グローバル基準と日本の規制の間で、最適な業務プロセスを築く仕事
HPEのサービスデリバリー統括本部では、HPE社員数の約半数程にあたるサービス提供業務に従事するメンバーが活躍しています。藤山はこの大きな組織の中で、システムインテグレーション業務に関する社内手続きを管理するチームに所属しています。
「HPEでは全世界共通でさまざまな基準を定めたポリシーがあり、各国がそれを遵守しています。法律や規制は各国で異なるため、お客様のシステム構築やサービス提供をする際には、グローバルで定められた基準をもとに各国の状況に合わせて微調整をする必要があり、日本独自の方式の導入検討を行っています。
法令順守を徹底するためにHPE社内の専門職の方々と協議を行い、組織として円滑な企業活動を進めるための業務の仕組みを提供することがチームのミッションです」
所属チームは正社員10人程度のコンパクトな組織ですが、業務委託を行ったり、派遣社員、さらには海外スタッフと協働したりしながら業務を進めています。藤山は、契約、見積り、購買、品質管理などさまざまな業務テーマがある中で、プロセス全体を横断的に見る役割を担っています。
「私が担当したこのチームでの最初の仕事は、グローバル共通の購買関連ツールを日本に導入することでした。調査の過程で、このツールを運用する複数のグローバル組織の役割が、前後のプロセスで重複し、非効率な状況に気づきました。
この経験から、個別業務だけではなく、プロセス全体を横断的に捉える重要性を実感しました。以来、新たなシステムやツールをユーザーに展開する前に、日本のユーザー視点で調査し、運用に耐えない部分をグローバル側に伝え、適切に調整してから導入するよう務めています」
技術の難しさに惹かれ、ITの世界へ──企業理念に共感し、第一志望のHPEへ
子どもの頃からパソコンに興味を持っていた藤山。インターネットが発展・普及していく中でその難しさと向き合ううちに、ITの世界に魅力を感じるようになりました。
「当時は電話回線による接続で、接続料金を気にしながらインターネットを使用する時代でした。技術的な難しさがありましたが、自分で試行錯誤をして問題解決する喜びや、続々と登場する新しい世界や技術のおもしろさを感じました」
その経験から、情報系の学部への進学を決意。就職活動ではITの仕事、特にSIerを中心に活動を行いました。
「HPEが第一希望でした。理由は会社の理念に惹かれたためです。誰もが尊厳を持って働き、会社はそれを支援する姿勢が明確に示されているところに魅力を感じました。
実際に今強く感じるのは、裁量を与えてくれる会社だということです。自分で企画を行った上で成果を出し、認められたら更なる場所を用意してくれる。他社にはない魅力だと思います」
入社後、エンジニアとして5、6年の経験を積み、大規模案件を多く担当。その後、ライフステージの変化に伴い、働き方を見直すためビジネス開発部門への異動を決意します。
「結婚後に妊娠・出産を考えた際、現在の環境での働き方に課題を感じ、部署異動を相談しました。ビジネス拡大のための施策を検討・実行する部署に異動し、私は主にイベント運営や社内向けのトレーニング紹介等の拡販活動を担当しました。この時初めて、自分で企画を出すやりがいを見出しました」
その後、部署の統合があり、新たな挑戦が始まります。業務管理が部署の役割に加わり、未知の領域での課題解決が求められました。
「大規模なグローバル基幹システムの新バージョンへの移行に伴い、日本の独自サービス・製品を提供できなくなる可能性が浮上し、調整を依頼されました。グローバルチームには一連の仕組みを把握するメンバーがおらず、日本の要件としてボトムアップで申し入れる必要がありました。対処方法について解決の糸口を持つ関係者を探し出すところから始まり、有識者と一緒に、多岐にわたる関係者と調整して解決に導きました。
この申し入れの重要性を伝えるために、グローバルチームとの会議の度に問題点とビジネスインパクトを整理して伝え、自分事として捉えてもらうように努めました」
自動化ツールを用いた業務改善を実行。社長賞MVP受賞プロジェクトの舞台裏
藤山は、2024年、社長賞MVPを受賞しました。対象となった業務改善のプロジェクトは、メンバーから度々上がっていた声がきっかけでした。
「エンジニアの皆さんはお客様へのサービス提供活動に加えて、社内手続きが煩雑で大変な状況でした。複数部門への申請となるため、同じような情報を書式を変えて何度も記入しなければならず、本来の業務への集中を妨げる要因の一つになっていました」
この課題に対し、藤山は大胆な改革に着手します。効果を出せる領域を評価し、依頼窓口を一本化することで対象業務を集約。プロジェクトマネージャーが行っていた作業を、海外スタッフへオフショア化することでコストを大幅にダウンさせました。
「海外スタッフに作業を任せることで人件費を抑えられます。そこに自動化ツールを組み合わせることで、さらに作業時間を3分の1に削減することができ、空いた時間で品質管理作業を実施してもらっています」
この取り組みには、藤山のエンジニアとしてのバックグラウンドが活きています。
「使用した自動化ツールは一見ノンコーディングツールに見えますが、機能をフル活用するにはプログラミング知識が必要で、エンジニア時代の経験が大いに役立ちましたね」
このプロジェクトに挑戦した理由について、藤山は強い想いを語ります。
「社内アンケートで、私たちのチームに対して厳しい評価を突きつけられたことが大きなきっかけです。長期的に改善活動は実施されていましたが、技術的な限界がありました。
ですが、このタイミングで解決に向けて動くべきだと考えました。通常、全メンバーに影響を及ぼすシステム導入では実績の浅い自動化ツールは避けられます。それでも、先駆者となる意気込みでツールの導入を決めました」
新しい技術への挑戦は、周囲からの理解も得られました。
「スモールステップで使用感のフィードバックをいただきながら、少しずつ機能を拡張しました。当初拙い物だったとしても、意義のある仕組みであることがわかれば理解が得られ、その結果、利用者が少しずつ増えました。
皆さんから信頼して活用いただけたからこそ、改善活動が着実に進み、大きな成果につながったのだと思います」
藤山は、仕事のやりがいについても語ります。
「これは藤山さんだからお願いできる、藤山さんだからこそできたと言っていただけると嬉しいですね。自分の個性や仕事の進め方を認めてもらい、それを活かせる環境があることが、私にとって大きなやりがいになっています」
HPEで20年働いて感じた、この会社だからこそ得られる魅力と成長
HPEに入社して20年が経過した藤山。HPEの魅力について尋ねると、社内の人の素晴らしさを第一に挙げます。
「社内のメンバーは、仕事ができるだけでなく、人としても尊敬できる方が本当に多いです。目標に向かって全力で力を合わせることもあれば、しんどいと感じているときは寄り添ってくれる。どのような状況でも受け入れてもらえる会社なのではないかと思います」
IT業界は男性が多い職場として知られていますが、藤山は性別をあまり意識せずに働ける環境であることを評価します。
「IT業界の良いところは、お客様へ提供するサービスがデジタルなので、そこに性別は関係がないというところです。ゴールが同じだとしてもアプローチは千差万別です。
私は仕事を進めるうえでは、多様な人材で多角的な視点を入れるべきだと考えており、IT業界には誰もが活躍できる環境があると思っています。属性にとらわれずに仕事をすることを推進するHPEの考え方とも整合できているかなと考えています」
グローバルな環境で働く中で、さまざまな国の人々と協働してきた藤山。国や文化は違えども、共通する部分があることを実感しています。
「真摯な姿勢がグローバル共通の振る舞いである事を信じています。たとえ英語の説明が言葉足らずだとしても、お互いに資料やデモンストレーションで歩み寄って合意形成をする。当たり前のレベルが高く、それは本当にありがたいことでした」
今後については、これまでの経験を次世代に引き継ぐことを意識しています。
「今回使用した技術やプロセスを整理して、長期運用に耐えうる仕組みを用意したいと考えています。海外スタッフにもツールの開発方法を伝授し、技術者としてのキャリアや、新しい役割も、選択できるようなチームにしたいです。
今後新しく登場する技術も積極的に取り入れて、メンバーの皆さんにも還元できるようにしたいですね」
グローバル企業であるHPEで、さまざまな国の人々と協働しながら、自分らしい働き方を実現してきた藤山。最後に、IT業界をめざす方へメッセージを送ります。
「IT業界は、技術力だけでなく、コミュニケーション能力や調整力など、さまざまな能力が求められる世界です。自分の得意分野を見つけて、新しいことにチャレンジできる環境が整っています。ぜひ、自分らしい形で活躍できる場所を見つけてほしいと思います」
※ 記載内容は2025年2月時点のものです
