顧客の想いを形に。XRで創り出す、新しい「体験」の価値
私が所属する第1デバイスコミュニケーション事業部 第2開発部は、XR技術を活用したコンテンツ制作が強みの一つです。XRとは、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)といった先端技術の総称です。toB向けに、お客様のビジネス課題を解決するための企画提案から、コンテンツの設計、開発、運営サポートまで一貫して手がけています。
例えば、ある設備会社様から「先進的な取り組みを行う非常発電施設があるものの、遠隔地のため顧客をなかなか案内できない」という課題をご相談いただきました。そこで私達は、ドローンで現地をスキャンし、3D空間を生成。その空間をミニチュアサイズで見ながら、非常時の電気配給をエフェクトで可視化するコンテンツを制作しました。
また、建設会社の展示場を対象にしたコンテンツも制作しました。同社の人気キャラクターと一緒に展示場を巡るコンテンツです。AR技術を活かし、現実の展示ゾーンをより印象深い、新しい体験に変えました。知識を知るだけでなく、驚きや楽しさの要素も加えて直感的な理解を促す顧客体験をめざしました。
現在、私はプロジェクトリーダー(PL)として、こうしたプロジェクト全体をリードする役割を担っています。お客様がARやVRで何を実現したいのかをヒアリングし、最適な使い方を提案することから私の仕事は始まります。プロジェクトが始動すれば、お客様と開発メンバーの間に入り、仕様の調整や設計、進捗管理まで、まさに「指揮者」のような立場で全体を動かしていきます。時には小規模な案件で私自身が手を動かしてコンテンツを制作することもあり、プロジェクトの規模に応じて柔軟に役割を変えています。
XRコンテンツは、完成するまでその「体験価値」がわかりにくいという特性があります。だからこそ、お客様との間にイメージの齟齬が生まれないよう、丁寧なコミュニケーションを何よりも大切にしています。簡単なプロトタイプをお見せしたり、イラスト付きのイメージボードで認識を合わせたりと、あらゆる工夫を凝らします。
チーム内でも同様に、こまめな意思疎通を欠かしません。設計書にはイラストや背景情報まで詳細に書き込み、目的意識を共有しながら、お客様の心を動かす体験の創造をめざしています。
建築とXRの交差点。興味を原動力に、未経験から専門領域へ
もともと私は、建設会社で建築物の設計に携わっていました。設計図を描き、お客様や関係各所と調整を重ね、建物完成までをリードしていました。今のPLの仕事と通じる部分も多いです。
XRの世界に興味を持ったのも、この建築の経験がきっかけでした。建物の完成予想図を3Dデータで作るのですが、そのデータをそのままVR空間に持ち込めば、実寸大の空間の中を歩き回れる。その可能性に、強く惹かれました。
「専門的にXRをやりたい」という想いが強くなり、転職を決意しました。さまざまな企業がある中でNTTデータNJKに惹かれた理由は、組み込みサービスなどの安定した事業基盤を持ちつつ、XRなど新規事業にも積極的に挑戦しているからです。
また、入社のきっかけとなった出会いもありました。転職活動中に参加したXRのハッカソンで、今の直属の上司と知り合ったのです。そこで親しくなる中で、声をかけてもらい当社の選考に進みました。
入社当時は専門性の高い開発知識がなかったため、まずは営業としてキャリアをスタートしました。お客様の課題を聞き、XRでできることを提案する役割です。
同時に、作り手への憧れも強かったので、前職で培った3Dモデリングの知識を活かせないかと考えていました。実は、転職活動と並行して1年間、CGの専門学校に通ってスキルを磨いていたんです。その知識と開発業務で学んだことをつなぎ合わせ、徐々に開発側の仕事へ。そして、より大きな規模の案件をリードするPLへとステップアップしていきました。
XRはまだ一般的ではないからこそ、体験しないと良さがわかりません。当初は「バーチャル空間にオブジェクトを配置できれば良い」と安易に考えていた部分があったのですが、業務として関わる中で、人の感情を動かす「体験」を設計することの奥深さと難しさに気づかされました。今もその探求に日々向き合っています。
自主的な試作が拓いたプロジェクトリーダーへの道。実感したものづくりの醍醐味
これまでで特に印象に残っているのは、キャリア入社1年目の後半に担当したプロジェクトです。当時、お客様にARやVRで「何ができるか」を具体的にイメージしていただくため、私達はいくつかのサンプルコンテンツを自主的に作っていました。私も「こんなものがあったらおもしろいだろうな」というアイデアを元に、目の前にジオラマ模型が現れるARコンテンツを試作しました。
ある日、その試作品をお客様にお見せしたところ、「これ、すごくいいね!」とたいへん気に入っていただけたのです。そして、そのアイデアがほぼそのまま採用され、正式なプロジェクトとして受注につながりました。純粋な好奇心から生まれたアイデアが、お客様のニーズに合致し、ビジネスとして実を結びました。この経験は、私にとって大きな自信になりました。
何より、提案から設計、開発、そして最終的な納品まで、プロジェクトの全工程に一貫して関われた初めての案件だったこともあり、PLとして走り出すための貴重な第一歩となりました。
この仕事のやりがいは、やはりクリエイティブな側面が強いことだと思います。もちろん、お客様の製品をPRするといった明確な目的はありますが、その目的に向かうための「体験」をどう設計するかは、私達の腕の見せ所。予算や納期といった制約の中で、いかにユーザーの心を動かすストーリーを描くか。そこには大きな裁量があり、ものづくりが好きな私にとってはたまらない環境です。
根底にある「ものづくりが好き」という想いを、存分に発揮できるのがこの仕事の大きなやりがいだと感じています。
多様な経験こそが強み。知的好奇心を満たしながら、仲間と未来を拓く
建設会社での設計、CGの学習、営業、そしてXR開発のPL。この多様な経験のすべてが、今の私の強みになっていると感じます。建築の知識は、バーチャル空間における心地よいスケール感や、人の視線を惹きつける色彩設計に活かされています。CGの専門性は、開発メンバーへの的確なアドバイスや品質向上に不可欠です。そして、お客様と対話を重ねて1つの目標に向かっていく合意形成力は、業界は違えど前職から一貫して培ってきたものです。
そしてAR/VRで培ったUI(ユーザーインターフェース)やUX(ユーザーエクスペリエンス)の知見は、今後さまざまな分野で応用できるはず。マネジメントの道に進むか、プレイヤーとして制作を続けるか、まだ悩んでいるところですが、「ものづくりに関わる」という軸はぶらさずにいたいと思っています。
NTTデータNJKは、知的好奇心を満たし、仲間と成長できる環境だと感じています。実は以前、短期間ですがスタートアップ企業に身を置いた経験があります。そこでは自ら道を切り拓くおもしろさがあった一方、個々が手探りで進む側面が強く、周囲から体系的に学ぶ機会は多くありませんでした。
それと比較して、当社には上司や同僚が積極的に知識を共有し、高め合う文化が根付いています。社内のLT会(ライトニングトーク会)などを通じて、誰もが自分の知見を惜しみなく共有しています。この環境が非常に魅力的だと感じています。
また、休暇をきちんと取得することが推奨されているので、趣味など好きなことをして過ごす時間を通じてリフレッシュを図るだけでなく、プライベートの時間を使ってXRの勉強会に参加するなど、自己研鑽の時間を確保しやすいのもありがたいです。安定した環境で、安心して新しい挑戦に打ち込める。このバランスの良さが、当社の大きな魅力です。
これからも仲間と試行錯誤を重ね、このXRという技術で生み出せる新しい価値を世の中に届けていきたいです。
※ 記載内容は2025年9月時点のものです
