提案した菓子の陳列を子どもが思わず手に取って買ってくれる。店頭で知る仕事の醍醐味
2023年3月現在、北日本支社 量販営業一部 営業三課に所属して量販店に向けた営業活動を行っています。2007年に入社して以来、菓子営業を中心に担当してきました。
青森や岩手といった北東北地域が担当エリアで、今のお客さまを任されるようになって丸2年。陳列棚の提案や価格交渉、販促など幅広い業務を行っています。
営業三課のうち、仙台オフィスに在籍しているのは8名。ベテラン社員が多く、驚くかもしれませんが39歳になる私が今、最年少。なにかと気にかけてもらったり、フォローしてもらったりしています。
菓子営業として数百種におよぶ商品を取り扱っているため、幅広い商品知識が欠かせません。また消費者のトレンドも変化が激しく、すばやい対応が求められますね。明治の商品では、特にグミやチョコレートの人気が高いですが、特に最近のグミの勢いは目覚ましいものが。これまでにない食感や新たなフレーバーへのニーズが高まっているのをひしひしと感じます。
また、“健康にアイデアを”というグループスローガンを掲げていることからもわかる通り、明治ではお客さまに対して健康価値の提供を目指しています。「チョコレート効果」という商品がいい例ですね。ポリフェノールが豊富な高カカオチョコレートが、高まる健康志向に応える人気商品に。よりいっそう健康志向が高まりつつある中、他社にはない商品の強み、魅力をお客さまに伝えられるよう努めています。
営業の仕事をする上で大切にしているのは、お客さまのご要望を汲んで、同じ方向へと向かうようにすること。もちろん、時にはうまくいかないこともありますが、お客さまに寄り添いながら、提案内容が一方的なものにならないよう心がけています。
入社して約16年になりますが、菓子営業のおもしろいところは、自分の提案したことが売り場でかたちとなっていくこと。例えば自分の提案が採用され、陳列してもらうことになったレジ横のお菓子を、小さなお子さまが思わず手に取って、親にねだって買い物かごに入れてもらう様子を見た時、嬉しくて、ほほえましくて。思わず自分がその子にお菓子を買ってあげたくなってしまうような、温かい気持ちになりましたね。
産まれたばかりの赤ちゃんと触れ合える特別な時間。育児に関われる喜びを知る
私が育休を取得しようと思ったのは、改正育児・介護休業法が2022年の10月に施行されることを知ったことがきっかけでした。それまでは、まとまった期間を継続して休み続ける必要がありましたが、今回の法改正によって分割取得が可能に。必要に応じて出社できるようになったことで、育休取得を決断しました。今回私は18日間の休暇を取りましたが、その間に、商談に合わせ3日だけ、出勤したりまとめて内勤をする日を設けたり。仕事の滞りをさほど感じることなく育休を取得できたのは、法改正があったからこそですね。
周囲に理解があったことも、育休取得に踏み切れた理由のひとつ。子育て経験のある方が多かったこともあり、みなさんとても協力的でした。
関わりの深い卸店の方など、一部のお客さまにも事前に「この期間は育休を取得しますが、商談の日は出勤します」と説明し、理解をいただきました。
一方、妻もとても喜んでくれました。というのも、今回生まれたのは第三子。入院中に上の子の世話ができなくなることを心配していたんです。実際、入院中だけでなく妻の退院後も、長男と次男の世話は私が主に担当しました。
現在、長男が小学校1年生で次男が3歳、三男が4カ月。全員活発な男の子なので、一日中、後を追いかけてばかり。家の中は騒がしく、にぎやかで、子育ては想像以上に大変です。
けれど、育休を取得して本当に良かったと思っています。子どもたちが小さいのは今のうちだけ。特に産まれたばかりの赤ちゃんは、それはかわいいですね。抱っこすると、独特のいいにおいがして、泣き声だって違います。その一瞬一瞬すべてがかけがえのないもの。とても貴重な時間を過ごすことができています。
ただ、育休に入る直前、お客さま先で欠品が生じるトラブルがあったんです。営業をサポートする営業推進の方を含め、いろいろな方の力をお借りして、ことなきを得ました。事前にきちんと役割分担してありましたし、商品周りで自分がいつも担っている仕事には代役も立てていました。万が一の事態が起きた時のための準備が万全だったため、無事に乗り切ることができたと思っています。欠品はなかなか予測が難しいため、リスクが発生した時の対応について、事前にお客さまと情報を共有しながら、対策を練っていくことが非常に大事だと再認識しましたね。
育休を経て変化した仕事との向き合い方。お客さまとの信頼関係構築がなにより大切
出社日を設け、休暇中の出来事やトラブル対応の進捗状況について共有してもらっていたので、育休明けは本当にスムーズに、まったく違和感なく職場復帰することができました。また、みなさんがとても温かく迎えてくださったことも印象に残っています。
育休を取得したことで、仕事への向き合い方に変化が生まれたと感じています。特に、時間管理への意識が高まりました。また、業務に明確な優先順位を付けるなど、できるだけ仕事の効率を高めて早く帰宅できるよう心がけています。
たとえば、私は遠隔地を担当しているため、新幹線を使ってお客さまを訪問することが少なくありません。移動時間を有効活用するよう努めていますが、事前準備を徹底するなど、今後はできるだけ1度の訪問で商談をまとめられるようにしていきたいと思っています。
また育休中、自社の粉ミルクを初めて自分が使ったことで、赤ちゃんからお年寄りまで、明治が幅広い方々に提供する商品を扱っていることを再認識しました。社会貢献度の高い仕事をしていることを今はとても誇りに思っています。
中でも私が長く扱ってきたのは菓子なので、小さなお子さまが明治のチョコレートを手に取ってくれるのを目にすると、健康で安心して暮らせる社会の実現に貢献できている気がして、とてもうれしい気持ちになります。
育休を振り返って思うのは、担当するお客さまを抱える営業職がまとまった休暇を取得するには、お客さまとの信頼関係を築いておくことがなにより大切だということ。お客さまの理解がなければ、例え数週間でも続けて休むのが難しいので。
その上で、準備を万全にしておくことも重要です。イレギュラーな事態に備え、事前に役割分担して社内で情報共有し、引き継ぎのための資料を整えておくことの大切さをあらためて思い直しています。
男性育休があたりまえの社会へ。周囲の理解と制度の活用で育休取得は可能に
2022年に育児・介護休業法が改正され、育休の分割取得が可能になったことで、営業職など、これまで取得が難しいと思っていた方でも育休が取りやすくなりました。多くの方に制度について知っていただき、前向きに育休取得を検討してほしいと思っています。
繰り返しになりますが、子どもが小さい時期はあっという間に過ぎてしまいます。制度を積極的に活用して、家族に全力で向き合ってほしいですね。家族からも感謝されますから、家庭内もきっと円満になるはず。また父親が育児に積極的に関わることで、母親がもし仕事の復帰をのぞむなら、その助けにもなると思います。
また、育休取得を検討している社員の周囲にいる職場の方々には、ぜひ温かく支えてほしいと思います。私の場合、「気持ちを切り替えて、しっかり休んできなよ」と、気持ちよく送り出してもらったおかげで、復帰した今もとても働きやすいと感じています。
万が一に備えて普段からみなでフォローし合う雰囲気をつくり、「男性も育休を取得することがあたりまえ」といった感じで周りから盛り上げていけたらいいですね。実際、明治にはそんな意識が浸透しつつあり、私の前年にも、営業職ではありませんが、後輩の男性社員が長期にわたる育休を取得していました。
いずれ育休を取得したいという社員が同課から出てきた時のために、お客さまへの対応のノウハウを今のうちから蓄積しておきたいと思っています。もちろん、いざという時は自分が率先してトラブル対応に当たるつもりです。今回の法改正が、ますます多くの社員が育休を取得するきっかけになることを願っています。