18年目のプロフェッショナルながら「まだまだ学びの多い毎日」
日産自動車株式会社(以下、日産自動車)に2005年に入社した吉川 弘和。彼が所属するトータルカスタマーサティスファクション(以下、TCSX)は、世界中の日産車の品質向上に貢献する部門。お客さまの声を第一に品質向上に取り組む、重要な部門です。
吉川 「現在は『テクニカルアシスタント』という職務に就いています。テクニカルアシスタントというのは、役員の仕事をテクニカル面でサポートするポジション。私は“専務執行役員付”として、役員と一緒に仕事をしながら、技術的専門性が高い領域を補助しています。企画・監理部の中でも、少し特殊な業務ですね」
たとえば「役員が社内メッセージを出す」というときに、そのメッセージをわかりやすく伝えるために準備をするのが吉川の仕事です。開発・設計・生産などの関連部署が、役員の指示意向を正確に受けられるよう、技術的な観点でサポートします。
吉川 「私は初任配属で、TCSXの前身といえる品質保証部門に所属しました。そのときから品質保証の分野でずっと働いてきたので、長年培った知識やノウハウを活かしているといったところです。とはいえ私自身も、まだまだ勉強中の身であり、テクニカルアシスタントに配属されたのは2年ほど前のことなので、現在も発見の多い日々です。初めて関わる部署も多いので、そういう人たちと一緒に会議に入るたびに、日産にはこんな仕事もあるのかということを学んでいます」
現在、入社18年目の吉川であっても、学ぶ姿勢はいつまでも忘れません。
吉川 「テクニカルアシスタントというポジションが自分に回ってきたのは、ある意味で『より広い視野を身につけてください』という会社からのメッセージなのかなと思うんです。そう受け取って、毎日の仕事に取り組んでいます」
入社の決め手は「お客さまが製品を使っている場面を頻繁に目にしたい」
吉川は学生時代、電子物理工学の分野で修士課程を修了しています。しかし、当時行っていた基礎研究は、もし実用化されても10年後、20年後になるという果てしない世界。この世界で研究を続けるモチベーションを保ち続けるのは自分には難しい、と感じた吉川は、修士課程修了のタイミングで就職について考えました。
吉川 「考えを進めるうち、将来の方向性を考えてたどり着いたのが、自動車会社でした。もともと自動車が好きだったのも理由のひとつですが、何より思ったのは『自動車会社なら、お客さまが製品を使っているシーンを街中で頻繁に目にできるのだな』ということ。自分の仕事が誰かの役に立っていることを日々実感できそうで、高いモチベーションで働けるのではないかと考えました」
こうして、新卒で日産自動車に入社。冒頭でも触れた通り、 現在所属するTCSXの前身にあたる品質保証部門の中で「重要品質保証グループ」へ配属されます。
吉川 「入社してから2010年までの5年間は、自動車の安全に関わる不具合調査を担当しました。法規・安全に関わる不具合調査というのは、たとえば仮にブレーキが効かない、ハンドルが動かないといったお客さまからのご指摘があった場合に、自動車の設計や製造過程に問題があったのか、あるいは他に要因があったのかなどを調べる仕事です。調査の結果、設計や製造上の問題が見つかった場合には、国土交通省にお届けをして必要な措置をすることになります」
当時の吉川は、ハンドルに関連する部品を担当。専門知識をつけるところから、キャリアをスタートしました。
吉川 「不具合調査は、会社にとってかなり重要な業務です。知識をつけつつ、上司・先輩や、関連部署の皆さんと連携して、調査を進めていました」
その次の3年間は、企画・開発段階で車の品質を保証する業務に着任。企画・開発段階の場合は、市場不具合調査とは異なり、製造新車開発過程での不具合品質を検証します。
吉川 「開発過程に問題がないかをくまなく確認し、新車のリリースまでをサポートしていきました。その後、同様の業務をブラジルで行うべく、2013年にブラジル日産へと出向に。当時ブラジル日産は、新しい工場を立ち上げるタイミングでした。そこで私が現地に入って、新工場や新型車の品質をチェックしたのです」
日産自動車の信頼を確かなものとするため、海を渡った吉川。2017年に帰国した後はもとの部署に戻り、しばらくしてマネージャーへ昇格しました。
吉川 「ブラジルを経験したことで、視野がかなり広がった感覚がありました。たとえばブラジルにいたときに痛感したのは、意外と、日本からの情報が入ってこないんだなということ。そのため、自分が帰国してからは、意識的に海外拠点へと情報を密に伝えるようになりました。こんなふうに、仕事をする上での意識は変わりましたね。そして、2021年。『テクニカルアシスタント』として、現在の部署に異動しました」
「お客さまの役にも、社内の仲間の役にも立っている」その感覚こそが醍醐味
18年間のキャリアの中で、とくに印象に残っていることが3つあると吉川は言います。
まず1つ目は、初任配属での経験。
吉川 「先ほど申し上げたように、現在進行形でお客さまが困っている不具合を扱うので、かなり緊張感のある業務内容でした。新人だったので上司や先輩のサポートのもと取り組んでいましたが、自分でも『この不具合は本当に設計や製造上のものではなかったのか、一体どうして起こってしまったのか』を常に考えていましたね。
責任重大で大変だった分、やりがいも大きくて、強く印象に残っています」
そして2つ目は、ブラジルでの経験です。
吉川 「3年間異国の地で働き、日本とはまったく違う価値観の中で暮らしました。仕事に関する価値観も結構違っていて、新鮮でしたね。たとえば当時の日本は、残業するのが当たり前のような雰囲気があったのですが、ブラジルではそんなことはありません。定時で帰るのは当然であり、極力残業はしないという雰囲気でした。働き方という面で、彼ら、彼女らからは良い刺激をもらいましたね」
3つ目は、帰国後。マネージャーという立場に昇格してからの経験です。
吉川 「マネージャーになったことで何より感じたのは、マネージャーというものへの印象の変化です。新入社員のとき、私は、マネージャーを見て『なんでもこなす遠い存在』と思っていたんです。でも実際に自分がその立場になってみると、マネージャーであろうと、上司や部下などを頼り、いろいろな人に支えてもらっているのだと気づくことができました」
視座を変えながら渡り歩いてきた、豊かなキャリア。その間、品質保証という仕事は、常に吉川のキャリアの軸にありました。そこにどのようなやりがいを吉川は感じてきたのでしょうか。
吉川 「品質保証は、お客さまに最も近い仕事です。『お客さまのために働いている』という感覚が、一番実感できる仕事だと思います。しかも、仕事をする上では社内のさまざまな部署と連携が必須ですから。それゆえに、お客さまの役にも、社内の仲間の役にも立っているという充実した感覚が得られるんです。
個人的に、人の役に立っているという感覚がモチベーションに直結するタイプなので、大きなやりがいを感じています」
目の前の仕事を一生懸命に。今までもこれからも、それは不変の価値観
そんな吉川が考える、日産自動車にフィットする人物像とは?
吉川 「当社は、多様性をとても大切にしている会社です。いろいろな価値観をもった人がいて、風通しの良い企業風土の中で、自由闊達に意見を表現する土壌がある。だから、自分とは異なる意見にも触れてみたい、ぜひそういった意見に耳を傾けたいと思える人こそ、当社に合うのではないかなと思います」
また、グローバルな活躍をしたい人にも、絶好の環境だと考えています。
吉川 「私自身もブラジルという海外出向を経験しましたし、同僚も、中国、アメリカ、イギリスなど、さまざまな海外拠点で活躍しています。語学の習得は、会社がサポートしてくれますし、部署にもよりますが、海外拠点とのやりとりや会議は日常的で、日々の業務がグローバルなスケールであることを実感できるのではないでしょうか」
ダイバーシティあふれる舞台で、たくましく駆け抜けてきた18年間。今、その先に吉川が見据えるビジョンとは?
吉川 「私はもともと、大きな野望や目標を持ってそこに向けて走るというタイプではないんです。それよりも、モチベーションはいつだって、とにかく人の役に立つことでした。だから、目の前にある仕事を、一生懸命にやる。今までもこれからも、それは変わりません。
ただ、今描いている希望としては、まだ一緒に仕事をしたことのない部署と、関わってみたいということ。今の部署にきて2年足らずのこの間だけでも、社内で新しい出会いがたくさんあったので、それをもっと広げていきたいですね。それから、ブラジル以外の海外拠点との仕事にも、ぜひ挑戦してみたいなと思います。
経験を広げながら、一緒に働く仲間やお客さまにとって、もっと役に立つ存在になりたい。そしてTCSX全体を、より広くマネジメントできる存在になっていきたい。そう考えています」
「誰かのためになっている」という喜びこそが、吉川を走らせる燃料。日産自動車の信頼を守りながら、お客さまのために、仲間のために、これからも挑戦を続けます。

