し続ける調剤薬局の可能性をDXと掛け合わせ、現場の社員とともに歩んでいきます。
※ 記載内容は2024年4月時点のものです
