“問題を見つける力”を磨いて、企画から導入、運用まで携わる
Hondaのモノづくりを物流で支えるホンダロジスティクス。部品メーカー、Honda、販売店をつなぐ架け橋として、部品からクルマの製造、お客様に届くまでの過程を、一貫した物流システムで支えています。
労働力の減少や環境問題への対策など、大きな変革期を迎えている物流業界。そのカギとなるのが、デジタルの活用です。2012年に入社したMは、IT本部IT戦略推進部に所属し、全社のITスキル向上に取り組んでいます。
「IT本部は、いわゆる情報システム部門です。その中で私が所属している IT戦略推進部デジタル推進ブロックは、RPAなどの新技術の検証をするほか、業務管理システムや電子契約システムなどを社内に導入する際の企画から運用までを担っています。
私たちの役割は、新しい技術やシステムを用いて業務改善を行うこと。現場から『このシステムを入れたい』という相談があった場合にサポートすることもありますし、全社的に導入するシステムであれば、私たちが最適なシステムを検証して提案しています」
現場からさまざまな相談や要望を受ける際、Mが心がけているのは「丁寧に話を聴くこと」。それは、本当に困っていることは何かを、きちんと把握するためです。
「事業部門の皆さんと間接部門の私たちでは、ITに関する理解度も課題に対する視点も異なります。表面的なことだけを捉えるのではなく、しっかりと相手の話に耳を傾けなければ、根本的に何に困っているのか、本当は何がしたいのかということが見えてこないこともあります。問題解決能力はもちろん、“問題を見つける力”も磨きたいと日々意識しています」
課題を見つけ、解決策を考え、実行していく。その一連の流れに携われることが仕事のやりがいだとMは話します。
「今の仕事は、ただ企画するだけではなく、導入して、効果を実感するところまで一貫して関われることにやりがいを感じます。その結果、従業員の皆さんに喜んでもらった時は、やっぱり嬉しいですね」
部品の輸出業務から営業へ。異なる分野でも経験を活かして着実にステップアップ
現在はIT本部で活躍するMですが、入社後は現場業務からキャリアをスタートしました。最初に配属されたのは、物流部KD包装一課。海外の生産工場でクルマを組み立てるために必要な部品を梱包・出荷する部署です。
「1年目は、部品を管理している倉庫の現場監督のような仕事をしていました。現場で働く協力会社の皆さんにいろいろなことを教わりつつ、私ができる部分はフォローしながら、まとめ役として携わりました。
その後、船で輸出する際のコンテナ管理を行う出荷計画業務を担当。いつ、どこにコンテナを出荷するのかという計画の策定や、通関手続きに必要な証憑を発行する仕事をしていました」
入社4年目には営業本部へ異動。それまでの現場業務から仕事内容がガラリと変わります。
「全社の営業を統括する部門なので、まずは営業数字の取りまとめや予算管理、契約書の管理などを任されました。1〜2年後には外販を担当するようになり、取引先の拠点を訪問して供給部品の単価交渉や輸送コストの折衝をするほか、他社へ業務改善の提案などを行っていました」
物流の現場から営業へ──仕事が大きく変化したことで、“人とのつながり”という大きな財産ができたとMは振り返ります。
「私たちのサービスは現場あってのものですから、トラック1台を動かす提案であっても、現場の人たちと話をして、それぞれの状況を加味した上でコストや工数を算出する必要があります。
これまでの経験を通して、現場の方たちとつながりがあったことが役に立ちましたし、営業をしていく中で、社内外含めて多くの方たちと関わる機会ができました」
現場や営業を経験したからこその企画力を強みに、新たな道を作る
IT本部に異動したのは2018年。もともと企画ができる仕事をやってみたいという意向はあったものの、ITに関わるのは初めて。当然、戸惑いもありました。
「部署の同僚は、ずっとIT分野でキャリアを積んできた人ばかり。当たり前にシステムを触れる人たちに今から追いつくのは難しいと感じました。『それなら、自分の価値を発揮できるのはどこだろう?』と考えたときに、やりたかった企画業務ならこれまでの経験を活かせるのではないかと思ったんです。
というのも、当時のIT本部は自社で使う物流システムを開発することがメインの業務で、従業員向けに新しいシステムを提案して導入するということは、ほとんどしていなかったのです。そのため、従業員から相談が来ても対応できることが限られていました。
でも、パッケージ型のクラウドサービスなど、自分たちで開発する必要がないシステムを活用すれば、私でも提案が可能だと考えました」
上司に掛け合い、まずは一部の部署で導入するような小さなシステムの企画提案からスタートしたM。導入するためには社内の承認を得る必要があるため、大人数が参加する会議でプレゼンすることも。
「人前で話すのが苦手で、緊張してうまく説明できずに悔しい想いをすることもたくさんありました。けれど、当時の上司が『とにかく経験を積んだほうがいい』と、半ば強引に機会を用意し続けてくれたのです。
私からすれば、崖から突き落とされたような気持ちになったこともあるのですが(笑)、本当に困ったときには手を差し伸べてくれるので、思い切って挑戦できました。そういったチャンスをもらえることはなかなかないと思うので、この部署に来て良かったなと思っています」
上司のサポートもあり、チャンスをものにしていったM。徐々に全社に関わる大きなプロジェクトも任されるようになり、これまでのキャリアを活かして、さらに独自の強みを発揮していきます。
「私の強みは、現場や営業の経験があること。業務の課題を解決するためには、その業務を理解している必要があります。IT本部での今の業務に私のこれまでの経験が活かせていることを実感しています。
また、これまでIT本部から提案する機会が少なかったことで、なかなか現場に話をする時間をとってもらえないケースも見てきました。でも、営業をしていたときに多くの方と知り合ったことで、『Mさんが言うなら話を聞いてみようか』と言ってもらえることも。業務を知る時間、関係を築く時間が省かれる分、スムーズに話を進めることができるのだと思います」
全社のITスキル向上をめざして、提案力とマネジメント力を磨いていきたい
やりたかった仕事に自分の強みを掛け合わせることで存在感を発揮してきたM。現在は、全社のITスキル向上のために奔走しています。
「IT部門を介さずに従業員自身がシステムを改善できれば、課題解決までのリードタイムを短縮することができます。そこで当社は今、自分でアプリケーションを開発できる市民開発者を増やすことをめざしています。
その一つとして、今年度からkintoneというクラウドサービスを導入。各事業所を回って説明会を実施し、2023年10月から本格的に全社展開されました。成果が出るのはこれからですが、会社が変わっていくための重要な施策に関われていることは大きな喜びです」
システムを導入するためには、これまでの業務のやり方を変える必要があるため、スムーズに進まないこともあります。そのため、現場の声を聞いて、粘り強く働きかけていくことが大切だと話します。
「私たちIT部門から見れば便利なシステムでも、他の部署にとっては必要性を感じない場合もあります。実際、電子契約システムを導入してもらえるまでに1年かかった部署も。でもその部署は、今では一番積極的にそのシステムを使ってくれているんです。
伝えることは難しいと感じる場面は多々ありますが、いろいろなツールが増えている中で、何が最適かを相手が納得できるように提案する力を身につけることが必要だと感じています」
自らの手でIT本部でのキャリアを切り拓いてきたMだからこそ、これから入社する仲間、そしてキャリアに悩む女性従業員に伝えたいことがあります。
「当社は、役職の垣根なくコミュニケーションをとることができ、こちらの言いたいことをちゃんと聴いて受け入れてくれる文化があります。やりたいことを自ら発信していけば、いろいろなことに挑戦できる可能性がある会社です。
もちろんすべてがかなうわけではありませんが、自分から提案していきたい人や、自分の手で何かを変えていきたい人には、とてもやりがいのある環境です」
M自身は現在、グループリーダーとしてマネジメントにも挑戦しています。会社全体のITスキル向上に加えて、自身のマネジメント力を高めることも目標に加わりました。
「自分がプレイヤーとして動くより、マネジメントのほうが数段難しいと実感しています。これから先、さらに大きなチームをまとめる立場になったとしても、周りの人たちに納得してもらえるような力を身につけたいですね。
マネジメントには正解がないと思うのですが、まずは自分なりの方法を模索していきたいと思います」
業界全体、会社全体が変革期にあるからこそ、一つひとつの経験を自分の強みに変えてきたMの存在感がますます高まっていくはずです。
※ 記載内容は2023年11月時点のものです
