キャリアとライフの両立 ~ 3年越しで実現した新しい働き方 ~
現在、私はお客様のプロジェクトに参画し、車載システムのリプログラミング領域の開発に携わっています。具体的には、プログラムがコーディング規約に準拠しているかを確認し修正したり、リプログラムの動作確認・評価を担当したりしています。車載システムに携わるのは初めての経験ですが、日々学びながら業務に取り組んでいます。
現在の働き方の大きな特徴は、北陸の自宅からフルリモートで勤務している点です。業務専用のシンクライアント端末経由で開発環境にアクセスして作業を進めています。1日の流れとしては、10時から18時半の定時勤務で、朝1番に自社チームの朝会に参加します。そこで前日の業務内容と当日の予定を共有してから、各自の作業に入るのが基本的なルーティンです。
チームメンバーとは離れた場所で働いていますが、コミュニケーションはTeamsのチャットや通話が中心です。細かな疑問点があればすぐにチャットで投げかけ、必要であれば画面を共有しながら話すことで、円滑な連携を保っています。疑問を1人で抱え込んでも良いことはないので、なるべく早く整理して相談するように心がけています。
もともと家庭の事情で数年前から北陸へ戻りたいという想いがあり、上司に相談していました。2022年頃から話を始め、関わるプロジェクトの性質上、実現までに時間はかかりましたが、2025年についに希望がかないました。
フルリモートになったことで、通勤時間がなくなり、仕事の効率も上がりました。
XR開発で培った経験が、未知の領域へ踏み出す力になる
2015年に新卒で入社して以来、私はさまざまなプロジェクトに携わってきました。最初に担当したのは、スポーツ向けのVR(仮想現実)システム開発です。お客様が先行開発していたものに、私達が改良を加えていくという内容でした。
その後、MR(複合現実)デバイスの開発支援に参画しました。これは、シースルーグラスメガネのように装着するシースルー型のデバイスをどのように活用できるか、お客様から相談を受け、調査や提案を行うプロジェクトです。デバイスの可能性を探りながら「こんな使い方ができそうです」と具体的に示していく業務は、非常に興味深いものでした。
続いて、社内で立ち上がったVR会議室アプリの開発プロジェクトや、スマートフォン向けアプリの通信プラグインを開発するプロジェクトにも携わりました。特にプラグイン開発では、初めてチームリーダーを務めました。この頃にはすでにコロナ禍に入っており、基本的にはテレワークでの業務が中心でした。
そして現在、未経験の車載リプロ開発に挑戦しています。正直に言うと、自分から「挑戦したい」と強く希望したわけではありません。「フルリモートで参画できるプロジェクトはないか」と相談していた中で、上長から「このプロジェクトならフルリモートが可能だけど、どう?」と提案を受けたのがきっかけです。会社としても、車載系の事業領域に注力していくという流れがあったことも、このプロジェクトへの参画を後押ししました。
これまでのXR開発やリーダー経験で培われたスキルは、現在の業務にも確実に活きています。例えば、1つ前のプラグイン開発プロジェクトで使用していた言語は、現在と同じC++でした。そのため、言語の仕様やどういった関数があるかといった知識は、そのまま活用できています。VR開発ではUnityというゲームエンジンを使い、C#で開発するなど多様な開発環境を経験してきたことが、新しい領域へ挑戦する上での基盤になっていると感じています。
お客様の意図を汲み取り、チームで乗り越える。成長を促したプロジェクトの記憶
これまでのキャリアを振り返った時、特に自身の成長につながったと感じるのは、最初に参加したスポーツVRシステム開発プロジェクトです。当時、社内ではVR技術のノウハウを蓄積しようという動きが活発で、私自身もプロジェクトと並行し、開発部内でのVR・AR・MR開発におけるノウハウ蓄積を主導する機会に恵まれました。 いろいろな機材を扱ったり、主体的にプログラミングを試したりする中で得た経験が、技術者としての今の私の礎を築いてくれたと思っています。
一方で、このプロジェクトで最も難しかったのは、お客様の意図を正確に汲み取ることでした。頻繁に対面で打ち合わせを重ねていたのですが、「お任せします」と言われることが多く、いざ成果物をお見せすると、再調整を依頼されることもありました。お客様自身も、具体的なイメージをいろいろと試行されている状態だったのかもしれません。この経験から、ただ待つのではなく、こちらから「こういうのはどうですか」と具体的な選択肢を予測して提案することの重要性を学びました。
また、リーダーとしてリモートでチームを率いた経験も、私にとって大きな財産です。お客様との定例ミーティングとは別に、毎日自社チームだけのミーティングを実施し、お客様の要求をより深く噛み砕いてから各メンバーに作業を割り振るようにしていました。リモート環境では、誰かが1人で問題を抱え込んでしまいがちです。そのため、進捗が滞っていそうなメンバーがいれば積極的に声をかけ、「今どんな状況ですか?」と確認することを特に意識していました。
現在挑戦している車載開発の分野でも、新たな難しさに直面しています。特に業界特有の略語や専門用語がわからず、会話についていけないこともあります。しかし、チームにはナレッジベースとして単語集や社内Wikiのようなドキュメントが整備されており、誰かが新しい情報に気づけば随時更新されています。こうした環境のおかげで、一つひとつ知識を吸収しながら乗り越えられている状況です。
解析結果に出てきた警告を修正し、再解析でそれが消えた時や、不具合を修正した機能がテストで意図通りに動いた時は、やはり素直に嬉しく、やりがいを感じます。
未来の仲間に伝えたい。挑戦と対話を恐れないマインドが、キャリアを切り拓く
今後のキャリアについては、自分の手を動かして開発に携わるプレイヤーであり続けたいという想いが強いです。主任という立場ではありますが、現場でのものづくりが好きなので、これからも開発の最前線にいたいと考えています。その上で、リーダーとしてお客様の要求を深く理解し、それを噛み砕いてチームのメンバーに的確に伝え、プロジェクトを円滑に進めていけるような存在をめざしていきたいです。
そのためには、まず私個人の現在の車載関連のノウハウがまだまだ不足していると感じています。この分野は開発スパンが長く、製品が世に出るまで5年以上を要すプロジェクトもあると聞いています。今は既存のドキュメントを読み込むなど、地道なインプットを続け、1日も早く専門知識を吸収していきたいです。
この記事を読んでくださっている未来の仲間、特に私と同じように「未経験の分野へ挑戦したい」あるいは「地方からフルリモートで働きたい」と考えている方へお伝えしたいことがあります。それは、やりたいことと、会社が提供できる働き方が合致すれば、希望は実現できる可能性があるということです。当社には、社員の想いに耳を傾け、実現に向けて一緒に考えてくれる環境が整っています。だからこそ、自分の希望を諦めずに、まずは相談してみてほしいと思います。
リモートワークを希望するなら、1人で抱え込まないマインドが何よりも重要です。対面なら身振り手振りで伝わることも、リモートでは伝わりません。困った時に、すぐに「困っています」とアラートをあげることが、自分自身とチームを助けます。
また、TeamsやSlackといったコミュニケーションツールや、ソフトウェアのバージョン管理にほぼ必須で使われるGitの基本的な使い方に慣れておくと、プロジェクトへの合流がスムーズになるはずです。
新しいことに挑戦できる環境で、皆さんと一緒に成長していける日を楽しみにしています。
※ 記載内容は2025年9月時点のものです
