配管の溶接から生産ライン制御用プログラムまで、製造の裏方として幅広い業務を担当
新卒時、私が入社後に配属されたのは、埼玉工場の製造二課。エンジ係として各種機器のほか、電気設備やボイラーなどのユーティリティ設備の監視など、保全業務を主に担当していました。配管の溶接作業から、各ラインを構成するシーケンサー関係のプログラムの作成まで、実に幅広い業務を経験しています。何もわからない状態からのスタートだったので、当時は仕事を覚え、技術的なことを身につけるのに精一杯でした。
生産技術課、装置技術課を経て、2023年3月現在は設備環境課と所属部署の名前は変わりましたが、入社以来ほぼ同じ業務に携わってきました。
長い経験の中でとくに印象に残っているのは、母乳や市販の粉ミルクを飲むことができない乳幼児向けの特殊ミルクを製造するラインを立ち上げたときのことです。多忙な日々が続き苦労しましたが、その分、ラインができたときの喜びはひとしおでした。
もちろんトラブルもありました。そういうときに心がけていたのは、落ち込むのではなく、開き直ること。失敗したことを悔やんでいてもどうにもならないので、いったん手放した上で、次にどんな行動を起こすべきかを考えるようにしてきました。
一方、現場の仕事でやりがいを感じるのは、機器のトラブルが起きたときに社員が一丸となって対応に当たり、無事に修復できたときです。製造ラインを止めないために、折れたシャフトをテープで巻いて補強するなど、急場しのぎの対策で乗り切ったこともありました。トラブルが収束した段階で原因を究明し、再発防止のために改良を実施するのも私たちの仕事。一体感を持って問題を解決し達成感が得られた経験は、今も良い思い出になっています。
そうやって40年以上にわたり工場で働いてきましたが、仕事への向き合い方が大きく変わる出来事がありました。入社当初は行き当たりばったりの作業をすることが多かったのですが、入社して10年ほどしたころ、工場長から「準備が8割だ」と直接指導されたのです。現場作業が成功するかどうかは事前の用意次第。機器を整備したり新しい設備を導入したりするときはもちろん、トラブル対策するときも、準備がしっかり整ってさえいれば、本番の作業を問題なく乗り切ることができると教えられました。
それ以来、年間の整備計画が立てられた時点で、どんな業者さんとのやり取りがあり、どんな部品がいつまでにどれだけ必要かを前もって検討するだけでなく、万が一うまくいかなかったときのための代替措置まで考えるようにしてきました。
即戦力として貢献したいと再雇用を希望。以前と同じ業務と並行し若手育成にも従事
定年後、再雇用を希望した理由は、慣れ親しんだ職場で働き続けたいと思ったからです。経験のないまったく新しい仕事にチャレンジするより、それまで携わってきた仕事に就いたほうが、即戦力となり組織に貢献できると考えました。
今取り組んでいる仕事の内容は定年前と同じで、職場の整備計画や簡単なものづくりを担当しています。ただ、以前と違って再雇用された立場なので、若手を育てていく意味でも、仕事量は定年前の約3分の1程度に減らしてもらいました。
また、通常業務と並行して、社員の育成にも携わっています。定年前まで自分が見ていた職場を担当する主任さんに対して、「こういう状況ではこうやったほうがいい」「この業者さんにはこんな対応が適切」と、業務上のアドバイスや指導をさせてもらっています。ただ新しい生産ラインを立ち上げ中で、主任さんがそちらにかかりきりになっているため、現在は従来の生産ラインを私も一緒になってみているような状態です。
指導する上で心がけているのは、あまり前に出すぎないこと。「立ち上げに苦労しているようなら、自分も経験があるのでお手伝いできることはあると思います」といった具合に、あくまでサポートする立場を取って、何かあれば相談にのるようにしています。
経験を頼られることがやりがいに。仕事内容、働き方の両面が充実
再雇用という立場ながら、若手から声をかけてもらう機会が多く光栄に思っています。ときには、トラブルが起きた現場から直接電話がかかってきて助けを求められることも。そんなときは「まず主任さんに話をしてください」と伝えるようにしていますが、声がかかるうちが華。経験豊かなベテランとして若手から頼ってもらえることをとてもうれしく、ありがたいことだと思っています。
今も仕事に対して意欲を持ち続けられているのは、担当している業務が好きなのもありますが、元々じっとしていられない性分だからかもしれません。工場でトラブルが起きるとマイナス思考が働いてしまうのが普通だと思いますが、定年前の私は、意気揚々と現場に出かけていったものでした。再雇用となった今も、事務所の机に座っていることはほとんどなく、現場を点検しにいったりものづくりをしたりしている毎日です。
その意味では、こうやってさまざまな機器に携わりながらいろいろな仕事ができていることにとても満足しています。ものづくりさせてもらえるなど、子どものときにプラモデルをつくっていたときに似た楽しさを感じながら取り組んでいます。
休みも十分に取ることができているので、理想的な働き方ができていると感じています。
理想的な人間関係のもと、社会的貢献度の高い仕事ができるのが明治の魅力
埼玉工場では粉ミルクを製造しており、若いころから、「赤ちゃんは当社の製品を飲んで育つんだ」とずっと教えられてきました。こうして大きな社会的な責任を負う仕事ができているのは、明治だからこそ。歳を重ね、社会的な立場が変わったことで、そのことを以前に増して痛感するようになりました。
また、人が良いのも明治の魅力です。かつては先輩社員によく食事に連れていってもらったものですが、コロナ禍の影響もあり、今はそうしたコミュニケーションがずいぶん減ってきました。それでも、依然として理想的な人間関係を築くことができているのは、明治だからこそだと思っています。
私のこれからの目標は、再雇用してくれた会社、頼ってくれている若い社員たちの期待に応えるために、健康を維持すること。向こう5年間、病気や怪我をすることなく働き続けられたらと考えています。
私が入社したころと比べると、会社はずいぶん変わりましたが、品質を大切にしてきたところは変わっていません。これからも守り続けてほしい点ですし、私も積極的に後進へと伝えていきたいですね。
明治はとても良い会社ですし、埼玉工場も同様です。体力と気力さえあれば、とても働きがいのある環境だと思っています。再雇用によってこれまでの経験を有効活用できるチャンスは少なくありません。定年を迎えるに当たって再雇用を検討している人には、ぜひ挑戦してみることをお勧めしたいと思います。

