スムーズな施工管理のカギは、現場でのコミュニケーション
当社は日清製粉グループということもあり、とくに粉体を扱う工場建設に強みを持っています。中でもプラント第二部は、原料サイロ、電池材料、化粧品といった非食品を扱う工場建設を担当する部署です。設備工事の経験がある中途入社のメンバーも多く、和気あいあいとした雰囲気の中にも、現場を預かる者としての緊張感があります。
プラント第二部には30名弱のメンバーがいて、扱う製品によって3つのグループに分かれています。私が現在所属するのは、原料サイロの建設チーム。先輩と共にサイロの増設工事プロジェクトを担当しているほか、別現場の機械交換など小規模なメンテナンス工事を任せてもらえるようになってきました。
1日の業務は、午前中の現場巡回から始まります。工事の進捗確認はもちろん、安全管理や品質チェックなども重要な確認事項です。現場で作業する方たちが困っていることはないか、設備の配置は適切か、安全ルールに則って工事が進められているか、資材に不具合はないかなど、細かいところまでチェックを行います。
午後は主に今後のスケジュール管理に時間を割いています。たとえば、現場には資材を持ち上げるためのクレーンを設置していますが、クレーンを使用する時間帯が会社間でバッティングしないように、各会社の要望を聞きながら調整する必要があります。また、資材置き場と工事箇所が重ならないように差配するなど、先の工程がスムーズに進むように準備しています。
日々新しい課題が生まれる建設現場において、関係各所との連携は不可欠。私はまだ先輩の仕事の補助をしながら仕事を学んでいる段階ですが、早く1人で仕事ができるようになるためにも、現場で働いている方たちとのコミュニケーションを大切にしています。
時間ができたら現場に足を運び、「この部品は何に使うんですか?」といった基本的なことから職人さんたちに質問するようにしています。時には、「こんなことも知らないのか」と笑われることもありますが、そういったコミュニケーションを通じて知識が得られることはもちろん、現場の方たちとの距離を近づけることができます。
学生時代の研究が活かせるプラントエンジニアへ。雰囲気の良さが入社の決め手

学生時代は化学を学び、大学院では環境エネルギー科学を専攻。環境問題を扱う研究室に所属していました。中でも私の専門は、大気汚染が人の健康に与える影響について。細胞を使った実験などを行い、化学工学と生物化学を学んでいました。
就職活動では、研究室での経験を活かせることに加え、デスクワークだけではなく屋外でも働けることを重視して仕事を探しました。というのも、山岳サークルに所属していたので、いろいろな場所に行くことが好きだったんです。
その中で見つけたのが、プラントエンジニアという仕事。当初は学生時代の研究をダイレクトに活かせるエネルギー系のプラントを扱う企業に興味を持ちましたが、いくつかの会社を見るうちに、日清エンジニアリングに入社を決めました。
決め手となったのは、社員の方の雰囲気です。インターンシップのグループワークや座談会などで交流し、その後も定期的に連絡をもらうなど多くの方たちと接する中で、雰囲気の良さを肌で感じることができたんです。
入社後は、グループ会社全体で事業内容やビジネスマナーなどを学ぶ約2週間の研修から始まり、その後、5月末までは社内研修期間として各部署の業務内容やシステムの使い方、設計の方法などを学びました。
6月にはプラント第二部に配属となり、OJTがスタート。まずは先輩社員に同行しながら全国7カ所の現場を回り、工事の雰囲気や工程を学びました。
初めてじっくりと現場を見て印象的だったことは、同じサイロの設備でも、お客さまによって使用方法や状態が大きく異なること。長期的に使えるようにメンテナンスを重視して使用している工場もあれば、建て替えを前提に徹底的に使い込んでいる工場もあり、似た設備であってもお客さまの方針によって変わることを実感しました。
また、先輩の仕事ぶりからも多くを学びました。点検のしやすさを考慮して階段の設置を提案していたり、より適切な素材をアドバイスしたり。お客さまの要望に応えるだけでなく、経験に基づいてプラスアルファの提案をしている姿が印象的に残っています。
発注ミスで痛感した責任の大きさ。「伝えるだけ」ではない報連相を心がける

少しずつ仕事を覚えている中で、資材調達を任せてもらったことがありました。資材がなければ工事が進まないので責任のある仕事ですが、ある時、大きな失敗をしてしまいました。
私が発注したボルトの素材が違っていて、職人さんが作業しようとした段階で指摘を受けたんです。当時はボルトの素材についての知識が不十分で、サイズが合っているので問題ないと注文してしまい、到着後の確認もしていませんでした。
初めての大きなミスで、職人さんから連絡をもらった時にはどうしていいのかわからず、戸惑うばかり。先輩に相談しながら部品業者に正しいボルトを分納してもらったり、施工の手順を工夫してもらったりして、なんとか工期に間に合わせることができましたが、資材調達の重要性と責任の重さを実感しました。
それ以降、発注した資材の確認を念入りに行うようになりました。また、金額や納期などを考慮して、先輩に相談すべきかどうかの線引きを自分なりに設定。すべての発注を先輩に確認してもらうわけにはいきませんが、金額が大きいものや納期が短いものは先輩にダブルチェックしてもらうようにしています。
先輩方に報告や相談をする際には、まず用件と所要時間を事前に伝えることを心がけています。また、「なんでも聞いていい」「自分から積極的に行動してほしい」と言われていますが、ただ報告や相談をするのではなく、あらかじめ自分で調べられるものは調べておくようにしています。
たとえば、現場の職人さんからの依頼を先輩に伝える際も、単に伝言するだけでなく、「なぜその対応が必要なのか」「どういう手段で実施するのか」など、具体的な内容を確認してから報告することが重要だと考えています。
はじめはわからないことをそのまま持ち帰っていましたが、自分が理解していないと先輩への説明も不十分になり、結果的に何度も確認が必要になってしまいます。そういった点でも、日頃から現場の方たちとのコミュニケーションをとっておくことが大切だと感じています。
毎日目まぐるしく変化する現場が楽しい。成果が目に見えることが仕事のやりがい

先輩のサポートを受けながらも、徐々に担当できる範囲が広がってきました。まだまだ覚えることばかりですが、毎日目まぐるしく変化する現場で働くことはおもしろいですし、「今日はこの箇所が完成した」「トラブルは起きたけれど、無事に解決できた」など、自分が関わった仕事の成果が具体的に見えることがやりがいです。
これからさらに担当する工事が増えていくので、まずは現在のサイロチームで経験を積んでいきたいと考えています。先輩によって得意分野や仕事の進め方が異なるので、いろいろな方法を教わりながら、自分に合ったやり方を見つけていきたいんです。トラブルを未然に防ぐため、事前に先回りして対応できるようなスキルを身につけたいと思っています。
入社して実感している当社の魅力は、コミュニケーションの取りやすさ。各分野に精通したメンバーが年代を問わずそろっているため、ベテランの社員が若手に相談することも。年齢やキャリアに関係なく、互いの専門性を尊重し合える関係性があります。
この仕事は日々状況が変化するため、毎回異なる経験ができることを楽しめる人に向いていると思います。そういった変化のある現場で、設計から完成まで一貫して携わることが醍醐味。その達成感を味わいたい方におすすめです。
就職活動中の方へアドバイスするとしたら、「自分が主語となる理由を持つことが大切」だということ。国内か海外かといった働く場所の希望や、設計に特化したいのか施工管理をしたいのか、両方携わりたいのかなど、「自分がやりたいこと」を具体的にイメージすることがポイントだと思います。自分の興味や価値観に向き合い、自分らしい就職先を見つけてください。
※ 記載内容は2025年2月時点のものです