異業種でいろいろな経験をしたい。明治を退職し、4社で修行

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私は、関東支社の量販営業2部で、市販の菓子営業に従事しています。担当は大手量販店2社。北関東エリアから都内までの広いエリアにおいて、お客様に販促や棚の提案をしたり、店舗でのイベントなどをきめ細かく提案したりする業務を行っています。

お菓子の営業で鍵になるのは、お客様に手に取ってもらえるように、商品をいかに売り場で魅力的に展開するか。そのために、マーケティングはもちろん、店頭を回っているスタッフに指示をすることもあれば、逆にスタッフから「先方にこういう提案がしたい」という相談を受けて、スタッフを支援することもあります。

私が明治に新卒入社したのは2007年。関西工場生産物流課を経て、東京支社(現在の関東支社)や関西支社の食品販売部でチーズやバターなどの乳製品の営業を8年ほど担当しました。仕事は充実していましたし、環境としても安定していましたが、ビジネスパーソンとしてもっといろいろな環境で経験を積んで力をつけたいと思うように。そして2015年に退職する道を選びました。

そこから、異業種へ飛び込む武者修行の旅が始まります。2016年にデジタルツールを使って製薬業界へマーケティング支援を行う会社に転職。長期的な提案支援やプロジェクトを遂行する実務に携わりました。

転職2社目は、国内外の研修や留学を支援する企業。研修プログラムの成約に結びつけるクロージング営業や、留学先の手配業務、留学中の生徒のカウンセリングやフォローアップを行いました。

留学業界で生徒さんと接して実感したことがあります。それは“食べる”ことが、新しい環境で生きていくためにとても大切だということ。それ以来、人の生活にインパクトを与える食品分野でキャリアを積みたいと思い直し、食品業界に戻ることを決めました。

転職3社目となったのは、カナダに本社を置くフレンチフライのメーカーの日本法人です。3人ほどの小さな拠点で、営業をやりながら事務所の管理や営業支援などを担当。この会社では、業務用食品の営業と新規開拓という新しい営業形態を経験できました。

市販向けから業務用まで、営業としてひと通り経験できたことで、物流の世界も知っておきたいと思うようになり、卸業務を行う食品商社へ4回目の転職をしました。

明治を退職してから5年の間に4社を経験。まったく知らない世界に飛び込んで迷いを感じた場面もありましたが、それ以上に得られたことが多くあったと思っています。

退職後も明治を好きな気持ちは変わらず、リ・メイジに挑戦

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▲同じ課の人たちとのミーテイング

私が明治に復帰するに至ったのは、ある縁がきっかけでした。転職4社目の食品商社は、明治と取り引きのある会社。展示会などで明治にいたときの上司や同僚にお会いする機会がありました。

そのとき、同僚から「“リ・メイジ”っていう新しい制度ができたんだけど、試しに受けてみない?」と声をかけてもらったんです。リ・メイジとは、当社を退職後、多様な経験や知識を培った人を対象にした再就職制度。外の風を取り込もうとする前向きな姿勢をおもしろいと感じ、エントリーすることにしました。

実は明治を退職するときから、「もっと力をつけて、いつか戻ってきてやるぞ」という想いがあり、前例はないけれど明治に履歴書を送ってみようか(笑)。とちょうど考えていたときだったんです。新卒入社以来、私は明治の商品と、明治で働いている人のファン。その気持ちは退職後も変わることがありませんでした。明治は安心してお客様に勧められる商品をつくっていて、働いている人の品もよく、私を育ててくれた大事な会社。いつかまた貢献できるタイミングがきたら戻りたいと思っていました。

ですから、再入社することに戸惑いはありませんでした。転職の旅路では、転職や元の会社に戻った方との出会いがたくさんあり、キャリアを自分で描いていくおもしろさやエネルギーに触れたからです。それに加え、リ・メイジという新しいチャレンジを始めたことからもわかる通り、明治もこの5年で体制がずいぶん変わりました。業務内容も以前と変わったと聞いていたので、不安よりも「系列の別会社に新たに入社する」くらいの新鮮な気持ちのほうが強かったように思います。

変わった点、変わらなかった点。風土の良さはそのままにコミュニケーションが活発化

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▲研修発表

リ・メイジの面接で印象的だったのは、私としっかり向き合って話をしてくれたこと。5年ぶりの明治でしたが、風土や人の良さが以前と変わっていないことに安心しました。

いい意味での変化も感じています。組織改編によって部門間の壁が取り払われ、以前より、いろいろな背景の人が一緒に仕事をするようになりましたし、積極的に部門を超えたコミュニケーションを図ろうとしている印象を受けました。その影響なのか、それぞれが希望を言語化して伝える習慣が活発化していて、自分がどんなキャリアを積みたいかを伝えられる環境になってきているように思います。会社が大きく変化し、さらに変わり続けようとしているのを感じますね。

実務面では、5年間の転職経験を活かしてスムーズに業務に入ることができました。たとえば、小さな会社にいたとき、物流の事情まで踏み込んで営業交渉するスキルがついたので、お客様に視野の広い提案ができるようになったと思っています。その点も評価してもらえたのか、再入社後2カ月ほどで独り立ちさせてもらえました。

また、オンラインへの切り替え時には、転職先で得たIT知識が役立つなど、どんな環境でもやっていくために必要な基礎力と応用する力も鍛えられ、退職前より力をつけて戻ってこられたと実感しています。一番大きいのは、食品業界や明治という会社を客観的に捉えることができるようになったことです。

自分の存在が周りへの刺激になっていると思う場面もありますね。私のやり方や視点が、他の社員からは新鮮に思えるときがあるようで、自分としては意外な部分で「それ、いいね」と言ってもらえることがあります。新しい風を吹き込むことができているという点でも、武者修行の旅の末に明治に帰ってこられたことをとても良かったと思います。

真面目さの奥にある“尖り”を後押しできる存在に

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▲研修メンバーとともに

明治を一度離れて強く感じたことがあります。それは、明治の社員が高い資質や能力を備えていて、仕事に対してとても真面目であること。実直な人、信頼できる人が多いと思います。真面目であることは、明治の中にいると当たり前のことのように考えるかもしれませんが、外の世界では、仕事への向き合い方がさまざまな人と出会いました。明治には、安心して一緒に仕事ができる人が集まっている会社だと改めて感じます。

ただ、この真面目さは、裏を返すと「おとなしすぎる」と言えるかもしれません。それぞれにもっと個性や主張があったり、ときには「そんなことしちゃうの?」と思われるような、尖った部分を全面に出していってもいいのではないかと考えています。

明治の社員は、そんな“尖り”をきっとどこかに仕舞い込んでいるはず。たとえば、明治の社員は、商品の安全・安心へのこだわりが強く、品質に対する意識がとても高いところがあります。これは、見方を変えれば、尖っている部分と言えなくもありません。

また、“明治ミルクプロテインプロジェクト”も同様です。これは、日本人のタンパク質摂取不足を解決しようという取り組みですが、食品商社にいたとき、取引先から「明治さんは、社会問題に対して、わかりやすく絵を描いて提案するところがいいよね」という声を聞いたことがありました。同プロジェクトが発足したのは2015年。私自身も明治にいたときは気づかなかったのですが、他社に先駆けて社会問題にアプローチするところは、まさに尖りと言える部分です。ところが、伝え方や見せ方が真面目すぎるのか、メディアで話題になりづらいのは、とてももったいないこと。もっと大胆に遊び心を出したとしても、世の中から見たらちょうどいいくらいの尖り方になるのではないかと思っています。

私は今後、この尖った部分の後押しができる存在になれたらと考えています。リ・メイジで戻った人間がいるぞ、ということ自体が周囲の刺激になれば良いですし、仕事において自分がどうしたいかを常に考えて言語化することも尖ることだと思うんです。たとえば、私は「これまでやっていないけれど、こういう提案をしてみたい」と、積極的に上司や周りに相談するようにしています。将来的には、営業にとどまらず、気づいたことをほかの支店にもどんどん提言できるようになりたいと思っています。また、若手に対しては「やりたいことをやってみなよ!」と励まし続けられる存在でいたいですね。

少しずつでも変わっていこうと何事にも恐れず、根気よく挑戦することが、5年後、10年後に大きな成長につながるはず。あきらめずに挑戦し続けていくつもりです。真面目さ、そして尖りこそが明治の強み。みなさんと尖りに磨きをかけながら、ともに成長していきたいですね。