「超一流」を目指して。チームを導く二つの信条
私は現在、TOPPANデジタルのICT開発センター DXソリューション開発一部に所属しておりグループリーダーを務めています。私たちのチームが掲げるミッションは「超一流のトップクラウドエンジニアチームの実現」と「技術広報の仕組み化」です。その達成に向け、日々邁進しています。
主な業務は、同じ部門の他チームへの技術・開発支援やAWSを活用したシステム基盤の強化・運用・拡大です。
例えば、部署内に散在する多数のAWSアカウントのアクセスを集約するSSO(シングルサインオン)の導入や、AWSのベストプラクティスに準拠したアーキテクチャのレビューなど。既存案件が対象となるため、負荷とコストをいかに最小限におさえ、短期間で実現するか、常に知恵を絞っています。
これらの基盤を活用して既存案件のセキュリティ強化や業務効率化を支援する中で、現場の潜在的なニーズをくみ取り、それを新たな案件の創出へと繋げていくことも、私たちの重要な役割です。最近では生成AIによる開発・運用効率化にも着手し、まずは私たちが先陣を切ってその有効性を部門内、ひいては社内に示していきたいと考えています。
グループリーダーとしては、チームのミッションと各メンバーの目標を結びつけ、チーム全体の成長を力強く推進することが求められます。1on1を通じて、メンバー一人ひとりの現状、目標、得意・不得意、理想の姿などを丁寧にヒアリングし、最適な成長機会を創出できるようグループ内に限らず部門内で調整しています。
私が仕事で何よりも大切にしている信条の一つが「和を以て貴しとなす」です。チームの和を保つためには、認識の齟齬は大きな障壁となります。私自身は口下手で言葉足らずな面があり、意図が正確に伝わらないことも少なくないため、少しでもコミュニケーションに隔たりを感じたら、すぐに対話の機会を設けるようにしています。
もう一つの信条は「三現主義」です。「現場」「現物」「現実」と真摯に向き合い、思い込みや憶測で判断せず、関係者の声に耳を傾けることを常に心掛けています。
「超一流のトップクラウドエンジニアチーム」という大きな目標に向け、「資格取得」「技術習得」「広報」の三本柱を立てました。資格取得で知識を蓄え、実践で知恵に変え、広報で発信する。このサイクルを継続的に回すことで、チーム全体の持続的な成長を目指します。
理想と現実の狭間で。戦略部門での葛藤から学んだこと
私のキャリアにおける大きな転機は、数年前のクラウド戦略部門への異動でした。それまで開発やプロジェクトマネジメントを経験してきましたが、AWS基盤の構築・運用に本格的に携わることで、新たな世界が広がりました。
その部署では「正しくつくる」を目標に、最新トレンドを捉え、社内外と連携してベストプラクティスの実現を推進していました。オブザーバビリティの導入など、技術だけでなく組織文化の醸成といった新しい挑戦ができたことは、非常に刺激的な経験です。
AWSの研修や資格取得にも夢中で取り組みました。学べば学ぶほど、その技術領域の広さと深さに日々圧倒されました。「これだけ理解できた」という自信と、「まだ何も知らない」という感覚が交互に押し寄せましたが、新しい知識を得る楽しさが、私を前進させてくれました。
しかし次第に、理想と現実のギャップに直面します。私たちの取り組みを現場に説明しても、それは知識ベースの内容にとどまっていたため、経緯や目的には一定の理解を得られるものの、「では実際にどう利用するのか」という点では、実績不足から納得を得られませんでした。また、活動自体の認知度が低く、実践の場を設けるための調整も難航しました。本来であれば、もっと現場に足を運び、対話を重ね、課題を吸い上げ相互理解を深めておくべきでした。その状況に自信を失い、負のスパイラルに陥った時期もありました。
この苦い経験が、「知識は現場での実践を経て初めて“知恵”になり、その“知恵”こそが現場で活用される」という、今の私の揺るぎない信念を形作りました。机上の空論ではない、現場に根差した取り組みこそが必要だと痛感したのです。
こうした気づきから、より現場に近い立場で自身の知識や経験を活かす必要性を痛感していた矢先、2025年4月に現在の部署への異動が決まりました。多様な案件に携わり、現場と密接にコミュニケーションを取りながらチームとして成長できるこの環境は、まさに私が求めていた理想的なものでした。
理想論から現実解を導く、新チームで身についた「知恵」
以前の部署では個人プレーでの業務が中心だったため、現在のチームに配属された当初は、メンバーとの何気ない会話にも苦手意識がありました。この壁を乗り越えるため、メンバーの出社日に合わせて対面の機会を積極的に設け、朝会や夕会の進行役という立場も活用しながら、チームとの対話を重ねていきました。
また、以前はイネーブリングやガバナンス推進が中心で、実際の開発作業からは距離がありましたが、今は実際に開発案件に携わることも私の重要な役割です。日々クラウドサービスを実践的に使いこなすメンバーとの技術的な差を痛感し、正直なところ焦りも感じています。この差を埋めるべく、案件理解に加え、最低限の技術的な会話ができるレベルを目指し、今も地道に学習と実践を続けています。
こうした日々の中で、少しずつですが知識を実践的に活用する「知恵」が身についてきたと感じています。
例えば、AWS活用のガバナンスについて、以前は理想論やトップダウンのアプローチに偏りがちでしたが、今は現場の実情や課題を踏まえた解決策を考え、その手応えを実感できる場面が増えてきました。
課題を検討する際に「その前提は本当に正しいのか?」と常に事実に基づいて確認する習慣が身についたことも大きな変化です。これにより、現場の実態を無視した非現実的な施策を避けられるようになり実効性の高い提案ができるようになったと実感しています。
技術を武器に、自身とチームをアップデートし事業創出へ
現在、私たちのチームは同じ部門内の他チーム支援がメインの役割ですが、今後は事業面でも大きく貢献していきたいと考えています。チームの技術力と技術広報を強みとして、これまでとは異なる経路での案件獲得を目指します。そのために、まずは私たちの技術力、人財力、チーム力を社内外に積極的にアピールしていきます。
当面の目標は、現在の取り組みと関連性の高い案件や成果を1件でも獲得することです。将来的には、当部門の商材やナレッジと私が培ってきた知見を融合させた新事業開発に挑戦したいと考えています。特に、AWSなどのクラウドサービスと生成AIを活用し、社会課題を解決する社会インフラの構築に強く惹かれています。
幸いにもTOPPANには幅広い業種の顧客基盤があり、自分の「やりたいこと」を見つけられる環境が整っています。また、多様な人財が集まり、事業ポートフォリオの変革が進む今こそ、新たな挑戦の機会に恵まれています。
そのような環境の中、今後も自身の成長に向けて主体的に信念をもちながら何事にも積極的に飛び込んでいくと同時に、メンバーをリードしチームとしての成熟度も高め成果に結びつけていきたいです。

