通信への情熱は消えなかった。事業部閉鎖を越え、社内公募で掴んだ防衛×通信の最前線
渡辺のキャリアの原点はインターネットへの関心にありました。
「子どもの頃ちょうどインターネットが流行り出して、世界とつながれる技術の素晴らしさに感動したことから、学生時代は通信工学を学びました。その延長線上で通信関連の機器を作っている企業に入りたいと思っていたのですが、それだけでは数が多くて絞りきれなかったんです。
そこで両親が日立の町の電気屋さんを営んでいたことをきっかけに、『日立』という選択肢が浮かび上がってきました。日立には通信部門もあるし、そのほかにもいろいろなことができそうだと思い、入社を決めました」
入社後は念願の通信ネットワーク事業部に配属され、およそ10年間通信の第一線で経験を積みます。
「学生時代から思い描いていた仕事につけてうれしかったです。経験を積んで、将来的には管理職としてこの分野でキャリアを積んでいくものだと思っていました。しかし、事業ポートフォリオの見直しによって事業部が閉鎖されることに。一時は目の前が真っ暗になりました。
その後会社のサポートもあり、通信系の技術が生かせそうな自動車の自動運転システムを開発する部署に異動しました。通信ネットワーク事業部でやってきたことを生かしながら仕事をすることができ、これもまたいい経験になったと思っています」
そうは言いながらも、心の奥底には通信への想いが燻り続けていました。
「通信の仕事への想いは途絶えることがなく、『自分は何をしたいんだろう』と考え込む時期もありました。そんな時社内のグループ公募を見ていたら、ディフェンスシステム事業部で通信に関わる仕事の募集があって。防衛分野はこれから盛り上がっていくとも聞いていたので、勇気を出して応募したところ、見事異動が決まったんです」
現在、渡辺は国の防衛機関を対象とした通信インフラ・通信ネットワークの構築プロジェクトでPM(プロジェクトマネージャー)を務めています。
「日本全国に数十箇所ある施設の中の通信インフラ・通信ネットワークを構築するのが私たちの仕事です。私たちが作った通信ネットワークを用いてさまざまなシステムをつなげる仕組みを作ったり、そこで働く人同士のコミュニケーションのためのネットワークを提供したりしています。
現在のチームは協力会社を含めて50人ほど。もともとディフェンスシステム事業部は技術者の80%以上が防衛領域未経験者と言われており、私のような公募で異動してきたメンバーも管理職を任されたり、キャリア入社者も活躍していたり、バックグラウンドに関係なく挑戦できる環境です。私は5つのサブチームを統括し、先を見越した計画を立てながら、各施設のネットワーク構築を指揮しています」
異動直後、未経験でPLに抜擢。「先読み」で導いた大規模プロジェクトの成功
2021年に日立グループ公募を経てディフェンスシステム事業部へ異動した渡辺。当時の心境について、こう振り返ります。
「異動に際して防衛について勉強してみましたが、全然分からなくて。これはもう入ってから勉強するしかないと思い、異動後は先輩方からたくさんヒアリングして知識を身につけていきました。正直当時のディフェンスシステム事業部は教育体制が行き届いているとは言えない状況だったので、今自分が身につけた知識を活用して新しいメンバーが入ってきた際の教育体制を整えているところです。
一方で、働く環境が変わってもこれまで身につけてきた知識やスキル、コミュニケーション能力は役に立つと感じました。作るものが変わっても設計のやり方やプロセスは一緒なので、いわゆる『ポータブルスキル』を生かしながらやってきました」
そんな渡辺に異動後すぐ、大きなチャンスが訪れます。
「防衛機関の全施設に大規模なネットワークを追加する大きなプロジェクトでPL(プロジェクトリーダー)を任せてもらえることになりました。異動して早々リーダーを務めることになり、不安がなかったと言えば嘘になりますが、そばに相談できる上司や仲間がいたので、不安なことがあってもすぐに相談して解決ができました」
プロジェクトを成功に導いた要因として、渡辺は「とにかく先読み」だと話します。
「うまくいくプランはもちろん、うまくいかなかった時のリカバリーも事前にしっかり考えていました。また防衛分野はとくにステークホルダーが多いので、いろんな意見が出てきます。それを思い浮かべながら、『こう言われたらこう答えよう』とイメージトレーニングを重ねた結果、スムーズに議論が進みました。
プロジェクト完了後は現場で働く方々から直接反響をいただけてうれしかったですね。『すごく助かったよ』『ネットワークができたことで、仕事がすごくはかどるようになった』などと声をかけていただけて、『やってよかった』と手応えを感じました」
この経験から、渡辺自身大きく成長できたと語ります。
「さまざまな方と議論を重ねていくので、相手の立場で考えることがとくに重要だと感じます。自分の意見を100%突き通すことは難しいので、自分の中で譲歩できる部分を作りながら会話を重ね、お互いが納得できる落としどころを見つけていくことが大切です」
国を支える誇りと働きやすさの両立──3つの事業部で見つけた日立の魅力
通信ネットワーク事業部、自動車の自動運転システム開発、そして現在の防衛分野へ。渡辺は日立でさまざまな事業部を経験してきました。異なるフィールドで働く中で、渡辺が一貫して感じてきた日立ならではの魅力があります。
「日立は社会の中の重要な役割を任されているので、自分がその一端を担う役割に大きなやりがいを実感しています。通信ネットワーク事業部では日本全体のネットワークに関わる機器を設計していましたし、自動車の自動運転についても人の命に関わるような大きな仕事に関わってきました。社会に信頼されている企業だからこそ、このような仕事を任されているのだと感じます」
現在の防衛分野でも、その誇りは変わりません。施設全体に通信ネットワークを構築する仕事は、まさに国の安全保障を支える重要なインフラです。
「もちろんトラブルが起これば国に迷惑がかかるというプレッシャーはあります。でも日立には優秀で経験豊富なメンバーがそろっているので、仮にトラブルが起きても落ち着いて状況を掴み、最善の解決策を見つけることができると信じているんです。
実際、若手の頃に先輩方が落ち着いてトラブルを対処している姿を見て、焦らず着実にやればきっとできるという安心感のもとで業務ができています」
日立の働く環境についても魅力を語ります。
「1つめは働きやすさですね。働く部署や参画するプロジェクトにもよりますが、ディフェンスシステム事業部ではリモートワークなど出社以外の選択肢もあるので、私も幼稚園の送り迎えなど子育てとの両立がしやすく非常に助かりました。
2つめはさまざまな人が働いていること。もちろん、気の合う人もいれば、合わない人もいます。そんな中で気の合う人、尊敬できる人に出会えると、困った時に相談し合えるなど、深い付き合いが生まれて働く上での励みになります。魅力的な人がたくさん働いているので、キャリア採用で入社しても積極的にコミュニケーションを取っていればきっとすぐ馴染めるはずです。
3つめは設計としての視点ですが、とにかく守備範囲が広いことです。機器に関することだけでなく、経理関係やお客さま対応など他の企業なら営業さんが担当するようなことも設計が担うので、幅広い知識が身についてキャリアアップにもつながります」
重要なインフラに携われる誇り、困難に直面しても支え合えるチームの安心感、柔軟な働き方を実現できる環境、そして多様な個性の中から自分に合う仲間を見つけられる職場──渡辺が語る日立の魅力は、仕事面でも環境面でも充実しています。
世界レベルのサイバーセキュリティを支える誇り。拡大する防衛分野で描く組織の未来
2024年に管理職へと昇進した渡辺。今後の展望について語ります。
「チーム全体のパフォーマンスを高めていきたいですね。そのために、前述のような若手育成のための教育体制も整えていきたいですし、メンバーが早く自立・自走できるようなチームビルディングをしていきたいです。私自身日立のさまざまな事業部を経験してきたので、そのノウハウをチームメンバーにも継承していくつもりです」
そう語る渡辺にはロールモデルとなる存在がたくさんいると言います。
「日立に入社してからずっと『すごいな』と憧れる先輩方に恵まれてきました。今の私の仕事のやり方も彼らを真似て身につけた部分が大きいです。とくに今勉強になるのが、管理職の先輩方の姿。メンバーをその気にさせる声のかけ方が上手な人が多いので、私もそういう声かけができるように日々学んでいます」
部署の未来像についても、渡辺は明確なビジョンを持っています。
「昨今は政府の予算増大など、防衛分野の拡大が見込まれています。私たちもそれに対応できるだけの組織を作らなければなりません。そのためにはまず、一緒に働く仲間が必要です。
とくに私が日立で活躍できると思うのは『人の話がよく聞ける人』。自分の意見を持ちながらも、まず人の話を聞いて一緒に落としどころを見つけられる人が活躍できると感じます」
最後に日立で防衛分野に携わる魅力を聞きました。
「各社専門性を持って防衛分野に取り組んでいますが、日立がとくに力を入れている分野の1つがサイバーセキュリティです。日本の防衛機関がめざしているサイバーセキュリティの水準は世界レベルで見ても高いのです。難易度が高く、品質の高いものを作ることがもとめられていますが、それを実現できるメーカーとして、日立が選ばれていることを非常に誇りに思っています。
今このページを見てくださっている方の多くは少しでも日立に関心のある方のはず。それだけですでにご縁があると思いますので、ぜひ一度ご応募いただけたらうれしいです」
※ 記載内容は2026年2月時点のものです
