ゼロから事業と組織をつくる。インドネシア取締役として挑む新たなステージ
私は現在、PT IKK INDONESIAの取締役として、インドネシア法人の経営全般とホールディングス全体の海外事業推進を担っています。単なる実行責任者ではなく、事業そのものをどう定義し、どう市場に根付かせ、どう組織として成立させるかまで含めて設計する役割です。
これまでのキャリアで一貫して取り組んできたのは、新規事業と海外事業における0→1の立ち上げです。まだ市場が固まっていない領域で、事業と組織を同時に形にしていく。いわば答えのない状態を前提に、現場で価値を作り続けてきました。そして今向き合っているインドネシアも同じ0→1ではありますが、その中身はこれまでとは明らかに違います。市場規模、文化的背景、宗教観、意思決定の構造。そのすべてがより複雑で、より不確実性の高い環境です。
現地では、事業戦略の設計・実行、採用、組織設計、チームビルディングが同時並行で進みます。理想を描くだけでは何も進まず、目の前の一手一手を積み重ね続けることでしか前に進まない世界です。
その中で自分が常に大事にしているのは、新卒で入社した育ての親のような存在であるネオキャリアの西澤社長から影響を受けた「理想は高く、現実は泥臭く」という考え方です。常に自分の世界観や目標は高く、壮大であるべきであり、その目標を達成するために、日々の泥臭い仕事や苦しい仕事の連続をどう楽しめるかが重要だという価値観です。高いゴールを掲げることは当然として、それを現実に変えるために、どれだけ現場に入り込み、どれだけ細部まで手を動かせるか。そこにすべてをかけて向き合うことを今も一貫して大切にしています。
そしてもう一つ大事にしているのが「愛情」です。国籍も文化も価値観も違う中で組織をつくるとき、合理性だけでは人は動きません。 むしろ最後に人を動かすのはロジックではなく感情であり、その人への信頼や納得感です。これはどの国にも共通する感覚で、これまで何度も実感してきました。 だからこそ、メンバー一人ひとりに本気で向き合い、その人の成長や人生に責任を持つ覚悟を持って、組織づくりに向き合っています。
新卒2年目の決断が、今につながる海外キャリアの土台をつくった
新卒2年目のタイミングで、私はキャリアを海外領域に振り切る決断をしました。それまで留学経験もなく、海外旅行の経験すらほとんどない状態で、自分が海外事業に携わることなど、まったく想像もしていませんでした。
日本でキャリアを積んでいけば、ある程度見える未来もあったと思います。ただそれ以上に、「もっと外の世界を見てみたい」という感情が強く、海外に出ることに一切の迷いはありませんでした。当時は今ほど海外キャリアが一般的ではなく、特に20代前半から事業立ち上げとして海外に飛び込むケースは多くありませんでした。だからこそ、「このタイミングを逃したら必ず後悔する」という強い直感がありました。
実際に飛び込んでみると、現実は想像以上に厳しいものでした。日本で当たり前に通用していた前提が一切通じない。言葉の問題以上に、仕事の進め方や考え方そのものが根本からまったく違う世界でした。意思決定のスピード、コミュニケーションの粒度、責任の所在、すべてが日本の常識とは別物で、何度も壁にぶつかり続けました。
それでもなんとか前に進み続ける中で、「どんな環境でもまず飛び込んでみる」という姿勢が自分の中に根づいていきました。あの決断は、単なるキャリア選択ではなく、自分のその後のすべての土台をつくった転機だったと今は確信しています。
入社後も続く成長実感。前職の経験を現地組織づくりに活かす日々
現在はまさに海外事業の立ち上げフェーズのど真ん中にいます。完成された成功体験があるわけではなく、毎日が仮説と検証の連続です。
ただその中で強く感じているのは、これまで積み上げてきた経験が、確実に今の仕事に直結しているということです。特に新規事業や海外法人立ち上げで培った0→1の力は、そのままインドネシアでも再現できています。
一方で、海外事業は単純な延長ではありません。日本や他国での成功モデルがそのまま通用することはほぼなく、大事なのは、現地の文化や価値観を理解しながら、どれだけ早く意思決定し、どれだけ早く形にしていけるかです。その中で一貫して変わらないのは、最終的にすべてを動かすのは「人」だということ。国が違っても、文化が違っても、人と本気で向き合うことの重要性は変わりません。
入社前に抱いていたIKKの印象は、歴史ある上場企業でした。しかし実際に中に入ってみると、理念やビジョンが単なる言葉ではなく、現場で生きている組織だと感じました。役職や立場を超えて、人に真っ直ぐ向き合う文化。その空気感は、自分がこれまで大切にしてきた価値観と強く重なっていて、「この環境で挑戦できる意味」を改めて実感しています。
インドネシアから東南アジア全域へ。成長エンジンとしての海外事業をつくる
インドネシア事業を通じてIKKとして実現したいのは、海外事業を単なる取り組みではなく、「会社の成長を牽引する柱」として確立することです。
そのためには、一過性の海外展開ではなく、現地で事業をつくり、組織をつくり、それが継続的に成長していく構造を作り上げる必要があります。その中で自分自身の役割は明確で、「ゼロから事業と組織を立ち上げ、現地で勝てる事業をつくること」です。 これまでのキャリアでもずっと新規事業や海外事業の立ち上げに関わってきましたが、今回はそれを一段スケールさせて、会社としても個人としても次のステージに進む挑戦だと捉えています。 これまで積み重ねてきた経験を、より大きなスケールで再現しにいくフェーズに入ったような感覚です。
まずはインドネシアという未知の市場で、しっかりと事業基盤をつくり、成果を出すところまでやり切る。その結果として、海外事業がIKKの成長エンジンであると証明したいと考えています。ただし、ここがゴールではありません。インドネシアはあくまでスタートであり、最終的には東南アジア全域、さらには複数国で同様に事業を立ち上げ続ける挑戦へと広げていきたいと考えています。
