生産工場の中枢として、生産計画の立案から製品出荷に至る一連の工程を管理
──所属する部署やそこでの仕事の内容について教えてください。
私が所属する青森オリンパスの管理1グループは、生産計画の立案から製品出荷に至るまでの生産管理を行う部署です。市場の需要変動、生産設備のキャパシティや要員といったリソース、新製品の試作、生産トラブルの有無などを考慮しながら生産計画を策定し、その後の進捗管理を含め、工場から出荷されるまでの一連の工程の管理を担っています。
中でも私が担当しているのが、製造部署の生産能力調整業務です。需要変動に合わせて工場全体の仕事量を計算し、個々のラインに必要な要員の確保や調整に携わっています。要員の確保や調整は原則として工場内部のリソースに依存しますが、従業員には正社員もいれば派遣社員もいて、その経験やスキルはさまざまです。個々のケイパビリティを把握し、製造部や人事部とも連携しながら、配置の方針を決めています。
また、品質改善活動に必要となる試作品の製造要請に対応することも私たちの重要な役割です。生産活動を円滑に進めるために、新たな要員確保に向けた採用人数や採用時期、優先配属先の調整、休日出勤や残業による生産上乗せ計画の調整など、製造、人事、管理の各部署が一体となって安定供給の確立をめざして取り組んでいるところです。
──生産管理のやりがいをどんなところに感じていますか?
市場の要求にしっかりと応えられるよう生産体制を整え、お客様が必要なものを必要なタイミングで届けられるようにすることが、生産管理の仕事の醍醐味です。
また、生産管理は、あらゆる関係者の要求事項や制約事項をまとめて生産計画や要員調整を全体最適化する、いわば工場全体のコントロールタワーのような機能を果たしています。しかも、工場内の製造要員の効率的な運用は工場経営と直結する課題です。責任がともなう一方、大きなやりがいを感じています。
新しい仕組みづくりで得た、確かな手ごたえ
──入社の経緯と、入社後の仕事について教えてください。
大学で会計学を専攻し、お金に関わる仕事がしたいという単純な理由で銀行をファーストキャリアに選びました。1年ほど窓口業務や出納業務を担当した後に転職。家族が内視鏡手術を受けた経験があったことからオリンパスには以前から興味があり、医療機器メーカーとしての将来性に惹かれたことが入社の決め手になりました。
入社後は原価チームに配属され、費用振替業務を担当することに。オリンパスの各拠点から業務委託された業務の費用集計、見積書作成、費用請求のほか、売上高の集計なども担当しました。
──原価チームで印象的だった出来事を教えてください。また、当時経験したことでいまに生きていることはありますか?
工場間の商流変更にともなう費用処理の方法の見直しに取り組んだときのことが記憶に残っています。
処置具製品をつくるメイン工場である青森オリンパスは、同じく処置具製品の生産を手がけるベトナム工場のマザー工場としての役割を果たしています。そのため以前まで、ベトナム工場でつくられた製品も一度青森オリンパスを経由して国内外の拠点に輸送されていました。
しかし、商流の変更により海外向け製品が青森オリンパスを経由しなくなったため、売上や費用の処理方法にも変更が必要になり、そのための仕組みづくりを私が担当しました。ベテランメンバーとふたりで取り組んだプロジェクトとはいえ、当時はまだ入社3年目。本部やベトナム拠点の上層部との折衝の場にも参加するなど、初めての大仕事でした。
食い違う双方の考えを取りまとめることは苦労しましたが、数字を用いることで説明に説得力を持たせたり、必要な場面で上長の協力を得たりなど、ビジネスの基本的なスキルを学ぶきっかけになりました。
また、数字を見て違和感に気づけるようになったのも原価チームでの経験があったからです。たとえば、トラブルなどが原因で数日間ラインが停止すれば、出来高に対する工数が増えるため、生産のパフォーマンスが低下するはずです。にもかかわらずパフォーマンスが維持されているとすれば、そこにはなんらかの誤りがあるということ。そうやって数字からさまざまなことを読み取る力は、いまもいろいろな場面で活かされています。
キャリアを重ねてつながる知識の輪。生産管理で生きる原価チームでの経験
──原価チームから現在の部署に異動したことで、どんな気づきがありましたか?
要員の確保や調整は労務費に影響を与えるため、現在のリソースを最大限活用しつつ、無駄なく無理なく生産数を確保することが収支改善に直結します。原価チームで学んだ工場経営と、いま取り組んでいる生産管理の仕事が密接に関係していることから、製造の要員数やパフォーマンスの変動が及ぼす影響を収支面とリンクさせて理解することができました。
一方、要員の調整に当たっては、ただ人を配置するだけでなく、生産数に対する工数を集計し、そこからパフォーマンスを算出しています。パフォーマンスは工数や時間の計測方法によって大きく変動し、最終的に工場収支に大きな影響を与えます。責任は重大ですが、生産活動から得られる数字を分析することで、今までメスが入れられていなかった問題を浮き彫りにし、製造現場の改善活動につなげ、またその数字を分析していくというサイクルに、おもしろさを感じています。
たとえば以前、こんな事例がありました。トラブル発生時など、通常は製造現場で作業に従事しないスタッフがラインに加わることがあります。このような場合、本来はそうした間接的な要員の働きもラインの実力値とみなしてパフォーマンス計算に含める必要がありますが、その工数が見落とされていました。正しい数値となるよう間接的な要員の存在を考慮に入れると、想定よりも時間や工数がかかっていたことになります。結果的にパフォーマンス値は低下しますが、ラインの実力値を正確に把握する上でとても重要なプロセスでした。
他にも、試算結果が実際の状況と一致しないと感じ、現場に足を運んでヒアリングをし、問題の原因を特定したこともあります。経験と直感に頼りながらも、机上の理論だけに依存しないよう心がけています。
──オリンパスに入社して気づいた自分の強みはありますか?
銀行員時代、自分は決められた仕事を淡々とこなすことが得意な、変化を好まないタイプだと思い込んでいましたが、いまは改善活動を主導することを楽しんでいます。オリンパスに入社して自分の新しい一面に気づくことができました。
市場の需要予測と工場の生産計画を連動させ、より効率的な要員の配置を
──仕事をする上で大切にしていることを教えてください。
「長期的視点」をモットーにしています。生産能力の調整には、長期的な予測を踏まえた調整が不可欠です。いまあるリソースをフル稼働させ、無理や無駄のない生産活動を実現するためには、製造部との調整や採用のタイミングを長いスパンで考えなくてはなりません。適切な要員管理が製品の原価低減に貢献し、ひいては医師や患者様の笑顔につながっていくと信じています。
──今後の展望を聞かせてください。
生産の需要変動が非常に大きいため、生産計画に基づいて要員を確保しようとすると、必ずどこかでロスが生じることが課題となっています。先期から工場内の管理精度向上に向けた改善活動に取り組み、その効果がようやく目に見え始めてきました。今後はさらに視野を広げ、本社のサプライチェーンのメンバーとの連携も強化しながら、市場の需要予測と工場の生産計画の連動性の向上にも貢献し、より効率的な要員の配置につなげていきたいと考えています。
AI技術の進歩にも注目していくつもりです。AI技術が生産管理に応用されれば、データの精度が向上し、正確な需要予測が可能になります。これによって在庫の削減、生産の安定化、ロスを抑えた工場経営が実現し、お客様に製品をより安く提供することにもつながると考えているからです。
またゆくゆくは、生産計画、さらにはサプライチェーンの領域にも活動範囲を広げていけたらと思っています。
※ 記載内容は2023年12月時点のものです

