まずは経験してもらう。一人ひとりの成長を支える育成
福岡支店は、有事の際のBCP対策として2015年3月に設立された。
現在は、佐藤を含む社員3名と、約40名の派遣スタッフで構成されている。
口座、精算、保険関連など、支店での業務は多岐にわたる。少人数で幅広い業務に対応するためには、メンバー一人ひとりが役割を担い、状況に応じて動くことが欠かせない。
「支店長としてのミッションの一つは、社員や派遣スタッフ一人ひとりがいきいきと活躍できる、働きやすい環境をつくることだと思っています」
管理職になってからの7年間、新入社員の育成にも携わってきた。その中で心がけてきたのは、最初から答えを伝えすぎないことだ。
「まずは経験してもらうことを大切にしています。なるべく最初から答えを伝えるのではなく、ところどころでヒントを出しながら、自分で考えて行動できるようサポートしています」
福岡支店の社員は全員が管理職だが、育成に対する基本的な考え方は変わらない。特に、最近管理職になった社員に対しては、将来的に支店運営を担えるよう、メンバーとの向き合い方や業務上の判断、チームを動かすための考え方を、自身の経験も交えながら伝えている。
育てる側が一方的に教えるのではなく、相手の成長を信じて見守る。日々の仕事を通じて、次の管理職を育てている。
多様な経験を活かし、変化に柔軟に対応する
これまで、さまざまな業務を経験し、バックオフィス業務の主要な領域に携わる中で、幅広い知識と実務経験を身につけてきた。
「福岡支店は人数が少ない中で、担当する業務は多岐にわたります。私は幅広い業務経験をしてきた、いわばジェネラリストとしての強みを活かして、さまざまな視点から状況を捉え、臨機応変な支店運営につなげてきたと考えています」
一方で、社内のすべての業務を知っているわけではない。だからこそ、今も未経験の業務に関心を持ち、知識やスキルを高めようとしている。
「好奇心旺盛な性格なので、まだ経験していない業務にも挑戦し、事務処理のナレッジやスキルを高めていきたいという思いは常にあります」
新しいことに挑戦する姿勢の原点は、高校時代のアメリカ留学にあるという。
文化も異なり、会話もままならない環境に1年間身を置いた。最初から順調だったわけではない。それでも、分からないことを一つずつ学びながら、少しずつ環境に適応していった。
「知らない環境に飛び込んだ経験があったからこそ、分からないことでも、まずはやってみようと思えるようになったのかもしれません」
この経験は、現在の仕事でも、変化を前向きに受け止める力になっている。
現場のために、自分がやるしかない -ペーパーレス化を実現した業務改善-
これまでのキャリアの中で、特に成長を実感した経験として挙げるのが、本社勤務時に携わったペーパーレス化のプロジェクトだ。
それまで、野村證券の営業店から書類を郵送で受け取り、当社で処理する業務フローだった。これを、営業店が書類をシステムにアップロードし、当社が画像を確認して処理する仕組みに変更した。
業務の進め方を大きく変える取り組みだったため、新しいシステムの導入に対して、現場から不安や反発の声が上がることもあった。
「それまで現場で仕事をしてきたので、現場のことを一番に考えながら、新しいシステムを導入しようと思っていました」
実際にシステムを利用する社員や派遣スタッフの意見を聞きながら、導入に向けた調整を進めていった。
「最初は大変でしたが、常に『現場のために自分がやるしかない』と思っていました。利用する方々の意見を積極的に聞きながら、どうすれば使いやすくなるのかを考えました」
新しい仕組みを定着させるには、現場の協力が欠かせない。導入後も社員・派遣スタッフが新しい業務フローに慣れるまでには時間がかかったが、現在では、そのフローが定着し、日々の業務に活かされている。
「新しい業務に慣れるまで、現場の皆さんにはご尽力いただいたと思います。協力して乗り切ってくださったことに、本当に感謝しています」
相続関連業務など、戸籍謄本をはじめとする多くの書類を扱う業務では、すべてをペーパーレスにすることが難しい場合もある。それでも、改善を止めない。
「今も紙でチェックシートを作っている部分があるので、そこも見直して、他支店に先駆けて、完全なペーパーレス化を実現したいと考えています」
現場の声を聞き、課題を見つけ、実現可能な方法を考える。
業務改善は、効率化だけを目的とするものではなく、現場で働く人がより良い環境で仕事をするための取り組みでもある。
チームで考え、チームで成果を出す
チームづくりを大切にする背景には、野村ビジネスサービスの風土がある。
「当社は、みんなが同じ方向を向き、一つのことを成し遂げようという気持ちが強い会社だと思います。みんなで成長して、良いチームをつくろうという考えを大切にしている社員が、本当に多いです」
職場では、社員一人ひとりの成長を周囲が支えている。成長をともに喜ぶ風土も、当社の特徴の一つだという。
新入社員に育成担当者が付く「インストラクター制度」もその一例だ。ただ、後輩の育成やサポートを担うのは、インストラクターだけではない。
「どの職場でも、みんなが個人の成長をサポートしてくれますし、成長を一緒に喜んでくれる社員が多いと思います。インストラクターに限らず、後輩を育成したり、サポートしたりすることが好きな社員が多いです。そこが当社の素晴らしいところであり、私が好きなところです」
チームで成果を出す大切さを実感したのは、厚木支店で相続業務を担当していた頃だった。
業務量が増え、野村證券のお客さまや営業店からの問い合わせが増加。電話が鳴り続ける一方で、相続関連書類の審査にも時間がかかり、対応が追いつかない状況になっていた。
そこで、メンバーとともに業務体制や進め方を見直し、役割分担も調整した。電話対応をスムーズに行える体制を整え、書類審査についても処理方法を変更。チームで対応できる業務量を増やすことで、事務処理完了までの期間短縮につなげた。
「そのときも、チームが一丸となって、お客さまファーストで考えながら運用体制を見直しました」
その結果、お客さまによりスピーディーに対応できるようになり、感謝の言葉を受ける機会も増えた。
この経験について、成果につながった理由を次のように語る。
「この成功体験は、自分自身の力だけでは決して達成できませんでした。みんなが同じ方向を向いて知恵を絞り、協力したからこそ実現できたことだと思います」
チームで成果を出すために、日頃のコミュニケーションを重視している。
「普段から前向きに明るく振る舞い、周囲の人から見てコミュニケーションを取りやすい人になるよう心がけています。関係性をつくるうえで、これは大事なことだと感じています」
忙しい状況でも、互いに相談し、意見を出し合える。そうした関係性があるからこそ、チームは一つの方向を向いて課題に取り組むことができる。
判断の軸は、いつもお客さまファースト
仕事をするうえで大切にしているのは、常にお客さまの立場で考えることだ。
その考え方には、学生時代にホテルでホールスタッフをしていた経験が活きている。
「コース料理を出すタイミングや、お客さまが何を望まれているのかを意識しながら仕事をしていました。常にお客さまのことを考え、先を読んで行動するというホスピタリティマインドを学びました」
業務改善に取り組む際も、効率化やコスト削減だけを目的にすることはない。
「当社には業務を改善するという文化が根付いています。会社として効率化やコスト削減も大事ですが、それによってお客さまにデメリットが生じることは、基本的にしてはいけないと思っています。最終的には、お客さまのためになるかどうかで判断しています」
小さな改善であっても、お客さまのためになるのであれば取り組む。その積み重ねが、より良いサービスにつながると考えている。
仕事を楽しくするのは、自分の取り組み方次第
仕事に対して前向きに取り組むことも大切にしている。
「仕事はつまらないものだと考える人もいると思います。でも、つまらない仕事を楽しくするのは自分次第だと思っています。取り組み方や方法を変え、工夫することで、仕事は楽しくできるものだと思います」
高校時代、陸上部では「克己心」という言葉を掲げて活動していた。
「克己心は、『己に勝つ』という意味ですが、成長するためには、自分の欲望や弱さに打ち勝つ意志の力が大切だと学びました」
新しいことに挑戦するとき、思うように進まないこともある。そんなときこそ、自分自身と向き合い、もう一歩踏み出す。その姿勢は、留学や業務改善、現在の支店運営にも共通している。
仕事への向き合い方を自ら工夫し、前向きな変化を生み出す。佐藤は、その姿勢を背中で示しながら、周囲にも前向きな変化を促している。
自ら挑戦し、次の挑戦者を育てる
今後、佐藤が目指しているのは、福岡支店をさらに成長させることだ。
福岡支店は、関東圏で行っている業務のバックアップを担うBCP拠点として、現在は安定的に業務を運営できている。次の段階として、福岡で働きたい人をより多く受け入れられる支店にしていきたいと考えている。
「地元が福岡の方や、福岡で働いてみたいと思っている方を、なるべく多く受け入れられる支店にしたいと考えています」
そのためには、業務の拡大だけでなく、社員・派遣スタッフが安心して働き、成長できる環境づくりが欠かせない。
入社以来、新しい環境や業務に挑戦してきた。現在は、自身が挑戦するだけでなく、周囲が挑戦できる環境をつくる立場にいる。
「私自身、これからも未経験の業務に挑戦していきたいと思っています。そして、自分が経験してきたことを、次の管理職や後輩の育成にも生かしていきたいです」
自ら学び続け、現場の声を聞き、チームでより良い方法を探す。
佐藤のチャレンジ精神は、本人のキャリアだけでなく、周囲の成長や組織の変化にもつながっている。
「福岡で働いてみたいと思っている方、ぜひお待ちしています」
※ 記載内容は2024年6月時点のものです
