新たな価値を創造する、AIと共に歩む挑戦
私は現在、TOPPANでプロジェクトマネージャー兼エンジニアとして、「AI業務支援ソリューション」の立ち上げに取り組んでいます。このプロジェクトは、私たちがこれまでの受託開発で培ってきた経験とナレッジを活かしながら、そこにAIという新しい技術を融合させた自社サービスの開発を目指すものです。
特に力を入れているのが、AI画像判定を活用したソリューションです。私たちを取り巻く環境を見渡してみると、SaaSサービスの台頭により従来型の受託案件が減少傾向にあることに気づきました。そこで、自社サービスの立ち上げを検討する中で、近年大きな注目を集めているAI技術に着目しました。AIを活用することで、これまでになかった新しい価値を生み出せるのではないか。そんな期待を胸に、このプロジェクトをスタートさせました。
現在のプロジェクトチームは、私を含むプロジェクトマネージャー(PM)とプロジェクトメンバー、そしてAI画像判定技術に精通した開発ベンダーのメンバーで構成されています。週に1回、進捗定例会を開催し、新規や更新のあったタスクの情報共有や進捗状況の確認を行っています。タスク管理ツールを活用しながら、着実にプロジェクトを前に進めています。
私自身は、PMとして事業計画の検討から始まり、全体の進捗管理、コスト管理、品質管理、そしてステークホルダーとのコミュニケーション管理まで、幅広い役割を担っています。現在は実際に構築したシステムを使用したPoCを実施しており、2026年の正式リリースという目標に向けて、チーム一丸となって取り組んでいます。
仕事をする上で私が常に大切にしているのは技術への探究心です。 新しい技術への興味は私の原動力の一つです。特に最近は、AIに関する技術の進歩が目覚しく、それをどのように実際のサービスに落とし込んでいくのか考えることにやりがいを感じています。
未知の領域への挑戦 〜自社サービス立ち上げの軌跡〜
私がこのプロジェクトに参画することになったきっかけは、AI画像判定エンジンを活用したシステムの開発を担当していたことでした。これまでは受託開発の経験しかなかったため、自社サービスの立ち上げという未知の領域に足を踏み入れることに、正直な気持ちとして不安もありました。
最初に取り組んだのは、自社サービスの立ち上げに必要なタスクの洗い出しです。社内の承認フローの再確認から始め、一般的に自社サービスを立ち上げる際に必要となる要素を一つひとつ丁寧に調査していきました。これまでの受託開発とは異なり、完全に手探りの状態からのスタートでした。
特に苦労したのは、事業計画の検討やサービス名称、コンセプトの検討など、受託開発では経験したことのないタスクへの対応です。例えば、プライシングの設定には現在も頭を悩ませています。高すぎれば利用していただけず、かといって安すぎれば収益を上げられない。この微妙なバランスを見極めることの難しさを日々実感しています。
また、受託開発では特定の企業との1対1の関係でしたが、自社サービスでは不特定多数の企業に利用してもらうことを想定しなければなりません。どんな機能が必要で、何が不要なのか。この見極めにも大きな労力を要しました。
これらの課題に対しては、最新のAIチャットボットも活用しながら、チームメンバーと積極的に意見を出し合い、認識合わせを行ってきました。良いアイデアがあれば積極的に取り入れるという方針で、チーム全体で知恵を出し合いながら進めています。
まだ完全に乗り越えたとは言えない課題もありますが、少なくともリリースに向けた対応については、徐々に輪郭が見えてきたと感じています。PMとして、プロジェクト全体の進捗管理やドキュメントのレビュー、システムの方向性や機能の検討など、様々な役割を担いながら、一歩一歩着実に前進を続けています。
技術の進化がもたらす新たな可能性、日本社会を突き動かすDXの波
システムの要件定義を開始してから半年が経過し、現在は一部のシステム構築が完了して本格導入に向けたPoC(実証実験)を実施している段階です。具体的には、実際の店舗でサービスを試験的に利用していただき、AI画像判定の精度やアプリケーションの使いやすさなどについて、実地での検証を進めています。
特に嬉しく感じているのは、このPoCの実施が確定し、私たちが開発しているシステムへのニーズを確認できたことです。さらに、開発中のシステムを引き合いに、新たなシステム開発の相談が増加していることも喜ばしいです。例えば、AI画像判定技術を活用した店舗での商品棚卸業務への応用など、業種や部門を問わず、多岐にわたる相談をいただいています。
社内からの反応も非常に好意的で、「お客さまとのやり取りに役立っている」「いろんなことに応用できそう」といった声を受け、社外からの反応にも期待が高まります。
このプロジェクトを通じて、私が特に強く実感したのは、日本でデジタルトランスフォーメーションが提唱されてから5年以上が経過しているにもかかわらず、まだまだアナログ業務が多く残されているという現実です。しかし、それは同時に大きな可能性も示唆しています。
最近では、AI画像判定技術の進歩が目覚しく、これまで専用機器が必要だったチェック業務や棚卸業務などを、スマートフォンやタブレット端末のカメラを使ってAIが判断することが可能になってきています。それに加え、従来は人の目に頼るしかなかった業務に関して、AI技術を活用した効率化や精度向上が実現可能になってきているのです。
このような事例は、私たちのシステムの価値を裏付けるとともに、将来性を示しています。AIを活用した業務のデジタル化は今後さらに拡大していくと確信しています。
AIと人が共生する未来へ向けて
私はこれまで主に受託開発に携わってきましたが、自社サービス開発では異なる視点が必要だと実感しています。特に重要なのは、ユーザーのニーズを深く理解し、それをサービスの価値として具現化していく能力です。
受託開発でも、お客さまの曖昧な要望を具体的な要件に落とし込む際に「なぜこれが必要か」「この機能で本当に課題は解決されるか」と一歩踏み込んで考える経験を重ねてきました。
これらの経験を活かし、私たちのサービスを導入したお客さまが実際に業務効率化や負担軽減を達成できているかを重要指標として捉えています。一つひとつのフィードバックに真摯に向き合い、ユーザーの期待に応えることで、サービスの価値を高めていきたいと考えています。
また、組織としては従来からの事業柱である受託開発で培った高い技術力と、自社サービス開発で得られる「ユーザーの声を直接聞きながらサービスを育てる」という経験を融合させていきたいと考えています。そのために、受託開発チームと自社サービス開発チームが互いのナレッジを共有し合う勉強会なども積極的に開催していきたいです。
私が思い描くAIと人との理想的な関係性は、AIが「賢いアシスタント」や「信頼できるパートナー」として機能する世界です。AIが人の仕事を奪うのではなく、面倒で手間のかかる作業を効率的に処理することで、人々がより創造的な活動に時間を使えるようになる。そんな社会の実現に、このプロジェクトを通じて貢献していきたいと考えています。

