「困っている人を支えたい」その想いが通信インフラの道へ
大学では理工学部に所属し、電気電子工学を中心に学んでいました。研究室では光ファイバ(光の信号を使ってデータを高速・長距離で伝送する通信技術)に関する分野に取り組んでいました。学びを深める中で、普段は目に見えない技術が、私たちの当たり前の暮らしを支えていることにおもしろさを感じるようになりました。とくに通信分野は、日常生活に欠かせないインフラでありながら、その仕組みを意識する機会はあまりありません。だからこそ、社会を支える技術に携わりたいという思いが強くなっていきました。
学業以外では、接客業のアルバイトにも力を注ぎました。年齢の離れた従業員の方々と一緒に働く中で、困っている人がいたら自分から声をかけたり、業務が円滑に進むよう先回りして行動したりすることを心がけていました。もともと「困っている人をそのままにしておけない」という性格で、自分の行動によって相手の負担が少しでも軽くなったり、感謝の言葉をいただけたりすることに大きなやりがいを感じていました。この経験を通じて、周囲の状況を見て自分にできることを考える力や、一緒に働く人との関係づくりの大切さを学びました。
就職活動では、通信サービスを通じてお客さまや地域社会の暮らしを支えられる企業を軸に企業研究を進めました。ただ、通信業界といってもさまざまな企業や事業領域があり、どの会社が自分に合っているのかを言語化することにはとても苦労しました。「通信に関わりたい」「人々の生活を支える仕事がしたい」という思いはあっても、それを自分の経験や価値観と結びつけて具体的に言葉にすることがなかなかできなかったのです。企業研究を進める中で、通信サービスが単なる技術やインフラではなく、お客さまの日常や地域社会の暮らしに深く関わっていることをあらためて感じ、アルバイトでの経験とも重なって、「自分は技術そのものだけでなく、その先にいるお客さまの役に立てる仕事に魅力を感じていることに気付きました。
J:COMへの入社を決めた理由も、通信インフラに携わりながらお客さまや地域社会に近い距離で貢献できる点にあります。企業研究を通じて、通信だけでなく放送や地域サービスなど幅広い事業を展開していることを知り、お客さま一人ひとりの暮らしに寄り添う企業だと感じました。「困っている人を支えたい」という自分の価値観と、地域密着でお客さまとの距離が近いJ:COMのあり方が重なると感じ、入社を決意しました。また、選考の中で社員の方々が自然体で話を聞いてくださったことも、「この会社で働きたい」と感じる大きな後押しになりました。
営業同行で気づいた「つながり」。研修から始まった技術者としての第一歩
入社後まず驚いたのは、研修の充実ぶりです。技術者として入社したにもかかわらず、営業やカスタマーセンターをはじめ、さまざまな部署について学ぶ機会がありました。当初は、「なぜ技術者が営業を学ぶのだろう」と、疑問に感じていました。
しかし、実際に営業の先輩に同行して、お客さまのご自宅へ訪問した際に、その意味を実感しました。営業担当が一件一件のお客さまと向き合い、信頼関係を築いてくださるからこそ、私たち技術者が設備の構築や開通作業に取り組める。現場を実際に見ることで、サービスは多くの部署が連携して初めて成り立っていることを理解できました。この経験は、組織全体を意識して仕事に取り組む大切さを学ぶきっかけになりました。
研修後に配属されたのは、お客さまのご自宅へ伺う機器設置工事の現場です。インターネットやテレビ、電話サービスの開通作業を行う仕事でした。お客さまと直接顔を合わせ、「つながった!」と喜んでいただける瞬間に立ち会うことができました。お客さまと向き合いながら課題を解決する経験は、社会人としての基礎を築いてくれた大切な時間だったと感じています。
一方で、経験を積む中で「より多くのお客さまに影響を与える仕事にも挑戦したい」という思いも芽生えました。個人のお客さまを支える仕事にやりがいを感じながらも、より広い範囲でサービスを支える業務に携わりたいと考えるようになり、異動を希望しました。
そうして異動したのが、現在所属している関西南技術センターのヘッドエンド放送通信グループです。ヘッドエンドとは、テレビや通信サービスの信号を集約・配信する中核設備のことで、いわばサービス全体の「心臓部」にあたる場所です。具体的には、CMTS(ケーブルテレビ網でインターネット通信を制御する装置)や光送受信機といった機器の構築・運用・保守を担当しています。機器に障がいが発生した際の原因調査や、伝送路(信号を届けるための通信経路)の確認なども、日々の重要な業務のひとつです。
異動当初は扱う設備や知識が大きく変わり、不安もありました。これまで扱ったことのない機器や専門的なコマンド(機器を操作するための命令文)、予算管理の知識、障害対応の手順など、覚えるべきことは想像以上に多くありました。それでも、日々の学習を怠らず、業務に対してプロアクティブに動き続けることを自分への約束として、一つひとつ着実に前進してきました。
重要文化財への光サービス導入と「ジブンゴト」として仕事に向き合う姿勢
現在は、テレビ・インターネット・電話サービスを提供するための設備の構築、運用、保守を担当しています。機器に障がいが発生した際には原因を切り分けて調査したり、信号が正しく伝わっているかを確認する伝送路の点検を行ったりと、通信・放送サービスの安定提供を日々支える役割を担っています。
地味に見える作業も多いですが、この仕事がなければ、お客さまが当たり前のようにテレビを観たり、インターネットを使ったりすることができなくなってしまいます。生活インフラを直接支えているという実感は、大きなやりがいにつながっています。
とくに印象に残っているのは、J:COMが施設管理を担当する国の重要文化財である大阪市中央公会堂への光サービス導入プロジェクトに携わったことです。歴史的価値を持つ建造物に、現代の通信インフラを届けるというプロジェクトは、大きな責任を感じるものでした。無事にサービスの導入を完了できたときには、大きな達成感と誇りを感じました。
さらに、このプロジェクトでは設備導入だけでなく、自ら提案した中央公会堂のグッズ制作案が採用されたほか、施設内への防犯カメラの設置にも携わりました。担当業務の枠にとらわれず、「自分ならどうできるか」を考えて行動することで、新たな価値を生み出せることを実感した出来事でした。
一方で、失敗の経験も私の成長に大きく影響しています。作業内容や設備への理解が不十分なまま現場に臨んでしまい、想定外の状況に直面した経験もあります。冷静に対応できず、自分の準備不足を痛感した苦い経験です。
その経験から、事前に内容・手順をしっかり理解し、現地確認を徹底することが絶対に欠かせないということです。どれだけ経験を積んでも、準備を怠ってはいけない。技術職として成長するうえで大切な姿勢を学ぶ機会になりました。
入社1年目のころと比べると、疑問をそのままにせず、自分から先輩や上司に質問・確認することが主体的に進められるようになりました。技術的な知識や設備への理解も着実に深まり、以前は名前さえよくわからなかった設備についても、今では自信を持って説明できるようになっています。日々の積み重ねを通じて、自身の成長を実感しています。
学び続け、暮らしを支えるインフラエンジニアへ
今後の目標として、まず大切にしたいのは「現在の業務や設備への理解をさらに深めること」です。放送・通信設備の仕事は、覚えるべき知識や技術の幅がとても広く、日々の現場の中で学び続けることが不可欠です。まだまだ先輩に頼ることが多い場面もありますが、少しずつ自分の中に知識と経験を積み上げて、先輩から「こうしよう」と言われるのを待つだけでなく、自分から判断して提案できる場面を増やしていきたいと思っています。
中長期的には、放送・通信設備に幅広く対応できる技術者になることをめざしています。J:COMは通信、放送、地域事業など多岐にわたる領域を持つ会社です。さまざまな設備や状況に対応できる技術力を身につけるだけでなく、現場全体を俯瞰しながら最適な判断ができる人材になることが、私の長期的な目標です。
J:COMの仕事は、放送・通信サービスという生活インフラ(日常生活を支える基盤となるサービス)を支える責任の大きな仕事です。お客さまの暮らしに与える影響も大きく、覚えることも多くあり、最初は大変に感じることもあるかもしれません。それでも、作業が無事に完了した時や、自分の仕事がお客さまの日常を支えていると感じられた瞬間には、大きなやりがいがあります。
また、周囲に相談しやすい環境があります。わからないことを一人で抱え込まず、周囲と協力しながら成長できることも魅力の一つです。
最後に、社員訪問を考えている学生の皆さんへ伝えたいことがあります。気になることは、遠慮せずにどんどん聞いてほしいです。自分が実際にここで働くイメージを持つためにも、社員訪問はとても大切な機会だと思います。「やりたいことがまだ明確でない」という方も心配いりません。対話を通じて、自分の価値観や将来の方向性が見えてくることもあります。
J:COMには、お客さまや地域社会の役に立ちたいという思いを持ち、自ら学びながら成長していける環境があります。生活インフラを支える仕事に興味がある方と、ぜひ一緒に働けることを楽しみにしています。

