偶然出会った天職。プラントを絶対に止めないため、日々の点検をいつも真摯に

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北海道支店の中で主幹プラントとなる東札幌合材工場。そこで機械職として勤務する清藤は、現場仕事もこなしながら、機械課課長として工場長に次ぐポジションを担っています。

「アスファルト合材を製造するための、破砕や乳剤、常温といった各工程において、必要となる機械の管理やメンテナンスを主に担当しています。また、外注している作業を内製するなどして修繕費や固定費を削減し、設備の運用効率を上げることも重要なミッションです。そして東札幌合材工場で唯一の課長として、工場が順調に利益を上げられるよう、経営のサポートにも取り組んでいます」

清藤がプラントの保守に関わる仕事を始めたのは2001年のこと。高校卒業後、九州に本社を構えるアスファルトプラントメーカーの札幌営業所で、技術者としてのキャリアをスタートしました。

「当時は就職氷河期で、知人の紹介でその会社に就職しました。入社当初はアスファルトプラントがどのようなものなのかもわからないという状態。でも子どものころから機械いじりが大好きだったので、仕事を知れば知るほど興味が湧き、気づいたら天職だと思うほどのめりこんでいたんです。

天職に出会ってから今までずっと心がけてきたのは、常にお客様の立場に立ち、真摯に対応するということ。商品を使っていただくお客様のために、プラントを絶対に止めない。そのために日々のメンテナンスを正確に丁寧に行う。その積み重ねを大切にしています」

そうして懸命に仕事に取り組み続けた姿勢が評価され、清藤は2010年に営業所長に昇進。さらに2015年には関西への転勤と同時に、支店長を任されるようになります。

「とにかく私は技術を磨くことが好きで、管理職にはまったく興味がなかったんです。常にお客様のためを想い、それが会社のためになると信じてまじめに取り組んでいたことが評価されたのかもしれません。そしてそのお客様の中には、前田道路もいました。

工場長や機械職、試験職の方と関わることが多く、とてもコミュニケーションが活発で風通しがいい社風だという印象でしたね。公私ともに仲良くさせていただいていたのですが、まさか十数年後に前田道路へ転職することになるとは想像もしていませんでした」

自分を必要としてくれ、「機械職」というポジションが確立されている前田道路へ

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高校を卒業してからプラントメーカーに入社して16年。地元を離れ関西で支店長として働く中で、いつしか清藤に迷いが芽生え始めます。

「自分の技術を活かせる仕事にとても満足していたんです。ただ、このままずっと関西で働くのか、別の地へまた転勤するのか、会社からの返答がない状態が続いて。子どもの学校や家族の生活はどうなるんだろうという不安がありました。

それに仕事ばかりしていて家族と過ごす時間がほとんど取れていないことも気になっていました。そこで地元に帰り、プライベートの時間を確保できるような仕事を探そうと考えるようになりました」

そんなとき、かねてより付き合いのあった取引先から誘いを受け、清藤は前田道路と同じ舗装会社のプラントオペレーターへの転職を決めます。

「これまでプラントの建設やメンテナンスには携わったことがあったものの、そのプラントを動かして、アスファルト合材を製造するという作業は一切やったことがなかったんです。舗装会社のアスファルトプラントで自分が建設した機械を動かしてみたい、未体験の業務に挑戦して仕組みを理解したい。そんな技術者としての探求心も湧き、地元で働ける企業へ転職することに決めました」

そして地元へと戻り、意気揚々と仕事に取り組み始めた清藤。しかし次第に違和感を抱くようになります。

「それまでにプラントメーカーで長年培ってきた知見が、なかなか活かせなかったんです。たとえば修繕費や固定費の削減につながる提案をしても、会社は現状を変えることにいつも消極的。また、技術者として新しいスキルを身につけられると考えていましたが、一度操作を覚えてしまえば自分でなくてもできる仕事だということにも気づいてしまって。この環境では技術者として成長していくことが難しい。

そう感じていたとき、以前一緒に仕事をしたことがあった前田道路の方から、『清藤と一緒に仕事がしたい』と声をかけてもらいました。自分を必要としてくれている人の力になりたい。そして、大手アスファルト合材メーカーで唯一『機械職』というポジションが確立されている前田道路で、自分の経験を活かしてさらに成長したい。そう考え、前田道路への転職を決意しました」

計画の甘さから出荷停止の事態に──工場長の言葉を胸にさらなる成長を誓う

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そして清藤は2020年、人からつながった縁により、新卒入社した会社の取引先であった前田道路へ入社。苫小牧合材工場にてプラントの保守をはじめ、培った経験を活かして新たな取り組みに挑戦しました。

「老朽化した設備を入れ替えるための計画立案や、トラブル対応・修理を内製化する体制づくり、燃費の向上による費用の削減など、自分がこれまで培った経験を活かし、改善点を見つけては次々と提案していきました。その結果、固定費の大幅な削減を実現。工場長にもその成果を評価してもらい、もっと工場の現状を改善しようというモチベーションにつながりました」

費用の削減や効率化に向け、積極的に施策を打ち出していた清藤。ところがあるとき、清藤のミスにより、工場が1週間出荷を停止するという事態に陥ってしまいます。

「プラントの修理計画を立てたときのこと。必要な部品の納期は3カ月後だったので、その期間であれば自分で整備や応急処置をすることで対応できると考えていたんです。しかしどれだけ手を施しても、プラントは稼働できる状態ではなくなってしまって。結果的に出荷を1週間停止せざるを得ない状況になり、工場に大きな損害を与えることになってしまいました。

自分の計画の甘さに責任を感じ、厳しく処分されることを覚悟していたのですが、工場長は『なってしまったものは仕方がないよ』と、一切私を責めることはなくて。工場長の器の大きさに胸を打たれるとともに、今回のことを絶対に今後に活かそうと誓いました。それからは部品調達のリスクなどをしっかりと考慮し、納期まで余裕を持って計画を立てるようになりました」

失敗からの教訓を活かし、清藤は真摯に仕事と向き合い続けました。そして2023年4月、東札幌合材工場への異動が決まると同時に、機械課課長へと昇進することになります。

「課長という役職は工場長に次ぐポジションであり、いわば工場のナンバー2という立場です。そのため機械職として現場仕事に従事するだけでなく、経営についての理解を深めていかなければなりません。さらに次代の機械職を育てるため、後進に技術を継承することも重要な業務です。課長としての責務を果たせるよう、これからは管理職としてのスキルも伸ばしていきたいと思います」

チャレンジを後押ししてくれる環境で、お客様のためにメンバーと共に改善を

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前田道路に入社して約3年。長年培った経験を活かし、成長を促す環境で働けることに大きなやりがいを感じていると清藤は語ります。

「これまで私は燃費改善と修繕費削減のための改善策を数多く提案してきました。その効果が数字として表れることのやりがいはもちろん、その成果を必ず見てくれている人がいて、取り組みをきちんと評価してくれること。それが何よりモチベーションにつながっています。

前田道路はどんなときもチャレンジを後押ししてくれる会社です。そして仮に失敗したとしても、それを次に活かせばいいという度量の大きさもあります。そのため臆せずトライ&エラーができ、絶えず成長し続けられる。だからこそ現状に満足せずもっとお客様のために、そして会社のために改善していこうという意欲を持ち続けることができます」

そうした清藤のモチベーションは、一緒に仕事をするメンバーによってさらに刺激されていると言います。

「とにかくお客様を第一に考え、もっと改善できることがないかと意欲をもって仕事に取り組んでいるメンバーばかりです。前田道路は一人ひとりに裁量を与え、自主性を重んじる会社なので、若手からベテランまでみんなが自分の仕事に責任を持ち、誇りを持って働いていると感じます。

そのため私自身もたくさんいる一人の社員ではなく、『清藤 義一』という人材を必要としてもらえるよう、もっと前田道路に貢献していきたいと思います」

そのためにも清藤が今後いっそう力を入れていきたいと語るのが、若手機械職の育成です。

「道路業界は今、人手不足により優秀な人材がなかなか集まらず、このままでは技術水準が低下してしまうという課題に直面しています。そうした中、道路事業を手がける大手企業において、機械職という確立されたポジションを設けているのは前田道路だけです。

そのため私は入社した当初から、どこにも負けない機械と技術を提供しているという自負を持って働いてきました。こうした前田道路ならではの環境を活かし、私が培ってきた技術や知識を若手機械職に継承することで、技術を磨く楽しさを伝えていきたい。

これから新しく加わる仲間も、みんな機械が好きという想いは共通だと思うので、その気持ちを大切に、トライ&エラーを楽しみながら、前田道路で大きく成長してほしいと思います」

技術者としての道を歩み始めて以来、お客様のためという想いを貫き真摯に仕事と向き合ってきた清藤。高い技術力を誇る機械職として、また後進を育成する課長職として、これからも前田道路の未来を支え続けます。

※ 記載内容は2023年9月時点のものです