大学時代は美術を専攻。ひょんなことからIT業界へ
2023年に中途入社し、IT本部 CIO(チーフ・インフォメーション・オフィサー)に就任した林。大学卒業後、ITのスペシャリストとして「IT業界」と「アパレル業界」のグローバル企業を渡り歩きました。
「大学では美術・考古学を専攻していました。当時アイ・ビー・エムがネットで美術館の収蔵品を見られるサービスをリリースしていたこともあり、インターネットを通して好きな美術品を身近に感じられる仕事に貢献したいと思い入社しました。私にとってはおもしろい誤算で、予想していなかった方向に人生が動きましたね」
アイ・ビー・エムでは19年間、ECや新技術の導入を得意とするITアーキテクト(経営戦略やビジネスプロセスにもとづきシステム全体を設計する職種)として活動。期間限定でアメリカ本社の一員として活動し、日本にほとんどいない時期もあったのだとか。林はアメリカ本社の印象を話します。
「アイ・ビー・エムは、約25年前から“女性の管理職を25%に増やす”と目標を掲げていたこともあり、ロールモデルとなるような優秀な女性が多くいました。女性だからという理由でキャリアを諦めることは一切なく、とても恵まれた環境だったと思います」
その後、株式会社ファーストリテイリングに転職。ECサイトの運用に携わり、IT部長として13カ国のECサイト統括に奔走しました。2年半の在籍後、株式会社セールスフォースに入社。翌年アパレル企業の株式会社アダストリアにてコンシューマー・デジタル領域(ECサイトやモバイルアプリなど顧客のデジタル的な接点となる領域)の統括に携わります。
「セールスフォースではプライベートの時間をしっかり取れる、いわゆるホワイトな働き方でした。素晴らしい時間を過ごしたのですが、ファーストリテイリングで味わったシステムの計画立案、上程、開発から運用までを行う楽しさが心に残っており、また携わりたいなと。ちょうどアダストリアがECの開発部長を募集していたので、すぐに飛び込みました」
アダストリアでは「いろいろなことを好きにやらせてもらった」と語ります。
「さまざまなタイプのおもしろいメンバーがそろっていた上に、“お客さまにちゃんとした良いサービスを提供したい”という共通の想いが会社全体にありました。大事なことをぶらさずに、時には泥臭いやり方を選ぶようなカルチャーが自分に合っていたと思います」
約6年間アダストリアに在籍後、ランスタッドへの入社に至りました。
入社の決め手は自分のルーツ。「ヨーロッパと日本の懸け橋になる」
ランスタッドに入社した理由は3つあり、1つめは「人の生活に直結しやすい人材業界へ貢献できるから」と林は言います。
「前職ではアパレル業界に身を置いていたので、業界を変えるのに多少の迷いがあり、友人に相談しました。すると、『就職や転職を希望する人に職場を紹介することで、その人たちの生活をより良くできる素晴らしい業界なのでは』とアドバイスをもらったのです。そこから自分のキャリアの最終コーナーで日本や人に直接的に貢献できる仕事に魅力を感じました」
2つめは、まだ少ない女性CIOの事例を増やすことで、女性IT従事者の励みになると考えたからだと話します。
「私はNo.2が得意なタイプなんです。でも、私がこのようなポジションに就くことで、女性たちのキャリアの選択肢が増えるかなと。仕事を頑張るモチベーションになると考えています」
林は「得意なシステム作りや運用を通してお客さまの役に立ちたい」という想いを胸に、長期間現場で仕事をしてきました。結果として、CIOへの道が開かれたと語ります。
「私は現場で仕事をするのが好きでした。ただ、50歳を過ぎて、新しい仕事を学びたいと思ったのです。引退までのキャリアを考えた時に、CIOを経験させていただくのは良い選択だと考えました。このようなチャンスをいただけたのは、周りの人と運に恵まれたからだと思います」
また、林は幼少期をヨーロッパで過ごしており、「ヨーロッパで生まれたランスタッドに縁を感じた」ことを3つめの理由として挙げました。
「幼少期に父から『あなたの振る舞いが日本人の振る舞いだと思われるぞ』と厳しくしつけられていました。同時に、『ヨーロッパと日本の懸け橋になるように』とも言われていたのです。多感な時期に滞在していたので、やはりヨーロッパには思い入れがあります。
現在51歳。キャリアの最終コーナーを曲がったところで、自分のルーツの1つであるヨーロッパで生まれたランスタッドからオファーをいただき、ご縁を感じたので入社を決めました」
ランスタッドのITを「勇者の装備」に変えるのが目標
ランスタッドに入社して数カ月。現在は日本法人のIT戦略の「立案」と「遂行」を担っています。林は「ランスタッドのIT分野は伸びしろしかない」と語り、より良くするための戦略を練ることがやりがいにつながっていると話します。
「ランスタッドのITを装備でたとえるなら、黄金の靴を履いているけど、武器はヒノキの棒を持っているようなバランスの悪い状態です。現在はすべて勇者のレベルの装備に仕上げるため、目的を定めたり、段取りを組んだりと今後の戦略を立てています」
林には仕事で大切にしていることが3つあります。1つめは「過去を簡単に否定しないこと」と話します。
「後から来た人が、過去のうまくいかなかったことに言及するのは簡単ですが、必ず結果には理由があるはずです。否定するのではなく、『なぜそうなったのか教えてほしい』と投げかけて、丁寧に紐解く必要があります」
2つめは、「問題が発生したときに人を責めず、問題が起きない仕組みを考えること」と話します。
「IT業界は“運用の成功”が当たり前で、何か問題が発生すると犯人を探しがちです。そうではなく、問題が再度起きないような仕組みを考えるべきだと思います」
3つめは、IT業界でゆでガエル(緩い状況に危機感を覚えず、気づいたときには手遅れになっている状態)にならないことと林は言います。
「新しいサービスが日々生まれるIT業界では、置かれた場所で与えられた仕事だけをこなしていると、自分たちのスキルはどんどん陳腐化していきます。現状維持を選ぶだけでは会社という船は沈んでしまうので、時には新たな学習や、リスクを取って新しい取り組みを始める必要があります」
また、一緒に働くメンバーはダイバーシティに富んでいると林は話します。
「IT本部は外国籍をはじめ、さまざまな背景を持ったメンバーが在籍しています。異なったバックグラウンドを持つメンバーが一緒に働くことで、新しい化学反応が生まれるのではないかと思います。
執行役員、IT本部のメンバーも互いをリスペクトして、協力をする文化が根付いています。また、他国のランスタッド法人に問い合わせても、包み隠さず質問に対して回答してくれます。情報を取りに行く姿勢があれば、必要な情報は社内で手に入ります。そんなポジティブで透明性があるランスタッドのメンバーの一員になれたのは、とても幸運なことです」
現場を牽引する存在から、メンバーをサポートする存在へ
今後の目標を聞くと、林は次のように教えてくれました。
「ランスタッドのITはまだまだ伸びしろがあるので、これから整備していき、社員や当社で就業している派遣社員がストレスなく仕事に取り組めるようにしたいですね」
一方で、現場で開発や運用をできないことに対して「もどかしい気持ち」もあると言います。
「今までは自らが統括プロジェクトマネージャーを務めるなど、現場の意思決定自体も行いつつ最前線で仕事をしてきました。現場の仕事には愛着があるのですが、より俯瞰する立場に立たなくてはいけません。
直接的に関わる範囲が限られてくるというもどかしさはありますが、今までの経験を活かして、足りないファンクションを補う仕組みを考えるようにできればと思っています。寝ている間に小人が靴を縫ってくれるような、気がついたら回り出してる!というような仕組み化を進めていきたいです」
最後に、ランスタッドのIT分野に興味を持ってくれた方へメッセージを残しました。
「ランスタッドのIT部門は仕組み作りだけでなく、運用と改善も行います。最終的に、ビジネスを変えていくことがゴールです。共感してくれる方とぜひ一緒に働きたいと思っています」
※ 記載内容は2024年6月時点のものです
