半導体の生産ラインに欠かせない測定装置「CD-SEM」の生産性向上に携わる
生産技術部の仕事は、まさに“縁の下の力持ち”。工場でモノづくりをする人たち、設計に携わる人たちなどの作業の効率化に、仲村は日々取り組んでいます。
「私が所属するデジタル技術グループでは、主に社内システムの構築を担当し、製造現場で集めたデータを収集・分析することで業務改善をめざしています。グループが取り組んだ最近の事例で言うと、基幹システムの入れ替えがあり、それに関連する周辺システムの整備を行いました。
私がここ数年取り組んでいるのは、クラウドサーバーを立ち上げ、現場のシステムから生産に関連するデータを自動的に収集するシステムを作ること。集めた情報をより見やすくするために、BIツールの画面作成なども進めています」
デジタル技術グループの一員として仲村が担当しているのが、「CD-SEM」という製品。SEMとは「走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope)」のことで、CD-SEMは主に半導体のウェハ上に生成される回路パターンの寸法測定に特化した装置です。
半導体はスマートフォンや家電など、私たちの身の回りのあらゆるものに使われている最先端技術の結晶。その半導体生産を、CD-SEMが支えていると言っても過言ではありません。
「最先端技術を用いた製品を生産する上で、データは必要不可欠なものです。しかし、データを集めて活用するためのシステムは、あくまでもツールのひとつ。システムを構築する側が自分の作りたいものを作るのではなく、実際に扱う人にとっての使いやすさが最も重要だと思っています。そんな考えに至ったのは、私の入社してからの経歴が大きいかもしれません」
生産技術部に異動する前は、製造部で生産性の向上に取り組んでいた仲村。モノづくりの現場に近い場所にいた経験から、その意見に耳を傾けることの大切さを実感しています。
「私が製造部にいた時、『このシステム使いづらいな』と感じることがありましたが、自分たちではどうすることもできませんでした。だからこそ、いまは生産技術部のメンバーとして、現場がどんなことで困り、どんな改善が必要なのかをしっかり聴き、システムに取り入れていく必要があると思っています。
工場の生産効率を上げるには、現場の力だけでも、システムの力だけでも難しい。双方が意見を出し合い、協力し合うことが大事だと感じます」
日立製作所が運営する高校から日立グループへ。技能五輪にチャレンジした若手時代
仲村が通った高校は、日立製作所が運営する「日立工業専修学校(日専校)」の高等課程。充実した環境で、日立の“モノづくり”に対する考え方や技術を身につけていきました。
「実は私の父も日専校を卒業し、日立製作所で働いていたので、日立グループには縁や憧れを感じていました。実習では、実際に日立製作所で働いている社員が講師として教えてくれるので、より実践的なモノづくりを学べる環境がありました」
2000年に卒業後、日立製作所の測器事業部へ配属された仲村は、技能五輪の「電子機器組立て」職種の選手として、3年間訓練に励みます。
「技能五輪とは、おもに23歳以下の青年技術者が、技能レベルを争う競技大会です。私が参加していた『電子機器組立て』は、電子機器をいかに早く、正確に組み立てられるかという技術や回路設計の能力を競うもの。壊れた電子機器を直すという課題もあり、おかげで電気・電子について幅広い知識を身につけることができました」
技能五輪のために毎日ひたすら訓練を積み、2年目には大会で敢闘賞を受賞した仲村。3年目の大会では、悔しさと達成感の両方を味わったと振り返ります。
「日立の別の工場にも『電子機器組立て』の選手がいて、日々の訓練は別々なのですが、定期的に合同練習をして競い合っていた仲間がいました。
3年目の大会直前までは、私の方が成績が上だったのですが、本番での結果は私が銀メダルで彼が金メダル。銀メダルを取れた達成感もありましたが、悔しい気持ちが強かったですね。
さらに彼は、その後世界大会に出場して優勝を果たしたので、自分ももしかしたら世界一になれたかもしれないと思うと……。でもこの悔しさがあったからこそ、その後慢心せずに向上心を持って仕事に取り組めたと思っています」
現場の技術者たちをサポートし、生産性向上をめざしてきたキャリア
選手として技能五輪を経験したのち、日立ハイテクの製造部での仕事や日工専の研究科を経て、直接員(工場の現場で働く社員)から間接員(管理部門や技術部門で働く社員)となった仲村。その後、技能五輪の指導者も経験し、2013年には再び製造部に配属されました。
「製造部に再配属されてから、CD-SEMの生産性向上に携わりました。いまの生産技術部の仕事と似ていますが、違いはより現場に近く、細かな部分までサポートすること。
たとえば現場から『毎日のこの作業に手間がかかる』という意見があれば、治具という、その作業をサポートするための工具を見直し、つくることもありました。『備品が足りない』という相談があれば予算をとって手配したり、製品に不具合があったときには、どう対応するかを一緒に考えたり。現場のあらゆる困り事に耳を傾け、手や頭を動かしていました」
製造部と生産技術部という部署は違えど、常に現場の技術者たちをサポートしてきた仲村は、この仕事の醍醐味を次のように語ります。
「いまは生産技術部として、広い視点から『もっと現場のためになること』を考えています。『この工程を自動化できれば、生産を大きく合理化できるのでは』とアイデアを出し合いながら、設備・システムの導入を検討するなど、より生産性向上に貢献することをめざしています。
同じ日立の仲間である技術者たちの要望を汲み上げて、システム面から最大限にサポートしていく。人とのつながりの中で、仲間たちからも感謝される、とてもやりがいのある仕事ですね」
選手としても指導者としても技能五輪を経験した仲村にとって、その技術力を発揮できる製造や設計ももちろん魅力的な仕事。しかしいまは、生産技術というポジションを突き詰めていきたいと考えています。
「製造や設計の技術を活かし、良い製品をつくることはモノづくりの醍醐味ですが、一人ひとりが生み出せる量や幅にはやはり限りがあります。一方、生産技術部として生産工程を劇的に改善できれば、事業への影響力も大きくなります。
技能に関しても、いまは技術力の高い数人の技術者に頼るというより、みんなで分業して誰でも作業ができる仕組みをつくることが重視されています。その点を整えることにも注力し、高品質な製品を安定的に生産できる現場にしていきたいですね」
やりたいことに挑戦できる環境こそが、日立ハイテクの大きな魅力
仲村が今後めざすのは、現場と生産技術部の「橋渡し役」となること。製造部での経験から、現場の実情や技術者側の想いも理解できることを強みに、双方をつないでより良い生産体制をめざしていきます。
「たとえば、設計者と現場とのコミュニケーションがなかなかうまくいかない、というのは製造現場の“あるある”。設計者が作業上で変えてほしい部分があっても、現場側に納得してもらわなければ改善にはつながりません。生産技術部の立場で、双方の気持ちがわかる私がその『橋渡し役』になることができれば、生産性の向上にもつながるのではないでしょうか。
そして、その先でめざすのはより良い製品をお客さまに届け、喜んでもらうこと。生産技術部は、直接的なモノづくりからは一歩引いた位置にありますが、生産をサポートすることは、そのまま製品の品質や生産量を担保することにもつながるんです。
私はデジタル技術グループでさまざまなデータを活用していますが、まだデータが取れていない工程には、見えていない課題があるかもしれません。今後は収集するデータの量や幅をさらに増やし、生成AIなどの最先端技術の採用も検討しながら、より良い生産技術とは何か、必要なシステムとは何かを突き詰めていきたいですね」
仲村は最後に、日立ハイテクの魅力について次のように話しました。
「私のこれまでの経験から感じるのは、日立ハイテクは『やりたいことに挑戦させてくれる会社』だということ。上司から『これをやるように』と決められて指示をされるのではなく、自分がやりたいことを伝えることで、挑戦に向けて背中を押してくれるんです。
そして、生産技術という仕事は、人の役に立ちたいという方にはぴったりな仕事です。日立ハイテクというチームの中で、顔の見える身近な仲間たちの役に立てるのは、大きなやりがいです。技能的な部分は入社後でも学べるので、まずはそうしたマインドがある方に入社していただきたいですね」
※ 記載内容は2023年9月時点のものです

