学生時代から変わらないのは、自分で考え仕事をつくる姿勢
中学生のころからプログラミングに触れる経験があったと言う石山。大学時代には携帯電話販売会社とWebサイト制作会社を相次いで設立し、起業家として成功を収めました。
「大学に入ってすぐに携帯電話が流行し始め、Webサイトをつくる人が増加。インターネット創世記に訪れた波に乗るかたちで携帯電話販売会社とWebサイト制作会社を立ち上げ、授業そっちのけでビジネスに没頭していました」
ビジネスを通じてさまざまな人と出会い、刺激的な経験の中で視野を広げますが、石山が大学卒業後に選んだのは就職する道。その理由をこう説明します。
「事業が大きくなるにつれて、まだまだ自分の経験が足りていないと思う機会が増えていきました。当時、“事前に契約書を交わす”といったビジネスの作法を知らないまま勢いで起業したところがあったんです。就職しようと思ったのは、商慣習やルールを学びたいと思ったから。当時は数年働いて知識が得られれば、すぐに独立するつもりでした」
学生時代に商品を梱包して配達する物流事業も手がけ、莫大な物流コストがかかることに課題意識を感じていた石山が志したのが物流業界。中でもエヌ・ティ・ティ・ロジスコ(以後、ロジスコ)に入社を決めたのは、自由な風土に惹かれたからでした。
「最終面接で、『私は物流を変えるための仕組みをつくりたいと考えています。数年後に辞めるかもしれませんが、そのチャンスをください』と生意気にも伝えたところ、当時の幹部の方が『いいね』と言ってくださって。『エヌ・ティ・ティグループはお堅い会社』というイメージが見事に覆され、自由度が高くこれはおもしろそうだと入社を決めました」
学生時代にアントレプレナーシップを養った石山。大きな組織の一員としてキャリアを重ねてきたいまも、当時の想いが心の中に宿っていると言います。
「自分の力で利益を生むのだというマインドを持ち続けてきました。競争相手が多い中、システムやサービスをただ提供するだけでは製品やサービスを買ってもらえません。自分の頭で考えアイデアを捻り出し、仕事をつくり、行動に移す姿勢を会社員となった現在も変わらず持ち続けています」
豊富なリソースを使ってダイナミックな仕事に携われる、大企業ゆえのおもしろさの虜に
ロジスコに入社後、石山が配属されたのはシステム部。会社の基幹物流システムの構築に携わりました。
「学生時代に手がけていた何十倍もの規模のシステム構築に関わることができました。自分ひとりでできることの限界を知ると同時に感じたのが、大企業だからこそダイナミックな仕事が実現できるということ。また、工程管理の重要性など、正しいシステム構築の手順を学ぶことができました」
入社3年目には、顧客の物流センターの立ち上げプロジェクトのメンバーに。社内公募を見かけ、自ら手を挙げて参加しました。
「新しいセンターということで、システム構築のディレクションだけでなく、室内の掃除担当者や弁当の調達係など、すべて自分たちで決める必要がありました。倉庫全体の運営に携われたおかげで、視野が大きく広がったと思います」
その後、石山は営業部門へ。営業担当として提案活動に従事し、営業組織の管理職として営業戦略の策定や仕組みづくりにも関わる中で、入社当初の気持ちに少しずつ変化が生まれます。
「さまざまな部署で経験を積む中で、戦略を立てて営業活動を行い、システムを設計して構築するという、学生時代に自社で行っていた一連の作業を組織の一員としてできるようになっていました。
ただ、動かせる金額は桁違い。いざとなれば周囲に協力を仰ぐこともできます。組織の中で働くからこそのおもしろさを実感するうちに、独立したいという気持ちは徐々に薄れていきました」
新しい挑戦にその後も意欲的に取り組んだ石山。社長に直談判し、NTTグループのコンサルティング会社への出向を申し出ます。
「ロジスコの3PL(Third Party Logistics/メーカー企業などが物流業務を専門の物流企業に外部委託すること)事業が成長しているあいだは順調でも、強力な競合企業が増えてくれば、お客さまのことを理解し真の課題解決を支援できる力がなければ生き残れません。そんな危機感から出向を希望しました」
出向先では、それまでロジスコでは経験できなかった物流戦略の策定も任された石山。精鋭揃いのコンサルタントと肩を並べながら上流の業務を担当したことで、視座が何段階も高まりました。
そして現在、石山はロジスコに戻り、「お客さまのサプライチェーン最適化に貢献」するというミッションのもと、新規ソリューションの開発や、3PL事業が網羅できていないサプライチェーンの問題解決のコンサルティングに注力しています。
「以前は倉庫作業の効率化を支援していましたが、大量の在庫がすでに倉庫に溢れているような場合など、効率化に限界がありました。現在は搬入出のタイミングや量を含め全体最適化をサポートできていて、支援範囲が大幅に広がっています」
いまこそ真価が試されるとき。生き残りをかけたDX戦略
ドライバー不足や高年齢化など、物流が抱える問題は今後深刻化するばかり。石山は業界の将来に警鐘を鳴らします。
「これまでの20年間は、物流作業を効率化したり、システムを導入して情報化を進めたりすれば成果が得られていました。ところがいまは人手が減っている上、『2024年問題』も迫るなど制約が多いにもかかわらず、消費者のあいだでは『注文したものが翌日に届くのが当たり前』に。持続的な物流の実現に向けた業務プロセスの再設計が問われています」
この先、小手先の効率化や情報化では業界を生き残ることができません。真のDXが求められるいまこそ、真価を試される時。事業を継続して発展させていくために、解決すべきふたつの課題があると石山は言います。
「ひとつは、マテハン(マテリアルハンドリング)です。これは、物資や製品を効率的に移動・保管・制御するプロセスのこと。以前は機械やロボットが高額だったためなかなか導入に踏み切れませんでしたが、いまは価格が下がってきました。情報とノウハウ、マテハンをいかに良い具合にミックスできるかが重要です。
もうひとつが、私が現在担当しているサプライチェーンの領域です。適切な物量を適切なタイミングで入出荷できるよう、オペレーションの精度を上げていくことが鍵になるでしょう」
これらの課題を解決するのに必要なのが、組織力。石山はロジスコの風土に可能性を見出しています。
「ロジスコはIT・化粧品・エンタメ・医療の4つの業界に的を絞っているため、専門性の高いコンサルティングが可能です。また、ICTの知識やデータ活用に関するノウハウの蓄積もありますし、グループ内には物流領域に強いシステム会社もあります。
そして何より、“お客さまのお困り事をなんとしても解決しよう”という強い責任感があるのが当社の強み。『日本の通信を背負っている』との自負をグループ全体で共有していることが、お客さまの課題解決のためにあらゆる策を尽くそうとする姿勢に通じているのかもしれません」
とはいえ、提案にかけた時間や労力が評価されるわけではありません。冷静な視点が必要だと石山は強調します。
「お客さまがお金を払うのは、あくまで価値に対してです。がむしゃらに提案するのではなく、ロジスコが提供できる価値を明確に伝えて、言葉通りのものを提供できることが何より重要だと思っています」
求められるのは、より効率的な方法を模索しようとするあくなき探究心
物流のあるべき姿に向けて進化し続けるロジスコ。共に業界の未来を生き抜くために、新しい仲間たちに向けて石山はこう呼びかけます。
「お客さまのオペレーションを見て、『どうしてこんなやり方をしているんだろう』『こうしたほうがずっと簡単なのに』と気づきが得られる人であってほしいです。難しいことを言っているのではありません。ものを右に置くより左に置いたほうが手を動かさなく済むとか、置き場所を変えれば歩く距離が短くなるとか、そんな些細なことでいいんです。効率的な方法を探し続ける習慣を身につけてほしいと思います」
顧客の物流の現場では、煩雑なオペレーションが常態化していることが少なくありません。さまざまな企業を支援してきた中で得たノウハウを持ち、より効率的な方法を提案できるところにロジスコの介在価値があると石山は言います。
「『これに困っている』『ここを直したい』とお客さまが自身の課題を言語化できるケースは稀です。だからこそ、われわれが潜在的な課題を拾い上げ、『こうすればより良くなるのでは』と仮説を立てて、それを周囲に向けて発信できることが大切だと考えています」
そうやって主体的に動ける人を後押しする文化がロジスコにはあると言う石山。同社の魅力についてさらに次のように続けます。
「ロジスコには、若手のうちから大きな仕事を任せてもらえる環境があります。また、信頼を勝ち取ればさらに大きな仕事を任せてもらえることは、私が身をもって証明してきた通りです。おかげで、これまで楽しみながら挑戦を続けることができました」
そんな石山のいまの目標は、引き続きサプライチェーン最適化の実現に貢献すること。めざすのは、物量や作業量を一元的に管理できる仕組みづくりです。
「Amazonが実現しているデータドリブンなロジスティクスやサプライチェーンモデルを構築したいと思っています。『スケールが大きいAmazonだからこそできる』と思われていることを、ロジスコでも実現したいですね。そのためにロジスコとしていろいろな取り組みを始めていますし、この野望を実現できるのはロジスコだからこそ、だと思います」
学生時代から変わらぬ好奇心と事業への情熱を携えて、石山はこれからも物流業界の変革に挑み続けます。
※ 記載内容は2023年8月時点のものです
