兄の背中を追い続けた少年が、サッカーで学んだ忍耐と協調性
小さい頃から、とにかく兄のことが大好きでした。どこへ行くにも兄の後ろをついて回っていたくらいで、兄がやっていることなら何でも真似したくなってしまうような子どもでした。性格としては好奇心が旺盛で、目に映るものすべてに興味を持つタイプ。それでいて自分の考えはしっかり持っていて、周りに流されずマイペースに行動できるところもありました。今思い返してみると、そういう自分らしさは当時からあったのかもしれません。
サッカーを始めたのも、兄の影響からでした。小学校に入る前から兄に連れられてボールを蹴り始め、そのままサッカーの虜になってしまいました。高校を卒業するまで、ずっとサッカー一筋です。長く続けてこられた理由は、純粋にサッカーが好きだったからだと思います。ただ、楽しいことばかりではありませんでした。
特につらかったのは、体力づくりのための走り込みです。練習のたびに何度も何度も走り続けるのは、正直しんどいと感じることも多くありました。それ以上に苦しかったのが、トップチームに上がるために常に結果を求められるプレッシャーです。仲間と競い合いながら、自分の実力を証明し続けなければならない環境は、精神的にも体力的にもきつかった。何度も「もう限界かもしれない」と思ったことがあります。
それでも続けられたのは、仲間の存在があったからだと思います。サッカーはチームスポーツですから、一人では絶対に勝てません。それぞれが自分の役割を果たしながら、チームとして同じ目標に向かっていく。そのなかで自然と協調性や社交性が身についていきました。また、どんなにつらい状況でも諦めずに取り組み続けることで、忍耐力も鍛えられました。サッカーを通して得たこの経験は、今の自分の土台になっていると感じています。
高校卒業後は、大原のブライダル専門学校へ進学しました。ブライダルの世界に興味を持ったきっかけは、テレビ番組を見たことでした。画面越しに映し出される結婚式の場面に心を動かされ、「自分もこの世界に関わりたい」という気持ちが芽生えました。専門学校ではブライダルに関する知識や技術を幅広く学びましたが、それと並行して力を入れていたのが、結婚式場でのアルバイトです。実際の現場で働くことで、授業では学べないリアルなおもてなしの心を身をもって感じることができました。
アルバイト中に特に印象に残っているのは、新郎新婦が家族に向けて手紙を朗読する場面に立ち会った瞬間のことです。読み上げられる言葉のひとつひとつに、これまでの歩みや感謝の気持ちが詰まっていて、気づいたら自分も胸がいっぱいになっていました。結婚式という場が持つ力の大きさを、あの瞬間に初めて実感したのだと思います。接客の現場で人と向き合いながら、おもてなしとは何かを肌で学んでいった学生時代でした。
ブライダルから飲食へ、「引き出しを増やしたい」という決断
就職活動を始めた当初、私が目指していたのはブライダル業界でした。人の特別な瞬間に携わる仕事に憧れを抱いていたのです。しかし、活動を進めるうちに、ある思いが頭の中で大きくなっていきました。「若いうちに、もっと多くのことを経験して、自分の引き出しを増やしたい」。そう強く感じるようになったのです。
具体的には、人・物・お金、この三つをしっかりと管理できるスキルを身につけたいと考えました。スタッフのマネジメント、食材や備品の管理、そして収益構造の把握。これらを若いうちから一手に担える職種を探したとき、たどり着いたのが「飲食店の店長」というポジションでした。ブライダルとはまったく異なる方向性でしたが、自分の中では迷いよりも納得感のほうが強かったです。周囲には特に相談しませんでした。自分の中でやると決めてからは、とにかく早く仕事ができるようになりたいという気持ちしかなかったので、それほど気にはなりませんでした。
そうして飲食業界を調べる中で出会ったのが、KICHIRIです。最初に抱いたイメージは、「真剣に人と向き合ってくれる会社」というものでした。テーラーメイド、つまり一人ひとりに合わせた個別対応を大切にしている印象を受けたのです。その印象は、選考を通じてより確かなものになっていきました。
特に印象に残っているのは、最終面接前に担当者がプレゼンの内容をチェックしてくださったことです。「あなたが良い結果を出せるように」という気持ちが伝わってきて、単なる選考の場を超えた関わり方をしてくださっていると感じました。また、内定者の期間中もKICHIRIのことをたくさん教えていただき、入社前から会社のことを深く理解できる機会を与えてもらいました。こうした体験が重なり、「ここなら自分は成長できる」という確信が生まれていきました。
入社の決め手として最も大きかったのは、成長できる環境を具体的に示していただいたことです。役職のロードマップを共有していただき、「あなたはこういうステップで成長していける」という道筋が見えたこと。そして、自分が行動したことに対してフィードバックを受けられる環境があることも、はっきりと伝えてもらいました。漠然と「成長できます」と言われるのではなく、仕組みとして示してもらえたことが、私の心を動かしました。ちなみに、他の企業は見ておらず、KICHIRIただ一社に絞って選考を受けていました。それだけ、最初から強い縁を感じていたのかもしれません。
入社後は、まず飲食に欠かせない衛生管理の研修からスタートしました。食の安全を守るための知識は、現場に立つうえで欠かせない基礎です。また、FLコスト管理(飲食業における食材費と人件費を合わせたコスト管理の手法)における人件費の管理方法など、店舗運営に直結する実践的な内容も丁寧に教えていただきました。研修後はキッチン業務とホール業務の両方を経験しましたが、研修で学んだ内容と現場での仕事に大きなギャップは感じませんでした。しかし、実際に現場に立ってみると、自分の力不足を痛感する場面が次々と訪れました。何事も習得に時間がかかり、悔しい気持ちを抱えながら日々を過ごしていたのを今でもよく覚えています。
「大好きがいっぱい」を体現する、PMとしての挑戦と成長の日々
現在、私は堺東駅前店のPM(プロフェッショナルマネージャー)として働いています。PMというのは、自店舗の売上と利益を最大化するだけでなく、全店に良い影響を与えることを使命とする役職です。再現性のある仕組みを考えて実践し、うまくいったことを他の店舗とシェアしながら、より良い店舗づくりを推進していくことが求められています。
具体的には、堺東駅前店の売上と利益を最大限に会社へ還元しながら、部下である社員やパートナー(アルバイトスタッフ )が未来に向かって豊かに成長できる環境を整えることが私の仕事です。そして、私自身が「大好きがいっぱい」という姿勢を体現し続けること、それを使命として日々の営業に臨んでいます。
そんな日々の中で、忘れられない成功体験があります。繁忙月である2025年12月に、過去最高売上と過去最高利益を同時に達成できたことです。この成果の裏には、営業環境を根本から見直したという取り組みがありました。これまでは2Fを軸に営業を行っていたのですが、3FについてもWEB予約が自動で入る環境を整備したことで、店舗全体の「箱」を最大限に活かせるようになりました。数字がそれを証明してくれたときは、純粋にうれしかったですし、やりきったという達成感がありました。部下がチャレンジしたことが成果に繋がる瞬間と同様に、この経験は私にとって大きなやりがいになっています。
一方で、苦労していることも正直にお話しすると、大きく三つあります。「大好きがいっぱいを体現し続けること」「部下の育成」「利益(FL管理)」です。FL管理というのは、食材費(Food)と人件費(Labor)のバランスをコントロールして利益を確保するための管理手法です。売上予測がずれてしまい、想定より多くの人員を抱えてしまうことがあり、その調整がうまくいかずに悔しい思いをしたこともあります。
部下の育成については、とくに印象に残っている経験があります。本人の意思と私の考えが合わない状況が生まれてしまい、「コミュニケーションが足りていなかった」と深く反省したことがありました。相手のことを理解しようとする前に、自分の方向性を押しつけてしまっていたんだと気づいたんです。
そして「大好きがいっぱいを体現し続けること」が難しいと感じる瞬間は、自分のことしか考えられなくなっているときや、利己的な状態になっているときです。そういう状況に気づいたとき、PMとして周りに良い影響を与える立場であるはずの自分が、一番その精神から遠ざかっているということを痛感します。
入社当初と比べて、仕事への向き合い方で大きく変わったと感じるのは「自分の成長が周りの成長につながる」という視点を持てるようになったことです。あるいは逆に、「周りの成長をフォローすることが自分の成長に繋がる」とも実感しています。かつては自分のスキルを磨くことに意識が向いていましたが、今は店長の見本となれる存在として、チーム全体を引き上げることへの責任感が自分を動かしています。それが今の私にとっての「成長」の意味です。
「最強の店長」から「統括者」へ。自分と仲間の成長に貪欲であり続ける
今、私が短期的な目標として掲げているのは、「最強の店長になること」です。ただ、最近では統括者(複数店舗を束ねるマネジメント職)として会社の拡大に貢献したいという気持ちも芽生えてきました。正直なところ、どちらの道に進むかはまだ決めきれていません。
でも、迷っているわけではないんです。最強の店長を極めることは、統括者としてチャレンジしていくための重要な経験だと考えているからです。統括者とは、複数の店舗で最強の店長と最強の店舗を創り上げ、それを導く存在だと私は思っています。だからこそ、今は目の前の店長業務を徹底的に磨くことに集中しています。
中長期的には、「店長を育てられる店長」をめざしたいと思っています。このイメージを持つようになったのは、会社の新しい給与制度に必要な要素として設定されていたことがきっかけの一つです。ただ、それ以上に自分自身の実感として、「店長になって成果を残していなければ、店長を育てることはできない」と強く感じているんです。自分がまず結果を出すこと、それが人を育てる資格につながると信じています。
活躍できる人物像について問われると、私はいつも「マインドが重要」と答えます。もちろんスキルがあるに越したことはありませんが、スキルは後から身につけられます。一方で、わからないことを「わからない」と言える素直さ、できないことをできるようにしようとする姿勢、そして「やる」と言い切れる主体性は、入社前から持っていてほしいと思います。
主体的に行動することの大切さは、自分自身の経験からも実感しています。相手が何を求めているかを先読みして動いたとき、喜んでもらえる。その瞬間は自分自身の自信にもつながります。たとえ主体的に動いた結果が失敗に終わったとしても、それは「やらされてした失敗」とはまったく違います。自分で考えて動いた失敗には必ず学びがあり、次に活きる成果になるんです。
そして、一緒に働いてほしいのは「自分の成長にも、周りの成長にも貪欲な人」です。私自身がそういうマインドで仕事に向き合ってきましたし、私の上司たちもそのような人たちです。もし私が上司の立場であれば、部下が「やりたい!」と言ってくれることが何よりのモチベーションになります。だからこそ私も、上司に対して「やりたい」「頑張りたい」を積極的に伝えてきましたし、求められたこと以上の結果を見せたいと常に思ってきました。
最後に、入社を考えている方に伝えたいことがあります。飲食業は体力的にも精神的にもしんどいと感じる場面が確かにあります。でも、どんな仕事でも、どんな人間関係でも、しんどさや辛さは誰にでも訪れます。大切なのは、そのすべてを「成長できるチャンス」ととらえ、見方を変えようとする姿勢です。「できるかできないか」ではなく「やろうと奮闘できるか」どうか。逃げることに悔しさを感じて踏みとどまれるか、そして一人で抱え込まずに相談できるか。そういう気概を持った方に、ぜひ飛び込んできてほしいと思います。仲間が、表面だけでなく未来を見据えて、あなただけに合ったフォローをしてくれる環境が、ここにはあります。
