デジタル社会実現に向けて、まずは窓口が情報提供を
武蔵ヶ辻支店でフロント受付を担当する石崎。基本的な銀行業務に加えて、最近力を入れているのがデジタル化に向けた案内です。窓口での多くの業務が、パソコンやスマホからできるように普及が進んでいる一方で、ハードルが高いと感じるお客さまもいます。
「当社では、法人部だけでなく個人部でも法人向け営業を行っています。提案する中で私が意識しているのがデジタル化の普及です。銀行窓口に来店せずにオンラインで便利に手続きができることをご案内しています。
当社のサービスであるデジタルバンキングのほかに、電子納税なども総合的に提案し、サポートを行っています」
そのほかにも石崎は、社内の違う部署の業務を社内副業として体験できるコラボレーション制度を積極的に利用して本業以外の業務にも携わっています。休日にはマネープラザで資産運用の案内や住宅ローンの受付も行っています。携わる仕事すべてにおいて大切にしているのは、商品の提案ありきにならないことだと言います。
「お客さまそれぞれに状況は違うので、まずは情報を提供し内容を理解していただいた上で、サービスを取り入れるかはお客さま自身に判断していただくというスタンスです」
石崎は勤続年数11年という中堅社員で、入社以来さまざまな支店でキャリアを積み重ねてきました。
新しい環境へのチャレンジで、高まる原動力
石崎は、高校卒業と同時に北國銀行へと入社しました。商業科の学びの中では、数学や簿記など、ひとつの明確な答えが存在するものを追求することが好きでした。
「将来は書類に向き合うような、いわゆる一般的な事務職に就くのだと漠然と考えていました。ですが、先生が銀行に向いているのではないかと当社の学内斡旋を勧めてくれたんです」
硬式テニス部の部長や、学校全体を模擬店舗にする文化祭イベントでは進んで店頭に立つなどした石崎。その物怖じしないコミュニケーション力が先生に見込まれたと言います。
「誰とでも話せるというその強みは銀行窓口が向いていると思う。人とコミュニケーションを取る機会の少ない職場ではもったいない」と先生に言われた石崎ですが、希望した進路ではなかったために、最初は反発心もあったと言います。
「悩みながらも校内選考をパスし、採用面接の結果内定したので、決まったのなら頑張るしかないと腹をくくりました。けれども今となっては、進路選択の際に私の強みを見いだしてくれた先生に感謝しています」
最初に配属されたのは石崎の地元富山県にある富山支店でした。
「窓口業務に慣れてくると、研修で学んだことをもっと実践したくなりますが、石川県内の店舗に比べ富山支店では来店されるお客さまが限られるため、身につけたことを活かせるタイミングが少ないと感じていたんです。
他店舗で働く同期から業務の実績を聞くと、自分だけが置いていかれている気がしてモチベーションが下がり、しだいに転職を考えるようになりました」
その時、当時の支店長が「富山の経験だけでやめるのはもったいない。1年だけでも金沢に勉強に行かないか」と声をかけてくれました。しかし、それまで親元を離れたことのなかった石崎は、頭から自分には無理だと考えていたと言います。
「母親に相談したところ、環境を変えてまた頑張れるならやってみたらいい。それでも銀行業務が嫌だったらその時に辞めればいいと勧めてくれました。そのひと言で決断して支店長にお願いし、すぐに金沢への異動が決まりました」
最初は新天地での新しい環境に慣れるために、比較的来店者数が少ない支店に4カ月間在籍し、慣れたころに金沢市の中心部にある支店に異動。その後、来店者の多い環境で窓口業務に2年間従事しました。
「来店者数や相談内容の傾向、社内の雰囲気は支店によって違いがありました。私にとっては環境が変わったことで毎日が刺激的でしたね。後輩もできたことで、より自分がしっかりしなきゃと思えて、仕事がどんどん楽しく感じられるようになっていきました」
周囲の助けや新しい仕事との出会いが、キャリア形成の支えに
仕事にやりがいを感じながら働いていた石崎ですが、再度モチベーションが下がり、退職も視野に入れ始めた時期がありました。当時の制度では、同じ業務でも学歴によって給与の差があり、後から入ってきた大卒の後輩の給料を聞くと、自分の仕事が報われないように感じられたのです。
「そんな時に当社ではデビットカードの取り扱いがはじまって、窓口でも勧誘のキャンペーンが始まりました。私はもともとカード決済派で、カードの便利さを実感していたので、自分がどういうシーンで使っているかをお客さまへお伝えすることにしました」
キャッシュレス化が進む前は、カードは大きな買い物をするときだけに使うもので、コンビニなどでの百円単位の支払いには使わないというイメージを持つ人も多くいたと石崎は振り返ります。
「お客さまがいつもお買い物をしている店をお聞きして、そこでも現金と同じような感覚で使えることを伝えることで、お客さまに具体的な利用イメージを持ってもらうことができました。商品の営業だと感じると構えられてしまうので、何気ない会話の中に情報を挟み込んでお伝えすると、お客さまの抵抗感も和らぐように思います。
私がカードの申し込みにつなげたお客さまのカード稼働率が全店で1位になったことで、カード事業課からコラボレーション制度への参加のお声掛けをいただきました」
コラボレーション制度に参加したことで、今までは窓口側からの視点のみだったところ、商品の施策の意図も見えてくるようになり、意識が変わっていったと言います。カード案内のチラシ制作など、本部と窓口との思いをあわせて企画したことで、再び石崎の仕事に対するモチベーションは高まっていきました。
しかし、次の支店への異動により心労が重なり半年ほどの休職を経験。復帰した石崎を支えたのが、当時のマネージャーでした。通常の勤務体系に慣れてきたころに「これからのキャリアのためには、一つでも多くの武器を持っていた方がいい」と住宅ローン業務に携わることを勧めてくれたのです。
「窓口でも住宅ローンの受付が当たり前になることを考え、住宅ローントレーニーを受けました。新しいスキルを修得したことで前向きになり、積極的にマネープラザでの相談業務にもチャレンジすることにしました」
このように、モチベーションを保つことに苦労した経験を何度か持つ石崎ですが、周囲の助けや新しい仕事との出会いが石崎の意志を支え、気持ちを前向きに立て直すことができたと振り返ります。悩みを乗り越えて一歩を踏み出すごとに、キャリア構築に必要な武器を一つひとつ修得してきたのです。
チャンスをつかむために、想いを言葉にすることが大切
現在は窓口業務の中で、デジタル化の推進に力を入れている石崎ですが、もともとデジタル分野は得意ではなかったと言います。しかし、苦手なものを嫌々提案したくないという気持ちから、自分が興味を持てるポイントを探しました。そうしたところ、デジタル分野の中でもとくにキャッシュレス化に興味があり、それを自分の強みにしようと考えました。
「どのように提案すればお客さまに理解していただけるか試行錯誤したのですが、どうしてもうまくいかないので、専門としているソリューションチームの方に同席をお願いし、お客さまへのご提案方法を学んでいきました。コツがわかると、急にアクセルがかかって、それ以来どのお客さまにも前向きな反応をいただけるようになっています」
さらに、より知識を深めたいと思い、コラボレーション企画「顧客ソリューション推進人材になりませんか」にも参加。本部社員のお客さま対応を学ぶために自らが同席し、そこで得たものを窓口業務に取り入れるという流れを循環させることにより、提案の幅を広げています。
現在は給与体系などの制度が変わり、学歴や勤続年数に関係なく、役割や提供するバリューに応じて評価されるようになりました。それが石崎の背中を押して、仕事への意欲も一層高まっています。
「もしかしたら学歴にとらわれていたのは私自身だったのかもしれません。高卒だからというのは自分が逃げる理由であって、本当は自分の好きなことを追求しても、誰も反対しなかったし、むしろ応援してくれていたんですよね。
こういうことをやってみたいと口に出すことで、チャンスをもらえることが多いので、モヤモヤと考えているだけでなく、言葉にすることが大切だと感じています」
石崎がキャリアを見つめるきっかけの一つとなったのは、関連会社であるCCイノベーションICTグループに所属する山内 麻友美さんのtalentbook記事でした。山内さんの所属する部署に興味を抱き1on1で話をしたことをきっかけに、その後もさまざまな部署で働いている同年代の社員と1on1をしています。
「希望の部署も見えてきましたが、一方で、自分の強みを活かせば、今の部署にいても自分のやりたい業務はできることにも気づけました。
今は、デジタル化の推進だけでなく、住宅ローンの受付やマネープラザの資産運用の提案など、自分が身につけた武器をフル活用して窓口業務を行っています。どこにいても、自分の得意を伸ばしてやっていけると信じて頑張ります。
社内にはほかにもさまざまな制度があります。それらを活用して、積極的にチャレンジすることで視野が広がることを身にしみて感じました。自身のキャリアに悩んでいる方にとって、キャリアアップにつながるいい経験になるはずです」
いろいろな人たちとの関わり合いの中で、自分が何をしたいのか解像度を上げながらチャレンジを続ける石崎。自信を持って歩むその姿で、同じ道に進んだ後輩に勇気を与える存在となっています。
※ 記載内容は2024年6月時点のものです
