データと人情味、そして好奇心。新たな市場を切り拓く法人営業の流儀
私は現在、日清製粉の営業本部 広域・流通営業部の法人営業として、国内大手のコンビニエンスストアや外食チェーンのお客さまを担当しています。私たちBtoBの小麦粉営業に課されたミッションは、担当先における日清製粉のシェア拡大だけにとどまりません。現在、全社を挙げて注力しているのが高食物繊維小麦粉「アミュリア」という製品。これを世の中に広く浸透させ、新しい市場そのものをゼロから創り出すことに、今まさに挑んでいます。
とくに私が担当しているコンビニエンスストア向けのビジネスにおいては、本部のバイヤーさまだけでなく、実際にパンや麺類などの製造を委託されている日本全国の二次加工メーカーさまとも深いコミュニケーションを取ることが欠かせません。当社の営業スタイルは、ただ小麦粉という「モノ」を売るのではなく、お客さまと対話を重ねてお客さまが抱える真の課題を聞き出し、「当社のこの小麦粉を用い、こういう製法を組み合わせれば、今の課題が解決できて売上拡大も期待できますよね」という、一歩踏み込んだソリューションをご提案していくことが特徴です。お客さまの課題を深く理解し、データに基づいた提案と日々の対話の積み重ねによって信頼関係を築いていくことが、私たち法人営業の重要な役割です。
私たちが日々関わるお客さまは、それぞれの業界の第一線で活躍するプロフェッショナルです。ただ「おいしいですよ」という感覚的なアピールでは通用しません。おいしさだけでなく、その商品が市場でどのような価値を持つのかを論理的にお伝えする必要があります。「大手企業のビジネスを動かす」という責任感のもと、市場のデータを細かく分析し、購買層のトレンドを割り出し、時には独自のアンケート調査まで実施したうえで「このデータがあるから、この商品が売れるのです」とロジックを組み立てて提案します。
その一方で、私が仕事をするうえでもっとも大切にしているのは「人情味」と「好奇心」です。AIが進化し、活用が広がる時代になったからこそ、営業個人が提供できる本当の価値は、人間らしいホスピタリティや温もりにあると考えています。「この人と一緒に仕事をすると気持ちがいい、楽しい」と感じてもらえる信頼関係を築くことが何より大切です。
それに加え、私は自分の好奇心のままに、まだ誰も目を向けていない領域へ飛び込むことを大切にしています。もともと新しいもの好きで、興味を持ったことはやってみないと気が済まないんです(笑)。「こうしたらいいんじゃないか」という思いに従って動くことで、新たなチャンスをつかみ取ることも多々あります。
新たな環境への挑戦を経て、改めて感じた日清製粉の魅力
学生時代は大好きな釣りに没頭し、大学院では海洋科学を専攻していました。そんな私が新卒で日清製粉への入社を決めたのは、もう1つの趣味であったラーメンへの情熱と「形を変えてあらゆる食品になる小麦粉なら、常に新しい挑戦ができるだろう」という直感からです。入社後は営業部で需給管理や役員報告資料の作成など、堅実な業務を経験。その後、関東営業部や東京営業部へ異動しました。そこでは若手のうちから大手の即席麺メーカーさまなどを任せていただくことに。年間何十億という巨大な売上責任を背負う日々でしたが、プレッシャー以上に、自分が楽しいと思える仕事にたくさん挑戦させてもらいました。
その後、新たな環境で挑戦してみたいという思いから、一度日清製粉を離れ、フード系ベンチャー企業へ転職しました。新規事業や組織づくりなど幅広い業務に携わり、これまで培ってきた食品業界での知識や経験を活かしながら、多くの学びを得ることができました。転職先の業務で得た経験やWeb・経営の知識は大きな財産となりましたが、その一方で「自分が本当に誇りを持って、お客さまのために追求したい価値とは何か」を改めて考えるようになりました。
転職先での経験を通じて、事業づくりや組織運営の難しさ・面白さを学ぶと同時に、企業や事業を成長させていくうえで大切なものは何かを実感しました。その中で強く感じたのが、日清製粉が長年にわたって築いてきたお客さまとの信頼関係や、社員の挑戦を後押しする企業文化の大きさです。そうした魅力を再認識し、新たな経験を糧に再び日清製粉で価値創出に挑戦したいと考えるようになりました。
今だからこそ実感する日清製粉の最大の魅力は、諸先輩方が長い歴史の中で守り続けてきた社是である「信を万事の本と為す」という強固な信頼の地盤です。この看板があるからこそ、大手企業のお客さまにも話を聞いていただきやすい環境があります。
そして何より、自分のアイデアを提案に変えてお客さまに届け、形にしていくプロセスにおいて、会社が挑戦を後押ししてくれる風土があります。実際に私自身も、新しいことに挑戦しようとした際には上司から「まずはやってみなさい」と背中を押してもらってきました。また、新たな取り組みについては売上規模の大小だけで評価されるのではなく、挑戦そのものを前向きに評価してもらえる文化があります。
「日清製粉」という確かな信頼の土台の上で、自ら考え、行動し、新たな価値を生み出していける。そうした環境だからこそ、現在も新たな市場づくりに挑戦し続けることができています。
5週間の育児休業がもたらした心境の変化と生産性を高める新たな働き方の発見
再入社後、現在の部署で法人営業に邁進する中で、私は5週間にわたる育休を取得しました。日清製粉では男性社員の育休取得は珍しいことではなく、私の部署でもほとんど同じタイミングで3人の男性社員が同時に育休を取得しました。
取得前は、正直「ちゃんと引き継ぎができるだろうか」「メンバーに迷惑をかけないだろうか」と不安でいっぱいでした。しかし、綿密な引き継ぎと周囲の温かいサポートのおかげで、大きなトラブルなく育休期間を過ごすことができました。上司や周囲のメンバーからも「仕事のことは気にせず、育児に専念してほしい。育児は大変だからな」と、温かく笑顔で送り出してもらえて心強かったですね。お客さまからも「しっかりご家族を支えてあげてくださいね」と温かいメッセージをいただき、心置きなく育児に専念することができました。
育休中は夜間の授乳対応はもちろんのこと、掃除、炊事、洗濯といった家事を一手に引き受けました。もともと料理は家庭内で私の担当であるため、栄養面を考えた食事作りに注力しました。育休前からお子さんのいる同僚に「育児は大変だよ」と話を聞いていましたが、初めての育児は想像以上に過酷で、泣き続ける我が子を前に途方に暮れた夜が忘れられません。でも、この育休期間は立ち会い出産も含め、家族の絆がぐっと深まる一生モノの経験となりました。
この5週間の経験は、育休復職後の私の働き方や効率性への意識を大きく変える契機となりました。育児の大変さを学び「少しでも早く家に帰り、家族とともに育児に向き合いたい」という強い想いが芽生えたことで、これまで以上に時間の使い方をシビアに考えるようになったのです。そこで現在は、営業活動の効率化を意識しながら働き方を工夫しています。その一つがサテライトオフィスの活用です。以前は商談の合間でもオフィスでデスクワークをすることが多かったのですが、現在は商談後や商談の合間に状況に応じてサテライトオフィスも活用しながら、移動時間の短縮を心がけています。
移動時間を大幅に短縮したことで、結果的に業務の生産性が向上しただけでなく、家族と過ごす時間をより多く確保できるようになりました。そして現在は育休に入った別のメンバーの業務を自分がカバーするなど、持ちつ持たれつの素晴らしいチームワークの中で、非常に生産性の高い日々を送っています。
自らのアイデアで消費者までの道をつなぐ、変幻自在な小麦粉ビジネスが描く未来の展望
再入社後、自らゼロから仕掛けた仕事の中で、とくに大きな手応えを感じているのが、EC大手とのオリジナル麺の共同開発案件です。もともとお取引関係がまったくなかった状態から、私の好奇心を起点に独自のルートで接点を構築。当社の高食物繊維小麦粉「アミュリア」を活用した商品開発プロジェクトとして、健康志向商品に使用されるオリジナル麺の共同開発へと漕ぎ着けました。両社連名での共同プレスリリースを発信し、ECならではのダイレクトなフィードバックを体感しながら売上拡大にもつながる手応えを得ることができました。このように既存のお客さまに提案するだけでなく、フィールドを自ら選び、商品を選び、ゼロからすべての座組みを創り上げてカタチにする。これこそが、このビジネスの真のおもしろさであり、やりがいです。
今後のビジョンとして、私はこの高食物繊維小麦粉「アミュリア」をコミュニケーションの強力な武器にしながら、その他のECサイトなど従来のBtoBの枠組みを超えた「BtoC」の世界まで、私たちの業務範囲を大きく広げていきたいと考えています。
そして将来的には、もともと興味のあった地方の営業拠点で活躍してみたいです。地域の製麺所や街のパン屋さんと深くつながりながら、自らが培ってきたノウハウを還元し、地方創生や地域活性化に貢献したいと考えています。生産者の方々と消費者の出口をしっかりとつなぐ、人情味に溢れた温かい営業を極めていくことが私の理想の姿です。こうした取り組みをさらに広げながら、生産者から消費者までをつなぐ新たな価値創出に挑戦していきたいと考えています。
日清製粉グループには、理系や文系を問わず、あるいは前職のバックボーンが何であれ、それぞれの個性を活かしながら挑戦できる環境があります。「一歩を踏み出す勇気がある人」にとって大きなチャンスが広がっている会社だと思います。頭の中でおもしろいアイデアを思い描くだけでなく、失敗を恐れずに軽いフットワークでアクションを起こせる人は、活躍するチャンスをつかめるはずです。小麦粉というさまざまなものに生まれ変わるモノをお客さまと共に素敵な製品へと具現化することは非常にやりがいのある仕事だと実感しているので、ぜひ興味を持っていただけたらうれしいです。
また、これからキャリアを築く若手社員の皆さんには、ライフイベントを大切にしながら、自分らしい働き方やキャリアを主体的に選択してほしいと思います。私自身、育休の経験を通じて新たな気づきや成長を得ることができました。家族を大切にしながら、のびのびと個性を発揮して挑戦できるこの素晴らしい環境で、ぜひ私たちと一緒にこれからの新しい市場を創り出していきましょう。
※記載内容は2026年6月時点のものです

