セキュリティ領域からキャッシュレス決済領域へ。事業責任者としてスケール化に貢献
──まずは、三井住友カードに入社するまでのキャリアを教えてください。
私はエンジニアとしてキャリアをスタートさせており、海外ベンダーを含むさまざまなパートナーとの協業やセキュリティプロダクトのローンチを複数経験しました。
キャッシュレス決済に大きく関わるようになったのは、前職の決済システムを扱うベンチャー企業です。そこで、当時日本のキャッシュレス決済が抱えていた「中小店舗ではICカードで決済できるところが少ないこと」や「磁気スワイプ方式によるセキュリティの脆弱性」という課題を解決するため、事業責任者として開発を手がけました。
──三井住友カードには、2024年12月に入社しています。入社の決め手となったことを教えてください。
キャッシュレス決済の事業に関わるうちに、三井住友カードとのつながりも出てきました。その中で、stera事業の急速な拡大に対応するため、自社のエンジニア組織を強化して内製化を検討しているという意向を知ったのです。
そのためには、エンジニア目線でプロダクトをコントロールできる人材が必要です。これまでの私の経験を活かせば、その課題に貢献できると考えたことが入社の決め手になりました。
エンジニア組織を作り、競争の激しい環境で機動力をもって開発を進める
──steraエンジニアリング室は、2025年4月に新設されました。入社後4か月での部署の立ち上げとなりますが、どのような経緯があったのでしょうか?
先ほどお話したように、steraエンジニアリング室は内製化を進めるための組織です。内製化を推進する最大の理由は、競争の激しいビジネス環境で、新機能の追加や戦略的な方向転換が必要になった際に、機動力をもって対応できるようにするためです。
何より、「steraというプロダクトを最も深く理解し、愛着をもって開発すべきは三井住友カードの社員である」という考えが根底にあります。
もちろん、共に開発してきたパートナー企業とはこれからも力を合わせていきますし、すべてを内製できるわけではありません。しかし、自社の戦略を素早くプロダクトに反映させていくためには、エンジニアもビジネス的な観点を持ち、モノづくりに関わる必要があると思うのです。
──立ち上げにあたり定めた、steraエンジニアリング室のミッションや目標、運営方針などを教えてください。
私たちがめざすのは、「街の隅々でキャッシュレス決済を気軽に、素早く、安心安全に使えるようにすること」です。世の中の変化のスピードが早い今、3年後のことであっても見通すのは難しい状況です。変化のスピードに対応するためにも、これからどんどん採用を進めて、メンバーを増やす予定です。
そのため、「最初から決めすぎず、計画しすぎないこと」をチームの方針にしています。これは、新たに加わるメンバーと一緒にチームを作り上げていきたいという考えからです。ビジネスとしての展開も見据えながら、皆の知見を活かして柔軟に方向性を定めていきたいと思っています。
1期目となる今期は、小規模なプロジェクトから始め、チームビルディングをしながら組織を作っていく予定です。私自身、まだ見ぬ仲間と共に事業や組織を作り上げていくことに、とてもワクワクしています。
──現在のメンバー構成を教えてください。
社員とフリーランスのエンジニアを含めて、メンバーは8名のいわゆる「ツー・ピザ・チーム」です(2枚のピザで足りる人数のチームは、効率的でお互いをフォローし合えるため、強いチームになるというAmazon CEOのジェフ・ベゾスの考え)。
入社時に4月の段階でツー・ピザ・チームのビルディングを目標にしてきたので、現状第一目標は達成できましたが、これから組織を拡大していく中でも「ツー・ピザ・チーム」の動きを意識していきたいと思っています。
金融領域ならではの厳しさとエンジニアの働きやすさを両立しながら、働く環境を整備
──メンバーが働く環境づくりについては、どのようなところに注力して取り組んでいるのでしょうか。
これまで基本的には外部ベンダーに開発を委託していたため、正直なところ、エンジニアが働く環境としては不十分でした。そこで、入社してからの4カ月は、エンジニアが働く上で「尖った環境」「モダンな環境」を作ることに力を注いできました。
フリーランスエンジニアの採用も含め、三井住友カードにとってはチャレンジングな取り組みでしたが、各所と連携しながらハイスペックな機器の導入やスタンドアローン環境の整備などを進め、スキルを存分に発揮できる場を作っています。
まだまだ手探りなところはありますが、他部門のご協力も得てエンジニアがリモートワークで密にコミュニケーションが取れるようなルールや仕組みを作りました。
──金融業界の企業だからこその難しさもあったと思いますが、とくに大変だったことはありますか?
情報漏洩対策やコンプライアンス遵守などは、一層厳しい基準が求められます。そこがエンジニアの働きやすさとトレードオフになる難しい部分でしたが、経営陣やコンプライアンス管理部門、人事部門、システム部門などとじっくり話し合いながら、丁寧に課題を解決してきました。
現在は、整備した環境の運用フェーズに入る段階です。新しく加わるメンバーには、ぜひ働く環境についても積極的に意見を出してほしいと思っています。
立ち上げフェーズだからこそ、皆のアイデアを持ち寄りながら自由に組織を作り上げていけるおもしろさがあります。柔軟性とスピード感をもってさまざまなチャレンジをしながら、より良い環境に進化させていきたいですね。三井住友カードにとどまらず、SMBCグループ全体のエンジニア組織のモデルケースとなることをめざしたいと思っています。
──長くキャッシュレス決済領域で仕事をしてきて感じるやりがいや醍醐味を教えてください。
まずは、自分たちが世の中に送り出した技術やサービスが、街中で実際に使われているのを目にすることができる点です。自分たちの仕事が社会に貢献していることを目に見える形で実感できることが、この領域で仕事をするやりがいですよね。
とくにsteraは、今急速に広がっているところです。社会基盤を支えているという気概を持てるところが醍醐味です。
盤石な顧客基盤と豊富な金融アセットを活かし、総合的なサービスを生み出す
──今後、stera事業を拡大していくにあたり解決すべき課題と、三井住友カードならではの強みを教えてください。
おかげさまで、stera端末を街中で目にする機会はずいぶん増えてきましたがまだまだ伸びしろはあるように感じています。今後、広くサービスを拡張していく際には、SoftPOS(汎用Androidデバイスを利用した決済技術)のようなモバイルセキュリティ技術の活用や、内製化を進めたり、既存のstera基盤と金融商材を組み合わせたりする等して、より多くの店舗に提供していく必要があります。
その上で、三井住友カードの強みは、SMBCグループならではの顧客基盤。これは、steraが急成長できた要因のひとつです。さらに、豊富な金融アセットとキャッシュレスを組み合わせて提供できる点も強みです。金融グループだからできる総合的なサービスを考えることで勝ち筋が見てくるのではないかと思っています。
加えて、チャレンジに寛容な文化があることも魅力です。その環境で与えられたチャンスをエンジニアとしてものにしていく組織を作ることが私の使命です。
──これから組織を拡大していくあたり、どのような人材と一緒に働きたいと考えていますか?
決済システムの醍醐味を楽しんでくれる方、技術者同士で活発なコミュニケーションを取りながらチーム開発をしたい方、自分が作ったものが世の中の役に立つことに喜びを感じられる方と一緒にチームを作っていきたいですね。
現在のメンバーはキャッシュレス領域に精通している人もいますが、これから入るメンバーは、経験にこだわらずに採用を進めています。業界知識は開発を進める中で習得できますから、フォローアップ体制も整えながら、幅広い人材を受け入れる方針です。
組織や事業を拡大していくためには、モバイル、クラウドプラットフォーム、バックエンド、フロントエンドなど、さまざまな技術スタックを持つメンバーが必要です。当然、チームを横断的にまとめるマネージャーのポジションも生まれます。マネジメントに挑戦したい方はマネージャーとして、技術を極めたい方はテックリードとして、多様な選択肢を用意したいと考えています。
組織の価値観や方向性が固まっていくのはこれからです。積極的に意見を発信しながら、そのプロセスを楽しめる方に来ていただきたいですね。
※ 記載内容は2025年4月時点のものです
