2つの部署を兼務。行内でも珍しいスタイルで挑む、現場と組織のデジタル改革
埼玉県を中心に地域密着型の金融サービスを提供する武蔵野銀行。この伝統ある組織の中で、デジタル改革の第一線に立ち、急速な変化を推進しているのが事務統括部 事務企画・管理グループに所属する原野です。原野の担当業務は、営業店で活用されているタブレット端末の機能改善をはじめ、法令改正に伴う大規模なシステム対応、さらには行内の業務効率化や高度化案件の企画と多岐にわたります。
「現在とくに力を入れているのは、犯罪収益移転防止法(犯収法)の改定に対応した本人確認スキームの構築です。マイナンバーカードなどの各種本人確認書類のICチップ読み取りを導入し、厳格かつスムーズな取引を実現できるよう準備を進めています。ゴールである2027年3月のシステム刷新に向け、チームで開発を推進している最中です」
さらに原野は、事務統括部での役割にとどまらず、デジタル推進部としてのミッションも兼務するという、行内でも非常に珍しいスタイルで業務に臨んでいます。
「現在は銀行アプリの改修や非対面口座開設の全面的な見直し、自動口座開設スキームの構築にも携わっています。事務統括部もデジタル推進部もメンバーの大半は新卒入行者で、私のようなキャリア採用者は少数派です。しかし、皆親切でわからないことは積極的に教えてくれる周囲に救われています」
新卒から営業店を経験してきたプロパー行員が多く集まる中で、キャリア採用者として参画した原野の存在は異彩を放っています。最初は経験したことのない専門的な事務ルールに困惑することもありましたが、真面目で誠実な仲間たちのサポートを受けながら、自身の強みを発揮しています。
「武蔵野銀行の行員は本当にルールに忠実で真面目です。前職と比較すると、『一緒に変えよう!』ともがく仲間は少ないのですが、自分の『変えたい』という意見をおもしろい試みとして受け止め、あたたかく見守ってくれる環境だからこそ、伸び伸びと挑戦できています」
新たな変革を起こすべく、原野は2つの部署を行き来しながら日々奔走しています。
ネット銀行で培った「ゼロから創る」強みを活かし、家族との時間を求め辿り着いた場所
原野のキャリアの出発点は、2018年に新卒で入社した大手ネット銀行でした。大学で経済学を学び、金融機関で働く祖父や父の影響から自然と金融業界を志していた原野ですが、当時は銀行不要論なども叫ばれていた過渡期でした。あえて成長著しいネット銀行を選んだ原野は、そこで怒涛のようなビジネス経験を積むことになります。
「入社後の数年間は事務企画や子会社でなんでも屋のような働き方を経験し、その後は業務企画部門として新サービス導入のPMOや業務改善コンサルティングに従事しました。さらにはデジタル事業部門で商品管理の責任者を務めるなど、ゼロから仕組みを作り上げるスピード感や前例のない課題を突破する思考力を徹底的に鍛え上げられました」
圧倒的なスピード感の中で成果を出し続け、充実した日々を送っていた原野ですが、生活スタイルには大きな変化が訪れていました。毎日のように終電で帰宅し、朝は家族が起きる前に家を出る過酷な働き方が続き、生まれたばかりの子どもと接する時間が圧倒的に不足していたのです。
「平日が終わって土曜日に子どもと顔を合わせると、まるで初対面のような反応で泣かれてしまうのです(笑)。土日2日間かけて仲良くなるのですが、また平日5日間顔を合わせないでいると、子どもには顔を忘れられてしまう。子どもとの関係や家庭の将来を真剣に考えたとき、この働き方を続けていていいのだろうかという強い危機感を抱き、転職を決意しました」
自身のスキルや企画経験を最大限に活かしつつ、ワークライフバランスを改善できる環境を探す中で巡り会ったのが、武蔵野銀行のキャリア採用でした。企画部門としての募集を見つけて迷わず応募した原野は、2025年に入行を果たしました。
「入行後は17時台に退社できる日も増え、残業時間は劇的に減少しました。最近では子どももすっかり私になついてくれて、時には『パパじゃないと嫌だ!』と言ってくれることも。ワークライフバランスを重視したいと考えていた私にとって、本当に大きな変化でした」
仕事の手ごたえと家庭の幸せを同時に手に入れた原野は、新たな足場をしっかりと踏み固めました。
慎重な組織をどう動かすか。前職の経験を活かし、粘り強い対話と熱意で提案を実現へ
入行直後から、中期経営計画の策定や重要プロジェクトにアサインされた原野。しかし、伝統的な地方銀行特有の文化や意思決定のプロセスに対しては、大きなカルチャーショックを受けることになりました。
「前職では『日本初』の取り組みであることが称賛されましたが、地方銀行では『他行での導入実績はあるか』が強く問われます。他行での前例がないと一気に慎重になる風土があり、最初は大きなカルチャーギャップを受けました。経営会議の開催頻度も前職と比較するとかなり少ないですし、会議前の根回しの重要性など、組織を動かすルールの違いにもかなり戸惑いました」
しかし、原野はそこで諦めることはありませんでした。周囲が躊躇するような場面でも、変化の必要性と導入によるメリット・デメリットを論理的に整理し、情熱を持って周囲に働きかけ続けたのです。
「営業店の犯収法対応のプロジェクトでは、当初の方針を根本から見直す提案を行いました。他の地方銀行では一切取り入れられていない取り組みだったため最初は難色を示されましたが、担当役員や頭取にまで直接熱弁を振るい、経営会議でも担当者としてしっかり意見を伝えるなど粘り強く交渉を重ねました。
その結果、最終的に自分の提案を採用してもらうことができたんです。これは地方銀行として初の先進的なスキームになるかもしれません」
熱意をもって行動を続ける原野の姿勢は、やがて周りの意識をも変えていきました。「あいつは何者だ」と役員陣や各部長から注目を集めるようになり、意見を求められる機会が飛躍的に増えていきました。
「正直地方銀行特有の文化にまだ馴染めていないと感じる瞬間もあります。しかし、自分自身の考えや提案によって組織が動き、それが成功に結びついた時の達成感は格別です。地方銀行という安定した基盤があるからこそ、少しの変革アイデアや情熱が大きな価値を生み出します。これから先も、変わることを恐れず一歩踏み出すことを意識していきます」
失敗を恐れずに提案し続けることで、原野は自らの手で確実に新しい風を吹かせています。
デジタル人材のロールモデルへ。変化を恐れず、一緒にもがいてくれる仲間を募集
武蔵野銀行に入行して1年が経過した現在、原野はキャリア採用者が増えることで組織がさらに活気と柔軟性を帯びていく未来に、大きな手ごたえと可能性を感じています。
「入行直後は伝統的な地方銀行特有の保守的な風土に驚くこともありましたが、行員一人ひとりと膝を突き合わせて話してみると、『このままではいけない』『変わらなきゃいけないとは思っている』という危機感や熱い想いを抱いている人が想像以上に多いことに気づいたんです。
であれば、前職で培った知見を活かして自分がアイデアを100個出し、そのうちの1つでも2つでも形にして組織を前進させられればいい。『原野が来てくれて本当によかった』と思ってもらえるような確かな成果を積み重ねていこうと、自分自身の意識も大きく変わっていきました。
近年では当行でもキャリア採用にかなり力を入れており、中途入行者向けの研修制度が新設されるなど、多様なバックグラウンドを持つ人材を温かく迎え入れ、サポートする体制も着実に整ってきています」
また原野は、目の前の業務で成果を出すだけでなく、武蔵野銀行全体の将来を見据えた新たな挑戦にも意欲を燃やしています。それは、行内における「デジタル人材のファーストペンギン」となり、まだ誰も歩んだことのない新しいキャリアモデルを自らの手で築き上げることです。
「当行では新卒で入行し、営業店での業務を経て本部へ進むキャリアパスが一般的であり、私のように最初から本部でデジタルや企画を専門とする人間が、将来どのようにステップアップしていくかという明確なロールモデルはまだ発展途上にあります。
だからこそ、私自身が日々の業務で時間内のパフォーマンスを徹底的に追求し、デジタル推進部と事務統括部の両面で目に見える成果を出し続けることで、後に続く仲間たちの道しるべとなる新たなロールモデルを確立したいと考えています」
自身が身をもって挑戦と失敗、そして成果を体験してきたからこそ、原野はこれから門を叩く未来の仲間へ向けて、力強いメッセージを送ります。
「地方銀行のデジタル改革や業務革新は、まだまだ発展途上にあります。だからこそ、『もっとこうすれば現場がよくなるのに』『こんな仕組みがあればお客さまに喜ばれるのに』という情熱やアイデアを持っている方にとって、武蔵野銀行は間違いなくその力を存分に発揮できる最高の舞台です。
歴史と伝統のある銀行に新しい風を吹き込み、変化のプロセスを楽しみながら、一緒にもがいて組織を変革してくれる仲間と出会えることを楽しみにしています」
※ 記載内容は2026年8月時点のものです
