市場を読み、消費者を想う。中食・惣菜マーケティングの仕事
私が所属している日清製粉デリカフロンティアは、外食と内食の中間にあたる市販の弁当類や惣菜類を取り扱う「中食・惣菜」事業を担う会社です。
当社は2022年に設立された比較的新しい会社で、グループの中では成長ドライバーの役割を担うべく、グループ各社とのシナジーを期待されています。中食・惣菜事業を担うトオカツフーズ、イニシオフーズ、ジョイアス・フーズという3つの事業会社の経営をサポートする役割を担っているほか、日清製粉、日清製粉ウェルナなどグループ会社からメンバーが出向している営業担当部署もあり、グループ各社と連携を強めて中食・惣菜事業を通してグループ全体の業績を向上させる役割も担っています。
私が所属する経営企画部マーケティング室では、スーパーやコンビニエンスストアなどに供給する中食・惣菜商品のマーケティングや商品開発をサポートしています。
お客さまとなるコンビニエンスストアやスーパー向けに、市場データや購買データを分析して市場動向の調査や競合他社との比較などをしていますが、分析対象は非常に幅広く、おむすびやお弁当からパスタやデザートまでさまざまです。
そのデータから課題を抽出し、課題解決に向けた新商品の提案をするための資料を作成します。お客さまに新商品を提案する上では、「なぜこの商品を提案したのか」という背景部分の説明をよく求められます。そのため、時代背景や購買層の特徴など根拠をしっかりと提示できるデータ作りに力を入れています。
この仕事ならではのおもしろさは、マーケティングの“定石”がまだ確立されていない点です。 中食・惣菜は、他のカテゴリーに比べてマーケティングデータが少なく、分析や仮説構築の自由度が高いのが特徴です。
さらに、コンビニ業界は毎週のように新商品が発売されるスピード感のある世界です。トレンドを常に追い、アンテナを高く持つことが求められます。こうした変化の激しい環境で、消費者のニーズを先読みし、最適な提案をすることにやりがいを感じています。
私が仕事をする上でとくに大切にしているのは、消費者の視点を持ちながら、依頼の本質を見極めることです。私たちはお客さまであるコンビニエンスストア側から直接要望を聞けるわけではなく、自社の営業や開発担当者を通じて情報を得ることがほとんどです。そのため、伝えられた内容をそのまま鵜呑みにするのではなく、「本来の目的は何か」「どのような課題を解決したいのか」を考えるようにしています。
同時に、実際に商品を購入する消費者の気持ちを想像することも欠かせません。間接的に届く声だけではニュアンスが変わってしまうことがあるため、その先にいる消費者がどんな気持ちで商品を選ぶのか、どんなシーンで食べるのかを思い描きながら、マーケティングに取り組むことを心がけています。
商品への愛情と熱意に惹かれて選んだ道。食への想いを形にするマーケティング
もともと食べることが好きで、「食は健康に欠かせないもの」という思いが強かった私は、学生時代から食に関わる仕事に就きたいと考え、大学では応用生物科学部で食の安全や機能、健康について学びました。具体的には食品の加工方法や衛生管理の方法など品質管理に近い勉強をしていて、研究室では病気と食事の関係性について研究していました。
そのような背景もあり、就職活動では人の健康を大切にしている食品メーカーを探すことに。一緒に働く人々の人柄や職場の雰囲気がいい会社で働きたいと考え、働く環境にも注目していました。
就職活動を通じてさまざまな食品メーカーに出会いましたが、中でも日清製粉グループに惹かれたきっかけは、最終面接前に開催された座談会でした。面接とは異なり、素直に気になることを現役社員に聞ける環境だったので、業務内容や社内の雰囲気について詳しく聞くことができたんです。話していくうちに商品に愛情のある社員が多く、皆熱意を持って仕事をしていることがわかり、「ここで働きたい」と心が決まりました。
大学では開発や品質管理に近い勉強をしていましたが、それらをやっていくうちに前段階であるマーケティングや企画に興味を持ったんです。そこで世の中に新しいものを生み出す最初の一歩に関わってみたいという思いから、マーケティング部門に希望を出し、晴れて望み通りの部署に配属されることになりました。
2019年の入社から現在に至るまで、組織改編により所属の変更はありましたが、一貫して中食・惣菜事業におけるマーケティング事業に従事しています。初めは、慣れないパソコン作業や初めて学ぶマーケティング分野の知識習得に苦労もしました。しかし、上司や先輩方の温かい指導のほか、外部の研修にもたくさん行かせてもらえる環境があり、基礎からしっかりと勉強できたことが今の業務にも活かされていると感じます。
「正解がない」からこそおもしろい。失敗を恐れず、新しい価値を生み出す仕事
マーケティングの仕事を始めた頃は、正解の見えない仕事への不安もありました。私はどちらかというと正解があることに取り組む方が好きな性格だったので、「自分のやっていることは本当に正しいのだろうか」と迷いながら働いていたこともあります。
しかし、研修や実際の業務経験を積んでいくにつれ、「マーケティングの仕事に100%の正解はない」と気づいたんです。何度も挑戦し続け、失敗したら反省して次の仕事に活かす。そういう仕事なんだと気づいてからは、失敗しながらも自分が新しいものを生み出せている実感が湧き、それがやりがいにもつながるようになりました。
入社してから今までで最も印象深い仕事は、分析に活用できる新しいデータ活用サービスの導入プロジェクトです。以前から市場データの分析を行っていましたが、見られるのは「おむすび」や「弁当」といった大きなカテゴリー単位で、たとえばおむすびの中の具材まで細分化して分析することはできませんでした。また、年に一度程度、調査会社が販売するレポートを確認することもありましたが、タイムリーな情報を得るのは難しい状況でした。こうした背景から、消費者の嗜好や購買行動をデータとして取得するのが非常に困難だったのです。
その課題を感じていた入社3〜4年目のころ、とある提案資料を見ていた際に、消費者のレシートデータを活用できるサービスがあることを知り、導入を検討することになりました。レシートデータを使えば、実際の購買行動をより細かく、リアルタイムに近い形で把握できるため、これまで見えなかった消費者の選択や嗜好を分析できるようになります。このプロジェクトは、マーケティングの精度を大きく高める転機となりました。
データ導入にあたっては、そのデータがどの程度正しいのか、マーケティング部門だけでなく、営業部門や開発部門から見ても納得できるデータなのか、他部署とも連携しながら見極めていきました。また実際に使ってみて、当社が想像しているようなデータが得られるのかも検証し、出てきたデータを加工して提案資料に落とし込む方法まで上司と協力して作り上げ、導入に漕ぎ着けました。今では数多くの企業が導入しているデータですが、それをいち早く導入できたことで、社内外の方々に頼りにされるようになり、達成感を覚えました。
私が働く上でやりがいを感じる瞬間は、自分が提案したものが商品化された時です。自身の構想が少しでも採用されていると、「やってよかった」「また頑張ろう」と思えます。また、比較的規模の小さい会社だからこそ他部署との連携が深いところも魅力です。
たとえば、営業のメンバーが商談に一緒に連れて行ってくれたり、お客さまからの反応を聞かせてくれたり。自分の仕事が誰かの役に立っているところを直に体感できることもやりがいにつながっています。
まだ気づかれていないニーズを探して。惣菜を食事の選択肢に加えるマーケター
日清製粉デリカフロンティアの魅力は、さまざまな分野の知識や経験を持った人が集まり、活躍しているところです。前述の通り、まだ若い会社でグループ会社からの出向者も多く、異なる領域の知識を持つメンバーと一緒に働けるので、日々刺激をもらっています。加えて、新しい会社だからこそ、自分たちでゼロから作り上げていけることも大きな魅力だと思っています。
直近の目標はチャレンジ精神を忘れずに、消費者の方がまだ気づいていないようなニーズを先に見つけて、「これはいい!」と言ってもらえるような今までにない商品を提案することです。
長期的な視点では、女性の社会進出や高齢者の増加といった人口動態の変化を踏まえ、国内外問わず新しいマーケットを切り拓いていくことにもチャレンジしていきたいと考えています。忙しい日常を支える存在として、お惣菜をもっと身近に感じてもらえるよう、さまざまな懸念を取り払い、安心して選べる商品を企画し、食事の選択肢として自然に取り入れてもらえるような提案をしていきたいです。
私が思うマーケティング業務に向いている人の特徴は、好奇心旺盛でいろんなことに挑戦してみるのが好きなことです。マーケティングはとにかく多角的な視点を持って挑戦することが欠かせない仕事なので、私も日頃から自身の好奇心を大切にして、さまざまなことに興味を持つようにしています。とくに食べることが好きなので、休日はコンビニの商品を食べ比べて、構想を膨らませることもあります。
これから就職活動をする学生の皆さんには、ぜひいろんな企業を見てほしいと思います。さまざまな企業で働く人とじっくり話せる機会は「就職活動ならでは」です。入社後は他社の方とゆっくり話す機会が減るからこそ、就職活動中に多くの人の考え方や価値観に触れて、自分が納得できる選択をしてください。
※ 記載内容は2025年10月時点のものです

