営業として、まず大切にしたいのは「お客さまをきちんと知る」こと
1999年に北國銀行に入社した新川。金沢中央支店での法人営業からキャリアをスタートし、さまざまな支店・部署での勤務を経て、2023年3月、福井営業部の営業部長に抜擢されました。
「福井営業部の法人営業部門には、現在、営業部長が3名います。各部長は、自分のチームメンバーである4名の育成・サポートを中心に、日頃から互いにチームを超えて横断的に連携し合っています」
営業部長として、チームを率いて1年ほど。営業として、まずはお客さまのことをきちんと知ることが大事であると伝えています。
「当たり前のことだと思われるかもしれませんが、知ったかぶりをしないことがとても重要です。『なんとなく知っているつもり』になっていることが、実は多いと感じます。資料は作成できるけれど、実際に内容を確認すると、詳細の深堀りが足りていなかったというケースも少なくありません。
お客さまと良好な関係を築くためには、まず、お客さまをきちんと知ることが不可欠です。日頃から、お客さまに対し『とても興味があります。だから、もっと教えてください』という気持ちを持って接しています。
たとえば、製造業のお客さまであれば、作っている製品はもちろん、工場も見せてもらうなど、相手をよく知れば知るほど提案できることは増えます。チームメンバーには、相手のことを知るために費やす時間のことは、まずは気にしなくていいから、どんどんやるべきだと伝えています」
もちろん、やらなくてはいけない目先の業務があるかもしれませんが、それよりも自分が大事だと思うこと、大事にすべきことを優先し高めることが大切。それ以外のことは後からいくらでも、チームとして挽回できると、新川は語ります。
「チームメンバーからは『楽になった』とも言われましたね。やるべきことは山ほどありますが、できるだけ今大事にすべきことにフォーカスする。もっと言うと、それ以外はできなくても、個の強みを発揮し合うことで結果的にカバーできると思っています。また、『部長が何を考えているかわからない』という不安な気持ちを抱かせないよう、日頃から自分の思っていることを発信するように心がけています」
営業からの異動と家族の体調不良。2つの出来事が自分を変える大きなきっかけに
事業性理解を深めお客さまと課題を共有し、ホールディングス全体のリソースを巻き込みながら最適解へと導いていく。社員一人ひとりが成長し、経営者目線でお客さまの外部参謀的な役割を担えるよう、そのサポートに注力している新川。
「入社したばかりの20代のころはこのような価値観を持っていたわけではありません。そのころは、自分が他人からどう思われ、どう見られているか、自分がステップアップできるかということばかり考えていました。ですから、仕事自体も楽しめていなかったですし、お客さまとの関係性も『自分が転勤して所属する店が変わると、自然と疎遠になってしまう』という感じでしたね」
そんな新川が大きく変わったきっかけは、2008年に本部の営業統括部に異動となり、2カ月間にわたりトレーニーを経験したこと、さらにその後、タイの製造業へ出向したことです。
「入社後しばらくは、他人の目線や他人の評価軸を気にしながら働いていたので、結局どこの部署で働いてもあまり楽しくはありませんでした。しかし、その後、タイに出向となり、社会人になって初めて銀行ではないところで働くことになったんです。出向先では、今までの経験は通じず、他人が評価してくれるという状況でもありません。どうやって会社を回していくのか自分で判断し進めていくことが求められ、すごく考える必要のある環境でした。
経営者は、会社の命運が自分の肩に全部かかっています。出向先の社長からは、誰も評価してくれなかったとしても、最後は自分で責任を取らなければならないことを学びました。他人の目線ばかり気にしている自分は、まだまだそんなところにたどりつけていないんだ、と気づかされた経験です」
これに加え、新川がさらに変わるきっかけとなったのが、家族の体調不良でした。
「大切な人が病気になり、仕事に没頭するよりも、やっぱり一緒にいてくれる家族が大事であることにあらためて気づきました。いくら仕事でがんばっても、家族が元気でなければ意味がありません。その時をきっかけに、自分で仕事を囲い込まず、周りのメンバーと情報共有するようにマインドを180度転換しました。自分のことばかりでなく、周りの人たちと一緒にやっていくようになって、ようやく私は仕事で心を開くことができたのだと思います」
他人からの評価を気にしなくなったことで、仕事や学びに対する意欲向上へ
自分が本当に大切にしたいものが見えてきたからこそ、他人の評価なんて気にしなくてもいい、それよりも、本当にお客さまに喜んでもらえる価値をお届けするにはどうしたらよいかということを重視するようになった新川。
「上司や周りの人たちから『どう見られているか』よりも、自分が『どう振る舞いたいか』に価値を置くようにしたら、評価は気にならなくなりましたね。自分が本当に大切にしたいものに気づけたからこそ、お客さまが本当に望むものは何かを追求し、形にできるようにしていきたいと変わっていきました」
新川自身が変わったことで、仕事自体もよりやりがいを持って取り組めるようになり、楽しくなっていったと言います。
「業務の本質は以前と同じなのに、一緒に働くメンバーやお客さまとの関係がすごく良くなって。評価の軸を自分に移したことで、仕事を楽しみながらがんばれるようになりました。そうしていくうちに、今の自分に足りないことをどんどん学んでいきたいと意欲も湧いてきたのです。
当時を振り返って思うのは、自分が変わると周りもすぐに変わるんだと気づけたことが大きいですね。これでいいんだと実感できたからこそ、思い切って変わることができたと思います」
これまでは、自分の武器になるものとしか捉えていなかった資格についても、お客さまにもっと付加価値を届けるために知識を身につけたいと思うようになり、自ら学びたいと積極的に取り組むようになりました。
その結果、営業する上で大事だと考える資格はすべて取得。さらに、もっと別の角度からも学びを深めたいという思いで、ビジネスブレークスルー大学のプログラムへの参加、MBAへの挑戦など、新川の学びはこれからも続きます。
それぞれが「自分のありたい姿」を突き詰めていくことが、組織全体の成長へとつながる
2015年、これまでのキャリアの大半を占めていた営業を離れ、チャネル統括課へと異動した新川。デジタル関連の企画部署であり、これまでとは働き方がまったく異なるタイプの組織でした。
「チャネル統括課で管理職としてメンバーをまとめるには、これまでの経験値だけでは難しいと考えていました。一人ひとりの専門性が高く、知識や技術にも長けている。そんな中で、自分が管理職としてどう振る舞うのか、今までの経験をもとにしたマネジメントだけでは限界があると感じたのです。今の自分に足りないもの、今までの経験値を超えるマネジメントを学ぶ必要があると思ったことが、学びに向き合う原動力でしたね」
結果として、マネジメントを学んだことで、新川は新たな部門の中でどのように管理職として動くべきかの答えを見つけました。
「チームマネジメントで上意下達ではなく、『メンバーを信頼して任せること』。こうすることで、メンバーが成長し新しい発想がどんどん生まれ、チームが活性化することを実感しました。これはデジタル部門に限ったことでなく、どの部門であってもできることだと思っています。今でもメンバーに対して管理するというより、それぞれの意見を尊重しながら成長を促すことを考えています」
これまでの経験を踏まえ、「自分がどうありたいのか」を考えるきっかけ作りを大切にする新川。独りよがりにならないようにしつつ、お客さまや周りの人のことを考えながら、一歩ずつ着実に歩みを進めること、一人ひとりが新たなことに挑戦し成長していくことは、組織を変える大きな力になります。
「人はいつからでも変わることができるし、これから数年後、北國FHDがどんな姿に変わっていくのか楽しみです」と新川は語ります。
「たとえば、お客さまからの問い合わせに対し『上司や本部に聞いてみます』ではなく、『自分がこう考えます』と自らの意見を発信していくことが大切です。自分が経営者だったらどうするのか、自分の言葉に責任を持つことや、自分がどうありたいかを決断していける人でないと、お客さまも相手にしてくれません。
自分がどうありたいか軸をしっかりと持っていれば、どこの部署であってもその人らしく活躍できます。だからこそ、現チームメンバーにも、福井営業部で積んださまざまな経験を、今後はさらにいろいろな部署で活かしてほしいと思っています」
新たな場所で学びを活かし成長することで、活躍の幅を広げていってもらいたいと語る新川。たとえ一度チームから離れても、今後また一緒に仕事をする時には、より成長した姿でメンバーとの新しい関係が始まっていくはずです。リーダーの一人として、新川はそんな循環を作っていきたいと先を見据えています。
※ 記載内容は2024年4月時点のものです
