「嫌われる勇気」を持つリーダーへ。サッカーと恩師が育てた人間力
子どもの頃の私は、人見知りをするタイプでした。でも、一度仲良くなると話が止まらなくなる、そんな性格でした。休日はテレビの前に張り付いてバラエティ番組を見るのが大好きで、典型的なテレビっ子でしたね。一方で、ずっとサッカーを続けていたので、スポーツ観戦にも夢中でした。
サッカーとの関わりは、私の人格形成に大きく影響しています。小学生のとき、チームの監督にキャプテンを任命されたのが、リーダーとしての原点です。当時の私には「きちんとやり遂げることで怒られない」という気持ちがあって、不安を消すためにしっかり役割をこなすことに必死でした。今振り返ると、それがリスクを管理することへの適性につながっていたのかもしれません。
その後、中学・高校とサッカー部に所属し、副部長や部長も経験しました。その中でとくに印象に残っているのが、中学生のときに顧問の先生から言われた言葉です。「リーダーには嫌われる勇気が必要だ」と教えてもらいました。もともと私は人から嫌われる可能性を少しでも減らしたいという性格でしたから、その言葉はとても難しく感じました。チームのためには厳しいことも言わなければならない、でも心のどこかで「嫌われたくない」という気持ちがある。その葛藤に慣れながら実践していくことが、当時の私にとって最大の壁でした。
大学では教職課程を履修し、学校の先生を目指していました。その動機は、高校時代の担任の先生の存在にあります。その先生は生徒を引っ張るというよりも、「やりたいことがあるならやってみなさい」というスタンスで、間違ったときだけ指導してくれるような自由な管理スタイルの方でした。それまでに出会った大人とは少し違う関わり方で、おかげで私は学校生活をとても楽しく過ごすことができました。「自分もいつか、誰かにとってそういう存在になりたい」という思いが、教師を志すきっかけになったのです。
学生時代に力を入れたことのひとつが、テーマパークでのアルバイトです。楽しもうとしているお客様が集まる場所だからこそ、チーム全体でその期待に応えることが大切でした。私は特に、スタッフの育成に力を注ぎました。より多くの人にテーマパークの体験を届けるために、新しいスタッフが一人でも活躍できるよう、オープニングスタッフ(施設の開館時から担当するスタッフ)の育成を積極的に担いました。先生に褒められたり、仲間から信頼されたりすることで感じてきた喜びが、この「誰かのために力を注ぐ」という行動に自然とつながっていたのだと思います。アルバイトを卒業するとき、みんなに見送ってもらったことは今でも忘れられない思い出です。
「こんな人がいる会社なら働きたい」と感じた、選考での忘れられない一言
就職活動を始めたころ、私には「人事の仕事をしたい」という明確な軸がありました。部活やアルバイトで後輩の育成に携わる中で、誰かの成長を間近で見たり、感謝の言葉をもらったりすることに大きなやりがいを感じていたからです。多くの人と関わりながら誰かを導ける仕事として、人事という職種に自然と興味が向いていきました。
業界は特に絞らず、上場企業であることと社会的な安定性を条件に幅広く見ていました。また、学生時代のアルバイト経験を通じてサービス業の面白さも感じていたので、サービス業を中心に探していたことは確かです。ただ正直なところ、内定がなかなか出ない時期が続いて、不安を感じていたのも事実です。それでも、「人事はどんな業種でも存在する職種だから、仕事内容よりも会社の雰囲気や一緒に働く人を重視しよう」と自分に言い聞かせながら活動を続けていました。
今の会社を知ったのは、マイナビの合同説明会がきっかけです。ブースでパンフレットをもらうまで、正直まったく知らない会社でした。飲食業の企業という印象でしたが、パンフレットを読むうちに「人にフォーカスを当てている会社だ」と感じて、興味を持つようになりました。
入社を決める決め手になったのは、選考の途中で行われた人事の方との面談です。一対一の面談で、私の将来に対してどんな動機やモチベーションがあるのかを丁寧に深掘りしてくれました。自分ではうまく言語化できていなかった気持ちを、相手が整理して引き出してくれたんです。「そこまでしてくれるのか」と驚きました。
さらに印象的だったのは、まるで自分事のように私の話を聞いてくれて、時には厳しいことも言ってくれたことです。他の会社の選考では感じたことのない温かさでした。「こんな人がいる会社なら、ぜひ働いてみたい」と素直に思えたのが、入社を決めた一番の理由です。
入社後はまず、関西の同期たちと一緒に初期研修を受けました。その後、配属先となった広島県の店舗に赴任し、店舗での勤務がスタート。配属先では店長が一から丁寧に指導してくれる環境で、接客や調理の基本を身につけていきました。最初は飲食店での現場経験が中心でしたが、この時期に積んだ現場感覚が、その後のキャリアの土台になっていると今でも感じています。
「感謝された瞬間が、一番うれしい」7店舗を束ねるマネジャーの原動力
現在は営業統括本部に所属し、7つの店舗のマネジメントを担当しています。具体的には、各店舗の売上・利益の拡大に向けた人材育成や環境整備、販売促進施策の立案・実行などが主な仕事です。担当する店舗の部下社員は15名ほどおり、それぞれのキャリア形成をサポートすることも、今の私にとって非常に重要なテーマになっています。
今の仕事で最もやりがいを感じるのは、自分が関わっている人から感謝の言葉をもらった瞬間です。なかでも特に印象に残っているのは、2店舗の統括店長を務めていた時期のことです。当時、パートナー(アルバイトスタッフ)の中からリーダー候補の子を選んで、一緒に店舗を盛り上げてきました。その子たちがある日の卒業式で、それぞれの店舗のMVPとして表彰されたんです。さらにスピーチの場で「あなたの存在があったから頑張れた」と感謝の言葉を伝えてくれた時は、本当に胸が熱くなりました。人を育てることのおもしろさと責任の大きさを、改めて実感した瞬間でした。
もちろん、うまくいかなかった経験もあります。関わる店舗や人が増えるにつれて、一つひとつの店舗に割ける時間がどうしても少なくなっていきました。社内イベントの際に、PAのスタッフから「頑張ったのに感謝してもらえなかった、気にかけてもらえなかった」と言われたことがあります。その言葉は今でも心に刺さっています。自分がいっぱいいっぱいで、相手の気持ちを考える余裕がなかったのは事実でした。
また、価値観が合わないと感じた社員と向き合う時間や気持ちの余裕を持てず、退職を引き止められなかったこともあります。「勝手にすればいい」と投げやりになってしまった自分を、後から深く反省しました。
そうした経験を経て、意識が変わりました。「やって当然」と自分では思っていても、相手にとってはそうではない。承認や感謝を言葉にして伝えることを、日々の行動の中で意識するようになりました。
仕事を通じて成長を感じるのは、店舗改善の場面です。売上・客数・メニューの注文数といったデータの変動を観察し、「なぜこの数字が動いたのか」「お客様の行動にどんな変化があったのか」を論理的に考える力が身についてきました。入社前は苦手意識があったデータ分析も、実務を重ねる中で自然と得意になっていきました。
部下社員のキャリア形成においても、うれしい瞬間があります。「いつか店長になりたい」と話していた社員が、自分のもとで実際に店長へと昇格し、「ありがとうございました」と感謝してくれた時——その喜びは何にも代えがたいものです。数字の成果も大切ですが、人の成長に立ち会えることが、今の仕事を続ける大きな原動力になっています。
「仲間の成長が、回り道じゃなく魅力的な選択」。会社と人を育てる統括者の夢
今、短期的な目標として掲げているのは、店舗責任者をめざしているスタッフをしっかり導くこと、そして自分と同じように統括者(複数店舗を束ねるマネジメント職)として活躍できる人材を増やしていくことです。
統括者として部下を育てていく上で、私がとくに大切にしていることが二つあります。一つは、「仕事としてやらなければならないことの重要性をきちんと伝えること」。なぜそれをやるのか、なぜその基準が求められるのかを腹落ちさせることで、指示を受けてただ動くのではなく、自分で考えて行動できる人になってほしいという思いがあります。もう一つは、「あなたなら出来る」と伝えること。どれだけ丁寧に仕事の意義を説いても、本人が自分の可能性を信じていなければ一歩を踏み出せません。だから私は、その人を信じているということを言葉にして伝えるようにしています。
中長期的には、会社の規模拡大に貢献していきたいと思っています。入社してから大阪を起点に関西・関東へと店舗が広がり、私が店長を務めていた時期には愛知県への出店という規模拡大の最前線に立つ経験もしました。会社の成長のど真ん中にいると感じたあの感覚は、今でも自分の原動力になっています。
具体的には、商業施設への出店をさらに増やしていくこと、そしてどんな場所や施設であっても売上と利益をしっかり出せるよう店舗を磨き上げていくことが私のビジョンです。そうすることで会社やブランドの認知をもっと広げていける、と信じています。現場の社員一人ひとりを育てながら、新店を成功させていく。その積み重ねが、会社の成長につながっていくと思っています。
最後に、これから入社を考えてくださっている方へ伝えたいことがあります。この会社は、人の長所も短所もちゃんと見てくれる会社です。人事の采配として、上司との相性やプライベートの事情に合わせた勤務地の調整をしてもらえることもありますし、チャレンジしたいと手を挙げれば、ちゃんとそのチャンスが回ってきます。私自身、「店長をやってみたい」と言ったら認めてもらい、場所を用意してもらいました。その人が一番活きる形を、会社として真剣に考えてくれる風土があります。
向いているのは、人が好きで、自分のためだけじゃなく仲間の成長や成功にも手を差し伸べられる人だと思います。自分以外の誰かのために時間と力を注ぐことは、社会全体を見渡せば決して簡単なことではありません。でも、ここで働く仲間たちを見ていると、誰かのために動くことを「回り道な選択」ではなく「魅力的な選択」として感じられている人が多いと感じます。そういう人の周りには、自然と人が集まってくる。そんな環境で、一緒に成長していきましょう。
