TOPPANでの新しいキャリア、待ち受けていた試練
前職では、大手SIerでネットワークエンジニアとして勤務し、金融業界をはじめとするプライム企業を担当していました。構築や運用に集中する日々は非常にやりがいがあり、担当した案件数は社内記録を更新したと聞いています。それだけのめり込んでいたと思いますし、当初は将来的にITコンサルをキャリアデザインとして描いていました。
ただその一方で、次第に「もっと人と向き合う仕事がしたい」という想いが芽生えてきました。エンジニアの仕事は重要かつ魅力的ですが、私自身は誰かと直接向き合い、その人の役に立っている実感が持てる仕事に挑戦してみたくなったのです。そんな中で出会ったのが、カスタマーサクセス(CS)という職種でした。
お客さまがプロダクトを通じて成功体験を得られるよう支援する── そのミッションに強く共感し、CSを募集していたTOPPANへの転職を決意しました。
入社当初はCSの立ち上げ期で、私の仕事は『review-it! のCSとは何か』を言語化し、施策を定義すること。当時は国内にCSノウハウがまだ普及していなかったので、海外SaaSの記事を読んでCSの基礎をインプットしていました。そしてセールスメンバーと議論に議論を重ね、顧客支援で実践しては施策を見直すといった仮説検証の繰り返すの日々。それまでとまったく異なる仕事で、非常に新鮮でした。
新鮮な日々でしたが、ここで私は大きな壁に直面します。セールス経験がなかったためか、お客さまに対しての丁寧な言葉遣い、振る舞い、距離がうまくつかめず、あまりにもとつ弁になってしまうことが頻発したのです。
前職やプライベートでは、コミュケーション力の高さを評価されることも多く、『コミュニケーションおばけ』だなんて言われていたのですが、CSの現場では、同様なコミュニケーション方法を取るのは不適切だったんですね。そのため、お客さまとのミーティングでは切り替えて・・・
と行きたいところなのですが、例の『おばけ』が ── それはもう、それはそれはひどく、邪魔をしてくるのです👻👻👻
それを抑え込んでいたら、どう話せばよいのかわからなくなってしまい、私は自信を喪失してしまいました。
それまで強みだと思っていたものが足かせに変わり、かなり落ち込みましたね。
営業力に頼れないなら技術力を伸ばせばいい、週3の1on1で模索する新戦略
私が自信を失っているさなか、手を差し伸べてくれたのが、当時review-it! のPO(プロダクトオーナー)でした。焦っていた私の様子に気づき、状況を改善するため週3回の1on1によるサポートを提案されました。
最初は、お客さまとの打ち合わせにPOにも同席してもらい、後からフィードバックを受けることを繰り返してコミュニケーションの改善を試みました。POはセールス経験もあるので、コミュニケーションに関しても大変頼もしい存在です。
少しずつ改善は感じられたものの……どうしても流暢に話すことができません。
「やはり場数を踏まなければ身につかないし、数年かかる…。」そう実感したのです。
「まともにコミュニケーションできなければ、どうやってお客さまを成功に導けるんだろう」と、すっかり諦めムードを漂わせていた私でしたが、そこでPOはこう問いかけてきました。
コミュニケーション力は、CSの必須スキルなのか?
これまで、コミュニケーション力はCSに不可欠だと疑いませんでしたが、この問いかけが"前提"を自分なりに考え直すきっかけとなりました。
「CSの役割とは何か、それを担うために本当に必要なスキルとは何か」を改めて言語化していきました。 お客さまが本当に求めているのは、“成功体験”。それを支援するために必要な力とは何か──
一つひとつ分解して整理していく中で、ある戦略にたどり着きました。 「コミュニケーションでは減点を避ける。ただし加点も狙わない。その代わり、サービスに関する圧倒的な理解を武器にする」という考え方です。そしてサービスへの深い理解とはつまり、「それが持つ“技術的な付加価値”を言語化できること」とも言えると分かりました。
圧倒的な理解を身に着けるためには、実際に技術に触れるしかありません。つまり、エンジニア領域で実務経験を積む必要があると感じました。CSとエンジニアの狭間で中途半端にならないよう、CS業務から徐々にクラウドエンジニアへシフトしていくことになりました。
一度は身を引いたITエンジニアの領域が、ここにきて再び活かされることになるとは思ってもみませんでした。
多様な分野に挑戦して気づいた、ITの “面白さ”
クラウドエンジニアに転向してからも、POにはたくさん助けられました。セールスとエンジニアの両方の経験を持つPOは、review-it! 初期のクラウド設計を手がけた設計者でもありました。サービスの立ち上げ当初から現在に至るまで、アーキテクチャがどう形づくられてきたのか、そして今どんな課題があるのか。その背景を1on1の中でレクチャーしてもらうことができました。
また、会社が提供していた学習コンテンツや検証用クラウド環境をフル活用し、独学のマイルストーンとして資格取得にも力を入れながらreview-it! をクラウド面から理解することに集中しました。半年で3つのクラウド資格を取得した頃には、review-it! のクラウド構成や運用についてもかなり理解が深まっており、気づけばクラウド関連の業務をほぼ全て任されるようになっていました。
クラウド業務が自走できるようになると次の段階として、業務の一部を自動化することを考えるようになりました。社内向けの小さなWebアプリケーションを開発したいとPOやPdM(プロダクトマネージャー)に相談したところ、快くGOサインを出してもらえました。
この新たな挑戦では、クラウドの知識に加え、アプリケーションやUI/UXの知見も必要になります。さらに生成系AIを活用したことで、未経験だったPythonやJavaScriptを含む5つの言語を使って開発に挑戦しました。独学しながら、約1カ月の開発期間で完成したミニアプリは、エンジニアの工数を毎月約15時間削減し、セールスのリードタイムも最大5営業日短縮する成果を生み出しました。「チームにちゃんと貢献できた」と実感したのは、これが初めてだったかもしれません。
そして IT という世界の面白さにも気づきました。“ IT ” という言葉には、実に多様な分野が含まれています。前職のネットワークをはじめ、クラウド、Webアプリ、セキュリティ、データベースなど技術領域だけでなく、CSやセールス、マーケティングといった非エンジニア領域にもITは密接に関わっています。特定の分野に限定せず、幅広く関心を持つ姿勢こそが、ITエンジニアの技術力と視野を大きく広げてくれると、身をもって実感しました。そして、この技術力と視野の広がりは、想像以上に仕事自体への興味・関心を強めてくれます。
自分の仕事に持続的な興味・関心が湧くこと—、これは私がそれまで経験したことのない新鮮な感覚でした。
「好奇心」それは原動力
分野の広がりに触れる度に、新たな楽しみを知れるそんな感覚が、現在の私の原動力です。
当初の目的は、CSとしての武器を手に入れるためのエンジニアへの転向でしたが、今ではすっかりITとエンジニア業務に夢中です。時折、「CSがしたくてTOPPANへの入社を決意したんじゃなかったっけ?」と思い出すこともありますが、同じプロダクトチームの中でも、こうしたいろんなキャリアへの挑戦ができるのもまた、TOPPANの度量の広さではないかと思います。
私の短期的な目標は、関心の枠をさらに拡げ、それらを一つずつ身に着けていくこと。そしていつか、新しいSaaSビジネスを立ち上げる時に「エンジニアは君がいれば大丈夫」と言ってもらえるような、そんな技術力を備えていたいと思っています。
『review-it!』 はこれからさらに成長していくサービスであり、私たち自身も多様な専門性を身に着けていく必要があります。 勉強も仕事も、やはり誰かと真剣に向き合うことで面白くなるものですね。
「異なる専門性を持ったメンバーが集まったら、どんな化学反応が起きるだろう?」
「それを自分の武器=ITでどう形にできるだろう?」
そんなことを考えると、好奇心が湧いてきて仕方がありません。
「この分野なら任せて!」という方は、ぜひ私たちのチームで一緒に学び、成長していきましょう!
皆さんと一緒に新しいチャレンジを楽しみながら、ともに切磋琢磨できる日を楽しみにしています。

