異なるバックグラウンドを持ったメンバーが集まる刺激的な職場
2022年4月に新設された、事業開発本部。笹澤はそのうちのひとつ、システム開発第一部に所属しています。
笹澤 「システム開発部は、主に設計や開発に携わるエンジニアがいる部隊です。その中でも第一部は、半導体デバイスのメーカー様などに対して、生産性を向上させるアプリケーションの開発やさまざまな計測データを利用したシステムを提案する部署。
日立ハイテクは、半導体用の計測装置や製造設備をつくって販売しているのですが、ユーザーであるお客様の課題を拾い上げ、それに対してどのようなソリューションが提供できるかを考えて、新事業を創出しています」
半導体メーカーに日立ハイテクがメインで提供しているのは、非常に小さな部品の測定や観察ができる電子顕微鏡や微細な欠陥を見つける光学検査装置、半導体の加工に使われるエッチング装置。
システム開発第一部では、それらの装置を使っているお客様から得られるデータを利用して、お客様の設計開発の効率を上げたり、生産性を向上させたりして、利益に貢献するシステムを提案することをミッションとしています。
笹澤 「お客様から取得するデータは、たとえば電子顕微鏡であれば、半導体のパターン模様の画像など。その中には、人の目では確認できない線のばらつきや幅の違い、欠陥などの情報がいろいろと含まれていて、それを数値化することで製造している部品の状態を常にモニターし、トラブルやその予兆を検知するシステムを提案しています」
システム開発第一部は、3つのグループから構成されています。中でも、笹澤が所属する第二グループが携わるのは、自動車などに搭載される“パワー半導体”と呼ばれる部品をつくっている半導体メーカーです。
第二グループを構成するメンバーは派遣も含めて15人。30代を中心としながらも、20代から50代のベテランまで幅広い年代のメンバーが所属しています。
笹澤 「私はプレイングマネージャーのようなかたちで、主任技師として4人のエンジニアのチームリーダーを務めています。具体的な開発計画の立案、実行、管理に加え、予算の執行や管理、協力会社の方との折衝、フロントに立つ営業部隊との連携などが私の役割です」
笹澤のチームには、外国籍のエンジニアも所属。基本は在宅勤務で、出社が必要なのはミーティングを対面で行うときのみなので、コミュニケーションには多少の苦労があると言います。一方で、全員の技術背景が異なることから、部内で勉強会やセミナーを開いたりして、知識を教え合えるというメリットもあります。
笹澤 「事業開発本部全体でも、幹部を含めて中途採用が増えており、いろいろなバックグラウンドを持った人が集まってきています。ビジネス経験があるエンジニアも増えているので、良い刺激がありますね」
研究所で培った技術を活かしてお客様に提案ができることに惹かれ、日立ハイテクへ
大学院で画像処理技術を研究していた笹澤は、1993年に新卒で日立製作所の研究所に入社しました。
笹澤 「某SFアクション映画を観て、コンピューター・ビジョンに興味を持ったんです。コンピューター・ビジョンとは、コンピューターとシステムが、デジタル画像や動画などの視覚データから意味のある情報を導き出し、それに基づく対処や推奨を行う技術分野のこと。その領域の仕事ができる職場を探して、いくつかの企業を受けました。
日立への入社の決め手は、当時の面接官が画像処理のことをよくご存じだった上にとても頭の切れる人だったこと。尊敬の念を抱いたことが大きいですね」
入社後は、横浜にある研究所に所属。半導体を始めとした情報機器の分野で、コンピューター・ビジョンや画像処理技術を活用した装置の開発や評価に携わってきました。
そして2014年、自らの技術を製品という形にするため日立ハイテクに転属することに。
笹澤 「日立ハイテクには、私が信頼している同僚や上長がいて、彼らの話を聞く中で転属を決めました。研究所で研究を極める道もありましたが、日立ハイテクに強く惹かれたのは、研究所で培った技術を活かしてお客様に提案できる点。この会社には、私のように研究所から移籍する人が結構多いんです」
日々仕事をする中で笹澤が大切にしているのは、“正直であること”。
笹澤 「人として信頼されるような存在になりたいと思っています。中でも、自分が一番価値を置いているのは、お客様に信頼していただくこと。言うべきことは正直に伝えることを大事にしています」
笹澤がお客様からの信頼を大切にしている背景には、過去の苦い経験がありました。
笹澤 「研究所時代、自分で新しく開発した検査装置を、テスト的に日立の生産工場に適用してみたことがありました。すると、製品の中にそれまではわからなかった欠陥が見つかって……。これまでにない新しい方式の装置だったために、工場のスタッフの中には、それが本当に検知すべき欠陥なのか、生産に影響するのか、と慎重な見方をする人も少なからずいました。
そこで『なぜそうなるのか』『どう対処すればいいのか』まで提案できれば良かったのですが、当時の私にはそれができませんでした。結局、当時の上長が説明してくれたおかげで、生産プロセスの見直しをしてもらえることに。私もその上長のように現場スタッフやお客様としっかり向き合い、信頼してもらえるような存在になりたいと強く思った出来事ですね」
仕事はチームで取り組む。新しい技術や人との出会いを通じて成長できることがやりがい
笹澤が日立ハイテクに転属して大きく変化したのは、仕事への取り組み方でした。
研究所では、1~2人という少ない人数で研究に取り組むことが多かったのに比べ、日立ハイテクではチームで動くのが基本。世代もバックグラウンドも違うメンバーと仕事を進めていくことが、笹澤にとっては新鮮だったと言います。
笹澤 「4~5年前に半導体用装置の新製品を手掛けたときのことです。開発には、私が専門としてきたコンピューター・ビジョンの知識に加え、電気やソフトウェア、機械制御の分野の知識も必要で、20代からベテランの方まで、さまざまな人の協力を得ながら技術をまとめ上げ、どうにか形にすることができました。
商業的にはうまくいかなかったのですが、人脈ができ、経験値も増えました。学ぶところが多く、とても印象深いプロジェクトでしたね」
笹澤がチームを率いる上でいつも心掛けているのは、開発の現状や問題、その開発が何の役に立つのかをメンバー内でしっかりと共有すること。
笹澤 「刻一刻と状況が変わる中、われわれが遂行すべきミッションを都度共有することが、お客様に満足してもらえるアウトプットにつながると思っています。共通言語となるのは数字。メンバーのバックグラウンドはさまざまなので、常にデータをベースにして根拠を示すことで、全員の納得感が得られるようにしています」
新事業の開発に携わっていると、新しい技術や人と出会う機会もおのずと多くなると話す笹澤。それがやりがいにつながっていると言います。
笹澤 「新しいチャレンジを通して仕事の幅の広がりや自分の成長を感じられることが、いまの仕事のやりがいですね。自分でやるべきことを考えて計画を立て、必要に応じて新しい技術を探さなければならないなど、それなりに苦労もありますが、裁量が大きいところがこの仕事の醍醐味だと感じています」
初めから正解はない。求めているのは、想像力を持って挑戦できるバイタリティのある人
半導体業界は、これからまだまだ成長していくことが期待される分野。投資先としても注目を集めているだけに、巨額の開発資金が投入される業界だと言います。
笹澤 「ビジネスモデルをつくることができさえすれば、自分で切り拓いていける分野。やりたいことがある人にはうってつけです。また、日立グループには最先端の技術もありますし、教育システムもかなり充実しているので、エンジニアとしてスキルアップできる環境が整っています。研修プログラムは、若手から部長向けクラスまで、技術からビジネスまで、基本から応用までとかなり多彩。
たとえば、データサイエンティストなら、PythonのプログラミングやAIへの実装といったベーシックな部分から教育が受けられます。また、社内に認定制度があるので、それに沿って成長していくことも可能。すでに第一線で活躍されている人には専門分野ごとに構成されている組織もあり、社内外の最新情報を共有する場があります」
社内では女性幹部も活躍していて、男女関係なく働きやすい環境があると話す笹澤。求める人材についてこう続けます。
笹澤 「私と同じように中堅くらいの世代の方であれば、ビジネスモデルを提案していくことが求められますので、それができる方に来ていただきたいと思っています。
初めから正解があるわけではないので、仮説を立ててソリューションを検討し、足りない知識があれば社外も含めて探しに行けるような、想像力を持って挑戦できるバイタリティのある方と働けるなら嬉しいですね。また、若手であれば、学ぶ意識が高い方をとくに歓迎しますよ」
加えて、データサイエンティストを志す人に身につけてほしい心構えがあると言う笹澤。
笹澤 「データサイエンティストには、自分の扱っているデータがどの段階にどのような条件下で取得されたものなのかをきちんと想像できる方であってほしいと思います。最近は効率化・自動化が進んだことで、データを簡単に取得できるケースも増えてきました。
でも、そのデータがどこから来て、どのように活用されていくのかを知らないと、お客様が本当に求めていることとのすれ違いが生じてしまうんです。それが信頼を失うことにつながる場合もあるので、データがどのような価値を持っているのかは常に意識する必要があると思っています」
信頼という点に寄せていえば、笹澤の所属するグループが携わるパワー半導体は、自動車に搭載される部品。決して欠陥は許されません。自分を常に鼓舞しながら仕事と向き合っていると言います。
笹澤 「われわれは、信頼性が高いものを効率良くつくる過程の一端を担っていて、まだまだやれることがたくさんあるはず。お客様が気づいていない課題や、諦めてしまっている課題の解決にも貢献していけたらと思っています。また、マネージャーとしては、チームのメンバーが失敗を恐れずチャレンジできる環境、その成長をサポートできるような環境をつくっていきたいですね」
