父親が教えてくれた「しくみを理解する楽しさ」と「共有する喜び」
2023年3月現在、主にお客様先のデータセンターに設置されたハードウェアの保守を担当している濱田。また、お客様先に常駐するだけでなく、全国のお客様拠点に出動するカスタマーエンジニア(CE)の支援も行っていると言います。
濱田はどんな場面でも「しくみをきちんと理解して、共有すること」を大切にしています。そのルーツはどこにあるのでしょうか。
濱田 「私の父親は車が好きで、修理などの作業をしている姿をよく目にしていました。自然と、小さい頃から父の作業を手伝うようになったのですが、作業がしやすいライトの当て方やネジの締め方なども教えてくれて。
また、ただライトを当てればいい、ただドライバーを回せばいいのではなく、それぞれの作業には意味と効果的な方法があるんだよと。それが、私の原体験と言いますか、いろんなものの『しくみ』に興味を持つきっかけとなりました。
しくみを理解できるようになると、自然と物事を俯瞰して見られるようになりました。学生時代、友達に勉強を教えることも多かったのですが、俯瞰できていると、この人はここが得意とか、ここの理解が十分ではないなどが分かり、その人にあったアプローチで教えることができました。特に嬉しかったのは、最初は得意じゃなかった科目が友達の得意科目へと変わった体験ですね」
濱田が学生時代に友達に教えていたエピソードは理科の実験での出来事。そこから、興味の範囲は自然科学や情報通信へと広がっていきました。しかし就職活動をするにあたり、どちらの方向に進むか迷うこととなります。
濱田 「私が就職活動をしていたときは、まだ就職氷河期と言われていた時代でした。興味があることを仕事にしたいという想いはありつつも、将来設計もある程度見据える必要はある。そう考えたときに、自然科学の分野で自分の将来像がうまく描けず、IT企業のほうがいいのではないかと考えました」
最終的に富士通サポート&サービス株式会社(現・株式会社富士通エフサス、以下FSAS)に入社し、金融業界のお客様への常駐CEとして、キャリアをスタートします。
真摯に向き合い、先を見据える対応がもたらした、先輩とお客様からの信頼
常駐CEとしてキャリアをスタートしたものの、入社した当初はシステムエンジニア(SE)になりたいと思っていた濱田。
濱田 「ITシステムを設計・開発することに魅力を感じて、SEになりたいと思っていたんです。でも仕事をしていくうちにCEの魅力に気づきました。CEはいろんな人と関わったり、さまざまなお客様のバックヤードに入ったりすることで、普段見られない裏側を知ることができます。
最近は、ITシステムの多くがクラウド化されて、お客様先での作業が少なくなりつつありますが、お客様との長い付き合いにより築かれる信頼関係はかけがえのないものです。人との信頼関係というのは、自分のキャリアを語るうえでも重要な鍵になっていると思います」
仕事をスムーズに進めるためには、お客様との信頼関係はもちろん、一緒に仕事をする同僚との信頼関係も大切になります。濱田は先輩社員とのある出来事を通して、信頼関係を構築した経験を話します。
濱田 「新人教育では概要しか習わなかった装置で、障害が発生したときのことでした。解決した後に、何で障害が発生していたのか、マニュアル通りに1つずつ確認してみて、という指示を先輩から受けたことがあったんです。実際にその通りに追いかけてみると、腑に落ちる瞬間があって、『これおもしろいですね』と言ったことがありました。私が興味を示したことに、その先輩が喜んでいたらしくて、それ以来、私に目をかけてくれるようになりました。
ある日、夜間に障害が発生したのですが、現場に大きく影響がでそうな予想されたため、応援要請のため非番だったその先輩にも連絡をしました。すると、始発が動いてすぐに飛んできてくれて、関係部門の方とつないでもらったり、調査に協力していただくなど、本当に助けていただきました」
仕事の改善から全社の改善活動へ。とうやったら良くなるかを突き詰める
入社から約10年が過ぎ、異動することになった濱田。入社当初に希望していたSEとして業務に携わることになります。
濱田 「とある会社のパソコン向けに、手のひらで本人を識別するしくみを導入するプロジェクトに携わることになりました。それまでCEとして、そのしくみを使った経験はあったのですが、今回はSEでということで参画することになりました。
しくみの導入にあたっては、お客様を意識した手順書作りはもちろんのこと、CEの経験を活かせることがないか、と思案しました。その1つとして、本来SEが行う設定も含めて、CEがお客様への導入に必要な機器の設定を行えないかと考えたんです。ハードウェアのことをよくわかっているCEがそこまで含めて作業を行うことで、作業時間の短縮はもちろん、お客様としても安心していただけるのではないかと。
また、導入後のことも意識しながら、お客様への丁寧なコミュニケーションを心がけました。そういった姿勢を評価いただいたのか、そのお客様から『また、FSASに頼みたい』と言っていただいたときは本当に嬉しかったです」
真摯な姿勢で仕事に取り組み、周りからの信頼を得てきた濱田。学生時代のころから変わらず、「どうしたら伝わるのか。どうやったら良くなるのか」と常に向き合ってきました。実は極度の人見知りだったと言う濱田だが、常駐CEとしてお客様と接する機会も多く、少しずつコミュニケーションへの苦手意識を払しょくした、と言います。
苦手意識が徐々になくなり、自分の言葉に自信が持てるようになった濱田。行動にも変化が生まれ、業務とは別でFSASが独自に進めるDXプロジェクトに自ら手を挙げて参画するようになります。
濱田 「この活動は、社内改革と顧客価値向上の2つのカテゴリがあり、私は顧客価値向上のプロジェクトに携わっています。たとえば社内に散在する仮想の検証環境(パソコンやサーバなど一つのハードウェアの中で、仮想的な環境を構築)の整理と、サービス品質の向上を図る活動に取り組んでいます。また、現行サービスへの付加価値の向上・拡大、技術力の底上げといったことも行っています」
自分が進めた施策が広がり、全社に大きな変革の波を起こしたい
FSAS内のDXプロジェクトで取り組んでいるテーマは、メンバー以外のFSASの社員だけでなく、富士通グループ全体で取り組まないといけないものもあります。そのため社員の声を聞きながら活動を進めています。
濱田 「たとえば立ち上げ当初は、取り組むテーマとして掲げている『全国均一で高品質なサービスが展開できているか』についてアンケートを取ったり、必要な情報を集約したサイトを構築したりと、そういったことから進めていました」
今後はもっと社内に活動が伝播していってほしいと願っています。
濱田 「幸いなことに私が一緒に仕事をしている方々は協力的で意見をたくさんくれますが、この活動をいかに全社に広げ、会社組織を超えて推進できるかが肝だと思っています。Yammer(社内SNS)を活用して、情報発信なども行っていますが、どのくらいの人に届いているのか不安な面もあります」
そのため、多くの人に興味を持ってもらえるように、社内向けのイベントも開催していると言います。
濱田 「CEの通常メニューにないプラスアルファの価値を出して、売上につなげていきたいと考えて、FSASの全社員を対象としたイベントを開催しています。職種を問わず、全社で募集し、発表をする場です。このイベントは多くの方に興味を持ってもらっています」
業務と社内DX活動を通じて、多くの刺激を受け、改善を進めてきた濱田。これから先どのようなキャリアを思い描いているのでしょうか。
濱田 「20年近い社会人生活を経て、会社のしくみを理解し、CEやSEとしての業務経験も多く積んできました。その経験から、会社をもっと良くしたいという気持ちが強くなっています。
どのポジションが適切なのかは漠然としているのですが、今、FSASのDX活動をメインで進めている方が理想の姿です。今の現場での仕事とDX活動で、自分が進めた施策が広がり、全社が変わるような活動ができるといいなと考えています」
CEとして、社内DX活動の推進メンバーとして、仕事や会社を良くしようと行動し続ける濱田。その姿が多くの人に伝播し、大きな変革の波が生まれるまで、濱田の挑戦は続きます。
