安心して飲食店を利用できるWebサービスをつくりたい
鳥生がベジタリアン・ヴィーガン等のインバウンド向けのWebサービスを考えるきっかけになったのは、イギリスの友人が日本に訪れた時のことでした。
「友人は動物由来の成分を含むものが食べられず、日本滞在中はほぼ毎日コンビニの塩おにぎりばかり食べていました。出汁や隠し味など見た目やメニュー表記ではわからないものもありますので、原材料が確実にわかっている食品しか選べませんでした。ベジタリアン・ヴィーガンの方は飲食店の利用も難しいのが現状です」
また食品の原材料表示も日本と外国では基準が異なり、たとえばアミノ酸等の「等」のようなあいまいな表記では何に由来するアミノ酸なのかわからないと話します。
「食料が豊富な日本で食事に困る人がいることがショックでした。友人が旅行で疲れている中、安心して温かい食事を食べられる。そういった当たり前のことができるようになればと思いました」
PoCで約5,000人にインタビューを実施
鳥生は2024年3月に1カ月間渋谷駅でPoC(※)を実施。Webサービスの需要の確認や実際にWebサービスを操作して使用感を試してもらうためにインバウンドに聞き取り調査を行いました。
鳥生はPoC実施にあたり、Webサービスの挙動を再現するモックアップを作成しました。鳥生の要望を聞いたメンバーがノーコードツールを使い1週間ほどで仕上げてくれたということです。Webサービスでは食べられない食材(肉・魚・牛乳など)にチェックをいれると対応メニューを提供する飲食店が表示される仕組みになっています。
「外国人約5,000人に話しかけましたが、応じてくれたのは400~500人ほど。話しかけても無視されることが多く、最初は辛い気持ちになりました。しかし、一緒に手伝ってくれる同僚や上司のサポートがあったので、楽しくゲームのような感覚で取り組むことができました」
※ Proof of Concept(概念実証)。新しいアイデアや技術の実現可能性を検証すること
本気で取り組む情熱が引き出した協力
鳥生はWebサービスの課題仮説を立てた頃、実際に飲食店で働いて調査しました。ベジタリアン・ヴィーガンのお客さまが来店した時の飲食店の対応方法を確認することで、新たな情報を得ることができました。鳥生は情報を増やすことでサービスの質を上げていきたいと話します。
「企画を進めていく中で気づいたことは、サービス導入に対して前向きな飲食店が多いことでした。ユーザー側はベジタリアン・ヴィーガンであると説明しても理解を得られず、動物性を含む食事を出されるのではという不安があります。
しかし間にサービスが入ることで安心して飲食店を利用できます。そういったユーザーが増えれば飲食店側の売り上げも向上します」
日本にはグルメサイトやアプリなども多数ありますが、利用者はほとんどが日本人であり外国人にアプローチするのは難しい。PoCで実際にお話を聞けた外国人に日本発のサービスを利用している方は皆無でした。思うようにいかないもどかしさに包まれていた鳥生。しかし前職の経験から得た気づきが鳥生を支えていました。
「熱意を持って伝えることは人を巻き込むために必要な前提であり、それを裏付ける行動が必要だと思っています。たとえば、PoCの実施や飲食店で実際に働いた経験を伝えれば顧客の解像度と説得力が増します。その上で利害を一致させる戦略を立てることが大切です」
実際にWebサービスに触ってもらうことでインバウンドの方への説得力が増し、自身でPoCを行ったことで顧客への説得力が増しました。実際に自分で行動したことが功を奏し、今では協力してくれる企業も見つかり徐々に道はひらけていると鳥生は言います。
身近な人を助けることから社会貢献につながる
「今まで社会貢献についてはあまり意識していませんでした。ただ友人が困っていたので力になりたい思い、それが自分のやっている新規事業開発の仕事と合致しました」
目の前にいる人を助けたいと思い行動することが、自然に社会課題解決につながったと鳥生は語ります。
「NTTデータは新規事業開発ができること、豊富なリソースがあることが魅力的です。また仲間が多いことも心強いと感じています。前職では社員が少なく大変でしたが、Webサービスのモックアップの作成や渋谷のPoCでも手伝っていただけて非常に助かりました。
入社したばかりにもかかわらず今日まで多くの方がご協力くださり、たいへん感謝しています。引き続き応援いただけるとありがたいです」
※ 記載内容は2024年11月時点のものです
