学びのフェーズ──インドネシア事業を見据え、第一線の開発現場で武者修行
池田糖化の第二開発室に所属する三橋と深澤ですが、現在は両名ともに第一開発室にてフルーツソースなどの開発業務を行っています。一見すると不思議な状況ですが、そこには明確な理由があります。
三橋:入社してから2年目頃までは、第二開発室で研修を受けておりました。もともと私と深澤には、今後インドネシアの自社関連工場を主な業務の場とするという大きなミッションがあります。
そのため、今後のインドネシア事業に関連する第一開発(デザートソース)と第二開発(調味料関連)で開発業務経験を積んでいます。
深澤:インドネシア事業は、インドネシアで調味料を作って現地で販売したり、インドネシアの原材料を加工し、加工した後日本へ輸出したりといった仕事を行っています。調味料や原料加工品といった売上を上げていくというところが大きなミッションです。
チーム規模は10人程度で、上長が2025年から現地に駐在しており、私たちは年数回の出張で対応しています。
インドネシア事業における将来的な駐在に向け、着々と準備を進めている両名。業務で必要となるインドネシア語についてそれぞれ大学時代に習得しており、現地ではインドネシア語を使用して製造状況の把握やクレーム対応、品質管理といった業務を担当しています。
三橋:現地ではインドネシア語しか話せない従業員がほとんどで、現地責任者のみが英語を話せる状況です。わからない言葉などは翻訳機を使いながら苦労してコミュニケーションを図ってはいますが、直接現地に赴いて会って話すことで相手も理解してくれているように思います。遠隔でのコミュニケーションでは難航していた仕事もスムーズに進むようになり、インドネシアの会社における全体的な社内の雰囲気は良いと思います。
日本では大きな組織の中で個々の業務が限定されていますが、海外では対応する業務範囲が幅広く、また自らの提案や要望が日本の組織より実現しやすいことが大きな魅力です。もちろん、その分責任も大きいですが、それ以上にやりがいを感じられ、自分の能力向上にもつながっています。
きっかけは偶然。でも、想いは本物──異文化との出会いが導いたキャリアで日々成長
池田糖化のインドネシア事業を担っていく三橋と深澤。2人がこの道を選んだきっかけは、それぞれ大学時代におけるインドネシアの人や文化との出会いだったと言います。
三橋:学生の約半数が海外の方いう大学の環境で学び、大学1年生の時にさまざまな国や地域の文化を学ぶイベントでインドネシアの文化に触れる機会がありました。実際にインドネシアを訪れ、現地の人の良さや国民性を感じて、この地の人たちと働いてみたいと思うようになりました。
そして、現地での就職を考えていましたが、コロナ禍の影響で方向転換し日本でインドネシアに関わる仕事を探している中で池田糖化に出会いました。
深澤:私は、大学の第二外国語科目で一番単位が取りやすそうなインドネシア語を選んだのがきっかけでした。その中で、インドネシア人の先生と一緒にインドネシアに行く機会があり、同国の人の良さや文化に惹かれて留学を決めました。
就職活動では、海外で事業を行っている企業を探していました。その中で、インドネシア事業を行っている池田糖化なら大学時代に培ったインドネシア語を活かせるのではないかと考え、同社への入社を決めました。
グローバルを前提とする2人はそれぞれ独自の価値観を大切にし、異文化ビジネスにおける重要な基盤となっています。
三橋:私が重視するのは「自分の常識は人の常識じゃない」という考え方です。海外では日本人の考えが当たり前ではないので、現地の人たちに適応していく必要があると感じています。
この価値観は、大学時代のアメリカへのインターン留学での経験が基になっています。テキサス州で3カ月間過ごす中で、外国人差別を受けながらも日本を客観視する機会を得られました。
深澤:私は「わからない前提」でのコミュニケーションを大切にしています。とくに、海外では外国語でのやり取りとなるため自分がしっかり伝えたと思っても相手に伝わっていないことが多いんです。
そのため、相手がどこまで理解しているかをその都度確認を重ねて把握し、「わかるでしょ」ではなく、理解度を確かめながら気持ちを伝えることを心がけています。
言語と文化のギャップを越えて──異文化の中で学んだ“確認”の力と現場の工夫
3年半に渡り、池田糖化で技術を学びキャリアを積んできた2人。お互いに成長を続ける中で、とくにインドネシア出張を通じて両名の価値観は大きく変化しています。
三橋:日本にある自社工場については半年間の研修で設備や技術力の高さについて教えてもらいましたが、実際にインドネシアに行ってあらためて日本の工場の素晴らしさや正確さなどを体感しました。
また、コミュニケーション面においてインドネシア人の国民性もあるのですが、とりあえず言われたことには「はい」と返事をする文化があり、最初はその返事を信じすぎているところがありました。
その信頼が裏目に出た失敗体験があります。製造をお願いして注意して見ていなかったところ、仕上がったものを確認すると品質基準を満たしておらず、お客さまに出せない状態でした。結果として製品を廃棄せざるを得なくなり、当時は「確かに伝えたのに、何で?」と感じたことを思い出します。この苦い経験を糧に、今では口頭で聞くだけでなく連絡を文字に残して送るようにしています。
また、今では必ず私たちが間に入るようにし、きちんと確認するようにしています。このような失敗を通して、トラブルはだんだんと減ってきています。
深澤:日本の工場は、製造する前の確認作業を一つひとつしっかりと徹底的に行うイメージですが、インドネシアの工場では確認はするものの日本ほど徹底されていません。日本との一番の違いは、今ある設備でどう作るかを柔軟にスピード感を持ってやる傾向がある点です。
インドネシアの製造現場では、日々さまざまなトラブルが起きます。たとえば、原料を量って投入する際に、実際の数量よりも多く量ってしまい、製造品の風味が変わってしまったということがありました。こうしたトラブルを踏まえ、現在では確認作業を徹底的に行うことに努めています。
インドネシアで起きるトラブルは、逐一しっかりと確認をしていけば防げることが多いので、なるべく確認を徹底するようにしています。最近でも、新しい製品を作る際にテレビ電話で製造現場を映してもらい、状況を説明してもらいながら実際に見ることでミスを防いでいます。
インドネシア事業の第一人者をめざして──好きが強みになり、広がる海外ビジネスの可能性
海外事業への強い想いを持つ三橋と深澤は、自身の経験を通じて培った海外で活躍するためのアドバイスを語ります。まず、自身の強みについて両者は異なる視点を持っています。
三橋:私の長所は、どこの国にいてもコミュニケーション力が発揮できることです。人が好きなので、話しかけることが得意です。
インドネシアの人々は人柄が良く、私個人としては「微笑みの国」はタイではなくインドネシアだと思っています。笑顔を向けると本当に笑顔で返してくれますし、よく道で現地のインドネシア人と世間話をしています(笑)。
深澤:私の長所は、好奇心があるところです。文化の違いや現地の人々の食の嗜好などに、自然と興味が湧きます。日本では、起きないような出来事に対しても、前向きに楽しみながら向き合えるため、そういったところがインドネシアで働くことにつながっているのではないかと思います。
将来のビジョンについても、両者は明確な目標を描いています。
三橋:インドネシア事業に特化したスペシャリストになりたいと思っています。そして、ゆくゆくは社内でインドネシア事業について「三橋に聞いたらなんとかなる」と言われるような存在になりたいです。
そう思うように至ったきっかけは、現在インドネシアに駐在している先輩社員の存在です。その方の背中を理想とし、自分もキャリアを積んでいく中でそうなりたいと思っています。
深澤:私も、三橋さんと同じでインドネシアに駐在中の先輩社員のようになりたいと思っています。加えて、製造現場においてどんなトラブルにも対応できるような知識と経験を積み、語学力でそれを現地社員にわかりやすい説明をできる人になりたいです。
最後に海外で活躍したい人に対するアドバイスとして、技術的なスキル以上に重要な要素があると両者は強調します。
三橋:自分の常識は相手の常識じゃないということを理解し、偏見を持たずに柔軟に対応できる人。そして、不安そうだと相手にも不安を与えてしまうので、コミュニケーションを柔軟に、かつ自信を持ってできる人が海外事業の仕事に向いていると思います。
語学力はあるに越したことはないですが、語学力以上に人とのコミュニケーションのベースとなる部分が重要だと思います。
深澤:海外で仕事をする上では、専門知識、そして語学力もやはり必要だと思います。ただ、専門知識については、会社に入ってから身につけることができます。何よりも大切なのは、「海外で働いてみたい」「この国で働いてみたい」という強い気持ちではないかと思います。
※ 記載内容は2025年9月時点のものです
