ゼロから切り拓く認証システム移行プロジェクト。地道な取り組みでつかんだ成功
情報ソリューション事業部 MSソリューション部に所属している金。大手保険会社のシステムのクラウド化を担当している。
「MicrosoftAzureを活用して仮想マシンの構築や認証システムの導入を行っています。当社としては7年前からお客さまのさまざまなプロジェクトに携わってきました。私自身は富士ソフトに入社した2024年から今回のプロジェクトに参画しています」
現在のプロジェクトチームは、富士ソフトのメンバー5人に、協働するパートナー会社を含めると11〜12人の規模になる。基本的にフルリモートで業務を行い、2〜3カ月に1回程度の夜間作業時のみ出社している。
「入社したばかりの頃は、分からないことがあっても誰に聞けばよいのか把握できておらず、すぐに聞けないことがありました。けれど、徐々にチームメンバーのそれぞれの得意分野を理解し、状況や相手に合わせた適切なコミュニケーション方法を見つけることができました」
金は入社後すぐに保険会社の認証システム移行プロジェクトを任される。既存の認証方式から、セキュリティとパフォーマンス向上を目的にクラウドフレアというサービスを経由した新しい認証経路へ移行する大きな挑戦だった。
「お客様が使用している全てのWebサイトの認証経路を新しく作る必要があり、入り口のURLだけでも100個以上ありました。各サイトでさまざまな問題が発生し、例えばあるWebサイトではコンテンツが半分しか表示されなかったり、画像ファイルがまったく表示されなかったりしました」
マニュアルが存在しない中での作業に、金は地道に取り組んだ。
「問題が発生するたびに原因究明から始め、仮説を立てては解決策を相談する、という作業を1年間続けました」
この着実な取り組みが実を結び、プロジェクトは2025年5月に無事リリースを迎えた。現在は、リリース後の改修対応を行いながら、次のステップに向けて準備を進めている。
成長したい一心で踏み出した新天地。支えになった人との出会い
金は20代前半に中国で働いた経験を持つ。当時はIT企業に勤務し、HTML関連業務やブログの執筆に携わっていた。しかし、その間思うような成長を実感できなかったと言う。
「高校卒業後すぐに働き始めましたが、当時は勢いで決めてしまった部分もありました。3、4年間働いたもののあまり成長できていないと感じました。そこで、もっと厳しい環境に身を置くことで成長したいと思い、言葉も分からない日本への留学を決意しました」
日本での新生活は、まず語学学校からスタート。1年3カ月かけて日本語を習得した後、2年間IT専門学校に通い、プログラミングを学び、資格を取得した。その後の就職活動で、富士ソフトに出会う。
「富士ソフトの企業規模の大きさに加え、IT業界のあらゆる領域を網羅する事業展開に惹かれました。多様な業務に携われる可能性を感じたことに加え、キャリアパスに応じた研修制度が完備されているため、長期的な自己成長が見込めると判断しました」
富士ソフトに入社後は、未経験であることや年齢が高い新入社員であること、日本語力など、さまざまな心配を抱えていた金。しかし、実際に働き始めると、予想以上に働きやすい環境であることを実感する。
「上司やプロジェクトリーダーが、仕事に慣れるまでとても親切に優しく導いてくれました。そのおかげで、入社前に感じていた不安はすぐに解消されました。仕事はもちろんですが、職場の人間関係が好きですね」
課長とは偶然にも自宅が近く、懇親会の帰りに貴重なアドバイスをもらう機会も。 また、周囲の手厚いサポートも、金にとって大きな支えとなった。
「入社後の最初の2カ月間は育成責任者の方が研修を担当していただき、その後1年間はBS(Brother & Sister)制度で先輩が総合的にサポートしてくれました。どちらの方も私より年下でしたが、年齢に関係なくフラットに接してくれたおかげで、とても働きやすかったです。
また活躍の場を与えていただき、能力を認めてもらえたことで、新人賞を受賞することができました。一人ひとりの頑張りや成果をきちんと認めて評価してくれる会社だと感じています」
プロジェクトに「不可欠」な存在へ。努力が実を結んだ新人賞受賞
金の新人賞受賞は、入社1年目の積極的な働きぶりが評価されてのことだった。プロジェクト開始時は、使用するLinux環境においてリバースプロキシ認証が必要でしたが、参考となる過去の環境には設定や構築に関するドキュメントが残されておらず、古い環境を読み解きながら新たに構築する必要がありました。
「自ら勉強したり、パートナー会社の詳しいメンバーに連絡を取って教えていただいたり。ドキュメントを整備し、問題が発生した時には製品サポートにも問い合わせながら、プロジェクトリーダーと相談して対策を考え、実装していきました」
プロジェクトリーダーからの信頼も厚く、リリースを控え、プロジェクトの成功を優先して対応にあたった。
「プロジェクトリーダーから、私の存在が不可欠であるとして、頼られていること、そしてプロジェクトに貢献できているという実感があり、嬉しく思いました」
仕事への取り組み方について、金は上司から多くを学んでいる。
「先輩は、自分が直接関わっていないプロジェクトでも、私の作業内容を把握していて、定期的に『これはどうですか?』『どれくらい終わっていますか?』と進捗を確認してくれます。
時には私が失念していた部分も指摘してもらうこともあり、細やかな気配りと責任感のある姿勢に、リーダーとしての在り方を学ばせてもらっています」
その学びを活かし、金も責任感を持って業務に取り組んでいる。
「休暇を取る際も、自分が不在の時にプロジェクトが円滑に進むよう、あらかじめ起こりうる事態を予測し、対応手順を他のメンバーに共有しています」
そして、日々の業務の成果と自身の成長が、やりがいにつながっている。
「お客さまが、私たちが作った認証経路を通じてWebサイトを利用しています。自分が携わったシステムが実際に使われているという達成感があります。
また、1年前エラーの原因の特定すらできなかったものが、今ではさまざまな技術知識を習得したことで、エラーの原因をある程度特定できるようになりました。自分の成長を実感できることが、何よりのやりがいです」
さらに高いレベルへ──挑戦を続ける先に描くリーダーへの道のり
入社から1年以上が経過し、技術者として着実に成長を遂げている金。今後のキャリアについて、明確なビジョンを持っている。
「将来的には、チームをまとめられるリーダーになることが目標です。そのためには、まず技術面でプロフェッショナルになる必要があると考えています。後輩や周囲からの質問にしっかりと答えられる技術力がなければ、信頼を得ることができないからです」
金は過去の挫折を糧に挑戦を重ねたことで、このような目標を持つに至った。
「20代前半は挫折の連続でしたが、20代後半から日本でチャレンジを重ねることで、自己肯定感が高まってきました。引き続きより高いレベルに挑戦していきたいと考えています。リーダーは誰でもできる仕事ではありません。現在の先輩や課長の姿を見て、リーダーになるために必要な資質を学んでいます」
現在は業務に関連するMicrosoft Azureや、Linux、Apacheに関する理解を深めることに注力している。
「新しいプロジェクトが始まる際、チームで試行錯誤しながら最適な方法を見つけていく場面もあります。その際に仕様書や説明書を正しく理解するためには、IT分野の基本的な知識が必要不可欠です。
すでに取得している基本情報技術者試験の資格に加えて、応用情報技術者試験やさらに上級の資格の勉強も進めていきたいと考えています」
金は、富士ソフトの魅力について、多様な人財を受け入れる企業文化を挙げる。
「富士ソフトは再挑戦の機会を与えていただき、今では充実した日々を送っています。私のように挫折を味わった方にも、努力次第で必ず道は拓けることを伝えたいです。そう言えるのは、当社には多様な背景を持つ人財を分け隔てなく受け入れる社風があるからです」
また、日本企業ならではの特徴も感じている。
「未経験者でもプロジェクトメンバーとして尊重してもらえることが印象的でした。とくに新入社員に対して、業務に慣れるための十分な時間とチャンスを与えてくれる点が素晴らしいと感じています。
技術面では、小さな可能性のリスクも排除しようとする慎重な姿勢が、品質の高さにつながっていると実感しています」
過去の経験を糧に、異国の地で新たな挑戦を続ける金。誠実さと責任感、そして成長への飽くなき探求心を持ち、今後も歩み続けていく。
※ 記載内容は2025年5月時点のものです

