「コンサルタントは、入社して数年は先輩社員の手足としてしか働けないのでは?」と思っていませんか。
みずほリサーチ&テクノロジーズのコンサルティング本部では、若手のうちから新たなテーマの探索や新規ビジネス創出などに自ら挑戦することができます。その挑戦を応援するための制度、「チャレンジ投資」をご紹介します!
「チャレンジ投資」とは?
チャレンジ投資は、利益を期待して資金を投じる、いわゆる投資とは少し異なります。もちろん、将来的に利益が上がるのが望ましいですが、チャレンジ投資が期待するのは、コンサルタント自らが変革に挑むことです。
この制度は、目先の利益にとらわれることなく、長期的な人材の育成や将来のビジネス展開するための基盤を作ることを目的として、2014年度に創設されました。以来、社会環境の変化や会社自体の方針の転換なども受けて、少しずつ目的や募集要件などを変えながらではありますが、この10年間で約340件の案件を支援し、「チャレ投」の略称で親しまれてきました。
この記事では、チャレンジ投資に関わってきた方へのインタビューを通じて、この制度がどのような役割を果たしてきたか、お伝えしたいと思います。
チャレンジ投資のこれまで
チャレンジ投資創設時には制度の企画・運営を担うコンサルティング推進部の部長、その後、案件採択時の最終決定権者であるコンサルティング本部長を経て、現在は特別顧問としてチャレンジ投資とともにコンサルタントの挑戦、そして成長のけん引役となっている廣崎 淳さんにお話を伺いました。
──チャレンジ投資で印象に残っていることを教えてください。
廣崎:コンサルタントには、日々のコンサルティングの現場の中から社会の変化と次の課題を感じ取り、その解決のための挑戦的な活動をしてほしいと考えました。
毎年、若手コンサルタントを中心に数10~50件ほど実施されていますが、数カ月~数年後に大きな社会課題、ビジネス課題となって多くのご相談をいただく状況が多く生まれています。
具体例として、制度を始めて間もなくの案件を紹介します。入社7年目のコンサルタント(現在は次長として活躍)と、入社2年目の若手コンサルタントが税制のグリーン化、カーボンプライシングに取り組みたいと申請してきました。
まだ、国内では取り組んでいる人があまりいない状況の中、彼女たちはふたりで海外の著名な専門家を論文などで調べ上げ、議論の準備をしながら大使館などにもご協力をいただいてアポをとり、専門家との議論の旅を開始。お会いした専門家に他の専門家を紹介してもらいながら、ひとりはヨーロッパから、もうひとりはアメリカから始め、途中一度合流して情報交換をし、その後もそれぞれに議論の旅を続けてきました。
翌年には、豪州で開催された国際学会で発表し、賞をいただくなどネットワークも構築しコンサルティングの準備を進めました。しばらくすると、中央官庁から議論したいとお話をいただくようになり、業務としても拡大。最近では、企業の投資計画などでもカーボンプライシングを検討されるケースが増え、大変忙しくしています。
この制度では、短期的なビジネス成果に結びつかないものもたくさんありますが、失敗からも学びながら未来を先導するチャレンジマインドと、たくましいコンサルティング力を育て続けてもらいたいと考えています。
変革に挑んだ若手コンサルタントの声
続いて、チャレンジ投資を活用して変革に挑んだ若手コンサルタントである、サステナビリティコンサルティング2部グローバルイノベーションチームの大橋 柚香さんと経営コンサルティング部経営戦略チームの馬場 七海さんにお話を聞きました。
──ご自身の現在の仕事内容を教えてください。
大橋:お客さまの農業関連の新規ビジネスを支援する仕事をしています。日本企業がアフリカへ進出するにあたって、持続可能な調達、生物多様性、人権を含むサステナビリティに関わるリスクの評価などを幅広くご支援させていただいています。
馬場:主に、中堅企業のガバナンス(健全な企業経営を行う体制)に関わる支援をしています。その他に、不祥事を起こした企業に対する再発防止のガバナンスの検討など幅広いリスクに対するガバナンスの案件に携わっています。
▲ボツワナで農作業する大橋さん(左手前)
──チャレンジ投資の内容について教えてください。
大橋:これまでに3回、チャレンジ投資を活用しました。最初は、2018年の入社1年目の時です。日本企業がアフリカに進出する際の投資環境やステークホルダーについて調査しました。
2回目は2020年、越境EC(国境を越えて行う電子商取引)などの活用による企業の海外進出モデルのプロトタイプを構築し、企業のアフリカ進出を支援する新規のコンサルティングメニューの開発をめざしました。ただ、この年はコロナ禍によりアフリカへの渡航ができず、情報を集めることが難しい状況でした。
3回目は、2021年です。企業のグローバル進出の動きが下火になっていた中で、これまでチャレンジ投資で得た知見を活用し、海外に関連して何かできないかと考えていたところ、非財務系のコンサルティングサービス開発に思いいたりました。
当時、サプライチェーンの分断などもあり、原材料調達が脚光を浴びていました。また、原材料調達におけるサステナビリティが把握できていないことが問題になっていたこともあり、そこにコンサルティングサービスの可能性があるのではと考え、チャレンジ投資を活用して検討しました。
馬場:私は、入社2年目である2022年に活用しました。社内でサイバーセキュリティに関わる領域を専門としている部署との連携を通じ、ガバナンスに関わるお客さまの複合的なニーズに対応ができないかを検討しました。
▲馬場さん(中央)と、ともにチャレンジ投資に挑んだ同期と後輩と
──応募した際はどのような想いでしたか?
大橋:最初は、入社1年目でアフリカに知見もなく、そもそも行ったこともない状況だったため、ビジネスのフィールドをまず知るという想いで応募しました。応募にあたっては、先輩や上司にも相談して協力をいただきました。
初回は自分の中でも課題や問題意識が深まっていない状況でしたが、2回目、3回目は仕事を行う中で、「次はこのテーマが新しいビジネスになるのではないか」とビジネス化を見据えて挑戦したものです。
そのため、初回と2回目、3回目の時とでは応募した際のモチベーションは異なるものだったと思います。
馬場:まだ、ガバナンスに関して知見が足りない状況ではあったものの、上司からガバナンスに加えて違う領域へも広げていった方が良いという勧めもあって応募しました。そこまで強く挑戦しようという想いではなく、やってみようという軽い気持ちでした。
応募にあたっては、普段携わっている業務でプロジェクトマネージャーをされている先輩に相談し、申請書も一緒に作成していただきました。
──進める中で、当初の思い通りにいかなかったことがありましたか?また、それをどう乗り越えましたか?
大橋:非財務系のコンサルティングサービス検討は、「非財務」と間口を広く取りすぎていたため、どのように落とし込むかに苦労しました。そのような中で、2018年から提供している「みずほSDGsビジネスデザイン®」というコンサルティンサービスがあり、本来は社会の変化に対応して変わるべきところが止まったままになっており、このサービスの拡張としての展開を考えました。
いったん整理できると、蓄積してきた知見や検討してきたことをすんなりと落としこむことができ、やりたかったことが見えてきました。サービスへの落とし込みにあたっては、チーム内のメンバーと一緒に議論を重ねるとともに、みずほ銀行や社内の他部署とも対話しながら進めていきました。
馬場:私は、じつは応募した当初のテーマはサイバーセキュリティではなく、AIガバナンスでした。政府が公表している「AI原則実践のためのガバナンス・ガイドライン」を企業に落とし込んだ場合にどうなのかという点に興味があり、仮説を立て、研究に近いイメージでの調査を考えていました。
社内のAIの専門部署などへのヒアリングを通じて調査を進めていたのですが、予定していたチャレンジ投資の期間の半分ほど過ぎたころ、企業はまだAIガバナンスまでのニーズがないという結論になりました。そのため、藁にもすがる思いで他に可能性のある領域がないか、先輩の知り合いの企業へヒアリングしたり、廣崎さんにご相談したりする中でサイバーセキュリティがよいのではないかということになり、テーマを変えたのです。
すると、社内にサイバーセキュリティを30年来やっている部署があり、マーケットの状況も含めて教えていただくことができ、無事に調査を進めることができました。
──印象に残っているエピソードはありますか?
大橋:ある中小企業に、お米から石を取り除く機械の試作品を製作していただいて、コートジボワールやタンザニアでそのデモンストレーションをしました。機械を分解して鉄板になったものをスーツケースに入れて運んだため、手荷物検査でエックス線が透過せずに毎回止められてしまい、事業の説明や使い方を見せてなんとか乗り切りました。
他にも、水耕栽培で使用するフィルムをアフリカに持っていき、使用方法などを説明するセミナーを開催したのですが、説明される専門家の方から日本語で話すので通訳してくださいとセミナー前日に言われ、1日かけて準備して乗り切ったものの直後に熱が出てしまった、なんてこともありました。
いろいろと経験し時間もかかりましたが、最終的にはサービスまで持っていけるようになったため、どの経験も糧になったと思います。
馬場:AIやサイバーセキュリティなど先端技術を扱っている方へのヒアリングだったため、内容が専門的でわからないことが多かったのですが、理解するまでかみ砕いて説明していただきました。
どういった情報がほしいのかを提示しないと相手を困らせてしまうということも経験し、難しいことを理解できるように話を引き出すテクニックを学びました。
──チャレンジ投資を通じた挑戦により、心情や行動で変化したことや学んだこと、成長を感じたことはありましたか?
大橋:コンサルティングサービスを作りたいと思って8割9割方までは思い描けたとしても、最後にサービスとして創り上げる、具体に落とし込む決断をする必要があります。チャレンジ投資として期間が決まっていたことや、報告の機会があるということが推進力となり、最後にサービスとしてのカタチに至ることができたと思います。
また、入社1年目は、学生時代の「研究」から「仕事」になり、どう進めてよいかわからない中でチャレンジ投資を通じてプロジェクトの進め方を学びました。チャレンジ投資によって経験する機会を得られて、その後の海外進出支援のコンサルティングをやる上でもそこで身に付いたノウハウが生かされていると思います。
馬場:チャレンジ投資でのヒアリングを通じて、廣崎さんをはじめとした社内のいろいろな部署の方とつながる機会が得られました。ヒアリングさせていただいた部署の方とは、チャレンジ投資終了後も引き続き連携させていただいています。
これまでは、先輩のプロジェクトマネージャーに甘えさせてもらうところも多かったのが、チャレンジ投資では他の部署を巻き込んでいかないといけない状況下で、自ら主体的に動いていかなければいけません。そういう点で、成長させていただいたと思います。
──最後に、当社への就職を検討されている方へのメッセージをお願いします。
大橋:入社してから、学生時代には経験したことない分野でも専門家になっていかないといけない場合もあり、このチャレンジ投資という制度を使ってコンサルタントとして身につけるべき知見やプロジェクトの進め方を学ぶ機会になったと思っています。
入社前は、「コンサルタントって何をするんだろう?自分の研究と合うかな?」など不安があるとは思いますが、こういう制度もあるのでそんなに心配しなくてもなんとかなります、というのは強くお伝えしたいです。
馬場:もともと、ガバナンスをやりたくてこの会社に入社しました。私は、今そのガバナンスを当社における第一人者である先輩のもとで学べるというありがたい機会をいただいております。
また、ガバナンスに関わる企業のリスクの種類が幅広くなっている中で社内を見渡してみると、今回のようにサイバーセキュリティに興味があると言えばその専門家がいて、AIに興味があればその専門家もいるという当社の専門性の幅広さを実感しています。すごく、よい環境だとお伝えしたいです。
試行錯誤を通じて個人としても組織としても強くなっていく
▲左から、江淵さん、廣崎さん、鈴木さん
最後に、「チャレンジ投資」の名づけ親でもあり、制度創設当初からかかわっているコンサルティング推進部の江淵 弓浩さん。そして、企画から公募、採択そして各プロジェクトの完了まで全般を担っている鈴木 隆弘さんにお話を伺います。
──この制度を通じて、どのようなコンサルタントがどのような成長を遂げていくことを望んでいますか。
江淵:「自由な思考、自由な発想」の追求が大切です。他人の顔色を気にしすぎたり、目先の利益ばかりにこだわったりする「不自由なコンサルタント」は早晩壁にぶち当たり、お客さまの支持を得られなくなるでしょう。
アントニオ猪木が引退試合の時に述べたコトバ、そんな心意気を持った「自由なコンサルタント」になってほしいですね。「迷わず行けよ、行けばわかるさ」と。
──制度を運営、支援する立場から見て、この制度がコンサルティング本部にとってどのような役割を果たしてきたと思いますか?
鈴木:中長期的な時間軸の中で、コンサルタント個人としての成長はもちろんのこと、新規テーマや新規ビジネスの開拓は、組織としての成長に果たした役割も大きいと思います。
コンサルティングサービスは目の前のお客さまに寄り添いつつも、常に一歩も二歩も先を見据える必要があります。先進的な視点と柔軟な発想で取り組めるこの制度を活用して種まきしたテーマが実り、コンサルティングサービスとしてカタチになっていく姿は、制度を運営する立場としてとても嬉しいことです。
挑戦し、壁にぶつかりながらも試行錯誤。けれど、活路を見出した時には成長を遂げている。そんなステージを支えるのが、チャレンジ投資です。
※ 記載内容は2023年11月時点のものです
