豊富なデータで新たな価値を。「挑戦しやすい環境」が入社の決め手
学生時代、私が力を注いだのはトライアスロンと研究活動の二つです。どちらも中途半端にしたくなくて、両立することに強くこだわっていました。
トライアスロン部では主将を務めながら、近畿学生トライアスロン連合の委員長として大会運営にも携わりました。企画の立ち上げから当日の運営まで一貫して担い、競技者としても全国大会に2たび出場し、所属チームの初入賞に貢献することができました。組織をまとめながら目標に向けて周囲を巻き込んでいく経験は、この時期に培われたものだと思っています。
研究活動も同じくらい熱心に取り組みました。複数の研究プロジェクトを並行して進め、学会発表は国内外で21件、受賞は8件を経験しました。テーマの設定から実験、発表まで自分で主体的に動く中で、「課題を見つけて形にするおもしろさ」を実感しましたし、新しい価値を追求することへの原動力もここで育まれたと感じています。
就職活動では、「挑戦しやすく自分自身が成長できる環境」と「学生時代に学んできた知識や経験を活かせること」を軸に企業を探していました。ただ、活動を進める中でもっとも悩んだのは、自分の強みをどこに定めるかという点でした。
研究活動では専門性を磨き、部活動では組織運営や競技実績を積んできた。「研究者として専門性を伸ばしたい」という気持ちもあれば、「組織を動かす立場に興味がある」「新しいことにも挑戦したい」という思いもあって、どこを軸にして就職活動を進めるべきか、なかなか答えが出ませんでした。
悩みながらも自己分析を続ける中で、ある気づきがありました。私は一つの専門性だけを突き詰めるよりも、技術とビジネス、人と組織をつなぎながら新しい価値を生み出すことにやりがいを感じるのだ、ということです。その気づきが軸となり、そうした挑戦ができる環境を持つ企業を重点的に見るようになりました。
J:COMに入社を決めた理由は、大きく二つあります。一つは、J:COMが持つ豊富な顧客データを活用して新たな価値を創出できる環境に強い魅力を感じたこと。ケーブルテレビや通信サービスを通じて積み上げてきた膨大なデータをビジネスに活かす可能性は、私が就職活動で描いていた「技術とビジネスをつなぐ仕事」そのものだと感じました。
もう一つは、面談を通じて「若手でも挑戦の機会が得られる」と実感できたことです。面談の場では、私が学生時代に取り組んできた研究活動や新規事業への興味をしっかりと評価していただきました。自分の経験や想いを真剣に受け止めてもらえたことが、入社への後押しになりました。挑戦したいという意欲さえあれば、若手でもきちんと機会が与えられる会社なのだと、面談を経て確信することができました。
「風通しの良さ」に驚いた1年目。若手社員の成長を後押しする環境
入社後の研修では、ビジネスマナーや社会人としての基礎的なスキルに加え、J:COMの事業やサービスについて幅広く学びました。とくに印象的だったのは、営業・エンジニア・企画といったさまざまな職種の同期と一緒に研修を受けられたことです。同じ会社に入った仲間でも、立場や専門性によって物事の見方や考え方がまったく異なっていて、多様な価値観に触れられたことがとても新鮮でした。
入社前にも会社についてある程度調べていたつもりでしたが、研修を通じて初めて知るサービスや事業が数多くあり、J:COMの事業の幅広さをあらためて実感しました。「これだけのアセット(資産・リソース)を持つ会社なら、組み合わせ次第でまだまだ新しい価値を生み出せるはずだ」と感じたことが、今でも印象に残っています。
配属後は、J:COMの主力サービスである放送・動画配信サービスの理解を深めるところからキャリアをスタートしました。具体的には、番組レコメンド(視聴データなどをもとにユーザーへおすすめ番組を提案する仕組み)のロジック開発を担当し、どのようなお客さまがどんなコンテンツを好むのかを分析しながら、提案ロジックの構築や効果検証に取り組んでいました。
その後、AIやデータ分析の経験を評価していただき、新規領域であるデジタルヒューマンの開発へと携わるようになりました。さらに、会社全体で生成AIの活用を広げる取り組みが始まった際には、AI推進のための研修講師も担当しました。学生時代からAIや機械学習、LLM(大規模言語モデル)の研究に取り組んでいたことに加え、高校での非常勤講師経験や数多くの学会発表を通じて人前で話すことへの抵抗がなかったことも、声をかけていただいたきっかけだったと思います。「機会があれば講師をやってみたい」と自分から手を挙げたところ、その意欲を評価していただき実現しました。
研修では技術的な説明をするだけでなく、「なぜそれが便利なのか」「実際の業務でどう使えるのか」をイメージしてもらえるような伝え方を意識しました。専門用語を並べるのではなく、わかりやすく、そして少しおもしろく伝えることに力を入れた結果、受講者の方々から前向きな反応をいただき、大きな自信につながりました。
入社前は、大企業ということもあって若手が大きな仕事を任されるまでには相応の時間がかかるのではないかと思っていました。しかし実際は、想像以上に風通しが良く、挑戦したいことを後押ししてくれる環境でした。経験や知識がまだ十分でない中でも、自分ができることや挑戦したいことを積極的に発信し続けたことで、部署として初めてとなる学会発表の機会をいただきました。上長も背中を押してくれたことで実現できたこの経験は、今でも大切な思い出です。学生時代には数多くの発表経験がありましたが、社会人として会社を代表する立場で発表することにはこれまでとは違う責任感があり、大きな緊張もありました。一方で、自分たちの取り組みを社外へ発信し、多くの反応をいただけたことは大きな自信につながりました。
学会発表のほかにも、記者取材への対応や外部イベントでのブース出展、セミナーへの登壇など、1年目からさまざまな挑戦をさせてもらいました。「手を挙げれば機会をもらえる」という文化は、入社前との良い意味でのギャップであり、この会社で働く上での大きな魅力だと感じています。
技術とビジネスをつなぐ。「通訳役」として挑むデジタルヒューマン開発
現在、私が担当しているのはデジタルヒューマンプロジェクトです。デジタルヒューマンとは、生成AIやアバター技術を活用し、人と自然に対話できるバーチャルな存在のことで、接客や案内などへの活用が期待されている技術です。このプロジェクトで私はプロジェクト推進と開発の両方を担っています。
具体的には、ビジョンを実現するための要件整理や、関係者との調整業務を行いながら、自身でも開発作業を進めています。チーム内では、技術者とビジネス部門の考え方や言葉の違いを橋渡しする「通訳役」として、そしてメンバー間の認識をそろえ、議論が円滑に進むよう調整する「緩衝材」として機能することが、自分の大切な役割だと感じています。
私の所属するチームは、メンバーごとに担当業務が大きく異なります。そのためチーム会議では、チーム長と特定のメンバーとの間で専門的な議論が進み、他のメンバーが会話に入りづらくなることがあります。そうした場面で私は、自分の担当外の業務についても積極的に学び、会議中に補足説明をしたり、双方の意図を整理して伝えたりすることで、全員が議論に参加できる環境を意識的に作ってきました。また、メンバーがチーム長へ相談する前に内容を一緒に整理し、より伝わりやすい形にしてから話を持っていくこともあります。自分の仕事を進めるだけでなく、チーム全体が動きやすい環境を作ることも、自分の役割のひとつだと今は確信を持って言えます。
現在、プロジェクトはプロトタイプ版の開発段階にありますが、すでに記者向けの取材対応や展示会・イベントブースでの体験展示を実施しました。実際に多くの方に触れていただく中で、「ぜひ導入してみたい」「こういった接客や案内に活用できそう」といった前向きなご意見をいただくことができました。企画段階から開発に携わってきたものだったので、実際に体験した方から評価をいただけたときは大きな手ごたえを感じました。同時に、自分たちが考えていた用途とは異なる活用方法の提案をいただくこともあり、多くの発見がありました。
開発者として、自分たちが作ったものに対して直接反応をもらえることは、大きなやりがいを感じられます。一方で、技術的に実現できることと、実際にお客さまに価値を感じてもらえることは、必ずしも一致しないということも痛感しています。展示会でのフィードバックをもとに改善を重ねながら開発を進めているのも、そうした気づきがあったからこそです。
入社1年目のころと比べて最も成長したと感じるのは、コミュニケーション能力です。当初は人前で話すことには比較的自信がありましたが、実際の仕事を通じて、自分が伝えたいことを話すだけでなく、相手やチーム全体が何を考えているかを汲み取り、その場に合った発言をすることの重要性を学びました。意見がぶつかりそうな場面でも円滑に議論を進める調整力や、技術者とビジネス部門の間に立って双方の言葉を翻訳する力は、多様な専門性を持つメンバーと協力するデジタルヒューマンプロジェクトの中で磨かれてきたと感じています。 ただ、最初からこうした役割が得意だったわけではありません。むしろ入社当初の私は、自分で考え、自分で手を動かして解決しようとする傾向が強く、仕事を抱え込みすぎてしまうことがよくありました。周囲を巻き込むよりも自分で進めた方が良いと思っていたのですが、その結果、自分の担当範囲だけに視点が偏り、後から認識のずれや考慮漏れに気づくこともありました。 そうした経験を通じて、一人で頑張るよりも、早い段階で周囲に相談し、多様な立場の人の意見を取り入れることの大切さを学びました。今では、メンバー同士の認識をそろえたり、技術者とビジネス部門の橋渡しをしたりする役割を担うことも増えています。過去の失敗があったからこそ、現在の「通訳役」や「緩衝材」としての役割につながっているのだと思います。
まだ発展途上のプロジェクトではありますが、今年度のリリースに向けて開発を進めており、新しい技術を実際のサービスとして形にしていくおもしろさとやりがいを、毎日強く感じながら仕事をしています。
「そんなに心配しなくて大丈夫」技術と人をつなぐ挑戦者が描く未来
短期的な目標は、現在開発しているデジタルヒューマンを、実際のサービスとしてリリースすることです。今はプロトタイプ版の開発や実証を進めている段階ですが、まずは社内の受付などで実際に活用していただき、多くの方に価値を感じてもらえるサービスへ育てていきたいと考えています。
その先には、自治体や行政の窓口など、より多くの人が利用する場所でも使われるようなサービスにしていきたいという思いがあります。誰でも気軽に情報を得られる新しいコミュニケーション手段として、社会に広げていくことが今後の大きな目標です。
中長期的には、J:COMを「先進的な技術を活用しながらも、人に寄り添ったサービスを提供する会社」だと多くの方に感じていただけるようにしたいと考えています。現在はデジタルヒューマンの開発に携わっていますが、将来的にはそれに限らず、生成AIをはじめとする新しい技術を活用したサービスの企画・開発に幅広く関わっていきたいです。
また、良いものを作るだけでなく、その価値をわかりやすく伝え、社内外へ発信していくことも大切だと感じています。学会発表やイベント登壇などを経験するたびに、技術と人をつなぐ役割にやりがいを覚えるようになりました。実際に、これまでの取り組みをJ:COM公式noteで紹介していただく機会もありました。もともと私自身が「自分たちの挑戦や価値をもっと多くの人に知ってもらいたい」と考え、自ら発信したいと周囲に話していたこともあり、その想いが形になった取り組みでした。多くの方に読んでいただく中で、技術の内容そのものだけでなく、「なぜ取り組んでいるのか」「どんな価値をめざしているのか」を言葉にして伝えることの難しさと面白さを実感しました。記事への反響をいただいたときには、自分たちの活動が少しずつ社内外へ広がっていることを感じ、とてもうれしかったです。私は、せっかく良いものを作っても、その価値が相手に伝わらなければ存在しないのと同じだと思っています。だからこそ、技術を形にするだけでなく、その魅力や意義をわかりやすく伝えることにも力を入れています。逆に、自分たちが作ったものや考えたことが誰かに伝わり、「おもしろい」「使ってみたい」と言ってもらえたときには大きな喜びを感じます。
新しい技術を事業やサービスとして形にしながら、その魅力を発信できる人材になり、J:COMの新しい価値づくりに貢献していきたいと思っています。
最後に、社員訪問を考えている学生の皆さんへ伝えたいことがあります。ぜひ一度、J:COMで働いている社員と直接話してみてほしいです。事業やサービスにも魅力はありますが、私が感じるJ:COMの一番の魅力は「人」だと思っています。実際に働いている社員と話すことで、会社の雰囲気や価値観、自分に合った環境かどうかをよりリアルにイメージできるはずです。
就職活動では、企業について調べることも大切ですが、実際に働くのは「人」と一緒です。だからこそ、社員訪問などを通じて中の人と話し、自分との相性を確かめてみてください。「この人たちと一緒に働きたい」と感じられる社員に出会えたなら、J:COMはきっと良い選択肢になると思います。
そして、就職活動中の自分に声をかけるとしたら、「そんなに心配しなくて大丈夫」という言葉を伝えたいです。当時は、自分に挑戦したいこと多かった分、「何を強みとして伝えればいいのか」で悩んでいました。研究も部活動も組織運営も好きだったので、一つに絞ることがなかなか難しかったんです。
でも今振り返ると、会社に入ってからも新しい分野に挑戦し続けることができていますし、環境が変わっても柔軟に対応できる力や経験は十分に身についていました。全部を伝えようとしなくていい。まずは自分らしさが最も伝わる強みを一つ選んで、それを自信を持って伝えられるようになれば大丈夫です。就職活動は自分を狭める作業ではなく、自分の強みを相手にわかりやすく伝える作業なんだと、今は感じています。ぜひ気軽に話を聞きに来てください。
