サウナもトライアスロンも、ビジネスパーソンらしい趣味?
──今日はお二人の新規事業に対する姿勢やお人柄、雰囲気を伝える対談にしたいと考えています。
岡本 「人柄だって。では最初は、趣味や息抜きの話でどうでしょう?」
得能 「だったら、サウナですかね。サウナに行くと、『脳にたまった要らないもの』が全部流れていく。新規事業創造は悩ましい日もあるけど、サウナに入ると考えがクリアになります。よくビジネスパーソンがハマるって聞くけど、分かる気がする」
岡本 「ビジネスパーソンが好む趣味といえば、僕はトライアスロンが好き。まさに『究極のセルフマネジメント』ですよ。走る、こぐ、泳ぐ、全部やるんだもの」
得能 「趣味もどこかで仕事とつながっていますよね。仕事ではどう? 何に興味がありますか?」
岡本 「少し抽象的だけど、いわゆる『古い業界』を変えたい気持ちがあります。僕はもともとエンジニアなので、何十年もビジネスモデルが変わっていない業界は、テクノロジーで変えられると期待してるんです」
得能 「私とはまた違った視点ですね。私はもともと『まなぶ』に興味がありました。前職は教育系のスタートアップ。そこから次第に『まなぶ』とともに『はたらく』の課題にも興味を持つようになったんです」
岡本 「課題がありそうなテーマですね」
得能 「そう。大学生まででまなびは終了して、突然はたらくことを考える。大人になったらまなぶ機会は少なくなりますが、これからは一生学んでいく必要がある時代です。だから、『まなぶ』と『はたらく』がすごく遠い現状を、なんとか変えたいと考えています」
新規事業は、産みの苦しみより、育ての苦しみ
──そもそも、得能さんがまなぶことへ興味を持ったのはなぜだったんですか?
得能 「学生時代に、ビデオカメラ片手に世界を巡りながらさまざまな人に取材をしていたんです。中でも、海外の大学生に話を聞かせてもらったのが大きなきっかけとなりました」
岡本 「いいねぇ」
得能 「海外の大学生は社会や政治に対して、かなり高い視座で自分の意見を持っていました。そこが日本の大学生と違うと感じて、ショックだったんです。そこから、先生が一方的に教えるのではなく、まなぶ人が自らの意見を主体的に考える教育が日本にはもっと必要だと思い、教育系のスタートアップへ入社しました。そこでは『アクティブラーニング(※)』を広める事業を担当。文部科学省が推進するものとなったところで、自分の中で一区切りがついたので、次ははたらくことについて考えようと思ったんです」
※アクティブラーニング:能動的な学習のこと。受け身に授業を聞くのではなく、児童・生徒自らが学びへ向かうよう設計された学習法や授業。
岡本 「なるほど。事業立ち上げやスタートアップ企業を経験している点で、我々は同じだね」
──岡本さんも、数々の立ち上げやスタートアップを経験していますよね。
岡本 「僕の経歴は、すごく長くなっちゃう(笑)。短めにお話ししますね。事業立ち上げの最初は、オーストラリアでのものです。英語習得目的の渡豪だったのですが、エンジニアスキルを活かして生活費を稼ごうと、顧客管理システムをつくり企業へ提供しました。2000年前後のオーストラリアはまだITが進んでおらず、需要が大きかったんです」
得能 「日本へ帰国してからは?」
岡本 「その後も、事業やサービスの立ち上げをいくつか経験しました。600億くらい売り上げたものもあります。CTOや技術部門のトップも経験し、マネジメントもやりました」
──お二人ともさまざまな領域で新規事業の立ち上げを経験して、現在はパーソルキャリアでも新規事業をやっていますよね。事業をつくるおもしろさはどんなところにありますか?
岡本 「おもしろさも感じますが、正直なところ、苦しみを感じることが多いですよ!」
──よく、「産みの苦しみ」といいますが、やはり新しいものをつくるのは苦しみが伴いますか。
得能 「そうですね。新規事業って答えがないから」
岡本 「僕は『産みの苦しみ』よりも、『育ての苦しみ』だと思います」
得能 「分かる(笑)!」
岡本 「でしょ? 事業はつくって終わりではない。世の中に出したら、ずっと育てなきゃいけない。人気があるときもないときも、責任持って面倒を見ていくのは苦しいですよ」
得能 「もう一つ、自己否定する苦しみもあります。新規事業は、産業そのものを変えようとする試みです。しかしそのためには、自分たちが築いてきた産業を自分で壊すことも必要になる。だから苦しいんです」
岡本 「そうね。でも苦しいながらも、少しずつできることはあるから。広い視点と、何より、これをやりきるんだという熱量には支えられますよね。苦しい分だけ、その先には産業そのものを変えていくおもしろみがあるからね」
得能 「パーソルキャリアは、産業を変えていこうという気概を感じますよね。そもそも、苦しい時間があるからこそ、楽しい瞬間が輝くんだと思うんです。全部がうまくいったら、実際満足できない気がする(笑)。踏ん張るとき、大変なときを乗り越えて達成するような挑戦をしたいです」
ぶつかり合うことで、自分は磨かれる
──お二人は、なぜパーソルキャリアではたらこうと思ったんですか?
得能 「実は、最初はほとんど興味がなかったんです」
岡本 「僕も(笑)」
得能 「新規事業づくりは長いチャレンジなので、長く一緒に仕事をしたいと思える人たちとはたらきたかった。そういう人が見つけられたのが、パーソルキャリアだったんです」
岡本 「分かるなぁ。新規事業は苦しいし、意見のぶつかり合いがあるもの。『この人たちとなら』と思える環境が必要だよね。ベンチャー企業を経験してみて思うのは、人とのつながりというより、プロダクトとのつながりのほうが強い企業もあるということ。
その場合、プロダクトの進め方が少しでもずれると、気持ちが離れていってしまう可能性が高い。だから、僕はプロダクトよりも人との関わりを重視したかったんだけど、パーソルキャリアは良い意味でプロダクトに寄っかかりすぎず、人とのつながりが濃い会社でした。いろんな才能とのぶつかり合いの中で、自分が磨かれていく感覚があります」
得能 「メンバーはもちろん、パーソルキャリアの経営層にも同じことを感じます。自責の念を持って、自分たちを変えようと思いながら仕事をする経営層ですよね」
岡本 「本当に。大企業の経営層は、もっと遠くて偉そうな存在だと思っていたけど。違ったもん(笑)。近くでコミュニケーションが取れるし、インプットもたくさんしている」
──この人たちとなら苦しさも乗り越えられると思うポイントはどんなところですか?
得能 「みんなが産業を変える存在として自覚を持っている、と感じます。苦しい中でも、ポッと出た目先の利益に飛びつかない。みんな、すごいなぁって」
岡本 「目先の利益に惑わされないよね。もともと持っているビジネスモデルを回せば、ある程度の利益でやっていけそうな場面でも、そうしない。もっとキラキラした未来に向けて、今動いていこうとするよね。その根底には、ミッション・ビジョンの浸透がある気もする」
得能 「約5,000人いる企業でミッション・ビジョンがこれだけ浸透しているってなかなかないですよね。コミュニケーションを意識的に取る企業だからでしょうか」
岡本 「1on1、何度でもしますよね。自主的な勉強会や事例共有会も、参加しきれないくらいある。ミッション・ビジョンの話は、普段から無意識に会話に出てくるし」
得能 「本当にそう。私のチームではしくじり共有会、っていうのも開催していますよ!そうやって普段の会話で考えが共有されているから、みんなで目的をブラさず前に進めるのかもしれないですね」
大型客船を進める一員として、誇りを持って
──新規事業の立ち上げのおもしろさも苦しみも、今日はよく分かりました。
岡本 「苦しみの話のほうが多くなっちゃいましたかね(笑)?」
得能 「スタートアップ企業を経験すると、とくに苦しみの話が多くなるのかも」
──というのは?
得能 「スタートアップ企業は、すべてがゼロからなんです。ゼロから自分でやる楽しさの一方、資金もゼロ、知名度・信頼度もゼロ、時間だって常にない」
岡本 「それは苦しさではありますね。そう考えると、ある程度既存事業があり、組織が整備されているところで、新規事業にチャレンジできるのはパーソルの強みですよね。生み出す苦しみはありつつ、お金や時間の不安は少ない」
得能 「そうだよね。どちらがいいというわけではなく、それぞれに特徴がある。スタートアップは船に例えるとボートです。何もないからこそ、身軽に向きを変えたり、自由に動き回ったりできる」
岡本 「大企業は、大型客船ですよね。向きを少し変えるだけでも、多くの担当者と連携する必要がある。でもその分、失敗しても簡単には沈まないから挑戦できるし、みんなで取り組む連帯感も得られます。ゆっくりに見えるかもしれないけれど、気づけば大きく進んでいるような船ですよね。一人ひとりが、自分の船に誇りを持ちながら仕事をできる、そういったよさがあるのではないでしょうか」
得能 「そうだね、いい例え!」
岡本 「ある種『いいとこ取り』というか。安心や基盤もほしい、でも世の中を変えるチャレンジをしてみたい。そんな、いろんな気持ちを持ちながら、人とぶつかって磨かれることを望んでいる人には、実はパーソルキャリアは最適な場所なんだろうと思いますね」
※本記事は2021年12月ごろ取材したものです。タレントの所属は取材当時のものとなります。
