レガシーモダナイゼーションを掲げ、難易度の高い大規模システム刷新に挑戦を続ける
岡はキャリアの中で一貫してシステム開発の最前線に身を置いてきました。これまで、製造・金融・流通などの大企業を対象に数十社を顧客として大規模システムを手掛けてきました。
自身のミッションとして挙げるのが「レガシーモダナイゼーション」。10〜20年単位で使用してきた古いシステムを、最新の技術を取り入れ、仕組みや組織を新しい設計思想に則って刷新する。それも、一気に置き換えるのではなく、部分ごとに切り出しながらシステム全体を刷新していくアプローチです。
「規模が小さく新しい組織のシステム構築や、0→1でまったく新しいものを作ることができる人はたくさんいます。一方で、大企業の長く使われてきた巨大なシステムの刷新をできる人は極端に少ない。しかも『運用を止めずに』行うという条件下では、さらに難易度が跳ね上がります。
難しいからこそ価値があるし、影響力が大きい。実現することができれば、システム利用者の業務効率化につながるだけでなく、莫大な運用コストを大きく削減することができます。多くの大企業でこのような取り組みを行うことで、日本全体を変える力になると本気で信じていますし、自分だからこそできるという自負を持っています」
このような経歴を持つ岡とギックスの関係は、某大手企業様のデータ基盤を刷新するプロジェクトを行った2018年に遡ります。
「ギックスは当時、戦略コンサルティングとデータ分析を主体とした会社でした。データに関するプロフェッショナルであり、信頼できるチームだという印象でしたね。私のような技術屋が必要とされるケースはまだまだ限られていたので、まずは技術顧問としてプロジェクト単位で携わるところから関係がスタートしました。参画するきっかけとなったのは、データ分析のコンサルティングを提供してきたクライアント企業に向け、データを蓄積して業務に使える仕組みを構築する『DIプラットフォーム』事業の本格的な拡張が決まったことです。それならば自分も役に立てるなと」
参画を決めた理由として、クライアント顧客の企業規模・データという切り口にも魅力を感じたと岡は続けます。
「『レガシーモダナイゼーション』をミッションとする私にとって、ギックスのクライアント企業が大企業であることは1つの魅力でした。
またこれまでの課題感として、大企業のシステム、中でも基幹系と呼ばれるシステムを刷新しようとすると『どこから手をつけるべきか』『本当に今やるべきことなのか』など、実際にプロジェクトに着手するまでに慎重な議論が必要となる傾向がありますし、それは避けられないものです。
しかしギックスの立ち位置では、対象が重厚なシステムであろうと『データ』を切り口としてシステムに手を入れるアプローチが可能になります。DXの推進とデータ活用がより重要視される現在、クライアント企業にとってこれを優先事項としやすく、スムーズに着手できることも決め手の一つでした。クライアント企業としても、データを切り口としたモダナイズの成功体験を積むことで積極的に基幹系に手を入れることができるようになります。
大企業を対象に、複数のシステム刷新プロジェクトに連続的に携わることにより、私のミッションである『レガシーモダナイゼーション』を多くの企業に提供できる。これがギックスに参画した理由です」
良いエンジニアに不可欠な「手を動かす習慣」「技術の目利き力」
現在、岡はChief Technologist 兼 Chief Architectとして「DIプラットフォーム」事業の統括を行い、顧客へ価値提供をするかたわら、日々エンジニアを指導する立場も担っています。この中で、「良いエンジニア」になるための条件として自身の経験や課題感をもとに話をしました。
「まずは『手を動かす習慣』をつけることです。
私たちが手掛ける『レガシーモダナイゼーション』では、古くから使われている技術に加えて最新技術に対する知識が必要です。古い技術については、経験が前提となってしまいますが、新しい技術については誰でもアクセスできるような環境になりました。
昨今の技術はほとんどがクラウド上で触れることができます。以前のようにハードを買って、ソフトを発注してというハードルがないので『すぐ使う・コードを書く』ことができる。
どの技術がどんなシーンで役に立つのか。技術に対する目利き力を鍛えるためには、新しく出てくる技術をとにかく自分で触ってみることが大切です」
技術革新が急速に進む中で『技術の目利き力』は良いエンジニアの必須要件になると岡は続けます。加えて技術選定においては、『何ができる技術か』機能面を知るだけでは不足していると指摘します。
「私たちが手掛けるプロジェクトには、まったく同じ要件のものは存在しません。『解決すべき課題は何か』『どうやって解決すべきか』、常に未知の状態からスタートします。
ここで必要になるのが『技術の目利き力』です。これを鍛えて磨くことによって、『この技術を組み合わせればこの課題は解決できるだろう』と目測をつけることが可能になっていきます。
技術選定では、つい『何ができる技術か』という機能一覧表に書かれているような内容に目が向きがちです。しかし、大規模なシステムを適切かつ安定的に稼働させるためには、信頼性やキャパシティ、セキュリティ、保守性、それにコストといった複数の観点で技術の有するケイパビリティを理解することが必要です。これら技術のケイパビリティを把握しておくことで最適な選定ができるようになります。
この『技術の目利き力』を鍛えるには、繰り返しになりますが『まずは触れてみる・手を動かす』こと。できればその技術の限界を超えるような使い方をしてみることで、その技術の個性が見えてきます」
大規模なシステムの刷新に必要なケイパビリティや、最新技術でどこまで担保ができるのか、その「目利き」をする能力を見極めたいという思いから入社したZOZO時代を振り返ります。
「想像はしていましたが、ZOZOTOWNにはそれを遥かに超えるトラフィックが流れていました。データ量やトラフィックの規模感は、外部からでもなんとなく想像はできるかもしれません。しかし、自分でその規模に対処する立場にならないと、本当の意味で『実感』はできないと思います。
ZOZOTOWNの『レガシーモダナイゼーション』では、はじめは手に負えないと感じたものでも、技術を正しく活かすことでコントロール下に置くことができるのだ、と手応えを感じることできました。自分の経験の限界を超えたシステムに立ち向かい、失敗しながらも徐々にシステムを御する感覚を身につけていく中で、技術のケイパビリティを実感することができるようになります。
その経験によって獲得した「目利き力」があれば、実際に動作させる前に設計したシステムの妥当性を検証できるようになります。良い設計ができることはエンジニアとして重要な素養であり、いろいろなタイプのシステムと『実際に現場で向き合う』経験は成長のために不可欠だと思います」
「複数の大規模システム」に「最新技術を持って臨める」環境は希少
エンジニアの成長に必要な「手を動かす習慣」「技術の目利き力」を得るために、大規模なシステムに関わることの重要性を説く岡は、どのような環境に身を置くべきか続けます。
「エンジニアと言ってもさまざまありますが、私が考える『理想的なエンジニア』という前置きをした上で、エンジニアとして成長するための環境について、意識していることが3つあります。
1つめが『運用中の大規模システムが存在する』こと。これは私自身が『レガシーモダナイゼーション』に取り組んでいることもありますが、エンジニアの成長に必要な負荷でもあります。すでにある仕組みを活かすことは、ゼロからまったく新しいものを作るよりも難易度が高く、またデジタル化が進む現在や未来は既存のシステムが存在しない方が稀です。今後も活躍することをめざすならば、『古いものを活かす』方法を身につけておく方が得策だと思います。
2つめが『複数のシステム・プロジェクトに主体的かつ連続的に関われる』こと。自分が設計に携わるシステムでこそ実感できる『経験』の重要性はすでに述べましたが、複数の企業・プロジェクトに携わることで、再現性のある経験・スキルを身につけられると考えています。
3つめが『最新技術を積極的に活用する』こと。自社の規定や方針の兼ね合いで、活用できるテクノロジーに制限がかかる場合には、新しい技術を実戦で使うことにどうしても消極的になってしまいます。これにより、手を動かすことや目利き力を養うことが難しくなり、結果的に『現時点でのベストな組み合わせを見つける』経験を積むことができません。
この視点で考えると、成長のために必要な条件を満たす会社は、私の知る中でも実は多くはありません。既存の大規模システムがある大企業で、最新のテクノロジーを活用しながら、連続的に複数システムの開発に携わることのできるギックスのエンジニアは、このすべてを享受できる稀有なポジションだと認識しています」
エンジニアの志向に合わせて柔軟な役割を提供できる点も、ギックスの利点だと続けます。
「外部企業のシステム刷新以外でも、エンジニアが活躍できる場が用意されていることも、ギックスの特長です。自社プロダクト『マイグル』や、他の新サービスの開発に取り組むことも可能ですし、データ分析の専門性を身につけたくなればデータアナリスト職へのスキルチェンジも視野に入れることができます。
たとえば、現在『マイグル』プロダクトのリードエンジニアとして活躍しているけれども、最初はデータアナリストとして入社したという事例をはじめ、関心や意志を持つメンバー自身の要望による異動も積極的に行われています。
成長を求めるエンジニアは、長期間同じ仕事だけを担当し続けたくないという方も多いと思います。やり尽くした後に新しい環境を求める際、社外に目を向ける前に、社内に別のポジションがあるのはメリットだと思います。
早い意思決定ができる環境で、 世の中をアップデートするテクノロジー実装をめざす
岡の入社から1年4カ月(2023年9月現在)が経過し、エンジニア向けの社内環境整備が急速に進んでいます。これらの推進を担うのが、「CTOオフィス」です。
「CTOオフィスはエンジニアにとって活動しやすい組織・制度を作るためのディスカッションの場です。エンジニアだけでなく、さまざまな部門・業種の執行役員からメンバーまで有志で参加してくれています。
私は肩書きに『CTO』を付けず、『Chief Technologist 兼 Chief Architect』と名乗っています。これはクライアント企業に価値を提供することに重きを置くという意思表示でもあります。
本来CTOが社内向けに担う役割は、ギックスにおいては特定の人間の一存ではなく、CTOオフィスに参画するメンバーの意志によって進められています。社内のテクノロジー活用については自分たちで決めていくというスタンスで、他社には見られないユニークな体制かもしれません。
場があることで提案しやすい環境が生まれ、自ら手を動かせばプロジェクトを推進できるので、結果的に実装までのスピードも早くなっています」
CTOオフィスでは、社内ドキュメント管理ツールのNotionへの1カ月での全面移行や、最新AI系ツールが公開された翌週には業務適用時のルール策定を行う、といったスピーディな意思決定が行われています。また、エンジニア以外も積極的に参加する点も特長だと続けます。
「CTOオフィスが開催する勉強会や読書会には、エンジニア以外のメンバーも多く参加しています。これは、『知識を共有し、組織に貢献する』というギックスの行動指針が体現されているとともに、フロントのメンバーだけでなくバックオフィスのメンバーも、テクノロジーで業務をアップデートしたい、という強い想いで積極的に参加してくれています。
ギックスは『あらゆる判断を、Data-Informedに。』という理念を掲げています。急速に進化しているAIも、裏側にはすべてデータが存在しており、ギックスの主戦場であるテクノロジー×データの領域には無限の可能性があると思っています。
『テクノロジーが持つ無限の可能性を、より良い組織、より良い世の中にしていくために活用したい』というエンジニアにとっては最適な環境だと自負しています。積極的にチャレンジを求める方に、ぜひ飛び込んできてほしいですね」
※ 記載内容は2023年9月時点のものです
