技術を、どこで、どう咲かせるか
学生時代は情報学科に所属し、システム開発やデータ活用について研究していました。情報技術の基礎から応用まで幅広く学ぶ中で、ITが持つ可能性の大きさを日々実感していました。研究活動を通じて、技術そのもののおもしろさはもちろん、それを社会でどう活用していくかという視点の重要性も学びました。
就職活動では、明確な軸を持って企業を探していました。それは、IT業界以外も含めて、"自分のITスキルを活かすことができる企業" という軸です。ITという専門性を持ちながらも、その活用の場を技術分野だけに限定したくありませんでした。むしろ、多様な事業領域でITスキルを活用できる環境に魅力を感じていたのです。
TOPPANには、入社前から幅広い事業領域を持つ企業という印象がありました。印刷をはじめ、デジタルマーケティング分野のほかにも、様々な分野でビジネスを展開していることを知り、そこに大きな可能性を感じました。
入社の決め手は、二つありました。
一つは、幅広い事業領域を持っていることです。多様な事業フィールドがあることで、自分のスキルを活かせる可能性が広がると考えました。
もう一つは、ITスキルに自信がなくても、知識や経験を身につけながら成長できる環境があると感じたことです。
完璧なスキルを持って入社することよりも、入社後に成長できる土壌があることに魅力を感じ、TOPPANで働くことを決めました。
「点」としての技術が、社会のあらゆる「面」につながる場所
システム開発部門への配属が決まり、入社後は約半年に及ぶ本格的なIT研修からスタートしました。情報系の基礎技術の学習から始まり、仮想顧客に対するウォーターフォール型の受託開発を行う実践的な研修まで、システム開発の基本をしっかり学びました。この研修期間は、その後のキャリアを支える大切な土台となっています。
研修を終えてから現在まで、私はずっと同じ部門に所属しています。受託案件のシステム開発から運用保守、そして自社サービスのPdMやPMまで、幅広い役割を担ってきました。一つの部署に長く在籍していますが、決して単調な仕事ではありません。むしろ、様々な業界や技術に触れることができました。
入社して感じた大きなギャップは、TOPPANの事業領域が想像以上に広かったことです。ICT開発センターという一つの組織にいながら、関わる業界は「教育・文化」「流通・小売」「製造」まで多岐にわたります。業界ごとに求められる技術スタックやドメイン知識が異なるため、常に新しい学びがあります。特定の業界に特化せず、ITの力で社会のあらゆる接点を変えていける…これは、多様な顧客基盤を持つTOPPANならではの特徴だと思います。
また、若手の頃から大規模案件に参加し、一から開発を経験することができました。責任ある仕事を任せてもらえる環境で、早い段階から実践的なスキルを磨けたことは、大きな成長の機会となりました。
技術が「形」になり、社会に溶け込んだ経験
現在、私はICT開発センターDXソリューション開発二部で、若手メンバーが多数所属するグループのリーダーと、デジタルアセットマネジメントシステム-TOPPAN Light-DAM の開発リーダーを務めています。エンジニア9年目として、受託開発を中心にフロントエンド、バックエンド、インフラ構築まで幅広く経験してきました。いわゆる、フルスタックエンジニアとして活動しながら、近年は自社サービス開発にも携わり、サービス改善や販促施策を通じて事業成長に貢献しています。
仕事で最も印象に残っているのは、大規模プロジェクトである、新設図書館のデータ管理システム開発に携わったことです。利用者がサイネージを使って楽しく書籍を探したり、新しい本との出会いを体験することができる、近未来的な図書館の実現に貢献しました。書籍だけでなく様々なデータを管理するシステムで、BtoBの案件でしたが、最終的に消費者が触れる部分に携われたことに大きなやりがいを感じました。今まで対顧客の仕事では味わえない嬉しさがありましたね。
もちろん、順風満帆だったわけではありません。リリース作業中に想定外の問題が発生し、元々担当していなかった部分を対応しながら、他チームメンバーと一緒に解決にあたったこともあります。チームの枠を超えて総出でリカバリしたこの経験から、潜んでいるリスクを想定して開発するようになりました。この失敗は、私の開発スタイルを大きく変える転機となったのです。
リーダーとして、メンバーの育成にも力を入れています。技術的な相談を受けた際、すぐに正解を教えるのではなく「どの資料を調べ、どう仮説を立てたか」という思考プロセスを問いかけることを心がけています。現在は、グループメンバーと共に最新技術「Codex」を用いた実験的開発にも挑戦中です。単なる技術習得で終わらせず、各メンバーが現在の案件で抱えている現場のリアルな課題を抽出することからスタートしました。学生時代と比べて、開発力・技術力への自信と顧客目線での開発スキルが大きく成長したと感じています。
技術と組織の両輪で築く、次世代エンジニアリングマネージャーへの道
短期的には、これまで培ってきた知識を土台に、新たな技術を取り入れたサービス開発に携わりたいと考えています。単に新しい技術を使うことが目的ではありません。エンジニアがよりクリエイティブな設計に集中できる環境を「サービス」としてチームや会社全体に提供することに、今とても関心があります。そしてエンジニアリングマネージャーを目指し、後輩のメンタリングや採用活動にも積極的に関わることでマネジメントスキルを磨いていきたいと思っています。
こうした「組織」や「人」への意識が強まったのは、過去の苦い経験があったからです。プロジェクトの遅延や品質問題の背景には、技術以前にコミュニケーションの不足や目標設定の曖昧さにあることを、何度も目の当たりにしてきました。
だからこそ、そういった現場の課題解決に加えて、今後はビジネスの成長を見据えたリソース配分や技術選定ができる判断力を磨いていきたい。それが、エンジニアがもっと楽しく、生産的に働ける環境づくりにつながると信じています。
TOPPANのおもしろさは、100年以上の歴史が築いた信頼基盤があるからこそ、驚くほど多様な領域にチャンスが転がっていることだと考えています。正解が一つではないからこそ、「今ある課題に、技術でどう立ち向かうか」を自ら問い、発信できる人にとっては、これ以上なく刺激的な環境だと思います。私自身、そうやって能動的に動く仲間と切磋琢磨できる瞬間が、一番のやりがいです。
ITスキルに自信がなかった私が、大規模プロジェクトの経験や失敗、そして現在のCodexを用いたチーム改善活動を通じてエンジニアとしての視野を広げてこれたのは、TOPPANに「挑戦による失敗」を財産として捉え、次のステップへ背中を押してくれる懐の深さがあったからです。長い歴史で培われた揺るぎない基盤があるからこそ、私たちは失敗を恐れずに新しい技術や組織づくりに挑むことができます。
これからも「技術を楽しみ、それを組織や社会の力に変えたい」と願う仲間と共に、変化を恐れず歩んでいきたいです。個人の成長をチームの成長と結び付け、自分の喜びとして共有できる仲間と一緒に歩んでいけたら、これほど心強いことはありません。
